「裏上野」は上野駅の反対側に広がるもう1つの上野
上野と聞くと、上野公園や動物園、アメ横を思い浮かべますが、駅の東側へ回ると街の表情が一変します。『あさイチ 上野界わいブラリ旅(2026年9月3日)』で取り上げられる**「裏上野」**は、昔ながらの専門店街と新しい店が同居する東上野界わい。どこを歩けば楽しめるのか、街の成り立ちと合わせて紹介します。
この記事でわかること
- 「裏上野」と呼ばれるエリアの位置関係
- アメ横側とは違う東上野の特徴
- キムチ横丁・仏壇通りなど昔から残る街
- 下谷神社や新しい店をつなぐ散歩の楽しみ方
裏上野は上野駅東側の東上野を中心に歩くと分かりやすい
(出典:台東区公式観光情報サイト「徒歩で行ける! 浅草から上野まで、寄り道も楽しい観光ルート案内」)
「裏上野」は行政上の住所名ではなく、上野駅の東側に広がる東上野界わいを表す呼び名として使われています。実際に東上野2丁目の店舗が「裏上野」と案内してきた例もあります。
位置をつかむには、いつもの上野と比べると分かりやすいです。
上野公園、上野動物園、美術館などは駅の西側。アメ横はJR上野駅から御徒町駅へ続く線路沿い約500mに広がります。一方、駅から反対の東側へ進むと東上野に入り、その先に稲荷町、さらに浅草へと街が続いています。
人でにぎわう観光名所から数分歩くだけなのに、路地や昔からの商いが残る街へ変わる。このギャップこそ、裏上野を歩く面白さです。
アメ横とは違い昔からの専門街が今も残っている
東上野を面白くしているのは、新しいカフェやショップだけではありません。
むしろ先に存在していたのは、非常に専門性の高い商いの街です。
東上野2丁目には韓国料理店街、3丁目から浅草通り沿いには神仏具の専門店街があります。その間に神社、問屋、オフィス、住宅が入り組み、さらに近年は古い建物を活用した店も加わっています。
「新しいおしゃれスポットだけを巡る街」というより、古い上野の上に新しい店が重なっている街と考えると、裏上野らしさが分かりやすくなります。
東上野2丁目には1948年ごろから続く「キムチ横丁」がある
東上野を歩くなら知っておきたいのが、東上野韓国料理店街です。
昭和通りの東側付近に焼肉店、韓国料理店、キムチなどを扱う食材店が並び、**「キムチ横丁」**とも呼ばれています。
始まりは戦後間もない1948年ごろ。焼肉店や精肉店、民族衣装店などが集まったことから形成されました。台東区も、都内で最も長い歴史を持つコリアンタウンとして紹介しています。
新大久保のような大規模な韓国街とは雰囲気が違い、範囲は比較的コンパクトです。
銀座線上野駅から徒歩約5分、JR御徒町駅からも徒歩約7分なので、「上野まで来たけれどアメ横以外にも行ってみたい」というときに寄り道しやすい場所です。
東上野3丁目の「仏壇通り」には約60店の専門店が並ぶ
さらに浅草方向へ歩くと、浅草通り沿いに仏壇や仏具を扱う店が次々に現れます。
ここは東上野神仏具問屋街。別名「仏壇通り」と呼ばれ、神仏具の専門店がおよそ60店並んでいます。
これほど店が集まった背景には江戸の歴史があります。
1657年の明暦の大火後、幕府によって周辺に多くの寺院が集められ、それに伴って仏壇や仏具を作る職人も集まるようになりました。
上野駅から徒歩約4分ほどで、この景色に入れるのも驚くところです。
動物園、アメ横、美術館だけを歩いていると気付きにくい、**「商いと職人の上野」**が残っています。
下谷神社は裏上野から稲荷町へ歩く目印になる
(出典:台東区公式観光情報サイト「下谷神社」)
東上野3丁目で大きな鳥居が見えてきたら、そこが下谷神社です。
730年創建とされ、都内で最も古い「お稲荷様」として知られています。さらに境内には**「寄席発祥之地」**の石碑があります。
1798年、後に初代三笑亭可楽となる京屋又五郎が入場料を取って興行を行ったことが、寄席の始まりとされています。
現在の住所は東上野ですが、地下鉄の**「稲荷町」**という駅名も下谷神社と関係しています。
上野駅からは徒歩約7分、銀座線稲荷町駅からは徒歩約2分。裏上野を歩いてさらに浅草方面へ進むときの分かりやすい目印になります。
元工場から生まれたROUTE BOOKSに東上野の新しい流れが見える
(出典:ROUTE BOOKS公式サイト)
昔ながらの専門店街と対照的なのが、東上野4丁目にあるROUTE BOOKSです。
始まりは、約10年間使われていなかった元工場。リノベーションを手掛ける工務店が建物を生かしながら、本や植物、家具、雑貨などを届ける場所へ育ててきました。
書店では小さな出版社や自費出版の本なども扱い、植物や廃材を利用して作られた家具・雑貨なども並びます。同じ建物には植物や陶芸など、ものづくりにつながる空間もあります。
古い建物を全部壊して新しくするのではなく、街に残っていたものを生かして新しい場所へ変えていく。
東上野でおしゃれな店が増えている背景を知るうえでも、象徴的な存在です。
上野駅から東上野を歩けば半日散歩にもできる
上野駅の東側はスポット同士の距離が近いため、1か所だけを目指すより街ごと歩くのが向いています。
例えば、上野駅から東上野2丁目のキムチ横丁へ入り、そこから下谷神社、仏壇通り、ROUTE BOOKSへ向かえば、食・歴史・職人文化・新しい店を一度に感じられます。
さらに東へ進めば稲荷町、その先は田原町、浅草です。台東区の観光案内でも、浅草と上野の中心部は浅草通り経由で約2.3km、徒歩25~30分ほどと紹介されています。
上野公園やアメ横を見終えたところで帰ってしまうと、この一帯にはほとんど足を踏み入れません。
だからこそ、混雑した定番スポットとは違う上野を歩いてみたい人には、東側へ少し足を延ばす価値があります。
裏上野の面白さは「新しい店」だけではない
裏上野を歩いて見えてくるのは、単純な「上野の穴場」ではありません。
1948年ごろから続くキムチ横丁、江戸時代から職人が集まった仏壇通り、730年創建とされる下谷神社。その間に、古い工場や建物を生かした新しい店が加わっています。
上野駅からほんの数分なのに、アメ横や上野公園とは違う時間が流れているように感じられる場所です。
「裏上野」という言葉が気になったら、まず上野駅の東側、東上野から稲荷町方面へ。観光名所を1つ見るというより、路地を歩きながら街の新旧を探す楽しみ方が似合います。
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