帯広だけに残った世界唯一の「ばんえい競馬」
2026年10月9日放送の『かのサンド ゴールデン2時間SP』では、北海道横断550kmの旅で帯広へ向かい、「ばんえい十勝」が登場します。ばんえい十勝公式でも、10月9日の番組で紹介されることが告知されています。
一般的な競馬とはまったく違い、体重約1トンの巨大な「ばん馬」が重い鉄そりを引き、2つの坂が設けられた直線200mを進む競技です。現在、この形の競馬を開催しているのは北海道帯広市の帯広競馬場だけです。
この記事でわかること
- ばんえい競馬が「世界唯一」と呼ばれる理由
- 約1トンのばん馬が挑む200mコースの仕組み
- 北海道開拓から現在へ続いた歴史
- 帯広競馬場の場所・料金・直近の開催日程
ばんえい競馬は1トン級の馬が最大1トンの鉄そりを引く

ばんえい競馬を初めて見ると、普段イメージする競馬との違いに驚きます。
主役となる「ばん馬」は馬体重約1トン。サラブレッドが軽快に芝やダートを駆け抜ける競馬とは違い、大きな馬が鉄そりを引いて、一歩ずつ砂のコースを前へ進んでいきます。
ばんえい十勝公式では、鉄そりの重量は最大約1トンと紹介されています。力だけで押し切る競技ではなく、馬のパワー、持久力、そして騎手がどこで馬を休ませ、いつ障害へ向かわせるかという判断が勝敗を左右します。
最大の特徴は「途中で止まることがある競馬」という点です。
勢いのままゴールまで走り続けるとは限りません。騎手が意図的に馬を止め、呼吸を整え、第2障害を越えるための力を残すことがあります。
この「待つ時間」まで勝負の一部なのが、ばんえい競馬の面白さです。
コースは直線200m、勝負を分ける第2障害は高さ1.6m
ばんえい競馬のコースは直線200m。1頭ずつ幅1.8mのセパレートされたコースを進みます。
途中には2つの大きな障害があります。
- 第1障害:高さ1m
- 第2障害:高さ1.6m
- コース全長:200m
- 1コースの幅:1.8m
最大の山場となるのが第2障害です。
巨大なばん馬が重いそりを引いたまま坂へ挑み、前脚を高く上げて頂上へ迫ります。しかし、勢いを失えばそこで止まってしまいます。
そのため第1障害を越えたあと、騎手がいったん馬を止める場面も珍しくありません。第2障害へ向かうタイミングを見極めながら、最後までそりを運び切る力を残します。
観客からすると、先頭の馬がそのまま勝つとは限らないのも見どころです。
第2障害を越えられずに止まっている間に、後ろから来た馬が一気に逆転することもあります。
ゴールは馬の鼻先ではなく「そりの最後部」
ばんえい競馬には、もう1つ大きな違いがあります。
一般的な競馬では馬の鼻先がゴールラインを通過した順番で着順が決まりますが、ばんえい競馬では違います。
ゴールとなるのは、馬が引いている「そりの後端」がゴールラインを完全に通過した瞬間です。
つまり馬だけがゴールラインを越えても、まだレースは終わっていません。
最後まで荷物を運び切るという競技の成り立ちが、そのまま現在のルールに残されています。
ゴール直前で馬の脚が止まれば、後ろから来た馬に逆転されることもあります。
「もう勝った」と思ってから結果が変わる可能性があることも、ばんえい競馬ならではです。
ばんえい競馬は北海道開拓時代の農耕馬から生まれた
なぜ北海道に、このような競馬が生まれたのでしょうか。
その原点は1900年ごろの北海道開拓時代にあります。
当時の北海道では、農耕馬は畑を耕すだけでなく、木材や農産物など重い荷物を運ぶ重要な存在でした。トラクターやトラックが普及する以前、馬の力は北海道の暮らしを支えていました。
農民たちは、自分たちの馬の力を競わせるようになります。
最初は2頭の馬をつないで引っ張り合わせるような力比べが行われ、その後、そりへ重い荷物を載せて引かせる形へ変化。「お祭りばん馬」として各地へ広がっていきました。
単なる娯楽として生まれた競馬ではなく、北海道を開拓した農耕馬の力比べがルーツなのです。
現在のばんえい競馬にも、重い荷物を最後まで運び切るという当時の馬の仕事が色濃く残っています。
かつて北海道4都市で開催、現在は帯広だけに残った
ばんえい競馬は、最初から帯広だけで行われていたわけではありません。
かつて北海道では、
- 帯広
- 旭川
- 岩見沢
- 北見
などで開催されていました。
時代の変化とともに開催地が減っていき、現在は帯広競馬場が唯一の開催地となっています。
だからこそ「ばんえい十勝」は、一つの競馬場の名物を超え、北海道の農耕馬文化を現在へ伝える場所でもあります。
大きな馬がそりを引く競技の迫力だけでなく、その姿の背景に北海道開拓の歴史が続いていることが、ばんえい競馬の大きな特徴です。
競走馬はコースのすぐ横から追いかけて観戦できる
帯広競馬場での観戦方法も独特です。
直線200mのコースに沿って観客が移動できるため、走る馬と一緒にゴール方向へ歩きながら声援を送ることができます。公式サイトでも、コースサイドを馬と一緒に進みながら応援できることが、ばんえい競馬ならではの魅力として紹介されています。
巨大な馬が砂を蹴り、重いそりを動かす様子を横から間近で見られます。
スピードで一瞬にして通り過ぎる平地競馬とは違い、目の前で馬が力を振り絞って進む時間を長く見られるのも特徴です。
特に高さ1.6mの第2障害は、ばん馬の巨大さと力強さを実感しやすい場所です。
冬でも開催できるようコースにはヒーティング設備
北海道・帯広の冬は厳しい寒さになりますが、ばんえい競馬は通年開催されています。
そのため本走路にはヒーティング設備が設けられています。
冬季には走路の凍結を防ぎながらレースを開催。夏のナイターから雪景色の冬まで、季節によって異なるばんえい競馬を見ることができます。
北海道の競馬というと冬季休業を想像しやすいですが、ばんえい十勝は冬にも馬が走ります。
雪と寒さの中で巨大なばん馬が白い息を吐きながら鉄そりを引く光景も、帯広ならではです。
放送翌日の10月10日から3日連続でレース開催
『かのサンド』放送日は2026年10月9日(金)ですが、この日はばんえい競馬の開催日ではありません。
直近では翌日から3日連続で開催されます。
- 10月10日(土):第1R 14時25分、最終12R 20時30分
- 10月11日(日):第1R 14時30分、最終12R 20時45分
- 10月12日(月):第1R 14時30分、最終12R 20時30分
10月10日と11日は9時20分開門、10月12日も9時20分開門予定です。
テレビを見て「実際に行ってみたい」と思った場合、放送翌日からすぐに本物のレースを観戦できる日程になっています。
開催時刻はイベントなどで変更される場合があるため、訪問前には公式の開催日程を確認してください。
帯広競馬場は帯広駅からタクシー約7分
帯広競馬場は帯広市中心部にあり、観光旅行でも比較的立ち寄りやすい場所です。
- 施設名:帯広競馬場
- 所在地:北海道帯広市西13条南9丁目
- 帯広駅南口から:タクシー約7分
- 芽室帯広ICから:車約15分
- 音更帯広ICから:車約15分
- とかち帯広空港から:車約40分
- 駐車場:400台
- 現在の入場料:無料
帯広駅バスターミナルから十勝バスを利用し、「帯広競馬場前」で下車する方法もあります。
競馬場内にはスタンドだけでなく、ビギナーコーナー、資料館、食堂、売店なども設けられています。
競馬を普段見ない人でも、北海道独自の馬文化を体験する観光スポットとして訪れやすい施設です。
まとめ
『かのサンド』北海道横断SPで帯広を訪れるなら、見逃せないのが「ばんえい十勝」です。
体重約1トンの巨大なばん馬が、最大約1トンの鉄そりを引きながら直線200mを進み、高さ1mと1.6mの2つの障害を越えてゴールを目指します。
速さだけでは決まりません。
第2障害を越える力、途中で馬を休ませる騎手の判断、そして最後までそりを運び切る持久力が勝負を左右します。
そのルーツは北海道開拓を支えた農耕馬。かつて北海道各地で行われていた文化が現在は帯広に受け継がれ、世界で唯一の競馬として続いています。
しかも2026年10月9日の放送翌日から10月10日、11日、12日とレースが開催予定です。
テレビで見る巨大なばん馬の迫力を、そのまま帯広競馬場で体験できるタイミングになっています。
参考リンク
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