夜泣きの夜に「行ける場所」をつくった森本夫妻
赤ちゃんが泣き止まず、家族みんなが眠れない。そんな深夜に、親子で立ち寄れる場所を徳島につくったのが森本裕大さん・柚花さん夫妻です。『日本のチカラ(夜泣きカフェを続ける森本夫妻)(2026年8月22日)』では、無料の夜の居場所を本業や育児と両立しながら続ける2人の姿が描かれます。よなきかふぇ enentoが生まれた理由から、運営の仕組み、利用方法、現在の広がりまで整理します。
この記事でわかること
- よなきかふぇ enentoがどんな場所なのか
- 森本裕大さん・柚花さん夫妻が始めた理由
- 無料で親子を受け入れる活動を支える仕組み
- 開催場所や利用前に確認したいポイント
夜泣き中の親子が深夜に過ごせる無料の居場所
よなきかふぇ enento(エンエント)は、赤ちゃんの夜泣きや子育ての不安を抱える親子が、夜中でも安心して過ごせるようにつくられた居場所です。
大きな特徴は、赤ちゃんを「泣き止ませるための施設」ではないことです。
泣いていてもいい、保護者が誰かと話してもいい、疲れていれば横になってもいい。夜泣きそのものを解決するよりも、親が孤独な夜を1人で抱え込まないことを大切にしています。
2026年8月22日に紹介される取り組みでは、対象は1歳6か月までの赤ちゃんとその親で、午後8時から翌朝6時まで無料で過ごせる形となっています。
授乳や仮眠ができるスペースがあり、おむつやミルクなども用意されてきました。夜中に赤ちゃんを連れて出かけるとなると荷物だけでも大変ですが、「手ぶらでも立ち寄れる場所」を意識している点も特徴です。
森本夫妻が活動を始めた原点
運営するのは、子育て支援団体一般社団法人はぐっとの代表を務める森本裕大さんと、enento店長の森本柚花さん夫妻です。
2人にとって夜泣きは、外から見ていた子育ての課題ではありませんでした。
夫妻自身も長男の夜泣きに悩み、夜中に子どもと向き合い続ける時間の大変さを経験しています。
柚花さんは、子育て中の夜に不安を抱えても、周囲へうまく助けを求められない経験を振り返っています。裕大さんも他地域の夜間支援の事例に触れ、徳島にも継続的に親子を受け入れられる場所が必要だと考えるようになりました。
そこから生まれたのがenentoです。
困っている親に「頑張って乗り切って」と伝えるのではなく、「困った夜に実際に行ける場所をつくる」という方法を選んだことが、夫妻の活動の核になっています。
障害児支援と子育て支援を両立する仕事
森本夫妻が取り組んでいるのは夜泣きカフェだけではありません。
本業では障害児通所支援にも携わりながら、子育て支援活動や日中のカフェ運営、そして自分たちの子育ても続けています。
徳島県では2026年、一般社団法人はぐっとの森本裕大さんによる「食・居場所・相談支援を一体的に行い、孤立しない子育て環境を地域でつくる支援事業」が「あったかビジネス事業計画」に認定されています。
夜泣きだけを切り取って支援するのではなく、子どもの発達、食事、家庭の孤立、保護者の相談などをつなげて考えているのが特徴です。
その一方で、支援活動を増やすほど、家族と過ごす時間や本業との両立という課題も生まれます。
人を支える活動だからこそ、運営する側が無理をし続ければ長くは続きません。夫妻が活動と家庭のバランスを模索していることも、enentoを知るうえで大切な部分です。
利益を求めず運営を続ける仕組み
enentoは、親子から料金を取って利益を出す一般的なカフェとは目的が異なります。
対象となる親子が無料で利用できる形を続けるには、場所、人員、食事、おむつやミルクなど、さまざまな費用が必要です。
活動を支えてきたのが、企業や個人からの寄付、スポンサー、支援物資、ボランティアです。
親子向けの入場料についても、活動初期から企業スポンサーの支援によって無料化が進められました。運営費や食材を企業・個人の寄付で支え、子育て経験者や保育関係者、学生などが活動を支える形もつくられています。
一般社団法人はぐっとはクラウドファンディングも活用し、離乳食、オムツ、ミルク、食材などを必要な家庭へ届ける活動につなげてきました。
つまりenentoは「無料のお店」というより、地域から集まった支援を、孤独になりやすい親子へ届ける仕組みと考えると分かりやすいでしょう。
一般社団法人はぐっとが手掛ける親子支援
enentoを運営する一般社団法人はぐっとは、徳島県で「ひとりにしない子育て」を掲げて活動する福祉団体です。
夜間支援だけではなく、活動は幅広くなっています。
親子未来食堂、赤ちゃん食堂、こども食堂、食品や日用品を届ける支援、ひとり親家庭支援、産前産後支援、親子向けイベントなど、家庭の状況に応じて複数の入口を用意しています。
子育て中の困りごとは1つとは限りません。
夜は夜泣きがつらく、昼は子どもの発達が気になり、食費や生活用品の負担も重なることがあります。
そうした困りごとを別々に見るのではなく、食・居場所・相談をつなげて支える方向へ活動を広げていることが、はぐっとの特徴です。
団体が目指しているのは、専門施設らしい堅い場所ではなく、親子にとって「地域の実家」のように頼れる存在です。
利用前に確認したい対象・開催日・場所
enentoを利用したい場合は、過去の開催情報だけで判断せず、その回の開催案内を確認してから出かけることが大切です。
活動開始当初は徳島市東新町で月1回、夜から翌朝まで開催されていました。
2026年には活動拠点が広がり、徳島市籠屋町のhikari building内にある「親子ほっとステーション hikari」でも、enentoが月数回開く夜の親子の居場所として案内されています。
所在地は徳島県徳島市籠屋町1-5。徳島駅から徒歩約11分で、車の場合は近隣の有料駐車場を利用する形です。
施設にはおむつ替えスペースや赤ちゃん向け設備があり、enentoでは保育士やカウンセラーが関わる体制も案内されています。
開催回によって日時や利用条件が変わるため、特に確認したいのは次の4点です。
- 開催日と開始・終了時間
- 対象となる子どもの年齢
- 予約が必要かどうか
- 当日の開催場所
「月末に行けば必ず開いている」と決めてしまわず、その都度案内を確認するのが安心です。
夜泣きカフェから広がる現在の取り組み
enentoは、2025年8月に始まった小さな夜の居場所から、少しずつ形を変えながら広がっています。
2026年には、食事を提供するお結びcafe 灯(akari)と、妊娠・出産・子育て期を支える親子ほっとステーション hikariが入るhikari buildingが誕生しました。
建物の中で「食べる」「休む」「話す」「相談する」といった支援をつなぎ、夜にはenentoが親子を受け入れる形です。
夜泣きカフェを始めたことがゴールではなく、そこから見えてきた親子の困りごとに合わせて、日中や産前産後まで支援の範囲を広げています。
特に印象的なのは、enentoが夜泣きを止める方法を教える場所ではないという点です。
子どもが泣いていても、親が疲れていても、その状態のまま行ける場所をつくる。
「助けを求めてから支援する」のではなく、「助けを求めに行ける場所そのものを用意する」という考え方が、森本夫妻の活動を夜泣きカフェの先へ広げています。
参考リンク
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