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100点の上司は褒めるだけではない!佐久間宣行に学ぶ部下が求める上司像【ドキュメント20min.で紹介】

仕事・働き方

「100点の上司」は仕事ができる人ではなく、部下が力を出せる人

「上司は褒めればいい」「仕事ができる人ほど部下から尊敬される」。そんな分かりやすい上司像に、本当に部下は満足しているのでしょうか。『ドキュメント20min.(100点の上司)(2026年8月31日)』では、会社員100人の率直な声を手がかりに、佐久間宣行さんと「良い上司」の正体を探ります。上司だけでなく、後輩を教える立場になった人にも役立つテーマです。

この記事でわかること

  • 部下が求める「良い上司」の条件
  • 褒めるだけでは部下が育たない理由
  • 仕事ができすぎる上司が陥りやすい落とし穴
  • 佐久間宣行さんが実践してきたチームの育て方

100点の上司に近づく条件は「聞く・伝える・任せる」

(出典:T JAPAN「鬼才・佐久間宣行が語る チームを動かし結果につなげるリーダーの在り方とは?」

良い上司を考えるとき、まず押さえておきたいのが、上司本人の仕事能力だけでは評価できないという点です。

厚生労働省の調査では、上司や管理者に身につけてほしい能力として「部下の話をしっかり聞き、ニーズや主張を把握する」が86.9%、「部下が理解・納得できるように伝える」が76.1%、「すぐ答えを示さず部下自身に考えさせる」が75.3%となっています。

つまり重要なのは、

  • まず部下の話を聞く
  • 仕事の目的や理由を説明する
  • 何でも自分で答えを出さない
  • 部下自身が考えられる余地を残す

という関わり方です。

上司というと「正解を教える人」と考えがちですが、むしろ部下が自分で正解へ近づける環境を作れる人の方が、長期的にはチームを強くできます。

佐久間宣行さんの仕事の進め方にも、この考え方と重なる部分があります。

佐久間さんがリーダーとして重視しているのが、チームの目的や課題、判断理由をきちんと言葉にして共有することです。リーダーの勘やセンスだけで物事を決めるのではなく、「なぜこの判断になったのか」まで伝えることで、メンバー自身が考えて動ける状態を作っています。

「褒めれば伸びる」だけでは足りない理由

「部下は褒めて育てる」という考え方は広く知られています。

もちろん、良かった仕事を評価することは大切です。

佐久間さん自身も、チームに届いた良い結果を積極的に共有し、メンバーの長所を見つけて伝えることを大切にしています。

ただし、何でも褒めれば良いわけではありません

例えば、完成度が足りない仕事に対して「いいね」とだけ伝えて終わってしまえば、本人はどこを改善すればよいのか分かりません。

大切なのは、

「ここが良かった」

「この部分は次にこう変えるともっと良くなる」

「今回はこの判断が良かった」

と、評価するポイントを具体的にすることです。

褒めることそのものより、自分のどの行動が評価されたのかを本人が理解できることが重要になります。

反対に注意したいのが、人格そのものを否定するような叱り方です。

仕事内容へのフィードバックと、その人自身への評価は分ける必要があります。

「この資料の説明が分かりにくい」と「君は説明が下手だ」では、受け取る側の意味がまったく違います。

100点の上司を目指すなら、褒め方だけでなく、修正してほしいことをどう伝えるかまで考える必要があります。

仕事ができすぎる上司が部下を育てにくくする瞬間

「上司が仕事をできすぎても困る」という会社員の声は、一見すると不思議です。

仕事のできる上司なら、部下にとって心強い存在のように感じます。

ところが上司自身が優秀だからこそ起きる問題があります。

部下の仕事を全部やってしまうことです。

佐久間さんにも、ディレクター時代、部下の仕事を見て完成度が足りないと感じると、自分で引き取ってしまっていた時期がありました。

しかし、それを続けても部下の仕事の質は上がらないと気づき、部下がより良い仕事をするためのアイデアを出しながら、最後まで仕事に付き合う方法へ変えています。

これは職場で起こりやすい問題です。

例えば資料作成を頼んだのに、

「遅いから自分でやる」

営業を任せたのに、

「自分が話した方が早い」

トラブルが起きれば、

「自分が全部処理する」

となってしまう。

短期的には仕事が早く終わります。

しかし部下からすると、自分で考え、失敗し、修正する機会がなくなります。

結果として上司だけがどんどん忙しくなり、部下はいつまでたっても仕事を任せてもらえません。

「自分でやった方が早い」をどこまで我慢できるか。

これは上司にとってかなり難しい課題です。

佐久間宣行が大切にする「言語化」と異論を言えるチーム

佐久間さんのリーダー論で特徴的なのが、自分と違う意見を持つ人をチームに入れることです。

自分の考えを肯定してくれる人だけを集めるのではありません。

むしろ自分とは価値観が違い、異論を言いそうな人を意識してチームに加えてきました。

その背景には、過去の仕事を振り返ったとき、自分の意見を批評できる人がいるプロジェクトの方が長く続いていたという経験があります。

ここは一般的な職場でも大切です。

上司が、

「何か意見ある?」

と聞いていても、反対意見を言った瞬間に不機嫌になれば、次から誰も本音を言わなくなります。

逆に、

「そういう考え方もあるね」

「なぜそう思った?」

と受け止める上司なら、問題が大きくなる前に部下から情報が上がってきます。

佐久間さんは、自身の機嫌を仕事場に持ち込まないことも意識しています。

リーダーの機嫌を読むことに部下のエネルギーが使われれば、本来の仕事に集中できなくなるためです。

「今日は機嫌が悪そうだから報告するのをやめよう」と思わせない。

これも良い上司の重要な条件です。

部下100人の本音から見えてくる上司とのちょうどいい距離

今回取り上げられる会社員100人の声には、

「褒めれば伸びるわけじゃない」

「イケメンがいい!?」

「上司が仕事をできすぎても困る」

といった、一般的な上司論とは少し違う意見が並びます。

ここから見えてくるのは、部下が上司に完璧さだけを求めているわけではないということです。

何でも知っていて、誰よりも仕事ができて、常に正しい上司。

一見理想的ですが、その人がすべて決めてしまえば部下は受け身になります。

逆に、何も指示しない上司では仕事が進みません。

必要なのはその中間です。

目的や基準は明確にする。

困ったときには助ける。

しかし細かいところまで全部口を出さない。

そんな**「支えるけれど奪わない」距離感**が重要になります。

管理職の仕事そのものも変化しています。厚生労働省の資料では、対面でのコミュニケーション時間が減る一方、オンラインツール、電話、メール、チャットなどでのやり取りが増加。管理職に求められる能力として「部下の状況を把握する」「コミュニケーションの機会を設ける」「明確な指示をする」「部下の自律性を促す」ことが挙げられています。

顔を合わせる時間が少なくなったからこそ、「何となく分かってくれているだろう」では通じにくくなっています。

明日から変えられる良い上司の5つの行動

特別なマネジメント研修を受けなくても、変えられることはあります。

1. 指示するときに目的まで伝える

「これをやって」だけではなく、「なぜ必要なのか」まで説明します。

目的を理解した部下は、細かい指示がなくても判断しやすくなります。

2. 答えを言う前に1度聞く

相談されたら、すぐ正解を教えるのではなく、

「自分ではどうしたい?」

と聞いてみる。

それだけでも部下が考える機会になります。

3. 失敗しないように全部取り上げない

失敗の影響が小さい仕事なら、ある程度任せる。

上司が修正するのではなく、本人に修正してもらうことが経験になります。

4. 良かった部分を具体的に伝える

「よくできた」ではなく、

「結論を最初に書いたから分かりやすかった」

と伝える。

本人が再現できる褒め方になります。

5. 反対意見を言った人を大切にする

自分と違う意見が出たときこそ、まず理由を聞く。

異論を言える職場は、上司が気づかなかった問題を早く発見できます。

どれも派手な方法ではありません。

しかしこうした小さな行動を積み重ねた方が、「部下から好かれるテクニック」を探すより長く効いてきます。

100点を取ることより部下に合わせて変えられる上司が強い

実際の職場では、全員から100点をもらえる上司を作るのは難しいでしょう。

細かく教えてほしい新人もいれば、自分で考えて任せてもらいたい人もいます。

頻繁に声をかけてもらう方が安心する人もいれば、必要なときだけ相談したい人もいます。

だからこそ「理想の上司像」を1つに固定するより、相手によって接し方を少し変えられることが重要です。

仕事ができる。

よく褒める。

話が面白い。

親しみやすい。

こうした長所ももちろん魅力ですが、そのさらに土台にあるのが、部下の話を聞き、仕事の目的を伝え、任せるべきところでは任せる姿勢です。

上司が全部できる必要はありません。

部下が力を出せる状態をつくれること。

そこが「100点の上司」を考えるうえで、最も見逃せないポイントです。


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