大腸がん検診のはがきが届いたら、まず確認したいこと
自治体から大腸がん検診のはがきが届いても、「このまま病院へ行けばいいのか」「検便はどうするのか」「陽性ならがんなのか」と迷いやすいものです。『あしたが変わるトリセツショー(がん対策のトリセツ2026)(2026年9月3日)』でも大腸がん検診と精密検査がテーマになります。はがきを受け取ってから、便潜血検査、結果確認、精密検査までの流れを順番にまとめます。
この記事でわかること
- 大腸がん検診のはがきが届いた後にすること
- 便潜血検査2日法の基本的な流れ
- 「要精密検査」になった場合の対応
- 大腸内視鏡検査までに確認したいこと
はがきが届いたら最初に「受診方法・対象・期限」を確認する
大腸がん検診のはがきが届いたら、まず見るのは「どこで検診を受けるのか」「申し込みが必要か」「いつまで受けられるか」です。
ここで大切なのは、届いたはがき自体が「受診券」や「検査キット」とは限らないことです。
2026年の「がん撲滅キャンペーン2026」では、参加自治体が大腸がん検診の受診を促すはがきやリーフレットを住民へ送っていますが、実際の受診方法は自治体によって違います。たとえば横浜市では、国民健康保険に加入する40〜69歳の約28万人へ受診勧奨はがきを発送していますが、大腸がん検診には特別な受診券は必要なく、実施医療機関を選んで受診する仕組みです。
一方で、自治体によっては予約をして検査キットを受け取ったり、集団検診会場で申し込んだりする場合があります。
はがきが届いたら、次の4点を確認しておくと迷いません。
- 自分が検診の対象者になっているか
- 申し込みや予約が必要か
- 指定された医療機関・検診会場があるか
- 受診・検体提出の期限はいつまでか
国が推奨する大腸がん検診は、40歳以上の男女が1年に1回受ける便潜血検査です。ただし、住民検診の具体的な対象や費用、実施時期は自治体ごとに設定されています。
大腸がん検診は便を2日分採る「便潜血検査」が基本
大腸がん検診で一般的に行われるのが便潜血検査2日法です。
便の中に目では分からないほど微量な血液が混ざっていないかを調べます。大腸にがんやポリープなどがあると出血することがありますが、毎日出血するとは限らないため、2日分の便を調べます。
自治体によって手順は多少違いますが、基本的な流れは、
医療機関・検診会場などで検査キットを受け取る → 2日分の便を採取する → 指定された方法で提出する → 結果を受け取る
というものです。
横浜市の2026年度検診でも、医療機関で問診票を記入して検査キットを受け取り、2日間の便を採取して提出する流れになっています。
採便した検体は、検査機関へ提出するまでの時間も重要です。国立がん研究センターが示す精度管理では、採便後は冷蔵庫または冷所に保存し、2日目の採便後できるだけ早く回収・測定することが基本とされています。実際には使用する検査キットによって扱いが異なるため、付属の説明書に書かれた保存方法と提出期限を優先してください。
便潜血検査が陰性でも毎年受けることが大切
結果が「便潜血陰性」「精密検査不要」なら、その年の検診はいったん終了です。
ただし、「陰性だったから今後は検診を受けなくてよい」という意味ではありません。
便潜血検査は大腸がんを診断する検査ではなく、精密検査が必要な人を見つけるための検査です。がんがあっても出血していない時期があるため、1回の検診ですべての大腸がんを見つけられるわけではありません。
そのため40歳以上では、1年に1回継続して受けることが推奨されています。
また、検診結果が陰性でも、
血便、腹痛、便が細くなった、便の回数や状態が変わった
といった症状がある場合は、次の検診を待つのではなく医療機関を受診することが勧められています。がん検診は基本的に、症状のない人を対象としたものだからです。
1日分でも便潜血陽性なら精密検査へ進む
ここは特に間違えたくないポイントです。
2日分の便を調べて、どちらか1日分だけでも陽性なら「要精密検査」となり、精密検査を受ける必要があります。
「もう1度便潜血検査をして、陰性なら大丈夫なのでは」と考えたくなるかもしれませんが、便潜血検査をやり直しても精密検査の代わりにはなりません。
大腸の病変は毎日出血するとは限らないため、再検査で陰性になったとしても、最初に見つかった出血の原因を否定できないからです。厚生労働省の指針でも、便潜血検査だけを繰り返して精密検査の代わりにすることは行わないとされています。
痔がある人も同じです。
「痔から出血しただけ」と自己判断するのではなく、大腸からの出血なのか痔によるものなのかを確認するために精密検査を受けることが大切です。
「要精密検査」は大腸がんが確定したという意味ではない
結果通知に「要精密検査」と書かれていると、不安になる人も多いでしょう。
ただし、要精密検査=大腸がん確定ではありません。
便潜血検査は、血液が検出された人の中から詳しく調べる必要がある人を振り分ける検査です。
厚生労働省が掲載している2024年度の地域保健・健康増進事業報告では、大腸がん検診で要精密検査となった人のうち、実際に大腸がんが見つかった割合は3.02%、約33人に1人でした。
ポリープなど別の原因が見つかることもあります。
だからといって精密検査を受けなくてよいわけではなく、「がんではないことまで確認して検診が完了する」と考えるのが分かりやすいでしょう。
精密検査は全大腸内視鏡検査が中心になる
便潜血検査で要精密検査となった場合、中心となるのが全大腸内視鏡検査です。
いわゆる大腸カメラで、下剤などを使って大腸を空にした後、肛門から内視鏡を入れ、直腸から大腸の奥まで観察します。
ポリープや病変が見つかった場合には、状態によって組織を採取して詳しく調べたり、その場で治療したりする場合もあります。
大腸内視鏡検査が難しい場合には、大腸内視鏡とX線検査を組み合わせる方法や、大腸CT検査などが選択されることもあります。どの検査を行うかは医療機関で判断されます。
精密検査を受ける医療機関を予約するときには、
- 大腸がん検診で「要精密検査」となったこと
- 大腸内視鏡検査に対応しているか
- 結果通知書や紹介状など何を持参するか
- 検査前の食事や下剤について
- 当日の帰宅方法や注意事項
を確認しておくとスムーズです。
精密検査ができる医療機関の一覧が結果通知に同封される自治体もあります。消化器内科などでも、すべての医療機関が精密検査に対応しているとは限らないため、予約時に確認しておくことが大切です。
大腸内視鏡検査の前日は医療機関の指示を優先する
大腸内視鏡検査では、大腸の中を観察できる状態にするため、検査前に食事内容を調整したり、下剤を服用したりします。
ただし、食事制限を始める時刻や下剤の種類・量は医療機関によって異なります。
インターネット上の一般的な方法を自己流で行うのではなく、予約した医療機関から渡された説明書や指示をそのまま守ることが重要です。
持病がある人や薬を服用している人、とくに血液を固まりにくくする薬などを使用している場合は、予約時に薬の名前を伝えてください。薬を自分の判断で中止せず、医師や医療機関の指示を受けます。
大腸内視鏡検査には、まれに出血や大腸に穴が開く穿孔などの偶発症が起こることもあるため、検査内容や注意事項について説明を受けたうえで受診します。
はがきから精密検査までの流れを整理すると分かりやすい
自治体から大腸がん検診のはがきが届いてからの流れは、次のように考えるとシンプルです。
はがきの対象・期限・受診方法を確認
→ 医療機関や検診会場を予約
→ 便潜血検査キットを受け取る
→ 2日分の便を採取
→ 検体を提出
→ 結果を確認
→ 陰性なら1年後に再び検診
→ 要精密検査なら大腸内視鏡検査などを受ける
特に覚えておきたいのは、便潜血陽性は「がん確定」ではない一方、そのまま放置してよい結果でもないことです。
はがきが届いた段階では、難しい検査を受けるわけではありません。まずは記載された自治体の受診方法を確認し、便潜血検査まで進めることが最初の1歩です。
そして要精密検査となった場合は、便潜血検査をやり直して様子を見るのではなく、指定された精密検査へ進むところまでが大腸がん検診の大切な流れです。
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