白梅学園清修の鉄道模型デザイン班、全国3連覇の結果は
女子高生6人が「レア部活の甲子園」で全国3連覇に挑む姿が描かれる『所さんのそこんトコロ(衝撃8ミリフィルム&青春!レア部活の「甲子園」に密着)(2026年9月4日)』。その強豪校が白梅学園清修中高一貫部の鉄道模型デザイン班です。2026年の全国大会では、3連覇をかけた2部門で明暗が分かれました。優勝作品の仕掛けや、鉄道好きだけではない女子生徒たちが強い理由まで掘り下げます。
この記事でわかること
- 白梅学園清修の2026年全国大会の結果
- 3連覇した「幸せを届ける魔女のはなし」の特徴
- 鉄道に詳しくなくても強い理由
- 2024年から続く全国・世界大会での実績
全国3連覇は1畳レイアウト部門で達成

(出典:白梅学園清修中高一貫部「全国高等学校鉄道模型コンテストで3冠達成」)
結論からいうと、白梅学園清修中高一貫部は2026年も全国3連覇を達成しました。
ただし、挑戦していた2部門とも3連覇したわけではありません。
2026年8月7日〜9日に東京・新宿住友ビル三角広場で開かれた「全国高等学校鉄道模型コンテスト」での結果は、
- 1畳レイアウト部門:最優秀賞・3連覇
- モジュール部門:優秀賞
となりました。
2024年、2025年と2部門で最優秀賞を獲得していたため、2026年は「2部門同時3連覇」がかかった大会でした。
モジュール部門では最優秀賞を逃したものの、1畳レイアウト部門では見事に最優秀賞。しかも、この部門は2026年大会を最後に終了するため、最後の王者として3連覇を完成させたことになります。
全国大会には過去最多となる207校が参加しました。その中で3年続けて頂点に立ったことを考えると、かなり突出した実績です。
2026年の優勝作「幸せを届ける魔女のはなし」がすごい
3連覇を決めた作品名は「幸せを届ける魔女のはなし」です。
題材になったのは、スタジオジブリの映画『魔女の宅急便』。単に映画の街を小さく再現したジオラマではありません。
作品の中には、上段を走る路面電車と下段を走る貨物列車が組み込まれ、鉄道が2層構造で走る仕掛けになっています。
街の中央駅とキキのパン屋を除く多くの建物には3Dプリンターを使用。建物をカラフルに仕上げながら、ヨーロッパの街並みとしてまとまるよう色合いまで調整されています。窓枠など細かな部分には爪楊枝を使って色を入れるほどの作り込みです。
さらに面白いのが鉄道車両です。
路面電車や機関車だけでなく、線路が重なり合う「ガントレット」と呼ばれる特殊な線路部分まで、指導を受けながら3Dプリンターを使って制作しました。
映画の印象的な場面も150分の1の世界に散りばめられていますが、それだけではありません。街に配置された人形にもそれぞれ物語を持たせ、人が暮らしている街として見えるように作っているところが大きな特徴です。
鉄道模型というより、小さな映画美術や街づくりに近い感覚で楽しめる作品です。
電車に興味がなくても全国トップを狙える理由
このチームで興味深いのが、鉄道そのものへの知識だけで勝負しているわけではないことです。
白梅学園清修では活動を「鉄道模型デザイン班」と呼んでいます。
学校によると活動は13年前に始まり、細部までこだわった模型制作を続けてきました。
過去の代表作品を見ると、その特徴がよく分かります。
2024年の1畳レイアウト部門は『となりのトトロ』を題材にした「住みたかったトトロの町」。2025年は『耳をすませば』を思わせる「耳をすませば聞こえてくるかな」、そして2026年が「幸せを届ける魔女のはなし」です。
車両形式を忠実に再現することだけが中心ではなく、
「どんな街を作るのか」
「そこに誰が暮らしているのか」
「模型の中でどんな物語が進んでいるのか」
まで考えて作品に落とし込んでいます。
そのため、鉄道そのものへの強い興味から入った生徒だけでなく、デザイン、建築、ものづくり、物語づくりが好きな生徒にも力を発揮できる余地があります。
「電車に興味がない女子高生がなぜ鉄道模型で全国トップになれるのか」という意外性の裏には、鉄道を中心に街全体をデザインする活動という特徴があります。
2024年と2025年は2部門で連続最優秀賞
現在の強さは2026年に突然始まったものではありません。
2024年の全国大会では、モジュール部門で最優秀賞と文部科学大臣賞、1畳レイアウト部門でも最優秀賞を獲得しました。
主な作品は、
- モジュール部門「『ようきてくれんさった』垣間見る岐阜」
- 1畳レイアウト部門「住みたかったトトロの町」
です。
続く2025年も、
- モジュール部門「愛され続ける日光軌道」
- 1畳レイアウト部門「耳をすませば聞こえてくるかな」
でともに最優秀賞を受賞。
1畳レイアウト作品は「投票者が選ぶベストワン賞」も獲得しました。
つまり2026年大会に挑んだ時点で、2部門とも2024年・2025年と2年連続最優秀賞。
女子高生6人が背負っていた「全国3連覇」という言葉には、これだけの積み重ねがありました。
2025年にはドイツの世界大会でも1位
(出典:白梅学園清修中高一貫部)
さらに驚くのが海外での実績です。
2025年の全国大会で最優秀賞を受賞した後、鉄道模型デザイン班はドイツ・シュトゥットガルトで開かれたEuropean N Scale Conventionに出展しました。
参加したのは13か国24チーム。
白梅学園清修以外の出展チームは大人でしたが、その中で最優秀賞を受賞し世界1位となりました。
国内の高校生大会で強いだけではなく、大人の模型制作者が集まる国際的な場でも評価されたことになります。
全国大会3連覇だけを見ると「模型制作が得意な学校」という印象ですが、世界大会までたどると、その制作技術や表現力がかなり高い水準にあることが分かります。
鉄道模型コンテストは車両だけを競う大会ではない
全国高等学校鉄道模型コンテストでは、鉄道車両を走らせるだけではありません。
2026年大会にはモジュール部門、1畳レイアウト部門、HO車輌部門があり、それぞれ異なる作品を競いました。
モジュール部門では、他校の作品とつないで大きな鉄道模型レイアウトを構成できる規格の中で、限られたスペースに風景や街を作ります。
一方、1畳レイアウト部門は他校作品とは接続せず、最大1820mm×910mmから最小900mm×600mmの範囲に独立した世界を制作する部門でした。線路配置の自由度も高く、街全体の構成や物語性を発揮しやすいのが特徴です。
白梅学園清修が映画を題材にした街づくりで力を発揮してきた理由も、この競技内容を見ると納得できます。
2026年をもって1畳レイアウト部門が終了したため、「幸せを届ける魔女のはなし」は同部門最後の最優秀賞作品にもなりました。
3連覇以上に残った「物語を作る鉄道模型」
白梅学園清修の2026年大会は、2部門完全3連覇とはなりませんでした。
それでも、1畳レイアウト部門で3年連続最優秀賞を獲得し、最後の大会を優勝で締めくくりました。前年にはドイツの大会でも世界1位を獲得しています。
特に印象的なのは、鉄道が好きかどうかだけで生徒を分けない活動です。
建物を作る、色を塗る、3Dプリンターを扱う、街の構成を考える、人形1体にも物語を持たせる。そのすべてが1つの鉄道模型につながっています。
鉄道模型を「電車を走らせる趣味」から「小さな世界を作る表現」へ広げていることこそ、この女子校が全国トップを続けてきた大きな魅力です。
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