ルーブル美術館にも展示された鯖江の木製キーボード
パソコンのキーボードを天然木で作るだけでも驚きですが、その始まりをたどると越前漆器の木地づくりにつながります。『ザワつく!金曜日(世界一グルメを吹き矢で狙え!ちさ子の意外な才能が大爆発!)(2026年9月4日)』で登場する鯖江の逸品は、Hacoa(ハコア)の「木ーボード」。ルーブル美術館に展示された初代から、現在の99,000円のワイヤレスモデルまで、その進化をまとめます。
この記事でわかること
- ルーブルに展示された木製品の正体
- 木ーボードが誕生したきっかけ
- 現行モデルの値段とスペック
- 鯖江の工房や見学方法
ルーブルに展示された逸品はHacoaの「木ーボード」

(出典:Hacoa公式オンラインストア)
福井県鯖江市の木製デザインブランドHacoaを代表する製品が、天然木で作ったキーボード「木ーボード」です。
初代が生まれたのは2002年。その後商品化され、Hacoaのブランド史では「世界一美しいキーボード」としてパリのルーブル美術館に約1か月展示されたと紹介されています。
現在、その発想を受け継ぐ製品として販売されているのが「Full Ki-Board Wireless」です。
見た目だけを木目調にしたキーボードではなく、キー部分まで天然木を使い、木目の流れまで考えながら職人が仕上げています。
始まりは「木でキーボードを作れないか」という1人の依頼
木ーボードは、もともと大規模な商品企画から生まれた製品ではありません。
Hacoaブランドを立ち上げて間もない時期、1人の客から木でキーボードを作れないかと相談されたことが出発点でした。
当時は漆器に近いテーブルウェア中心の商品開発をしていましたが、この依頼から木の加工技術をパソコン用品へ持ち込む発想が生まれます。
2002年に木ーボードが誕生すると、それまで工芸品の世界にあった木工技術が、デジタル機器と組み合わされる象徴的な商品になりました。
「伝統工芸を昔の形のまま残す」のではなく、職人技を現代の生活用品に移すというHacoaの方向を決めた製品でもあります。
ルーツは1500年続く越前漆器の木地づくり
Hacoaの工房がある鯖江市河和田地区は、約1500年の歴史を持つ越前漆器の産地です。
Hacoaの母体となった工房は1962年に創業し、お盆や膳など、漆を塗る前の木製部分である「木地」を作ってきました。
漆器というと漆を塗る工程が目立ちますが、その土台となる木を正確に削り、形を整える技術も欠かせません。
その加工技術を、名刺入れや時計、スマートフォン用品、そしてキーボードへ応用したのがHacoaです。
木ーボードを見ると、越前漆器とパソコン機器という一見離れた2つが、実は**「木を精密に加工する技術」**でつながっていることが分かります。
現行Full Ki-Board Wirelessは99,000円
(出典:Hacoa公式オンラインストア)
現在のFull Ki-Board Wirelessは税込99,000円。
木材は明るい色合いのチェリーと、深い色合いのウォールナットから選べます。
主な仕様は次の通りです。
- 102キー・英語配列
- Bluetooth 5.0対応
- 2.4GHz専用USBレシーバーにも対応
- メカニカル式・赤軸
- USB Type-C充電
- 通信距離約8m
- サイズ約395×140×31.5mm
- 重量約870g
- 日本製
2025年1月からキースイッチは赤軸へ変更され、比較的軽い約45gの押下圧になっています。
木製キーの文字は印刷ではなくレーザーで彫り込まれているため、使い込むことで表面の印字が消えてしまう心配も抑えられています。
天然木なので使うほど表情が変わる
このキーボードは均一な工業素材ではなく天然木を使うため、1台ごとに木目や色味が異なります。
長く触れることで木に艶が出て、経年変化を楽しめるのも特徴です。
一方、木製品ならではの扱い方もあります。
落下や強い力を避けるほか、火気、多湿、極端な乾燥、高温、長時間の直射日光を避けるよう案内されています。
99,000円という価格を見ると一般的なキーボードとは大きな差がありますが、電子機器だけでなく、鯖江の木工品を長く使う道具という性格が強い製品です。
公式オンラインストアでは再入荷通知にも対応しています。購入を考えている場合は、価格だけでなく樹種と在庫も合わせて確認しておくと選びやすくなります。
鯖江の福井本店では工房見学もできる
Hacoaのものづくりそのものを見たい人は、鯖江市にあるHacoaダイレクトストア福井本店まで足を運ぶこともできます。
本社と製造工房に併設された店舗です。
- 住所:福井県鯖江市西袋町503
- 営業時間:11:00~18:00
- 定休日:水曜・年末年始
- 鯖江駅からタクシーで約20分
- 鯖江ICから車で約15分
通常の工房見学は月曜・火曜・木曜・金曜に行われ、所要時間は約30分、料金は1人550円。小学生以下は無料で、原則として1週間前までの申し込みが必要です。
完成品を見るだけでなく、越前漆器から受け継いだ技術が現代の木製雑貨へ変わっていく工程を実際に見られる場所です。
ルーブル美術館に展示された木ーボードを入口にすると、Hacoaが単なる「木目がおしゃれな雑貨ブランド」ではなく、産地の技術を新しい用途へ変えてきた会社だという背景まで見えてきます。
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