葬儀社を介さず僧侶と家族で見送る葬儀
2026年9月6日放送の『ザ・ノンフィクション 人生 最期までお付き合い 前編~型破りな2人の駆け込み寺~』では、神奈川県大磯町の東光院が行う独自の葬送が紹介されます。
東光院では葬儀社を介さず、大澤曉空住職と古井昇空さんがご遺体の搬送、保全、死に化粧、納棺、遺影作り、式の進行まで担当します。費用の仕組み、利用条件、亡くなってから葬儀までの流れを整理します。
この記事でわかること
- 東光院の本堂葬に葬儀社が入らない理由
- 約30万円と報じられた葬儀費用の内訳と注意点
- 搬送から葬儀、火葬、初七日までの流れ
- 檀家以外の相談と問い合わせ方法
東光院では僧侶が葬送の実務まで担当する

出典:宗教法人東光院
一般的な仏式葬儀では、葬儀社が搬送、安置、納棺、式場設営、司会、火葬場への移動などを担当し、僧侶は読経や戒名授与を担います。
東光院では、その分業を行いません。僧侶が搬送専用車で病院や自宅へ迎えに行き、遺族と相談しながら葬送全体をつくります。
大澤住職と古井さんは、復元納棺師からご遺体の保全、修復、湯灌、死に化粧、納棺などの技術を学びました。生前の面影に近づけ、家族が落ち着いて対面できる状態を整えることも2人の役割です。
遺影写真は既存の写真から家族と一緒に選び、大澤住職が大学で学んだ写真編集の技術を生かして仕上げます。会葬礼状も定型文ではなく、故人の人生や家族の話を聞いて作成します。
約30万円は一律料金ではなく過去の実例である
東光院の葬儀費用について、2024年の取材では、通夜30人、葬儀20人を想定した一例として30万1814円と報じられました。2025年の報道でも、家族葬の実例が会食、返礼品、火葬費を含めて30万円余りと紹介されています。
ただし、東光院公式サイトに「30万円の固定プラン」が掲載されているわけではありません。
東光院には一般的な葬儀社のような定額プランや有料オプションがなく、実際に使用した棺、骨壺、ケア用品、料理、返礼品などの実費を負担する仕組みです。参列人数、料理、供花、火葬場などの条件によって総額は変わります。
お布施についても別途考える必要があります。報道では、戒名に院号を付けるかどうかで布施の目安を変えず、遺族に負担のない範囲で納めてもらう方針が紹介されています。
「必ず30万円で葬儀ができる」と理解せず、希望する規模や内容を伝えて、事前に最新の見積もりを確認することが重要です。
搬送料と施設利用料を取らない仕組みがある
東光院公式サイトでは、費用負担を抑える仕組みとして次の内容を案内しています。
- 僧侶が専用車で搬送するため搬送料金を受け取らない
- 搬送距離によって料金を変えない
- 東光院の施設利用料を受け取らない
- 専用保冷剤を使うため安置日数による追加冷却費がない
- 僧侶が納棺を行うため納棺作業の料金がない
- 僧侶が式を進行するため司会者を依頼しない
- 通夜の晩に家族が無料で宿泊できる
- 後飾り壇を無料で貸し出す
- 棺やケア用品などは使用した物品の実費を負担する
高額な祭壇も前提としていません。本堂の内陣そのものを葬送の場と考え、参列者から寄せられた供花を集めて花祭壇をつくります。公式サイトでは、花祭壇の目安として約3万~6万円が示されています。
ただし、料理や返礼品、火葬料金、供花などは別途必要です。
本堂葬は簡素化を目的とした直葬ではない
費用が低く抑えられているため、最低限の儀式だけを行う葬儀と思われるかもしれません。しかし東光院が目指しているのは、工程を削ることではありません。
ご遺体を迎え、手当てし、家族と湯灌や納棺を行い、故人の人生に合った戒名や会葬礼状を考えます。本堂に安置している間は、家族や地域の人が面会できます。
歌を歌う、思い出の映像を流す、故人の仕事に関係する物を飾るなど、家族の希望も相談できます。過去には漁師の葬儀で大漁旗を掲げ、故人を囲んで家族や地域の人が思い出を語った例もありました。
豪華な祭壇や多くのオプションより、故人と家族が向き合う時間に重点を置く葬儀です。
亡くなってから通夜までの流れ
東光院が公式に案内している流れは次の通りです。
- 家族が東光院へ連絡する
- 病院から死亡診断書を受け取る
- 僧侶が搬送専用車で迎えに行く
- 東光院の和室または自宅へ搬送する
- 清拭やエンゼルケア、ご遺体の保全を行う
- 安置後に枕経を行う
- 日程、場所、規模、希望する見送り方を相談する
- 故人の人柄や家族との思い出を聞き取る
- 戒名、遺影、会葬礼状などを準備する
- 古式湯灌、死に化粧、着替え、納棺を行う
- 本堂などで通夜を営む
棺へ入れたい物がある場合は、納棺前に相談します。火葬できない素材もあるため、自己判断で入れず確認する必要があります。
葬儀から火葬後までの流れ
葬儀当日は読経と焼香を行った後、家族や参列者が棺へ花や故人の好きだった物を納めます。
出棺後は東光院の霊柩車で予約した火葬場へ移動し、僧侶が運転します。火葬と収骨を終えた後は、東光院へ戻って初七日法要と精進落としを行うのが基本です。
参列者の高齢化などを考慮し、火葬場で精進落としを行う場合もあります。
四十九日まで自宅で遺骨を安置する場合は、後飾り壇の貸し出しや設置も依頼できます。その後の納骨、墓地、永代供養についても東光院へ相談できます。
檀家以外や宗派が違う人も相談できる
2024年の取材では、東光院の葬儀は檀家に限定せず、誰でも相談できると紹介されています。
ただし、搬送可能な地域、日程、火葬場、希望する宗派や儀式への対応などは個別確認が必要です。東光院は東寺真言宗の寺院であるため、宗派を問わず全ての形式で葬儀を実施するという意味ではありません。
本人が元気なうちに希望を相談することもできます。一般的な葬儀社とは仕組みが大きく異なるため、利用を考えている場合は、生前に家族と一緒に問い合わせておく方が安心です。
東光院本堂葬の問い合わせ先
- 住所:神奈川県中郡大磯町大磯1525
- 電話:0463-63-0099
- 緊急時:24時間電話受付
- 最寄り駅:JR東海道線・大磯駅
- 亡くなった直後:病院から死亡診断書を受け取ったうえで電話
- 事前相談:希望する人数、場所、宗派、予算などを伝えて確認
- 注意点:掲載されている約30万円は過去の実例であり固定料金ではない
まとめ
東光院の本堂葬では、大澤曉空住職と古井昇空さんが葬儀社を介さず、ご遺体の搬送、保全、死に化粧、納棺、遺影作り、式の進行まで担当します。
費用は物品や料理などの実費を中心とするため、一般的な葬儀より低くなる場合があります。しかし、約30万円という金額は過去に報じられた一例で、現在の一律料金ではありません。
費用を抑えることだけでなく、家族が故人と過ごす時間を取り戻すことが、東光院の葬儀の中心です。依頼を検討する場合は、対応地域や費用、宗派、希望する見送り方を直接確認してください。
参考リンク
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