東光院につくられた町のたまり場
2026年9月6日放送の『ザ・ノンフィクション 人生 最期までお付き合い 前編~型破りな2人の駆け込み寺~』では、子どもから高齢者まで同じ食卓を囲む「町のたまり場」が登場します。
神奈川県大磯町の東光院には、暮らしの保健室「安養」、フリースペース「海近寺巣」、多世代食堂「おむすび」があります。それぞれ何ができる場所なのか、利用料、予約、開催日時、相談できる内容を紹介します。
この記事でわかること
- 暮らしの保健室「安養」の開催日時と利用方法
- 海近寺巣にある仏教図書館や設備
- 多世代食堂おむすびが生まれた理由
- 東光院へのアクセスと利用時の注意点
暮らしの保健室安養は予約不要・利用無料の相談場所
「暮らしの保健室 安養(あんよう)」は、東光院の僧侶と地域の医療・福祉関係者が協力して開いている相談と交流の場です。
病院の診察室や行政の相談窓口とは異なり、相談内容を明確に決めてから行く必要はありません。本を読む、お茶を飲む、人と話すだけでも利用できます。
神奈川県社会福祉協議会が案内している開催情報は次の通りです。
- 会場:東光院
- 住所:神奈川県中郡大磯町大磯1525
- 開催日:毎月第2火曜日、第4土曜日
- 時間:10時~17時
- 利用料:無料
- 予約:不要
開催日時は変更される可能性があり、葬儀で会場が貸し切りになることもあります。遠方から訪れる場合は東光院へ確認するのが確実です。
医療・介護・生活の小さな不安も相談できる
安養では、僧侶だけでなく医療、介護、福祉の専門職が相談に応じます。
相談できる内容には次のようなものがあります。
- 親の介護をどこへ相談すればよいか分からない
- 一人暮らしを続けることに不安がある
- 家族が認知症やうつ病になった
- 自分の健康や老後について話を聞いてほしい
- 制度の対象になるか分からない困りごとがある
- 家族以外の誰かと話したい
- 近所で気になる高齢者がいる
相談したからといって、必ず介護サービスや医療機関の利用を勧められるわけではありません。本人の気持ちを聞き、必要であれば適切な専門機関へつなぐ場所です。
東光院では、家族がうつ病と診断された住民から「相談できる場所がなかった」と聞いたことをきっかけに、うつ病の人の家族会も生まれました。
最初から決められた支援事業を始めたのではなく、訪れた人の困りごとに応じて活動が増えていったことが特徴です。
海近寺巣は本堂の下にある地域のフリースペース
東光院の本堂の下には「海近寺巣(うみちかてらす)」というフリースペースがあります。
名称には、大磯の海に近い寺のテラスと、地域の人が集まる巣のような場所という意味が重ねられています。
もともとは寺の客殿だった場所を改装し、2018年に地域の共用空間として開放しました。
室内には仏教の専門書だけでなく、医療、介護、生き方、死、暮らしに関する本や漫画などが置かれています。開設当初は約1000冊でしたが、2024年の取材では約2500冊に増えていました。
本を借りる目的がなくても、休憩、勉強、おしゃべりなどに利用できます。夕方になると、地域の子どもたちが宿題をしたり遊んだりする姿も見られます。
車いす対応トイレや授乳室も備えている
海近寺巣は、年齢や身体状況に関係なく利用しやすい場所を目指して整備されました。
主な設備として紹介されているのは次の通りです。
- 生老病死に関する仏教図書館
- 車いす対応トイレ
- オストメイト対応設備
- 授乳室
- 飲み物を用意した休憩スペース
- 大磯の昔の写真を紹介する展示
- 医療・介護相談に使える場所
寺は高齢者が訪れることの多い場所ですが、古い建物には段差や使いにくいトイレが残っている場合があります。東光院では、子育て中の親、車いす利用者、介護が必要な人も過ごせる空間へ改修しています。
葬儀などで貸し切りになる時を除き利用できると紹介されていますが、一般見学を希望する場合は事前連絡をおすすめします。
多世代食堂おむすびは全員で食事をつくる
多世代食堂「おむすび」は、東光院に隣接する空き家を改修してつくられました。
一般的な子ども食堂のように、運営者が作った食事を利用者へ提供するだけではありません。
「みんなでつくる、みんなで食べる、みんなで片付ける」を基本に、子ども、高齢者、一人暮らしの若者、地域住民などが同じ食卓を囲みます。
対象者を子どもや生活困窮者だけに限定しない理由は、食事を通して世代や立場の違う人が自然に知り合うことを重視しているためです。
- 家族の事情で一人で夕食を食べる子ども
- 配偶者を亡くして孤食になった高齢者
- 大磯へ移住して知り合いの少ない若者
- 地域の農家や漁師
- 医療や福祉に携わる人
- 食事作りや片付けを手伝う住民
こうした人たちが同じ場所に集まれば、普段から顔の見える関係ができます。体調の変化や生活上の困りごとにも、周囲が早く気付きやすくなります。
互救ぷろじぇくとは家族の枠を少し広げる活動
多世代食堂おむすびは、東光院が進める「互救ぷろじぇくと」の一環です。
互救とは、支援する側とされる側を固定せず、できる時にできる人が助け合う考え方です。
元気な時には食事作りや片付けを手伝っていた人が、年齢を重ねて一人暮らしになった時には、周囲から見守ってもらう。そのように長い時間をかけて関係を循環させます。
東光院の大澤住職は、人口が減り家族が小さくなる時代には、地域での結び付きを強くする必要があると考えています。
古井さんも、公的機関には人事異動がありますが、僧侶は命の続く限り同じ地域に関われると説明しています。
番組で2人が藤井兼弘さんの在宅生活を支えられたのも、問題が起きてから初めて会った支援者ではなく、以前から食事や地域活動を通じて付き合っていたからです。
利用前に確認したい実用情報
- 施設名:宗教法人 東光院
- 住所:神奈川県中郡大磯町大磯1525
- 最寄り駅:JR東海道線・大磯駅
- 電話:0463-63-0099
- メール:info@toukou.in
- 暮らしの保健室:第2火曜日、第4土曜日の10時~17時
- 安養の料金:無料
- 安養の予約:不要
- 海近寺巣:葬儀などで貸し切りになる場合あり
- 多世代食堂:開催日や参加方法を東光院へ確認
- 駐車場:行事によって利用できない場合があるため事前確認推奨
相談内容によっては医療機関、地域包括支援センター、行政などへの相談が必要になります。安養は病気の診断や治療、介護認定を行う機関ではありません。
緊急性がある体調不良、虐待、事故などは、安養の開催日を待たず、それぞれの専門機関へ連絡する必要があります。
まとめ
東光院の「暮らしの保健室 安養」は、予約や利用料なしで医療、介護、生活上の不安を相談できる場所です。
本堂の下にある「海近寺巣」には約2500冊の本が並び、子どもから高齢者まで自由に過ごせます。隣接する「多世代食堂おむすび」では、参加者が一緒に食事を作り、食べ、片付けます。
3つの活動に共通するのは、困った人だけを集める場所にしないことです。元気なうちから地域の人が顔を合わせることで、いざ介護や孤独、看取りの問題が起きた時にも、自然に助け合える関係をつくっています。
参考リンク
気になる生活ナビをもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。


コメント