モロッコヨーグル|ヨーグルトが入っていない小さな駄菓子に込められた65年の歴史
小さなプラスチック容器に入った、白くてふわふわのクリーム。色とりどりのふたを開け、付属の木のスプーンですくって食べる「モロッコフルーツヨーグル」は、1961年から販売されているロングセラー駄菓子です。
名前にヨーグルと付いていますが、実際にはヨーグルトを使用していません。主な原材料は植物油脂、砂糖、ブドウ糖など。独自の酸味を加え、ヨーグルトに似た甘酸っぱいお菓子に仕上げています。
製造しているのは、大阪市西成区のサンヨー製菓株式会社。もともとはウイスキーボンボンを作る小さな菓子工場でした。夏の暑さでチョコレートが溶けてしまうという問題を解決するため、初代社長が考え出したのが、このヨーグルだったのです。
現在は3代目社長の池田光隆さんが製造を引き継ぎ、昔ながらの食感を守っています。1日に約6万~7万個を作りながら、1個当たりの利益は約1円。65年間続く駄菓子の裏側には、原材料の変化や古い製造機械との格闘がありました。
2026年10月19日放送予定のテレビ東京系『JAPANをスーツケースにつめ込んで!』でも、日本の駄菓子をエストニアへ持ち込む企画に、モロッコヨーグルが登場します。
値段や通販方法、ヨーグルトが入っていない理由から、名前と象のイラストの由来、製造を支える職人の工夫まで詳しく紹介します。
この記事でわかること
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モロッコヨーグルの値段・内容量・販売店・通販方法
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ヨーグルトを使わずに甘酸っぱいクリームを作る原材料と製法
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1961年の誕生と「モロッコ」という名前、象のイラストの由来
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3代目社長が守り続ける食感とジャンボヨーグル誕生の背景
モロッコヨーグルの値段と通販|80個入りの箱買いもできる
公式動画:やおきん公式チャンネル「モロッコフルーツヨーグルの工場見学」
モロッコヨーグルの正式な商品名は「モロッコフルーツヨーグル」です。大阪のサンヨー製菓が製造し、全国の駄菓子店や駄菓子売り場などで販売されています。
小さな容器に白いクリームが入り、カラフルな紙製のふたと木製のスプーンが付いた、昔ながらのスタイルです。
商品の基本情報
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正式名称:モロッコフルーツヨーグル
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製造元:サンヨー製菓株式会社
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発売年:1961年
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内容量:1個約4g
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参考小売価格:1個25円(税別、販売店掲載価格)
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味の特徴:ヨーグルトをイメージした甘酸っぱいクリーム
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食べ方:付属の小さな木製スプーンですくって食べる
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主な販売場所:駄菓子店、スーパーの駄菓子売り場、駄菓子専門店、オンラインショップ
価格は2026年10月に確認できる販売店の掲載例です。実際の販売価格は店舗や時期によって異なります。
通販での購入方法
モロッコヨーグルは、駄菓子専門の通販サイトで箱単位でも販売されています。
例えば、みぞたオンラインストアでは、80個入りの商品が税込1,700円で掲載されています。
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商品:モロッコフルーツヨーグル80個入り
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販売店:みぞたオンラインストア
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掲載価格:1,700円(税込)
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内容:4g×80個
送料や在庫、発送までの日数は注文条件によって異なります。暑い季節にはクリームが柔らかくなったり分離したりするため、販売店ではクール便の利用も案内しています。
駄菓子店で1個ずつ買う楽しみ方だけでなく、イベントやお菓子の詰め合わせ用に箱買いできることも特徴です。
モロッコヨーグルの原材料|ヨーグルトが入っていない理由
モロッコヨーグルについて、最も特徴的なのが原材料です。
商品名から乳製品を想像しますが、製造元の池田光隆社長は、ヨーグルトそのものを使用していないと説明しています。
主な原材料
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植物油脂
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砂糖
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ブドウ糖
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食塩
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酸味料
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甘味料
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香料
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乳化剤
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酸化防止剤
製品の中心となるのは、植物油脂と糖類を混ぜ合わせたクリームです。
そこに酸味料や香料などを加えることで、ヨーグルトに似た風味を作っています。
実際のヨーグルトは、乳を乳酸菌などで発酵させた食品です。しかし、モロッコヨーグルは発酵乳ではなく、植物油脂を中心とした駄菓子です。
そのため、ヨーグルトに含まれる乳酸菌による働きを期待して食べる商品ではありません。
また、乳成分を使用していないことと、すべての食物アレルギーに対応していることは別です。原材料には大豆由来の油脂や乳化剤などが使われる場合があるため、アレルギーがある人は購入時に包装の表示を確認してください。
ふわふわした食感の秘密|植物油脂と砂糖を泡立てる製法
モロッコヨーグルは、一般的なヨーグルトとは異なる製法で作られています。
大阪市西成区の工場では、まず植物油脂、砂糖、ブドウ糖などを大きな機械で混ぜ合わせます。
この工程で重要なのが、クリームに空気を抱き込ませることです。
植物油脂と糖類を適切に混ぜ、空気を含ませることで、ふんわりとした独特の食感が生まれます。
出来上がったクリームはホースを通って充填機へ送られ、小さなプラスチック容器に詰められます。
主な製造工程
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植物油脂や糖類、酸味料などを混ぜ合わせる。
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クリームを泡立て、独特の食感に仕上げる。
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充填機で小さな容器にクリームを注入する。
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紙製のふたを載せ、熱で圧着する。
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容器を箱に整列させ、梱包して出荷する。
製造工程の一部は機械化されていますが、ふたの状態の確認や箱詰めなどには人の手も使われています。
2026年の工場取材では、5人体制で製造ラインを動かし、1日に約6万~7万個を作っていることが紹介されました。
年間の製造数は約1,000万個です。
一つの容器に入る量はわずか約4gですが、それを安定した状態で大量に作るためには、原料の配合から機械の調整まで細かな管理が必要になります。
1961年の誕生|ウイスキーボンボンが作れない夏の悩みから生まれた
モロッコヨーグルの歴史は、大阪市西成区の小さな菓子工場から始まります。
サンヨー製菓の前身となった池田製菓が事業を始めたのは1959年ごろ。創業者は、現在の社長・池田光隆さんの祖父です。
最初は8坪にも満たない長屋の一角で、さまざまなお菓子を製造していました。
その中で主力商品となったのが、ウイスキーボンボンです。
ウイスキーボンボンは、酒と砂糖などを使った液体を薄い砂糖の膜で包み、さらにチョコレートで覆うお菓子でした。
しかし、製造には手間がかかり、薄い砂糖の膜が割れることで不良品も発生していました。
さらに大きな問題が、夏の暑さです。
当時は現在ほど温度管理の設備が整っておらず、夏場にはチョコレートが溶けやすく、製造や流通が難しくなっていました。
そこで初代社長は、夏でも製造・販売できる別のお菓子を考え始めます。
暑い時期でも食べやすい、甘酸っぱいものはないか。
その発想から注目したのが、ヨーグルトのような風味を持つクリームでした。
最初は、モナカの皮にクリームを挟む商品も構想していました。しかし、モナカの皮は材料費が高く、安価な駄菓子として販売するには不向きでした。
そこで、当時の牛乳販売店が配達していた瓶入りヨーグルトに目を向けます。
小さな容器にクリームを詰める方法なら、低価格で提供しやすくなります。
こうして1961年、モロッコヨーグルが誕生しました。
発売当初は夏場を中心に製造していましたが、少しずつ人気が高まり、サンヨー製菓の主力商品へと成長していきました。
「モロッコ」という名前と象のイラストに込められた意味
モロッコヨーグルの「モロッコ」という名前は、実際にモロッコ産の原材料を使用しているという意味ではありません。
初代社長が商品名を考えた際、ヨーグルトがどこで生まれた食品なのかを調べたことがきっかけでした。
ヨーグルトの起源については、古くからさまざまな地域との関係が語られてきました。
その中で、地中海沿岸のモロッコにもヨーグルトを食べる文化があることを知り、語呂のよさから「モロッコ」を選んだと伝えられています。
そして、もう一つ特徴的なのが、商品パッケージに描かれている象の親子です。
この象には、初代社長の願いが込められています。
お菓子を食べる子どもたちに、象のように強く、優しく、たくましく育ってほしい。
そんな思いから、親子の象を描いたイラストが採用されました。
象のデザインはこれまでに何度か変更されていますが、モチーフそのものは受け継がれています。
容器の形にも由来があります。
丸みを帯びた小さなプラスチック容器は、昔のガラス瓶入りヨーグルトを小さくしたものです。ふたの周囲にあるひだ状の形も、かつて瓶の口にビニールをかぶせ、輪ゴムで留めていた姿を参考にしています。
モロッコという名前、象の親子、小さな瓶型の容器。それぞれに別の誕生の理由があり、それらが一緒になって長く親しまれる商品の姿を作っています。
原材料の変更で食感が変わった危機|3代目が守ったクリーム
モロッコヨーグルは長年ほぼ同じ味を守ってきましたが、原材料が一度も変わらなかったわけではありません。
3代目社長の池田光隆さんは、製造を引き継いでから大きな問題に何度も直面しています。
一つ目の転機が、BSE(牛海綿状脳症)問題による原料油脂の変更でした。
原材料の供給元が、従来使用していた動物性油脂をやめ、植物油脂へ切り替えたのです。
すると、クリームの泡立ち方が変わり、モロッコヨーグルらしいふんわりとした食感が失われてしまいました。
池田さんは複数の原料メーカーから植物油脂を取り寄せ、配合を調整しました。
何度も試作を繰り返し、以前の食感に近づける組み合わせを見つけ出します。
さらに約20年後には、トランス脂肪酸を減らした油脂への切り替えという問題が起きました。
このときも原材料の性質が変化し、同じように作っても以前の食感にならなくなりました。
池田さんは7~8社から油脂を取り寄せ、約半年間にわたって研究を続けます。
目指したのは、単にクリームを製造することではありません。
食べた瞬間に感じる、モロッコヨーグル独特のふんわりした食感を残すことでした。
そのため、原料が変わっても配合を工夫し、従来の特徴を維持する道を選びました。
65年続く定番の味は、同じ材料を使い続けているからではなく、材料が変わっても仕上がりを守るための調整によって支えられています。
夏は溶けやすく冬は硬くなる|小さな工場の温度管理
モロッコヨーグルの製造では、季節による気温の変化も大きな課題です。
主な原材料が植物油脂と砂糖のため、高温になるとクリームが柔らかくなり、油脂が分離することがあります。
一方、寒い時期にはクリームが硬くなり、充填用のホースを通りにくくなります。
工場では、この違いに合わせて温度を調整しています。
冬はクリームの硬化を防ぐために暖房を使用し、春先は気温の上昇に合わせて状態を確認します。
出荷時にも工夫が必要です。
特に夏は輸送中の高温が問題になります。一方、単純に冷やして運べばよいわけでもありません。
冷蔵輸送による結露で、紙製の箱や木製スプーンが傷んでしまう問題があるためです。
2026年の取材では、工場からの出荷時に二重構造の段ボールを使うなど、温度変化への対応が紹介されています。
わずか数十円の駄菓子ですが、工場から駄菓子店へ届くまでには、細かな品質管理が欠かせません。
家庭でも、直射日光の当たる場所や高温になる車内などを避け、商品包装に記載された保存方法を守ることが大切です。
当たり付きの楽しさと「ヨーグルスーパー80」が生まれた理由
モロッコヨーグルには、ふたを開ける楽しさもあります。
昔から親しまれてきたのが、ふたの裏に当たりが書かれていれば、もう1個もらえる仕組みです。
駄菓子を買う子どもにとって、食べる前から楽しめる工夫でした。
ところが、通販で箱買いできるようになると、新しい問題も生まれました。
通販で購入した商品の当たりを、購入先とは異なる駄菓子店へ持ち込む人が現れたのです。
本来、当たり付き商品には交換用の分が用意されていますが、別の店舗から持ち込まれると、交換を受け付けた店の負担になってしまいます。
こうした事情もあり、当たりの付かない「ヨーグルスーパー80」という商品が作られました。
2026年の取材では、製造機械の事情も重なり、当たりなしの商品を中心に出荷していることが紹介されています。
通販で購入する際は、当たり付きか当たりなしか、商品の仕様を確認しておくと安心です。
ジャンボヨーグル誕生|大きなサイズを求めた取引先のひと言
モロッコヨーグルには、小さな通常サイズだけでなく「ジャンボヨーグル」もあります。
その誕生のきっかけは、取引先の担当者から寄せられた要望でした。
その人は子どものころ、モロッコヨーグルを何個も買い、食パンに塗って食べることが好きだったそうです。
しかし、小さな容器を何個も開けるのは手間がかかります。
そこで、大きなサイズを作ってほしいと依頼しました。
1996年ごろのことです。
サンヨー製菓側は、大きなサイズの需要があるのか疑問を感じ、当初は積極的ではありませんでした。
それでも取引先の熱意を受け、まずは手作業で少量を製造してみることにしました。
すると、少しずつ取り扱う店が増えていきます。
やがて専用の製造ラインを整備し、継続して販売できる商品になりました。
現在のジャンボヨーグルは、通常サイズの約11倍の容量を持っています。
2026年の取材では、週に1回程度の製造で、1日に6,000~7,000個を生産していることが紹介されています。
小さな駄菓子をたくさん食べたいという、子どものころの願いが、もう一つのロングセラー商品を生んだのです。
1個約1円の利益でも作り続ける|3代目・池田光隆社長の考え方
モロッコヨーグルは年間約1,000万個も製造されていますが、それだけで経営が簡単になるわけではありません。
2026年の取材で池田光隆社長が説明したところによると、1個当たりの利益は約1円です。
製造する数は非常に多くても、一つひとつの商品から得られる利益はわずかです。
しかも工場には、長年使用してきた古い機械が残っています。
機械の不具合が発生すれば、製造ラインが停止し、大きな影響を受けます。
池田さんは、こうした機械の調整や修理にも日々向き合っています。
2004年にはテレビで紹介されたことをきっかけに注文が急増し、年間売上高が約1億4,000万円に達した時期もありました。
しかし、長年続く駄菓子の市場には、少子化や個人経営の駄菓子店の減少という変化があります。
そこで、スーパーやドラッグストアでも取り扱いやすいよう、バーコード付きのパッケージを導入するなど、販売方法にも工夫を重ねてきました。
池田さんが大切にしているのは、すべての子どもに毎回モロッコヨーグルを選んでもらうことではありません。
さまざまな駄菓子の中から、その日の気分で一つを選ぶ。
そんな駄菓子屋ならではの楽しさが、これからも続いてほしいと考えています。
一つの商品を大量に食べてもらうことよりも、子どもが自分のお小遣いで好きなお菓子を選べる環境を残すこと。
その思いが、利益の小さな駄菓子を作り続ける理由になっています。
まとめ
モロッコフルーツヨーグルは、1961年に大阪のサンヨー製菓が発売した、ヨーグルト風味の駄菓子です。
実際にはヨーグルトを使用せず、植物油脂と砂糖、ブドウ糖などを混ぜ合わせ、独自の酸味とふんわりした食感に仕上げています。
誕生のきっかけは、夏にチョコレート菓子を製造しにくいという問題でした。初代社長が考えた小さなヨーグルは、やがて全国の駄菓子店で親しまれる商品へと成長しました。
現在は3代目社長の池田光隆さんが、原材料や製造機械の変化に対応しながら、昔ながらの食感を守っています。
そして、通常サイズだけでなく、要望から生まれたジャンボヨーグルも販売されています。
子どもが少ないお小遣いで選べる、小さくて手頃なお菓子。その価値を大切にしてきたことが、モロッコヨーグルの65年を支えています。
参考リンク
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