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真実性の錯覚でデマを信じるのはなぜ?SNSの情報を見抜く5つの確認方法【トリセツショーで紹介】

生活

何度も見る情報ほど信じやすい?

SNSを眺めていると、同じ話が別の投稿から何度も流れてくることがあります。多くの人が言っているように見えると、根拠を確かめる前に「きっと本当だろう」と感じてしまうかもしれません。

『あしたが変わるトリセツショー「脳に潜む『思考のクセ』知ってトラブル回避!」(2026年7月30日)』では、誰にでも起こる真実性の錯覚や自己中心性バイアスが取り上げられました。脳のクセはなくせませんが、存在を知り、すぐに反応しないだけでも判断の偏りを抑えやすくなります。

この記事でわかること

  • 真実性の錯覚が起こる理由
  • SNSの情報を確認する方法
  • 夫婦や職場ですれ違う原因
  • 感情に流されにくくする対策

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真実性の錯覚とは「何度も見たから本当」と感じる脳のクセ

真実性の錯覚とは、同じ情報に繰り返し触れることで、その内容を以前よりも正しいと感じやすくなる現象です。

重要なのは、繰り返された情報が必ずしも正しいとは限らない点です。

初めて見る文章より、以前に見たことがある文章の方が読みやすく、意味もすぐに理解できます。脳はこの「処理しやすさ」や「見覚えがある感覚」を、情報の正しさと取り違えることがあります。

番組の実験では、参加者45人に複数の短い文章を見せ、その中の特定の文章だけを表現を変えながら3回表示しました。

最初に見たときよりも、3回目に見たときの方が「本当だと思う度合い」が上がり、45人中38人に同じ傾向が確認されています。

初めて知ると少し驚きますが、これは一部のだまされやすい人だけに起こるものではありません。真実性の錯覚は、年齢や知識の有無にかかわらず、幅広い人に起こり得る現象です。

研究でも、情報の反復回数が増えるほど真実らしさの評価が高くなりやすいことが確認されています。ただし、回数を増やせば際限なく信じるようになるわけではなく、影響の大きさには限界があります。

SNSでは同じ情報が「別々の証拠」に見えやすい

SNSは、真実性の錯覚が起こりやすい環境です。

利用者が興味を示した内容をもとに、似た投稿や関連する動画が次々と表示されます。そのため、1つの情報を検索しただけでも、同じ主張を繰り返し目にすることがあります。

たとえば、ある健康法について書かれた投稿を1度見ると、似た健康法を紹介する動画や広告が増えることがあります。

複数のアカウントが同じことを言っていると、情報源がいくつもあるように感じます。しかし、実際には全員が同じ投稿や記事を引用しているだけかもしれません。

投稿数と根拠の数は同じではありません。

同じ文章を転載した投稿が100件あっても、元の情報が1件だけなら、100個の根拠が確認されたことにはならないのです。

繰り返された情報は、内容の正確さだけでなく「人に共有したい」という判断にも影響する可能性があります。研究では、以前に見た誤情報をより正確だと判断し、共有する可能性が高まる傾向も報告されています。

たしかに、何度も目にした情報を毎回疑うのは疲れます。すべてを詳しく調べる必要はありませんが、健康、お金、災害、契約など、判断を間違えると影響が大きい情報は立ち止まって確認したいところです。

真実性の錯覚と単純接触効果は何が違う?

真実性の錯覚と一緒に語られることがあるのが、単純接触効果です。

どちらも、同じ対象に繰り返し触れることによって起こります。ただし、判断する内容が少し異なります。

真実性の錯覚は、何度も見た情報を「正しい」「本当らしい」と感じやすくなる現象です。

一方、単純接触効果は、繰り返し接した人、商品、音楽などに対して、親しみや好意を持ちやすくなる現象を指します。

たとえば、何度も表示される投資情報について考えてみましょう。

  • 「この投資法は信用できる」と感じるのが真実性の錯覚
  • 発信者に親しみや好感を持つのが単純接触効果

実際には、この2つが重なって起こる場合もあります。

毎日のようにメッセージをやり取りしていると、相手の説明を見慣れるだけでなく、その人自体にも親しみを感じるようになります。SNS型投資詐欺やロマンス詐欺では、こうした「見慣れた」「親しくなった」という感覚が、相手を信用する材料になりかねません。

SNS型投資詐欺やロマンス詐欺で確認したいこと

長期間やり取りした相手だからといって、その人物の身元や投資話が本物だと確認できたわけではありません。

文章や写真を何度も目にすると、それだけで相手をよく知っているような感覚が生まれます。しかし、画面上で親しさを感じることと、本人確認ができていることは別です。

次のような場面では、その場で判断しないことが大切です。

  • 投資や副業に誘われた
  • 指定された口座へ送金を求められた
  • 専用アプリのインストールを求められた
  • 「今日中」「今だけ」と決断を急かされた
  • 家族や知人に相談しないよう言われた

相手から送られたURLの中だけで確認すると、偽のサイトや偽の運用画面を見せられる可能性があります。

実際に確認するなら、相手から渡されたリンクを使わず、金融機関や行政機関の公式サイトを自分で検索します。会社名、所在地、電話番号、金融商品を扱うための登録などを、別の経路から調べることが重要です。

個人的には、「長く話しているから大丈夫」と感じたときほど注意が必要だと思います。時間をかけて築かれた親しさは安心材料に見えますが、詐欺ではその時間自体が信用させる手段として使われることがあるからです。

夫婦や職場で「自分ばかり頑張った」と感じる理由

脳のクセは、SNSだけでなく、夫婦や家族、職場の人間関係にも影響します。

番組のキャンプ企画では、夫も妻も自分の貢献度を70点、相手の貢献度を30点と評価しました。

夫はテント設営や料理など、自分が担当した作業を覚えています。一方、妻は子どもの見守り、寝かしつけ、安全への気配りなど、自分が担った負担を細かく把握していました。

このように、自分の行動や苦労はよく見えますが、相手が自分の見ていないところで行った作業は把握しにくいものです。

これを自己中心性バイアスといいます。

ここでいう「自己中心性」は、わがままな性格や、自分のことしか考えない性格という意味ではありません。自分の視点から離れ、相手が見ていた状況を正確に想像することが難しいという、人間に共通する傾向です。

共同作業では、自分の貢献を相手より大きく評価しやすいことが研究でも指摘されています。自分が行った作業は詳しく把握できるのに対し、相手の作業について得られる情報が少ないことも、判断の偏りに関係しています。

家事や育児では、目に見える作業だけでなく、予定管理、忘れ物の確認、買い物の計画、子どもの体調への注意など、表に出にくい負担もあります。

「私の方が大変だった」と言い合う前に、実際に行ったことを書き出してみると、相手の見えていなかった負担に気づきやすくなります。

実際に話し合うなら、次のように分けると整理しやすくなります。

  • 目に見える作業
  • 事前の準備や予定管理
  • 子どもや周囲への気配り
  • トラブルへの対応
  • 終わった後の片付け

自分の苦労を否定されると、つい相手の不足を指摘したくなります。ですが、どちらか一方が間違っているのではなく、見えていた範囲が違ったと考える方が、話し合いを進めやすくなります。

システム1とシステム2は脳の働きを理解するための考え方

脳の判断を説明する際には、システム1とシステム2という言葉がよく使われます。

システム1は、直感的で素早い判断です。

熱いものに触れて手を引く、人の表情から機嫌を読み取る、慣れた道を迷わず歩くといった場面では、時間をかけずに反応します。

システム2は、注意を向けて考える判断です。

金額を比較する、契約内容を読む、情報の出どころを確認するなど、時間と集中力を必要とする場面で働きます。

ただし、脳の中に「システム1の場所」と「システム2の場所」が完全に分かれて存在するわけではありません。速く直感的な処理と、遅く慎重な処理の違いを理解しやすくするための枠組みです。

近年は、直感と熟慮をきれいに2つへ分けるのではなく、両方の特徴が状況によって重なり合うという見方もあります。

システム1は悪いものではありません。毎回すべてを慎重に考えていたら、日常生活が進まなくなります。

昼食のメニューを選ぶ、着る服を決める、慣れた家事を行うといった判断では、直感の速さが役立ちます。

問題になるのは、本来なら確認が必要な場面でも、最初に浮かんだ印象だけで決めてしまうことです。

疲れているとき、焦っているとき、怒っているときには、時間をかけて考える余裕が少なくなります。個人的には、自分が冷静かどうかを判断するより、「疲れている夜には大きな決断をしない」と先に決めておく方が続けやすいと感じます。

緊急時の「1.5秒」と日常生活の「5秒」は分けて考える

番組では、航空機の操縦訓練で、異常が起きた直後に反射的な操作をせず、約1.5秒を状況確認に使う例が紹介されました。

ここで大切なのは、1.5秒待てば必ず正しい判断ができるという意味ではないことです。

パイロットは専門的な訓練を重ね、機体の状態や計器を確認したうえで行動します。一般の人があらゆる緊急時に何もしない方がよいという話ではありません。

火災、交通事故、急病など、すぐに避難や通報が必要な場面では、安全確保を優先します。

一方、SNSへの投稿、メッセージへの返信、ネットショッピング、夫婦げんかなど、数秒待っても危険がない場面では、反射的に行動しない方法が役立ちます。

番組では、感情が動いたときに5秒以上待つ方法も紹介されました。

  • スマートフォンの画面を伏せる
  • 1度深呼吸する
  • 水を飲む
  • 別の部屋へ移動する
  • 家事など別の行動を挟む

5秒という数字だけにこだわる必要はありません。目的は、最初に浮かんだ感情と行動の間に、わずかな時間を作ることです。

腹が立った直後に書いた文章は、言葉が強くなりがちです。送信前にスマートフォンを置くだけでも、「本当にこの表現でよいか」と考える余地が生まれます。

感情や事実を言葉にすると判断を整理しやすい

脳のクセに振り回されにくくする方法の1つが、状況を言語化することです。

頭の中だけで考えていると、「なんとなく怪しい」「絶対に相手が悪い」「みんなが言っている」といった、曖昧な印象に引っ張られます。

そこで、感情と事実を分けて書き出します。

たとえば、SNSで不安な情報を見た場合は、次のように整理できます。

感情

  • 怖い
  • 急いで知らせたい
  • 見逃したら困ると感じる

確認できた事実

  • 発信元が書かれていない
  • 具体的な日時が不明
  • 同じ文章を複数の投稿が転載している
  • 公的機関からの発表は確認できない

「怖いと感じたこと」と「危険が確認されたこと」は同じではありません。

言葉にして分けることで、自分が感情を根拠に判断しようとしていたことに気づきやすくなります。

人間関係でも同じです。

「相手が何もしてくれない」と感じたときは、相手の性格を評価する前に、起きた事実を書き出します。

  • 頼んだ作業が終わっていなかった
  • 期限を共有していなかった
  • 相手は別の作業を担当していた
  • 自分も疲れていた

個人的には、気持ちを無理に抑えるより、「私は今、腹が立っている」「急かされて不安になっている」と言葉にする方が現実的です。感情をなくそうとするのではなく、感情がある状態で決断しないようにすることが大切です。

怪しい情報を信じる前に確認したい5つのポイント

真実性の錯覚を完全になくすことはできません。

ただし、「見慣れているから本当だと思っていないか」と自分に問いかけるだけでも、いったん立ち止まるきっかけになります。

重要な情報に接したときは、次の5点を確認します。

  1. 最初の発信元はどこか

転載した投稿ではなく、最初に情報を発表した組織や人物を探します。

  1. 発信日と出来事の日付は一致しているか

過去の記事や映像が、最近起きた出来事として再投稿されることがあります。

  1. 別々の情報源で確認できるか

同じ文章をコピーした投稿ではなく、独立した複数の情報源を確認します。

  1. 感情を強く動かす表現が使われていないか

「絶対」「今すぐ」「知らないと危険」など、恐怖や焦りを強める表現があるときは、すぐに共有しないようにします。

  1. お金や個人情報を求められていないか

送金、カード情報、暗証番号、本人確認書類を求められた場合は、その場で対応せず、公式窓口へ直接確認します。

全部を調べるのは大変ですが、少なくとも発信元・日付・別経路の確認は押さえておきたいところです。

脳のクセはなくすより「起こる前提」で備える

真実性の錯覚や自己中心性バイアスは、知識を身につければ完全になくなるものではありません。

情報を素早く処理し、自分が経験したことを中心に考える働きは、日常生活を効率よく進めるためにも必要です。

大切なのは、脳のクセがあること自体を責めるのではなく、間違えたときの影響が大きい場面だけ慎重になることです。

特に注意したいのは、次のようなときです。

  • 疲れている
  • 怒りや不安を感じている
  • 決断を急かされている
  • 同じ情報を何度も見ている
  • 相手の行動が見えていない
  • お金や契約が関係している

このような状態では、画面を伏せる、5秒以上待つ、事実を書き出す、第三者に相談するといった小さな行動が役立ちます。

脳のクセを知る目的は、「自分は正しく判断できない」と不安になることではありません。

見慣れた情報と正しい情報を分けること、自分の視点と相手の視点を分けること、感情と事実を分けることが、トラブルを避けるための基本になります。

参考リンク


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