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結婚の最大の障害は「結婚資金」42.4%|結婚できない理由と最大60万円の支援【クローズアップ現代で話題】

クローズアップ現代

結婚したくても「お金」が壁になる人が多い理由

結婚する気持ちはあっても、新生活を始めるお金まで考えると決断できない。『クローズアップ現代(中流クライシス 〜“ふつうの暮らし”はどこへ〜)(2026年9月2日)』からもう1つ掘り下げたいのが、こうした結婚をめぐる経済的なハードルです。国の大規模調査では、結婚の障害として「結婚資金」が突出。生活費の上昇が続く中、結婚から子どもの人数までお金が人生の選択に影響しています。

この記事でわかること

  • 結婚の最大の障害が「結婚資金」になっている実態
  • 男性と女性で結婚資金への不安に差がある理由
  • 結婚後も子どもの人数に経済負担が影響すること
  • 新婚世帯が利用できる最大60万円の支援制度

結婚の最大の障害は「結婚資金」42.4%

(出典:国立社会保障・人口問題研究所「出生動向基本調査」

結婚を考える未婚者にとって、最も大きなハードルになっているのはお金です。

国立社会保障・人口問題研究所の第16回出生動向基本調査では、1年以内に結婚すると仮定した場合、**67.3%が「何らかの障害がある」**と答えています。

そして障害があると答えた人が「最大の障害」とした項目では、

  • 結婚資金:42.4%
  • 学校や学業上の問題:15.5%
  • 結婚生活のための住居:11.9%
  • 職業や仕事上の問題:11.6%
  • 親の承諾:7.9%

となりました。

結婚資金は2位以下を大きく引き離しています。ここでいう結婚資金には、結婚式だけでなく挙式や新生活を始めるための準備費用が含まれています。

結婚したい相手が見つかれば、それだけで結婚できるわけではありません。

引っ越し、敷金・礼金、家具・家電、生活用品など、新しく2人で暮らし始めるにはまとまった支出が発生します。

毎月の生活費を支払いながら、その資金を別に貯める必要があるところが大きな壁になっています。

男性は45.9%が結婚資金を最大の障害に挙げている

男女で見ると、さらに興味深い違いがあります。

結婚に障害があると答えた人のうち、「最大の障害は結婚資金」とした割合は、

男性45.9%
女性39.2%

でした。

男女とも最も大きな項目ですが、男性のほうが6.7ポイント高くなっています。

一方、結婚そのものに対する価値観も変化しています。

第16回調査では、18~34歳で「いずれ結婚するつもり」と答えた未婚者は男性81.4%、女性84.3%でした。

前回調査では男性85.7%、女性89.3%だったため、男女とも低下しています。

ただし、この数字だけから「お金がないから結婚しなくなった」と結論づけることはできません。

結婚の必要性を感じない人や、独身の自由を重視する人など価値観そのものも多様化しています。

それでも、いざ1年以内に結婚すると考えた人の中では、具体的な費用が最大のハードルになっているという点は重要です。

「年収が低い人だけ」の問題ではなく貯金できる余裕があるかが重要

結婚資金の問題は、単純に「年収が○万円以下だから結婚できない」という話ではありません。

同じ年収でも、

家賃
自動車
奨学金返済
食費
光熱費
社会保険料
税金

などの負担によって、毎月残せる金額は大きく変わります。

前の記事で取り上げた最低生計費の試算では、若い単身者が社会生活を送りながら暮らすためには年間約340万円が必要とされる地域もありました。

ここで問題になるのは、収入の額そのもの以上に、生活したあとに結婚準備のためのお金を積み立てられるかです。

毎月2万円を貯めても年間24万円。

50万円なら約2年、100万円なら4年以上かかります。

途中で家電の故障や車検、医療費などが発生すれば、その貯蓄を取り崩すこともあります。

「普通に働いて暮らせている」と「次の人生に進むお金まで用意できる」の間には、かなり大きな差があります。

結婚した後も「子どもにかかるお金」が次の壁になる

経済的な問題は結婚で終わりません。

同じ第16回出生動向基本調査では、理想とする子どもの数より実際に持つ予定の人数が少ない夫婦に理由を尋ねています。

その中でも**「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」**は、依然として最も多く選ばれる理由でした。

特に特徴がはっきりするのが、理想として3人以上を望みながら、予定している人数が2人以上にとどまる夫婦です。

このグループでは、

「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」59.3%

となっています。

つまり経済的なハードルは、

結婚する

新生活を始める

子どもを持つ

2人目・3人目を考える

というそれぞれの段階で現れます。

「子どもが欲しくない」のではなく、理想はあるけれど家計を考えると人数を減らすという夫婦もいることが分かります。

結婚相手にも「経済力」を求める男性が増えている

もう1つ、以前とは変わってきている数字があります。

結婚相手を選ぶ際、女性の経済力を「重視する・考慮する」と回答した男性は48.2%

前回調査の41.9%から上昇しました。

かつての「夫が主に稼ぎ、妻を扶養する」という形だけではなく、2人の収入で家庭を支えることを前提に結婚を考える人が増えている様子が数字にも表れています。

物価や住居費が高くなれば、片方の収入だけで家計を支える負担は大きくなります。

結婚相手に求める条件まで、暮らしに必要なお金と無関係ではなくなっています。

一方、女性が男性に求める条件では「家事・育児の能力や姿勢」を重視・考慮する割合が70.2%まで上昇しています。

共働きが前提になれば、収入だけでなく家事や子育てを2人で分担できるかも重要になるということです。

新婚世帯には最大60万円の支援を受けられる制度もある

結婚資金の負担を軽くする制度として知っておきたいのが、自治体が実施する結婚新生活に対する支援です。

2026年度も、こども家庭庁の地域少子化対策重点推進交付金を使った支援が各地で実施されています。

国が示す枠組みでは、

  • 夫婦ともに39歳以下
  • 世帯所得500万円未満
  • 夫婦ともに29歳以下なら上限60万円
  • それ以外の39歳以下では上限30万円

という条件が設定されています。

対象となる費用には、

住宅取得費
住宅のリフォーム費
家賃などの住宅賃借費
引っ越し費用

などがあります。

結婚式そのものの費用を補助する制度ではなく、結婚して新しい生活を始めるための住宅関連費用を支える制度と考えると分かりやすいでしょう。

ただし、実際に事業を実施するのは自治体です。

対象となる婚姻期間や所得条件、対象費用などに独自の条件が加わる場合があります。

結婚後に「そんな制度があったのか」と気づくより、入籍や引っ越しを決める段階で住む予定の自治体を確認しておくほうが安心です。

世帯所得500万円未満は「年収500万円未満」と同じではない

支援制度を見るときに注意したいのが、世帯所得500万円未満という条件です。

「所得」と「給与の年収」は同じ数字ではありません。

会社員の場合、給与収入から給与所得控除などを差し引いた後の金額が所得になります。

そのため「夫婦の年収を足したら500万円を超えるから対象外」と、給与明細の総支給額だけを見て判断するのは早すぎます。

さらに、制度では自治体独自の条件が設定されることもあります。

奨学金を返済している新婚世帯については、制度設計上、年間返済額を所得から控除する扱いが採られてきました。

実際に申請する際には、住民票を置く自治体が示す年度ごとの条件を確認することが大切です。

「結婚したくない」と「結婚できない」を同じにしないことが大切

未婚率の上昇を見ると、「最近の若者は結婚したがらない」という説明だけで終わりがちです。

確かに、結婚に対する価値観は変わっています。

一方で、

結婚する意思はある
相手もいる
でも新生活のお金が足りない

という人もいます。

第16回出生動向基本調査で、結婚に何らかの障害がある人が67.3%、その最大の障害として結婚資金を挙げた人が42.4%だったことは、この違いをよく表しています。

さらに結婚後には、子育てや教育費が理想の子ども数を実現する壁になります。

「普通に働いて生活できる」だけでなく、結婚や出産などの将来を選べる余裕まで残るのか。

中流層の暮らしを考えるうえでは、毎月の生活費だけでなく、人生の次の選択に使えるお金が残っているかまで見る必要があります。


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