一度止まった昭和の自販機が再び動き始めた
2026年9月4日放送の『ドキュメント72時間 全国うどん自販機の旅 瀬戸内編』では、古い自販機を利用する人だけでなく、「陰で支える人たち」にもスポットが当たります。そこで注目したいのが、広島市南区出島に残る五洋売店(うどん自販機)です。
現在は2台のレトロな麺類自販機が並びますが、この光景は当たり前に続いてきたものではありません。一度は存続が危ぶまれ、その後、新しい運営者によって再び動き始めた経緯があります。
この記事でわかること
- 五洋売店のうどん自販機が一度止まった経緯
- 現在管理している大瀧ベンダー株式会社
- 代表者・増原克己さんについて確認できる情報
- 毎日200人以上が訪れる自販機を支える仕事
五洋売店のうどん自販機は2021年に一度休止した
五洋売店のうどん自販機は、少なくとも2010年代には広島市に残る希少なレトロ自販機として知られていました。
レトロ自販機研究家・魚谷祐介さんが2017年に訪れた際の記録には、当時のオーナーが故障と向き合いながら機械を維持し、分からないことがあると島根の「自販機の神」と呼ばれる田中さんに相談していたことも記録されています。
ところが2021年8月、自販機はいったん稼働を停止します。魚谷さんの全国稼働履歴にも、2021年8月28日に五洋売店の麺類自販機が稼働中止となった記録があります。
しかし、そのまま消えることはありませんでした。
同年11月には営業を再開。再開当時は天ぷらうどん250円、肉うどん300円というラインナップが確認されています。
昭和から残ってきた機械にとって、「いったん止まってから復活する」ということ自体が簡単ではありません。
現在の運営は大瀧ベンダー株式会社
では、現在この自販機を誰が維持しているのでしょうか。
公的資料から確認できる答えが大瀧ベンダー株式会社です。
経済産業省のGビズインフォでは、大瀧ベンダー株式会社の所在地は広島県広島市南区出島2丁目14番19号。法人番号は3240001058762と確認できます。
さらに2026年5月に公開されたハローワーク求人では、同社の事業内容そのものが、
「うどん自販機の管理(五洋売店の自販機でのうどん販売)」
となっています。
つまり、レトロ自販機の管理を目的とした非常に珍しい会社です。
設立年は2021年。まさに五洋売店の自販機がいったん休止し、再出発した年と重なります。
代表取締役は増原克己さん
ハローワークに掲載された会社情報によると、大瀧ベンダー株式会社の代表取締役は増原克己さんです。
一方、公開情報だけでは増原さん個人の詳しい経歴や、前オーナーとの具体的な関係までは確認できません。
ここは推測で補うべき部分ではありません。
ただし、大瀧ベンダーについて求人票には明確に、
「前オーナーから引継いだ事業」
と記載されています。
したがって、五洋売店のうどん自販機が2021年の休止を乗り越えた背景に、現在の大瀧ベンダーによる事業承継があることは確認できます。
現在は2台の自販機を維持している
昔の五洋売店は麺類自販機1台で営業していました。
現在は2台です。
2026年の求人にも「昭和レトロな『うどん自販機』2台」と明記されています。
利用記録では天ぷらうどん、肉うどん、天ぷらそばなどが販売されてきました。価格については時期によって変更されているため、現地表示の確認が必要です。
しかし、重要なのはメニューよりも、その裏側です。
古い自販機は商品を補充して終わりではありません。
器に麺や具材を入れ、自販機内部にセットする必要があります。売れれば空きが出るため補充し、周辺も清掃しなければなりません。
自販機を守る仕事は1日2時間ほど
2026年の求人には、五洋売店の裏側がかなり具体的に書かれています。
仕事内容は、うどんなどの商品補充と掃除。
勤務時間は1回あたり1時間30分から2時間程度で、月・水・金・土・日などに補充を行う勤務形態が示されていました。
昭和の機械が24時間近く客を迎えられるのは、機械が勝手に働き続けているからではありません。
表からは見えない時間帯に、人が丼を入れ、掃除し、状態を確認しています。
『ドキュメント72時間』が今回「陰で支える人たち」に触れる理由がよく分かります。
毎日200人以上が訪れる人気スポットになった
さらに驚くのが利用者数です。
大瀧ベンダーの求人票には、五洋売店について「毎日200人以上お客様が来店される」と記されています。
単純計算すれば年間ではかなりの人数になります。
元々は周辺で働く人たちのための食事手段だったはずの自販機が、現在ではツーリング客や家族連れ、レトロ自販機ファンまで訪れる場所になっています。
古いものを博物館に移して保存する方法もあります。
しかし五洋売店の場合は違います。
今も日常の中で使われ続けている。
そこに、この自販機の価値があります。
五洋売店は「昭和を保存した場所」ではなく現役の店
五洋売店の物語で印象的なのは、懐古趣味だけで残っているわけではないことです。
売れたら補充する。
汚れたら掃除する。
壊れたら直す。
人が来れば、また次のうどんを用意する。
その繰り返しを現在も続けています。
2021年に一度止まった自販機が再び動き、現在は2台体制になり、毎日200人以上が訪れる。
番組で自販機そのもの以上に、その裏で働く人たちが気になった人にとって、五洋売店はかなり深掘りする価値のある場所です。
参考
ハローワークインターネットサービス
Gビズインフォ 大瀧ベンダー株式会社
懐かし自販機 五洋売店
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