船でしか行けない「魚山人」と店主・吉田博さんの物語
2026年10月7日放送のテレビ東京系「ハカってみた★超秘境のモーレツ仕事人!命をかけたギャンブル仕事…衝撃の労働時間」では、船でしか行くことができない秘境の名店が注目されます。番組公式情報では、カルロス・ゴーン氏も訪れた店として紹介されています。
佐賀県東松浦郡玄海町の高岩地区にある「魚山人(ぎょさんじん)」は、道路から直接店へ向かうのではなく、仮屋漁港から迎えの漁船に乗り、海岸沿いを約10分進んでたどり着く海鮮料理店です。
しかも、単に立地が珍しいだけの店ではありません。漁師として海を知り尽くした店主・吉田博さんが、自ら獲った魚を料理し、船で客を迎え、料理を運ぶところまで担ってきました。そこには、この土地から離れず暮らしてきた吉田さん一家ならではの長い物語があります。
この記事でわかること
- 魚山人の場所と船で向かうアクセス方法
- 店主・吉田博さんが魚山人を始めたきっかけ
- フレンチの鉄人・坂井宏行さんとの出会いから人気店になるまで
- 営業時間・予約方法など現在確認できる利用情報
魚山人は仮屋漁港から船で約10分の完全予約制店
魚山人があるのは、佐賀県東松浦郡玄海町仮屋の高岩地区です。
玄海町の公式紹介誌でも「船でしか行けない秘境めし」として掲載されており、客は仮屋漁港から迎えの漁船に乗って約10分。海沿いを進んだ先に店があります。
店は昼と夜、それぞれ1組だけを迎える完全予約制。豪華な建物や派手な演出で客を呼ぶ店ではなく、玄界灘と仮屋湾の海の幸そのものが主役です。
料理は大将のおまかせコースのみ。水揚げされた魚介を使い、刺身、煮付け、焼き物、寿司など、その時の海の恵みを生かした料理が並びます。
玄海町はリアス式海岸の仮屋湾を抱え、真鯛やブリ、カンパチなど海産物に恵まれた土地です。魚山人の特別さは、「船で行く」という非日常だけではなく、この場所だからこそ味わえる魚料理にあります。
店主・吉田博さんは漁師から魚料理の店を始めた
魚山人を営んできたのが、店主の吉田博さんと妻の敏子さんです。
吉田さんはもともと漁師。自分たちが暮らす高岩地区の自然を訪れる人が増えるのではないかと考え、自分で獲った魚を食べてもらいたいという思いから魚料理の店を始めました。
ところが、船でしか行けない場所です。開店しただけで客が押し寄せたわけではありません。
テレビ東京の過去の取材では、開業当初は客が少なく、開店資金として抱えた1200万円の借金にも苦しんでいたことが紹介されています。
「秘境に店を開けば珍しさで成功する」という単純な話ではなかったのです。
転機はフレンチの鉄人・坂井宏行さんの来店だった
流れが大きく変わったのは、開店から3年目でした。
「フレンチの鉄人」として知られる坂井宏行さんが佐賀を訪れた際、魚山人の評判を耳にして来店。吉田さんが作る、新鮮な魚介を生かした漁師料理を味わいました。
その後、料理人の間で店の評判が広がり、国内外から客が訪れるようになりました。
さらに開店5年目にはミシュランガイドにも掲載。船でしか行けない小さな店が、遠方から予約客が訪れる店へと変わっていきました。
テレビ東京は2021年にも魚山人を取り上げ、カルロス・ゴーン氏の来店歴があることや、世界から客が訪れる店として紹介しています。
吉田博さんが高岩地区を離れず店を続けてきた理由
魚山人の物語で特に印象的なのが、吉田さんと高岩地区との関係です。
店の裏山には藤原広嗣の墓と伊予親王に関わる遺跡があり、吉田さんはこの場所で代々続いてきた墓守の家系です。
テレビ東京の取材では、吉田さんは37代目の墓守として紹介されています。
つまり、高岩は単なる「店を開くために選んだ秘境」ではありません。家族が代々守ってきた土地であり、吉田さん自身の暮らしそのものが根付いている場所なのです。
だからこそ、店を便利な市街地へ移すのではなく、この地で魚山人を続けてきました。
船に乗らなければ客が来られない不便さと、ここでしか味わえない海の幸。その両方が重なって現在の魚山人があります。
仕入れから送迎、料理まで続く猛烈な1日
魚山人は、一般的な飲食店とは仕事の流れも大きく異なります。
過去の密着取材では、吉田さんは早朝から仕入れを行い、その後も船を操縦して家族や客を送迎。店へ戻れば妻と料理を仕込み、営業中は自ら料理を運んでいました。
当時は自宅と港を1日平均10往復する生活で、厨房と2階の客席も何度も往復。食事を取る時間も十分にないほど仕事が続いていました。
普通の飲食店なら、客は自分で店までやって来ます。
しかし魚山人では、「客を店へ連れてくること」から店主の仕事です。
漁師、船頭、料理人、配膳役。それらを一続きで担う働き方こそ、この店が「秘境の名店」と呼ばれる背景のひとつです。
魚山人の場所・営業時間・予約方法
玄海町が案内している魚山人の利用情報は次の通りです。
- 店名:魚山人(ぎょさんじん)
- 所在地:佐賀県東松浦郡玄海町仮屋高岩
- 電話:0955-52-2733
- 昼:12:00~15:00
- 夜:17:00~21:00
- 昼夜各1組の完全予約制
- 原則4名以上で予約
- 2~3名の場合は相談
- 仮屋漁港から店の迎えの漁船で約10分
- 定休日:不定休
魚山人は、ふらりと訪れて入店するタイプの店ではありません。
予約をしたうえで仮屋漁港へ向かい、船で店へ渡るところから食事が始まります。海の状況にも左右される立地のため、利用時は電話で最新の案内を確認しておくのが安心です。
まとめ
魚山人は、佐賀県玄海町の高岩地区にある、船でしかたどり着けない海鮮料理店です。
店主の吉田博さんは漁師として海と向き合い、自分で獲った魚を多くの人に食べてもらうため、この地で魚山人を始めました。
開店当初の苦しい時期を経て、坂井宏行さんとの出会いが転機となり、多くの料理人や遠方からの客が訪れる店へ成長しました。
一方で、店の魅力を支えているのは知名度だけではありません。
船で客を迎え、魚を仕入れ、料理し、再び船で送り届ける。代々受け継いできた高岩の土地で、漁師と料理人の仕事を続けてきた吉田さんの生き方そのものが、魚山人という店につながっています。
参考リンク
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