つまめるお腹の脂肪は「皮下脂肪」 食事と運動を組み合わせて減らす
2026年10月8日放送の「林修の今知りたいでしょ!」3時間SPでは、「体重の新常識」の中で内臓脂肪に加え、皮下脂肪の落とし方も取り上げられます。
皮下脂肪は皮膚のすぐ下に蓄積する脂肪で、お腹、腰まわり、太ももなどにつきやすいのが特徴です。最新研究では、有酸素運動、筋力トレーニング、両方を組み合わせた運動のいずれでも腹部の皮下脂肪が減少することが確認されています。
この記事でわかること
- 皮下脂肪と内臓脂肪の違い
- 腹部の皮下脂肪を減らす運動
- 食事と運動を組み合わせる理由
- 「お腹だけ痩せる」をどう考えるべきか
皮下脂肪は皮膚の下につく脂肪
皮下脂肪とは、その名前の通り皮膚の下に蓄積する脂肪です。
お腹の肉を指でつまんだときにつかめる部分の多くが皮下脂肪で、腹部だけでなく腰、二の腕、お尻、太ももなどにも蓄積します。
一方、内臓脂肪は腹筋よりさらに内側にあり、胃や腸などの内臓周辺につく脂肪です。
同じ「お腹の脂肪」でも場所が違います。
皮下脂肪と内臓脂肪を比較した研究では、食事、運動、減量治療などによってどちらの脂肪も減少しました。ただし割合で見ると、内臓脂肪のほうが減少率が大きい傾向が確認されています。
そのため、体重が減り始めても「下腹や腰まわりだけなかなか変わらない」と感じるケースがあります。
有酸素運動でも筋トレでも皮下脂肪は減少する
皮下脂肪対策でまず押さえておきたいのは、特別な運動1種類だけを行う必要はないということです。
43件の臨床試験、3552人をまとめたメタ解析では、
- 有酸素運動
- 筋力トレーニング
- 有酸素運動と筋力トレーニングの組み合わせ
のすべてで、腹部の皮下脂肪が減少しました。
中でも有酸素運動は、腹部皮下脂肪を減らす有効な方法として示されています。
有酸素運動というと、本格的なランニングを想像する必要はありません。
たとえば、
- ウォーキング
- 速歩
- 自転車
- 軽いジョギング
- 水泳
- エアロビクスなどの全身運動
も含まれます。
運動習慣がない人なら、最初から激しいトレーニングを行うより、まず歩く時間を増やすところから始めるほうが続けやすくなります。
最新研究では運動で皮下脂肪が約9%減少
2025年に発表された、過体重・肥満の成人を対象としたランダム化比較試験のメタ解析も興味深い結果を示しています。
12件の研究、591人をまとめた結果では、運動を行ったグループで、
- 腹部内臓脂肪:約7.1%減少
- 腹部皮下脂肪:約9.1%減少
という平均的な変化が確認されました。
もちろん、誰でも運動すれば必ず9.1%減るという意味ではありません。
運動内容、期間、体重、BMI、食生活などによって結果は変わります。
それでも「皮下脂肪は運動しても落ちない」というわけではなく、継続的な運動によって変化することは研究でも確認されています。
食事だけではなく運動を組み合わせる
脂肪を減らす基本は、体が消費するエネルギーと食事から摂取するエネルギーのバランスです。
食事量を適切に調整すれば体脂肪は減少しますが、運動を組み合わせることで活動量を増やし、筋肉や体力を維持しながら減量を進めやすくなります。
食事制限と運動について65件の研究を分析したシステマティックレビューでは、総体脂肪が減るほど腹部の皮下脂肪も減少する関係が確認されています。
つまり、「皮下脂肪だけを直接消す食品」を探すより、
食事を整える
↓
体全体の脂肪を減らす
↓
腹部の皮下脂肪も減っていく
という流れで考えるほうが基本に沿っています。
食事では極端に炭水化物や脂質をゼロにするのではなく、まず普段の食生活で余分になっている部分を探します。
たとえば、
- 大盛りを続けている
- 間食の回数が多い
- 甘い飲み物を頻繁に飲む
- 夜遅くに食べる量が多い
- アルコールと一緒に高カロリーな料理を食べる
といった習慣です。
1日だけ食事を抜くより、毎日の余分な摂取を少しずつ減らすほうが長く続けやすくなります。
腹筋だけでお腹の脂肪を落とす考え方には注意
お腹の皮下脂肪が気になると、腹筋運動を何百回も行えばお腹だけ痩せると考えたくなります。
いわゆる「部分痩せ」については研究結果が完全には一致していません。
2023年の小規模なランダム化比較試験では、腹部の持久的運動とランニングを組み合わせた男性で、ランニングだけを行ったグループより体幹部脂肪が多く減少しました。
一方、別の研究では、食事療法に腹筋の筋力トレーニングを追加しても、食事だけの場合と比べて腹部皮下脂肪が特別に大きく減少するとは確認できませんでした。
そのため現時点では、「腹筋をすればお腹だけ確実に痩せる」と断定するより、全身運動と食事管理を基本にするのが現実的です。
腹筋運動そのものが無駄という意味ではありません。
腹部の筋力を高めることには意味がありますが、それと「その場所の皮下脂肪だけが消える」ことは分けて考える必要があります。
体重計だけでは皮下脂肪の変化を判断できない
ダイエットを始めると、毎日の体重だけに目が向きがちです。
しかし運動を始めれば、筋肉量や体内の水分量なども変化します。
研究では、運動によって体重が大きく減っていなくても腹部脂肪が減少したケースが報告されています。男性を対象としたランダム化比較試験では、体重減少がなくても運動によって腹部脂肪と内臓脂肪が減少しました。
そのため、
「運動を始めたのに体重がほとんど変わらない」
という理由だけで、すぐに失敗と判断する必要はありません。
体重に加えて、
- 腹囲
- ベルトの位置
- 洋服のゆとり
- 運動を続けられている期間
なども確認すると、体の変化を把握しやすくなります。
皮下脂肪は短期決戦ではなく継続して減らす
皮下脂肪対策で避けたいのが、「1週間でお腹だけ落とす」といった極端な方法です。
脂肪は長期間のエネルギー余剰によって蓄積しているため、減らす場合もある程度の期間が必要になります。
重要なのは、
食事を極端に減らす
↓
体重が急減する
↓
続けられなくなる
↓
元の食生活へ戻る
という流れを繰り返さないことです。
ウォーキングなどの有酸素運動と筋力トレーニングを取り入れながら、食事の余分な部分を少しずつ減らす。
地味に見えますが、皮下脂肪を減らし、その状態を維持するにはこうした方法が基本になります。
まとめ
2026年10月8日放送の「林修の今知りたいでしょ!」では、「体重の新常識」として皮下脂肪の落とし方も扱われます。
皮下脂肪は内臓脂肪とは蓄積する場所や減り方が異なりますが、「一度ついたら落ちない脂肪」ではありません。
研究では、有酸素運動、筋力トレーニング、両方を組み合わせた運動で腹部皮下脂肪の減少が確認されています。
腹筋だけに頼ってお腹だけを急激に細くしようとするのではなく、全身を動かして消費エネルギーを増やし、食生活を整える。
皮下脂肪対策も、結局は「短期間で削る」のではなく、続けられる食事と運動を積み重ねることが基本になります。
参考リンク
PubMed「腹部皮下脂肪に対する運動のシステマティックレビュー・メタ解析」
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