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1920年の「人口2億5800万人」予測はどこから?『百年後の日本』と2020年の実際

古い日本の予測書と現代の都市を重ねた、1920年の未来予測を表す生成イメージ 社会

「日本の人口は2億5800万人」の出典は1920年の『百年後の日本』

「2020年の日本の人口は2億5800万人になる」という100年前の予測は、1920年(大正9年)4月5日発行の雑誌『日本及日本人』第780号に掲載された特集『百年後の日本』で紹介されたものです。

2026年11月3日放送予定のNHK総合『未来予測反省会「日本の人口は2億5千万人になる」』でも、この数字が取り上げられる予定です。2020年の実際の人口は約1億2615万人。予測の約半分でした。

『百年後の日本』は誰が作った?

『日本及日本人』は、政教社が発行していた言論雑誌です。1920年の春季増刊号では「百年後の日本」を特集し、当時の政治、文学、学問、産業など多方面の著名人から未来への見通しを集めました。

回答者は370人近くに及び、作家の菊池寛や島崎藤村も名を連ねています。巻頭には思想家・評論家の三宅雪嶺による『前路の展望』も掲載されました。つまり、ひとりの学者が日本の未来を一冊にまとめたのではなく、多くの人が異なる未来像を寄せた大規模な特集でした。

なお、「人口2億5800万人」の数字を具体的に誰が記したのかは、今回確認できた資料だけでは断定できません。特集全体に集められたさまざまな予測のひとつとして読むのが適切です。

2020年の実際の人口とは約1億3185万人の差

2020年の国勢調査で確定した日本の総人口は1億2614万6099人でした。1920年の予測と比べると、差は1億3185万3901人です。予測値は実際の人口のおよそ2.05倍に当たります。

一方、1920年に実施された日本初の国勢調査では、総人口は5596万3053人でした。100年間で人口がどのくらい増えるかを考えるうえでも、2億5800万人という予測は当時の大きな期待を映す数字といえます。

この予測を現在の人口学による将来推計と同じものとして扱うことはできません。多数の人が将来像を語る雑誌特集であり、どのような前提や計算に基づく数字だったかを数字だけから決めつけることはできないためです。

人口だけではない、100年前の大胆な未来予想

特集には、人口のほかにもさまざまな未来像が登場します。医学や衛生の発達によって平均寿命が80〜90歳になるという予想がある一方、地球と火星の交通を思い描いたものもありました。

実現したものと、2020年になっても実現しなかったものが混在しているのが、この特集の面白さです。未来を正確に言い当てたかどうかだけでなく、大正時代の人々が何を進歩と考え、どんな社会を望んでいたのかも読み取れます。

『百年後の日本』は現在も読める?

『日本及日本人』第780号の原誌は、京都府立図書館の紹介資料に掲載されています。同館には復刻本『百年後の日本』もあり、雑誌の発行から100年を迎えた2020年に取り上げられました。

復刻本はジェーアンドジェー・コーポレーションから刊行されており、2002年版と2010年版の書誌情報が確認できます。2010年刊の復刻本はISBN9784882181385、336ページです。

実物を読みたい場合は、近くの公共図書館の蔵書検索で『百年後の日本』と検索するか、国立国会図書館サーチで所蔵館を調べる方法があります。所蔵があっても、貸出可能か、館内閲覧のみかは図書館ごとに異なります。

なぜ予測と現実は大きく違った?

人口は、出生数や死亡数だけでなく、移動、結婚や出産を取り巻く状況、医療、経済、社会制度の変化にも左右されます。100年後まで同じ増加傾向が続くと考えるのは難しく、時代をまたぐ長期予測には大きな不確実性があります。

現在は逆に人口減少への対応が課題です。人口が少なくなっても地域の暮らしを守る仕組みについては、スマートシュリンク(賢く縮む社会)の意味と具体例でも紹介しています。

まとめ

2020年に日本の人口が2億5800万人になるという予測は、1920年刊の『日本及日本人』の「百年後の日本」特集に登場します。しかし実際の2020年の人口は約1億2615万人でした。約370人が未来を語った特集は復刻本でも読めます。数字の当たり外れだけでなく、大正時代の人々の希望や社会観を知る貴重な資料です。


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