ブロッコリーの激痛は食品単体だけで判断しない
健康によい野菜として知られるブロッコリーと「激痛」が結びつくと、食べるのが不安になるかもしれません。『所さん!事件ですよ「ブロッコリーで○○が激痛!? 世界たんぱく質ウォーズ」(2026年8月8日)』でも取り上げられ、注目されています。ただし、放送前の段階では痛みが起きた部位や診断名は明らかにされていません。ブロッコリーそのものを危険視するのではなく、食べた量、調理法、水分、持病、ほかの食品との組み合わせまで確認することが大切です。
この記事でわかること
- ブロッコリーと激痛をすぐ結びつけられない理由
- たんぱく質を増やしすぎる食べ方の注意点
- 1日に必要なたんぱく質とプロテインの考え方
- 腎臓や尿路結石が気になる人の確認ポイント
※放送後詳しい内容が分かり次第追記します。
ブロッコリースプラウトは1食7gで本当に太らない?スルフォラファンを生でよく噛む理由とダイエット中の使い方【それって実際どうなの会で紹介】
ブロッコリーを食べて激痛が起きたのはなぜ?
最初に結論をお伝えすると、現時点では、番組に登場する人の激痛の原因や診断名は公表されていません。
そのため、「ブロッコリーを食べたから尿路結石になった」「たんぱく質のとりすぎで激痛が起きた」と断定することはできません。
激しい痛みには、尿路結石、胆石、消化器の病気、筋肉や関節の異常など、さまざまな原因があります。食事との時間的なつながりがあったとしても、特定の食品だけが直接の原因とは限りません。
尿路結石の場合、石が尿管に詰まると尿の流れが妨げられ、腎臓側の圧力が急に高まります。そのため、背中から脇腹、下腹部にかけて非常に強い痛みが起きることがあります。吐き気や血尿を伴う場合もあります。
一方、ブロッコリーには尿路結石の材料になり得るシュウ酸が含まれていますが、だからといって、通常の食事量を1度食べただけで結石ができるとはいえません。
尿路結石は、次のような複数の条件が重なって起きる病気です。
- 水分不足で尿が濃くなる
- 塩分を多くとる
- 動物性たんぱく質に偏る
- シュウ酸を含む食品を極端に多くとる
- 結石ができやすい体質や持病がある
- 暑い環境や運動で大量に汗をかく
- 過去に尿路結石を経験している
たしかに「ブロッコリーで激痛」という言葉だけを見ると、ブロッコリーが危険な食べ物のように感じます。しかし、確認したいのは食品名だけではなく、何をどのくらい、どれだけの期間、どのような状態で食べていたのかです。
放送では、次の基本情報を確認する必要があります。
- 痛みが起きた部位
- 医師が診断した病名
- ブロッコリーを食べていた量
- 食べ続けていた期間
- 生、蒸し、ゆでなどの調理法
- プロテインや肉類の摂取量
- 1日の水分量
- 尿路結石や腎臓病などの既往歴
これらが分からない段階で、原因をブロッコリーだけに絞るのは避けた方がよいでしょう。
「世界たんぱく質ウォーズ」で問題になった食べ方とは
たんぱく質は、筋肉だけでなく、皮膚、髪、内臓、酵素、ホルモン、免疫に関わる物質を作るために欠かせない栄養素です。
不足を避けることは大切ですが、近年は「多ければ多いほどよい」という受け止め方も広がっています。
特に気をつけたいのは、普通の食事ですでに肉、魚、卵、大豆製品などを食べているのに、さらに高たんぱく食品やプロテインを何度も追加する食べ方です。
問題になりやすい食べ方には、次のような特徴があります。
- 毎食、大量の肉や鶏むね肉を食べる
- プロテインを食事とは別に何杯も飲む
- 野菜や炭水化物を減らし、たんぱく質中心にする
- 特定の健康食品だけを毎日大量に食べる
- 運動量が少ないのに、筋トレをする人と同じ量をとる
- 食事全体を確認せず「不足しているはず」と思い込む
- 水分を十分にとらない
- 腎臓の状態を確認しないまま高たんぱく食を続ける
ここで誤解したくないのは、たんぱく質やプロテインが一律に悪いわけではないことです。
高齢者、食が細い人、食事量が少ない人、激しい運動をしている人などは、食事だけで必要量を満たしにくい場合があります。その場合は、プロテインや栄養補助食品が役立つこともあります。
反対に、肉、魚、卵、納豆、豆腐、乳製品を毎日しっかり食べている人は、すでに必要量を満たしている可能性があります。
個人的には、プロテインを買う前に、まず昨日1日に食べたものを全部書き出すことがいちばん大事だと感じます。朝食の卵、昼食の肉、夕食の魚にもたんぱく質は含まれているため、プロテインだけを数えても全体量は分かりません。
ブロッコリー自体が危険な食品というわけではない
ブロッコリーは、野菜の中では比較的たんぱく質を含み、ビタミンC、葉酸、食物繊維などもとれる食品です。
ただし、「野菜だから、いくら食べても問題ない」と考えるのも適切ではありません。どの食品でも、同じものに極端に偏れば、栄養バランスが崩れたり、特定の成分を多くとったりする可能性があります。
尿路結石との関係で話題になるのがシュウ酸です。
尿路結石症の診療指針では、野菜類やお茶などにシュウ酸が含まれ、結石予防のためには摂取量や調理法を工夫することが示されています。掲載されている参考値では、ブロッコリー、キャベツ、カリフラワー、レタスは100g当たり300mg、ホウレンソウは800mgとされています。
ただし、この数値だけを見て「ブロッコリーは食べない方がよい」と判断する必要はありません。
シュウ酸は水に溶けやすいため、ゆでて湯を捨てることで減らせます。また、カルシウムを含む食品と一緒に食べると、腸内でシュウ酸とカルシウムが結びつき、体内への吸収が抑えられると考えられています。
食べ方の例としては、次のような組み合わせがあります。
- ゆでたブロッコリーとヨーグルト
- ブロッコリーと牛乳を使ったスープ
- ブロッコリーとチーズを合わせた料理
- ブロッコリーと小魚を使った副菜
- ブロッコリーと豆腐を組み合わせた料理
ただし、腎臓病がある人は、カリウム、リン、たんぱく質、塩分などの調整が必要になる場合があります。「カルシウムを一緒にとればよい」と自己判断せず、主治医や管理栄養士から指示を受けている場合は、そちらを優先してください。
また、シュウ酸はブロッコリーだけに含まれる成分ではありません。
- ホウレンソウ
- タケノコ
- 紅茶
- コーヒー
- 玉露
- 抹茶
- チョコレート
- ココア
- ピーナッツ
- アーモンド
日常的に飲むお茶やコーヒーから摂取している場合もあります。ブロッコリーだけを避けるより、食生活全体で偏りがないかを見ることが現実的です。
初めて知ると少し驚きますが、健康によい食品かどうかと、無制限に食べてよいかどうかは別の話です。
たんぱく質とプロテインは1日にどのくらい必要?
成人のたんぱく質の推奨量は、年齢や性別によって異なります。
基本情報は次のとおりです。
- 18~64歳の男性:1日65g
- 65歳以上の男性:1日60g
- 18歳以上の女性:1日50g
- 妊娠中・授乳中:時期に応じて追加量が設定される
- 病気の治療中:一般的な推奨量より医師の指示を優先する
これは健康な人が不足しないための目安であり、全員が毎日ぴったり同じ量をとる必要があるという意味ではありません。
また、必要量は体格、運動量、年齢、食事量、妊娠、授乳、病気の有無によって変わります。
食事に含まれるたんぱく質量の大まかな例は、次のとおりです。
| 食品 | 食べる量の例 | たんぱく質の目安 |
|---|---|---|
| 鶏むね肉 | 100g | 約20~25g |
| 鮭 | 1切れ | 約15~20g |
| 卵 | 1個 | 約6g |
| 納豆 | 1パック | 約7~8g |
| 木綿豆腐 | 150g | 約10g |
| 牛乳 | 200ml | 約6~7g |
| ご飯 | 茶わん1杯 | 約3~4g |
| ブロッコリー | 100g | 約4~5g |
実際には、主菜だけでなく、ご飯、パン、麺、野菜にも少量ずつ含まれています。
例えば、朝に卵と牛乳、昼に肉料理、夜に魚や豆腐を食べていれば、プロテインを飲まなくても必要量に近づくことがあります。
プロテインは、たんぱく質を補う食品です。飲むこと自体が筋肉を増やすわけではありません。筋肉を維持・増加させるには、適切な運動、十分なエネルギー、休養も必要です。
プロテインを検討するときは、次の順番で考えると分かりやすくなります。
- 普段の食事に含まれるたんぱく質を確認する
- 目安量と比べて不足しているかを見る
- 食事で補えるか考える
- 難しい場合だけ不足分をプロテインで補う
- 腎臓病や治療中の病気がある場合は事前に相談する
例えば、食事で1日50g程度とれている人が、たんぱく質20gのプロテインを2杯追加すれば、合計は90g程度になります。
それが直ちに危険とは限りませんが、必要量を大きく超えてまで毎日続ける理由があるかは確認したいところです。
厚生労働省の基準では、たんぱく質の明確な耐容上限量は設定されていません。一方で、腎機能への影響などを踏まえ、成人の目標量の上限は総摂取エネルギーの20%とされています。
つまり、「上限がないから、いくらでもよい」という意味ではありません。
腎臓や尿路結石が気になる人が確認したいこと
腎臓病と尿路結石は同じ病気ではありません。また、尿路結石にも、シュウ酸カルシウム結石、尿酸結石、リン酸カルシウム結石など複数の種類があります。
そのため、食事制限の内容も全員同じではありません。
尿路結石を経験したことがある人
過去に結石ができた人は、まずどの種類の結石だったのかを確認してください。
結石の種類によって、調整する可能性があるものが変わります。
- シュウ酸
- 塩分
- 動物性たんぱく質
- カルシウム
- プリン体
- 水分量
結石の予防では、水分をとって尿量を確保することが基本です。ただし、心臓病や腎臓病などで水分制限を受けている人は、自己判断で大量に飲んではいけません。
また、カルシウム結石だからといって、カルシウムを極端に減らすとは限りません。
食事中のカルシウムは腸内でシュウ酸と結びつき、シュウ酸の吸収を抑える働きがあります。カルシウムを必要以上に減らすと、かえってシュウ酸が吸収されやすくなる場合があります。
実際に選ぶなら、「石ができたから牛乳も野菜も全部避ける」ではなく、結石の種類と食事内容を医師や管理栄養士に確認したいところです。
腎機能の低下を指摘されている人
慢性腎臓病では、病気の段階や透析の有無によって必要なたんぱく質量が変わります。
透析を受けていない人では、腎臓への負担を考えてたんぱく質を調整する場合があります。一方、透析を受けている人は、治療中にたんぱく質が失われるため、より多く必要になることがあります。
この違いは非常に大切です。
「腎臓が悪い人は全員たんぱく質を減らす」「高齢者は全員プロテインを増やす」といった一律の判断はできません。
次に当てはまる人は、プロテインを習慣化する前に相談した方が安心です。
- 健診でeGFRの低下を指摘された
- 尿たんぱくが陽性だった
- 慢性腎臓病と診断されている
- 尿路結石を繰り返している
- 透析治療を受けている
- 糖尿病や高血圧がある
- 医師から塩分、カリウム、リンの制限を受けている
- 複数のサプリメントを使用している
プロテイン製品によっては、たんぱく質以外にカリウム、リン、ナトリウム、ビタミン、ミネラルなどが含まれます。腎臓病の人では、これらの量も確認が必要になる場合があります。
激しい痛みがあるとき
次のような症状がある場合は、食事を見直すだけで様子を見ず、医療機関への相談を検討してください。
- 突然の強い脇腹痛や背中の痛み
- 痛みが強くなったり弱くなったりする
- 血尿が出る
- 吐き気や嘔吐がある
- 発熱や寒気を伴う
- 尿が出にくい、または出ない
- 痛くてじっとしていられない
- 痛みが長時間続く
特に発熱を伴う尿路の詰まりは、感染症を併発している可能性もあるため注意が必要です。
健康のために同じ食品を食べ続ける前の注意点
健康情報を見て、「これを毎日食べよう」と決めることは珍しくありません。
ブロッコリー、鶏むね肉、卵、納豆、ヨーグルト、オートミールなど、手軽で栄養価の高い食品は習慣にしやすいものです。
ただし、健康によい食品でも、食べ方が極端になると問題が起きる可能性があります。
確認したいのは、次の5点です。
1. 1回の量ではなく1日全体を見る
朝、昼、夜、間食、飲み物、プロテインを含めて確認します。
例えば、プロテイン1杯だけなら多く見えなくても、3食すべてが高たんぱくなら、合計量はかなり増えることがあります。
2. 食品を置き換えすぎていないか
たんぱく質を増やすために、ご飯、野菜、果物を極端に減らすと、エネルギー、食物繊維、ビタミン、ミネラルが不足する可能性があります。
筋肉を維持したい場合でも、たんぱく質だけでなく、体を動かすためのエネルギーが必要です。
3. 生と加熱後を混同しない
野菜は加熱すると水分が抜け、見た目の量が減ります。
大きなボウル1杯でも、ゆでたり蒸したりすると簡単に食べられてしまうため、「野菜だから少量」と思っていても、実際は多く食べていることがあります。
4. 体調や検査結果を無視しない
むくみ、尿の変化、強い疲労感、食欲低下などがあっても、健康食品を続ければよくなるとは限りません。
健診で腎機能や尿検査の異常を指摘されている場合は、食事法を始める前に確認する方が安心です。
5. 1つの食品に役割を背負わせすぎない
ブロッコリーだけで健康になるわけでも、プロテインだけで筋肉が増えるわけでもありません。
たしかに、毎日同じメニューにすると管理しやすく、買い物も楽になります。その便利さはよく分かります。
それでも、肉、魚、卵、大豆製品、乳製品、野菜、穀類を適度に入れ替える方が、栄養の偏りを防ぎやすくなります。
個人的には、「何を食べれば正解か」よりも、特定の食品に偏りすぎていないかを定期的に振り返ることの方が、無理なく続けるうえで重要だと感じます。
ブロッコリーは、通常の食事の中で適量を楽しむ限り、過度に怖がる必要はありません。
今回の話題から受け取りたいのは、「ブロッコリーが危険」という単純な結論ではなく、健康によいものでも、量、調理法、体質、持病、組み合わせによって受け止め方が変わるという点です。
まとめ
ブロッコリーを食べて激痛が起きた理由は、放送前の段階では確定していません。
そのため、尿路結石やたんぱく質の過剰摂取を原因と断定せず、痛みの部位、診断名、摂取量、水分量、持病などを確認する必要があります。
ブロッコリーにはシュウ酸が含まれますが、それだけで危険な食品というわけではありません。ゆでる、カルシウムを含む食品と組み合わせる、同じ食品に偏らないといった工夫が考えられます。
また、プロテインは食事で不足するたんぱく質を補うものです。すでに食事から十分とれている場合は、必ずしも追加する必要はありません。
特に腎機能の低下や尿路結石の経験がある人は、一般的な健康情報をそのまま試すのではなく、自分の検査結果や結石の種類に合わせて確認することが大切です。
参考リンク
気になる生活ナビをもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。

コメント