カーボラストは食事量を極端に減らさず「食べる順番」を変える血糖値対策
2026年9月16日放送のテレビ東京「ズボラに健康!カラダにイイワケ」では、血糖値スパイク対策として「カーボラスト食事法」が紹介されました。番組で解説したのは、糖尿病内科医の山村聡医師です。テレビ東京も放送前の公式情報で、元読売巨人軍の元木大介さんが実践する「超簡単食事法」としてカーボラストを大きく取り上げていました。
カーボラストの基本はシンプルです。ご飯やパン、麺などの炭水化物を最初に食べず、肉・魚・卵・豆腐・野菜などのおかずを先に食べて、炭水化物を最後に回します。
番組独自の健康法というわけではなく、「食べる順番」と食後血糖の関係は医学研究でも検討されています。ただし、糖尿病そのものを治す方法ではないため、番組の検証結果と研究で確認されている範囲は分けて見ることが大切です。
この記事でわかること
- カーボラスト食事法の具体的なやり方
- 元木大介さんが番組で実践していた方法
- 炭水化物を最後に食べる研究結果
- カーボラストを実践するときの注意点
カーボラスト食事法のやり方は「おかずを先に、炭水化物を最後に」
番組で山村聡医師が紹介したカーボラストは、炭水化物を食事の最後に食べる方法です。
番組で紹介された基本的な流れは次の通りです。
- 肉、魚、卵、豆腐、野菜などのおかずを先に食べる
- その後、ご飯やパン、麺などの炭水化物を食べる
- 番組では、おかずを食べ始めてから10~15分ほど後に炭水化物を食べる方法を紹介
- 食事内容そのものを大幅に変えるのではなく、食べる順番を変える
たとえば焼き魚定食なら、最初から白いご飯をかき込むのではなく、焼き魚や副菜などを先に食べてからご飯へ進みます。
カレーライスや丼物のように炭水化物とおかずが一体になっている料理では、そのままでは順番を分けにくいため、サラダやたんぱく質のおかずを先に食べるなどの工夫が考えられます。
ポイントは「炭水化物を食べない」ことではありません。
炭水化物を禁止するのではなく、後ろへ回す。これがカーボラストの特徴です。
元木大介が続けていたカーボラストを番組で比較
番組では元読売巨人軍の元木大介さんが登場しました。
元木さんは2型糖尿病と診断されたことをきっかけに、約5年前からカーボラストを実践しているとして紹介されています。
そこで番組では、あえてカーボラストを行わなかった場合と、カーボラストを行った場合の食後血糖を比較しました。
通常の順番で食べたときには血糖値が食後に大きく上昇。一方、おかずを先にして炭水化物を後にした条件では、上昇幅が小さくなりました。
テレビ東京も公式の放送告知で、血糖値企画の中心として「元巨人軍・元木大介も実践!超簡単食事法『カーボラスト』」を紹介しています。
ただし、この番組内の測定は1人の条件比較です。
元木さんと同じ数字になる、カーボラストだけで糖尿病が改善するといった意味ではありません。そこで参考になるのが、食べる順番を調べた臨床研究です。
炭水化物を最後にすると食後血糖はどう変わる?
カーボラストに近い食事法は、米国糖尿病学会の医学誌「Diabetes Care」でも研究されています。
2015年に発表された研究では、メトホルミンで治療中の2型糖尿病患者11人に同じ食事を食べてもらい、
「炭水化物を先に食べる」
「野菜とたんぱく質を先に食べ、炭水化物を最後に食べる」
という2条件を比較しました。
炭水化物を最後にした条件では、炭水化物を最初にした場合と比較して、食後30分、60分、120分の血糖値が低くなりました。特に食後60分では平均血糖値が199.4mg/dLから125.6mg/dLとなっています。
興味深いのは、単に野菜だけを先に食べた研究ではない点です。
野菜とたんぱく質を先に食べ、その後に炭水化物を食べるという順番でした。カーボラストは「野菜を最初に食べる」だけではなく、食事全体の中で炭水化物を後ろへ回す考え方と捉えると分かりやすいでしょう。
10~15分待たないとカーボラストにならないわけではない
番組では、おかずを先に食べてから10~15分後に炭水化物を食べる方法が紹介されました。
一方、2025年に「Diabetes Care」に掲載された研究では、食事の途中に長い休止時間を設けず、食べる順番を変える方法も検討されています。
その研究でも、繊維質の多い野菜やたんぱく質を先にし、炭水化物を最後にする食べ方が、食後の血糖変動を抑える方向に働くことが示されました。
そのため日常生活では、「必ず10分時計で計らなければならない」と考えるより、
おかずから食べ始め、ご飯やパン、麺を食事の後半へ回す
という習慣から始める方が続けやすそうです。
食事のたびに時間を計る必要がある方法では、番組が掲げる「ズボラに健康」という考え方からも離れてしまいます。
カーボラストとベジファーストの違い
似た言葉に「ベジファースト」があります。
ベジファーストは、その名の通り野菜を最初に食べる考え方です。
一方、カーボラストで重要なのは、炭水化物を最後へ持っていくこと。最初に食べるものは野菜だけに限定されず、肉や魚などのたんぱく質を含むおかずも対象になります。
たとえば、
焼き魚→野菜のおひたし→味噌汁→ご飯
冷ややっこ→肉料理→野菜→ご飯
といった食べ方も考えられます。
つまり「野菜を絶対に一口目にする」ことより、ご飯などをいきなり大量に食べ始めないことがカーボラストでは重要になります。
「食べる順番だけ変えれば何を食べてもいい」わけではない
ここは番組を見るうえでも注意したいところです。
カーボラストには食後血糖を抑える可能性を示した研究がありますが、だからといって、炭水化物や総摂取カロリーをどれだけ増やしても問題ないという意味ではありません。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」も、炭水化物だけを見るのではなく、たんぱく質、脂質、食物繊維を含めたエネルギー・栄養素全体のバランスを扱っています。
特に糖尿病で治療を受けている人の場合は、自己判断で薬を減らしたり、食事療法をカーボラストだけに置き換えたりするものではありません。
インスリンや血糖降下薬を使用している場合も、食事のタイミング変更が治療に関係することがあるため、主治医や管理栄養士へ相談するのが安全です。
山村聡医師は血糖値と食事を実際に検証してきた
番組でカーボラストを解説した山村聡医師は糖尿病内科医で、九州大学医学部卒業後、昭和大学糖尿病内科で糖尿病や生活習慣病などの診療に携わってきました。
2024年には「やさしい内科クリニック」を開業しています。
山村医師は2025年にKADOKAWAから『糖尿病専門ドクターが検証! 血糖値を下げる食事法について、実際に試してみた』を出版。さまざまな食品を実際に食べ、自身の血糖値を測定するという方法で食事と血糖の関係を解説しています。
今回の番組でも、カーボラストのほか、食前のマイタケや炭水化物とマヨネーズの組み合わせなど、普段の食生活へ取り入れやすい方法を紹介していました。
その中でもカーボラストは、特定の商品を買う必要がなく、「食べる順番を変える」という日常の行動だけで実践できるのが大きな特徴です。
カーボラストを普段の食事で実践するポイント
難しく考えず、普段の定食をイメージすると分かりやすくなります。
- 最初からご飯だけを何口も食べない
- 肉・魚・卵・大豆製品や野菜などのおかずから食べる
- ご飯、パン、麺などは食事の後半へ回す
- 炭水化物そのものを抜く方法ではない
- 食事量や栄養バランスまで無視してよい方法ではない
- 糖尿病治療中なら治療内容を自己判断で変更しない
「新しい健康食品を毎日買う」「難しい料理を作る」といった方法ではないため、続けやすさという点ではかなりシンプルです。
いつもの献立を大きく変えず、最初に何を箸で取るかを変えるところから始められます。
まとめ
「ズボラに健康!カラダにイイワケ」で紹介されたカーボラストは、肉・魚・野菜などのおかずを先に食べ、ご飯・パン・麺などの炭水化物を最後にする食事法です。
番組では元木大介さんの実践例が紹介されましたが、食べる順番と食後血糖の関係は医学研究でも調べられており、炭水化物を後にした条件で食後血糖の上昇が小さくなった研究があります。
一方で、カーボラストは糖尿病を治す方法でも、好きなだけ食べてもよくなる方法でもありません。
特別な食材を買うのではなく、「ご飯から食べ始めず、おかずを先にする」。普段の食事の中で試しやすいのが、この方法の一番分かりやすい特徴です。
参考リンク
- テレビ東京「ズボラに健康!カラダにイイワケ」公式情報
- Diabetes Care「Food Order Has a Significant Impact on Postprandial Glucose and Insulin Levels」
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準」
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