ピーマンは冷凍すると苦味が和らぎ料理にも使いやすくなる
『ホンマでっか!?TV(1兆円の大ブーム!冷凍食品の活用術&激ハマりNo.1を大発表)(2026年8月26日)』で紹介される意外な冷凍術の1つがピーマンの冷凍です。苦味が気になるピーマンも、凍らせることで組織が変化し、加熱料理では食べやすくなります。丸ごとなら約2カ月保存できるため、使い切れずに余らせがちな家庭にも便利な方法です。
この記事でわかること
- ピーマンを冷凍すると苦味が和らぐ理由
- ピーマンの苦味を生み出している成分
- 丸ごと冷凍とカット冷凍の使い分け
- 冷凍ピーマンに向いている料理と注意点
ピーマンは冷凍すると苦味を感じにくくなる
ピーマンが苦手な人に試しやすいのが、生のピーマンをいったん冷凍してから加熱する方法です。
冷凍するとピーマンの内部にある水分が凍り、組織が壊れます。その結果、加熱したときに水分が出やすくなり、苦味に関係する成分も流れ出やすくなります。
生のピーマン独特のパリッとした食感は弱くなりますが、その代わりに苦味が穏やかになり、調味料もなじみやすくなります。
ピーマンの苦味が苦手だから細かく刻む、長時間炒めるという方法だけでなく、「先に冷凍しておく」こと自体が下ごしらえになるわけです。
ピーマンの苦味はクエルシトリンと香りが関係している
そもそも、なぜピーマンは苦く感じるのでしょうか。
タキイ種苗とお茶の水女子大学の研究では、一般的なピーマンと苦味の少ない品種を比較した結果、ポリフェノールの一種であるクエルシトリンが苦味に深く関わっていることが分かりました。
さらに興味深いのは、クエルシトリンだけではピーマンらしい苦味にならないことです。
クエルシトリンが持つ渋味に、ピーマン特有の香気成分であるピラジン類が組み合わさることで、私たちは「ピーマンの苦味」として感じています。
2024年にはキユーピーと東京大学の研究によって、クエルシトリンに強く反応するヒトの苦味受容体として「TAS2R8」が示されています。
単純に「緑色だから苦い」のではなく、成分と香り、そして人間の味覚が組み合わさって生まれている感覚なのです。
冷凍すると味が染み込みやすくなる
冷凍ピーマンのメリットは、苦味だけではありません。
冷凍によって組織が変化すると、加熱したときに生のピーマンよりやわらかくなりやすく、調味料もなじみやすくなります。
そのため、
- 煮びたし
- 甘辛炒め
- ナポリタン
- カレー
- スープ
- 味噌炒め
など、味をしっかり付けて加熱する料理との相性がよくなります。
一方、生のピーマンならではのシャキシャキ感を楽しみたい青椒肉絲やサラダでは、冷凍しない方が向いています。
冷凍した方がおいしいというより、冷凍前と冷凍後では向いている料理が変わると考えると使いやすくなります。
丸ごと冷凍なら保存期間は約2カ月
大量にピーマンを買ったときに便利なのが丸ごと冷凍です。
農林水産省が紹介する方法では、生のピーマンを丸ごと冷凍用保存袋へ入れて保存できます。
保存期間の目安は約2カ月です。
方法も難しくありません。
ピーマンの表面をきれいにし、水分をしっかり拭き取ってから冷凍用保存袋へ入れます。
ヘタや種を取る必要もありません。
使うときは室温に約5分置くと包丁が入りやすくなるため、凍った状態に近いまま必要な大きさへ切って調理できます。
「冷凍するための下処理が面倒」という人ほど使いやすい方法です。
カットして冷凍すれば調理時間をさらに短縮できる
もう1つは、あらかじめ切ってから冷凍する方法です。
例えば、
細切りなら炒め物やナポリタン、輪切りならピザや炒め物、乱切りならカレーや煮物といった形で、次に作る料理を想定して切っておくと便利です。
夕食時には冷凍庫から必要な量を取り出し、そのままフライパンや鍋へ。
「洗う→ヘタを取る→種を取る→切る」という工程を夕食時に行わなくて済みます。
ただし、農林水産省が示す保存期間の目安は、丸ごとなら約2カ月なのに対し、カットした場合は約1カ月です。
長く保存したいなら丸ごと、すぐ料理へ使いたいならカット冷凍という使い分けが分かりやすいでしょう。
冷凍ピーマンは解凍せずそのまま加熱する
冷凍ピーマンを使うときに、わざわざ完全解凍する必要はありません。
炒め物や煮物なら、凍ったまま加熱できます。
むしろ自然解凍すると水分が出て、やわらかな食感になりやすいため、シャキッと仕上げたい料理には不向きです。
冷凍庫から取り出したら、そのまま熱したフライパンや鍋へ入れる。
この使い方なら、食材保存と調理の時短を同時にできます。
丸ごと冷凍なら種まで扱いやすくなる
冷凍することで便利になるのが、切るときの扱いやすさです。
生のピーマンを切ると、中の種がまな板へ散らばることがあります。
丸ごと凍らせたピーマンは少し室温へ置くだけで切れるようになり、冷凍状態で処理することで種も扱いやすくなります。
また、ピーマンの種とワタは必ず取り除かなければならない部分ではありません。
料理によっては丸ごと焼いたり煮たりする方法もあります。
「ピーマンは必ずヘタを落として種を全部取り除く」という工程そのものを省ける料理を選ぶと、さらに手間を減らせます。
苦味が苦手なら卵との組み合わせも選択肢
ピーマンの苦味対策には、冷凍以外にも興味深い研究があります。
キユーピーと東京大学の研究では、ピーマンの苦味に関係するクエルシトリンに対し、卵黄たんぱく質を加えると苦味受容体の応答が低下することが確認されました。
つまり、
ピーマン+卵
という昔からある料理の組み合わせには、味覚の面でも興味深い関係があります。
冷凍ピーマンと卵を使えば、
- ピーマン入りオムレツ
- ピーマンと卵の中華炒め
- ピーマン入りチャーハン
- ピーマンと卵の甘辛炒め
なども作れます。
ピーマンが苦手な子どもに食べてもらいたい場合、無理に生に近い状態で食べてもらうより、冷凍+加熱+食べやすい料理に変える方法の方が取り入れやすそうです。
冷凍するとシャキシャキ感は弱くなる
便利な冷凍保存ですが、何も変わらず保存できるわけではありません。
最大の変化は食感です。
生のピーマン内部では細胞の中に水分が保たれていますが、その水分が凍って組織が変化すると、解凍・加熱後はやわらかくなります。
そのため、
「ピーマンの歯応えを楽しみたい」
という料理には生の方が向いています。
逆に、
「少しやわらかくてもいいから短時間で味を染み込ませたい」
という料理なら冷凍が便利です。
冷凍は単なる長期保存ではなく、食材の性質を変えて料理しやすくする下処理として使うとメリットが大きくなります。
使い切れないピーマンこそ冷凍しておくと便利
ピーマンは数個入りの袋で販売されることが多く、「2個だけ使って残りが野菜室に残った」ということも珍しくありません。
そんなときは傷むまで冷蔵庫へ置いておくのではなく、早めに冷凍してしまう方法があります。
長期間保存したいなら丸ごと。
次の料理をラクにしたいなら細切りや乱切り。
苦味が気になるなら冷凍したものを加熱料理へ。
目的によって冷凍方法を変えるだけで、ピーマンはかなり使いやすい野菜になります。
特に覚えておきたいのは、冷凍すると生と同じ状態を維持できるわけではないものの、その変化自体を料理に利用できることです。
冷凍庫は食材を止めておく場所ではなく、下ごしらえの工程の1つとして考えると、毎日の料理が少しラクになります。
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