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パラグアイ産ゴマはなぜ日本で使われる?白沢寿一さんが築いた栽培と輸出の歴史【世界で開け!ひみつのドアーズで紹介】

食・食品
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日本の食卓を支える小さな一粒

ごま和えやごま豆腐、ごま油など、日本では毎日のように使われるゴマですが、国内で流通するものの多くは海外から届いています。なかでもパラグアイ産ゴマは、日本人移住者が築いた生産の歴史と、現地農家による丁寧な栽培で知られています。

『世界で開け!ひみつのドアーズ「パラグアイ・ゴマ生産者に“ありがとう”」(2026年7月22日)』でも、手作業で品質を守る農家と、日本へゴマを届けてきた人々の歩みが取り上げられます。

この記事でわかること

  • パラグアイ産ゴマが日本で使われる理由
  • 日本人移住者がゴマ栽培を始めた経緯
  • 手作業や農薬に頼らない栽培の難しさ
  • 購入時に産地や表示を確認する方法

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パラグアイ産ゴマが日本で使われる理由

パラグアイ産ゴマが日本で使われてきた大きな理由は、食用として求められる品質を意識して生産されてきたことです。

ゴマは、ごま油などの加工原料として使われるものだけではありません。いりごまやすりごまのように、粒そのものを目で見て、香りや食感を楽しむ商品にも使われます。

食用のゴマでは、味だけでなく、次のような点も重要になります。

  • 粒の大きさや色がそろっているか
  • 土や石などの異物が混ざっていないか
  • カビや虫による被害がないか
  • 加熱したときに香ばしさが出るか
  • 日本の残留農薬基準を満たしているか

パラグアイでは、日本向けの輸出を意識しながらゴマ産業が育てられてきました。一時期は、日本へのゴマの主要な輸出国となり、日本で食べられるゴマを支えていた時期もあります。

普段は産地まで意識せずに食べているだけに、南米で作られた小さな一粒が日本の食卓につながっていると知ると、少し驚きます。

ただし、現在日本で販売されているゴマが、すべてパラグアイ産というわけではありません。商品によって中国、アフリカ諸国、トルコ、東南アジアなど、さまざまな地域の原料が使われています。

日本で流通するゴマの多くが輸入品なのはなぜ?

日本国内でもゴマは栽培されていますが、流通しているゴマのほとんどは輸入品です。

その背景には、ゴマの栽培から収穫、選別までに手間がかかることがあります。

ゴマは小さな種をまき、成長後に実が入ったさやを収穫します。ところが、収穫の時期を逃すと、熟したさやが開いて中のゴマが落ちてしまうことがあります。

さらに、収穫した後には乾燥させ、粒を取り出し、ゴミや異物を取り除かなければなりません。わずか数ミリのゴマを商品としてそろえるまでには、見た目から想像する以上の作業が必要です。

国内で大量に生産しようとすると、人手や農地、生産コストの問題が生じます。そのため、日本では長年、海外で栽培されたゴマを輸入することで需要を支えてきました。

個人的には、価格だけを見ていると気づきにくいものの、ゴマはかなり手間のかかる農作物だと感じます。料理にひと振りする量はわずかでも、その一粒一粒が商品になるまでには長い工程があります。

2ミリほどのゴマを手作業で育てる理由

番組で紹介される農家では、機械に大きく頼らず、農薬を使わない方法でゴマを育てています。

手作業が多くなる理由のひとつは、農地の規模や現地の生産環境です。大規模な機械を導入するには高い費用がかかるため、小規模農家にとっては現実的でないことがあります。

また、ゴマの品質を守るには、畑の状態を見ながら細かく手を入れる必要があります。

農薬に頼らずに栽培する場合は、雑草を取り除く作業も人の手に頼る部分が増えます。虫や病気の被害がないかを確認しながら育てなければならず、収穫量が安定しない可能性もあります。

収穫後にも、次のような工程が待っています。

  1. 収穫した株やさやを乾燥させる
  2. さやからゴマを取り出す
  3. 土、茎、石などの異物を除く
  4. 粒の状態や色を確認する
  5. 輸出できる品質に整える

ゴマの粒は約2ミリと小さいため、異物を見分けながら品質をそろえるのは簡単ではありません。

たしかにこれは気になります。普段は「白ごま」や「すりごま」という完成品しか目にしませんが、その前には、細かな粒を扱う根気のいる作業が積み重なっています。

一方で、手作業だから必ず高品質になる、機械を使うと品質が落ちる、という単純な話ではありません。機械には効率よく選別できる利点があり、手作業には畑や作物の状態に合わせて細かく対応できる利点があります。

大切なのは、どの方法を使うかだけでなく、収穫後の乾燥や選別、保管まで適切に管理されているかです。

白沢寿一さんがパラグアイでゴマ栽培を始めた背景

パラグアイのゴマ産業に大きな影響を与えた人物が、日本人移住者の白沢寿一さんです。

パラグアイへの日本人移住は1936年に始まりました。移住者の多くは農業に携わり、長い時間をかけて現地で生活と生産の基盤を築いていきました。

白沢寿一さんが関わる白沢商工は、1989年にパラグアイでゴマの試験栽培を始め、1992年にはパラグアイ産ゴマ20トンを初めて日本へ輸出しました。

ゴマが選ばれた背景には、現地の小規模農家が育てられ、日本市場でも需要が見込める作物だったことがあります。

パラグアイの農村では、綿花など特定の農作物に頼ることで、価格の下落や生産環境の変化による影響を受けることがありました。そこで、新たな収入源となる作物のひとつとしてゴマが広がっていきます。

ゴマは、比較的小さな農地でも栽培に取り組めます。一方で、丁寧な管理や手作業が必要なため、労力に見合った価格で売れなければ農家の負担が大きくなります。

白沢寿一さんたちは、単にゴマを育てるだけでなく、日本が求める品質を現地に伝え、生産されたゴマを輸出へつなげる役割も担いました。

個人的には、この点がいちばん大事だと感じます。作物の種を持ち込むだけでは産業にはなりません。栽培方法を広め、品質を整え、買い手を見つけ、輸送できる仕組みまで作って初めて、生産者の仕事が収入につながります。

日本人移住者とパラグアイの90年にわたるつながり

2026年は、パラグアイへの日本人移住が始まってから90年の節目に当たります。

最初の日本人移住者は1936年、ラ・コルメナに入植しました。第2次世界大戦によって移住は一時中断しましたが、戦後に再開されます。

1959年には、日本とパラグアイの間で移住協定が結ばれました。その後も日本人移住者は、パラグアイ各地で農業を中心に生活基盤を築いていきます。

移住当初は、土地の開墾、言葉の違い、気候や病気への対応など、多くの苦労がありました。それでも農業技術を蓄積し、大豆や小麦、野菜、果物などの生産にも取り組み、現地の農業発展に貢献してきました。

ゴマ産業も、こうした長い交流の延長線上にあります。

日本人移住者が栽培と輸出の道を作り、現地の農家が技術を受け継ぎ、日本の企業や消費者が商品を購入する。そのつながりが続いたことで、パラグアイ産ゴマは日本の食卓に届くようになりました。

日本とパラグアイは地理的には遠く離れています。それでも、日系社会を通じて積み重ねられた信頼が、農産物の取引や技術協力につながってきました。

「日本のためにゴマを作る」という言葉だけを見ると、一方向の支援のように感じるかもしれません。しかし実際には、日本はゴマを安定して輸入でき、パラグアイの農家は現金収入を得られるという、双方に意味のある関係として発展してきました。

パラグアイのゴマ農家が抱えてきた課題

パラグアイでゴマ栽培が広がった一方、長く続けるうえではさまざまな課題も生まれました。

代表的なのが、同じ土地で同じ作物を続けて育てることによる連作障害です。

特定の作物を同じ畑で繰り返し栽培すると、土の中の養分が偏ったり、特定の病気や害虫が増えたりして、生育が悪くなることがあります。

さらに、次のような問題もあります。

  • 天候によって収穫量が変わる
  • 国際的なゴマ価格が下落することがある
  • 他国産との価格競争が起きる
  • 日本の品質基準への対応が必要になる
  • 手作業に対して十分な収入を得られないことがある

日本では食品中の残留農薬について基準が設けられています。輸出する側は、日本の基準に合うように栽培や検査を行わなければなりません。

品質基準が厳しくなることは、消費者の安全を守るうえで大切です。一方で、現地農家にとっては、使える農薬や栽培方法を見直し、管理記録や検査体制を整える負担にもなります。

価格が下がれば、手間をかけても十分な利益が残らない可能性があります。高品質な農産物を求めるだけでなく、生産者が栽培を続けられる価格や取引条件も考える必要があります。

安い商品は家計にとって助かりますが、あまりにも安さだけを求めると、その作物を作る人が減ってしまうこともあります。実際に選ぶなら、価格と品質のバランスを見たいところです。

「無農薬」と「有機」は同じ意味ではない

番組では、農薬を使わずにゴマを育てる農家が紹介されます。

ただし、ここで注意したいのは、紹介された農家の栽培方法と、流通するパラグアイ産ゴマ全体を同じものとして扱わないことです。

パラグアイ産だからすべて農薬不使用というわけではありません。 生産者や農園、商品によって栽培方法は異なります。

また、「農薬を使っていない」と「有機食品」も、必ずしも同じ意味ではありません。

日本で商品に「有機」や「オーガニック」と表示するには、定められた生産方法を守り、認証を受けて有機JASマークを付ける必要があります。

一方、栽培中に対象となる農薬を使っていない農産物では、「栽培期間中農薬不使用」などと表示される場合があります。

そのため、購入するときは言葉の印象だけで判断せず、パッケージの表示を確認することが大切です。

確認したいポイントは次のとおりです。

  • 有機JASマークが付いているか
  • 「栽培期間中農薬不使用」などの記載があるか
  • 原料の原産国がどこか
  • 複数の国のゴマが使われていないか
  • 製造者や販売者が明記されているか

なお、農薬を使った農産物が危険という意味でもありません。日本では農薬ごとに使い方や残留基準が決められ、基準を超えた食品が流通しないよう管理されています。

大切なのは、「農薬不使用」という言葉だけで安全性を判断するのではなく、栽培方法、検査、輸送、保管まで含めて見ることです。

パラグアイ産ゴマを購入するときの見分け方

パラグアイ産ゴマを選びたいときは、商品の表側だけでなく、裏側の原材料名と原料原産地表示を確認します。

国内で製造された加工食品では、原則として、重量割合が最も高い原材料の原産地が表示されます。

いりごまやすりごまの場合は、次のような表示が考えられます。

  • ごま(パラグアイ)
  • 白いりごま(パラグアイ産)
  • ごま(パラグアイ、ナイジェリア)
  • ごま(輸入)
  • ごま(パラグアイ又は○○国)

複数の国名が書かれている商品は、原料の調達状況によって産地が変わる場合があります。

また、「国内製造」と書かれていても、ゴマそのものが国産とは限りません。

たとえば、海外産のゴマを日本国内ですりごまやペーストに加工した場合、加工された原材料の製造地として「国内製造」と表示されることがあります。

原料の産地を知りたい場合は、次の違いを意識するとわかりやすくなります。

表示 確認できること
パラグアイ産 ゴマがパラグアイで生産された
国内製造 原材料や商品が日本国内で製造・加工された
国産 ゴマが日本国内で生産された
有機JAS 有機JASの基準に沿って認証された
栽培期間中農薬不使用 栽培期間中に対象となる農薬を使用していない

実際に選ぶなら、ここは確認したいところです。「国内製造」という文字だけを見て国産だと思ってしまうと、希望していた産地とは違う可能性があります。

表示だけでわからない場合は、販売会社の商品ページや問い合わせ窓口で確認できます。

いりごま・すりごま・ごま油はどう選ぶ?

同じゴマでも、加工方法によって香りや使いやすさが変わります。

いりごまは、粒の食感を残したい料理に向いています。ごま和え、きんぴら、麺類、ご飯の仕上げなどに使いやすい商品です。

すりごまは、粒を砕いているため香りを感じやすく、たれやドレッシング、汁物に混ぜやすいのが特徴です。ただし、空気に触れる面積が大きくなるため、いりごまより風味が変わりやすくなります。

ねりごまは、ゴマをペースト状にしたもので、濃厚なコクがあります。ごまだれ、担々麺、白和え、デザートなどに向いています。

ごま油は、搾り方や焙煎の強さによって香りが変わります。料理の仕上げに香りを加えたい場合は焙煎したタイプ、素材の味を生かしたい場合は香りの穏やかなタイプが選択肢になります。

パラグアイ産ゴマを味わいたい場合は、産地が明記され、粒そのものの特徴がわかりやすい、いりごまから試すと比較しやすいでしょう。

購入後は、商品に記載された保存方法を優先し、開封口をしっかり閉じて、高温多湿や直射日光を避けます。においの強い食品の近くに置くと香りが移る可能性があるため、密閉して保存すると安心です。

小さなゴマから見えてくる生産者とのつながり

パラグアイ産ゴマの背景には、農産物の産地という情報だけでは語れない歴史があります。

1936年に始まった日本人移住、1989年の試験栽培、1992年の日本向け初輸出を経て、現地農家が育てたゴマが日本の食卓へ届くようになりました。

そこには、栽培する人、品質を確認する人、加工する人、輸送する人、販売する人の仕事があります。

私たちが普段手にするゴマは小さく、料理に使う量もそれほど多くありません。しかし、その背景を知ると、産地表示や栽培方法を一度確認してみたくなります。

すべての商品で高価なものを選ぶ必要はありません。普段使いでは価格や使いやすさを重視し、香りを楽しみたい料理では産地や製法がわかる商品を選ぶなど、目的に合わせて比べる方法もあります。

まずは自宅にあるゴマのパッケージを見て、原料原産地を確認してみるとよいでしょう。見慣れた一袋から、日本と遠く離れた生産地とのつながりが見えてきます。

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