夏の終わりに肌がカサつくとき、保湿はどう変える?
汗や皮脂が多い夏は「乾燥とは無縁」と思いやすい一方、冷房、紫外線、洗顔やシャワーの繰り返しなどで肌のバリア機能に負担がかかることがあります。『林修の今知りたいでしょ!(2時間SP 夏のダメージが蓄積…肌のギモン全部解決!)(2026年9月3日)』では、肌の乾燥や肌荒れを防ぐ方法も取り上げられます。ポイントは、保湿剤を増やすことだけではなく、洗い方・お湯の温度・塗るタイミングまで見直すことです。
この記事でわかること
- 入浴後の保湿はいつ行えばよいか
- 化粧水だけで乾燥対策を終えないほうがよいケース
- 熱いお湯や長風呂が乾燥肌に与える影響
- ベタつく部分と乾燥する部分が両方あるときの考え方
乾燥肌は「たっぷり塗る」より入浴後すぐの保湿がポイント
(出典:American Academy of Dermatology「How to pick the right moisturizer for your skin」)
肌が乾燥しているときに最初に見直したいのが、保湿剤を塗るタイミングです。
入浴や洗顔のあと、肌には水分が残っています。しかし、そのままにしていると水分は蒸発していきます。
そこで、肌がまだ少し湿っているうちにクリームや乳液などの保湿剤を使うと、肌表面から水分が逃げるのを抑えやすくなります。米国皮膚科学会も、シャワーや入浴後は肌が湿っているうちに保湿剤を使うことを勧めています。
「お風呂から出てしばらくテレビを見てから塗る」より、タオルでやさしく水分を取ったら、その流れで保湿すると習慣化しやすいでしょう。
特にすね、ひじ、腕、頬など、入浴後すぐにつっぱる場所は早めの保湿を意識したい部分です。
化粧水だけで終えるよりクリームや乳液を組み合わせたい場合がある
顔の乾燥対策というと、化粧水をたっぷり使う方法を思い浮かべる人も多いでしょう。
ただ、乾燥が強い肌では「水分を与える」ことに加えて、その水分を逃げにくくすることも重要です。
保湿剤にはローション、ジェル、クリーム、軟膏などさまざまな形があります。一般にクリームはローションより油分が多く、軟膏はさらに水分を保持しやすい特徴があります。乾燥が強い場合には、より厚みのあるクリームや軟膏が向くケースがあります。
そのため、
化粧水を付けてもすぐにつっぱる
時間がたつと粉をふく
頬だけカサカサする
という場合には、化粧水を何度も重ねるだけでなく、肌に合う乳液やクリームなどを組み合わせる方法があります。
反対に、顔全体が同じ乾燥状態とは限りません。
鼻や額は皮脂が多いのに頬だけ乾燥するような場合には、顔全部へ同じ量を塗るのではなく、乾燥する部分を中心に保湿するという考え方もあります。
熱いお湯で洗うほど肌がきれいになるわけではない
秋口になって気温が下がり始めると、シャワーや湯船のお湯を熱くしたくなります。
しかし乾燥肌には、熱すぎるお湯が負担になることがあります。
日本皮膚科学会のアトピー性皮膚炎診療ガイドラインでは、入浴・シャワー時の湯温として**38~40℃**が示され、42℃以上では皮脂や天然保湿因子が流出しやすく、かゆみを引き起こすこともあるとされています。
これは「すべての人が必ず38~40℃で入浴しなければならない」という意味ではありませんが、乾燥している肌を熱いお湯で長時間洗い続ける必要はありません。
お風呂上がりに、
肌が真っ赤になる
強くつっぱる
かゆくなる
という人は、まず湯温を見直してみる価値があります。
長風呂より5~10分程度の短い入浴が乾燥肌には向いている
「お湯につかれば、肌にも水分が入って潤う」と思いたくなりますが、長く入れば入るほどよいわけではありません。
乾燥肌のセルフケアでは、熱すぎないお湯で5~10分程度の短い入浴やシャワーが勧められています。入浴後はタオルで強くこすらず、水分を押さえるように拭いてから保湿します。
特に避けたいのが、
長時間の熱いシャワー
ナイロンタオルで強くこする
お風呂上がりに何も塗らない
という組み合わせです。
体を清潔にすることは大切ですが、「キュッキュッとするまで皮脂を落とす」必要はありません。
肌荒れしているときほどスクラブや角質ケアを増やさない
乾燥して表面がザラザラすると、
「古い角質が残っている」
と思ってスクラブやピーリングをしたくなることがあります。
ところが、乾燥して皮がめくれている肌にさらに角質を取り除くケアを加えると、刺激を増やしてしまうことがあります。
乾燥肌では、角質を積極的に落とすより保湿を優先することが勧められています。
特に夏の終わりは、毛穴、日焼け、ゴワつきが一度に気になり、
スクラブ
ピーリング
拭き取り化粧水
毛穴パック
などを重ねてしまいがちです。
肌がヒリヒリする、赤い、化粧品がしみるという状態なら、「さらに何かをする」より刺激になるケアを減らすことも考えたいところです。
洗顔は回数を増やすより「こすらない」ことが大切
夏は汗や皮脂が気になるため、何度も顔を洗う習慣が残っている人もいるでしょう。
しかし、皮脂が気になるからといって洗顔回数を増やせば、肌荒れを防げるとは限りません。
日本皮膚科学会では、ニキビのある肌についても、1日に5回、10回と繰り返し洗ったり強くこすったりすると炎症を悪化させる場合があるとして、1日2回程度、洗顔料をよく泡立ててやさしく洗う方法を案内しています。
洗顔後に頬や口の周りがつっぱる場合は、保湿を組み合わせます。
つまり、
皮脂がある=保湿してはいけない
ではありません。
ニキビができやすい人で乾燥も気になる場合には、ノンコメドジェニックなど毛穴を詰まらせにくいことを考慮した保湿剤を選ぶ方法もあります。
「ベタつくのに乾燥する」は顔全体を同じケアにしない
夏から秋への変わり目には、
「鼻はベタベタするのに頬がカサつく」
という状態になることがあります。
こうした場合、顔全体を「脂性肌」「乾燥肌」のどちらか1つに決める必要はありません。
額・鼻・あごのTゾーンは皮脂が多く、頬は乾燥しやすいという混合した状態もあります。
その場合は、
鼻や額には軽い使用感のもの
乾燥する頬にはクリーム
特に乾燥する部分にはより保湿力の高いもの
というように、部位によって使い分ける方法があります。
顔全体へ油分の多いクリームを厚く塗ることだけが保湿ではありません。
自分の肌が「どこで乾燥しているのか」を見るほうが、スキンケアを選びやすくなります。
保湿剤は強く擦り込まない
せっかく保湿していても、塗るたびに肌を強くこすっていては刺激になります。
日本皮膚科学会では、保湿剤などを塗る場合にも、強く擦り込むと皮膚にダメージを与えるため、やさしく塗ることを案内しています。
これは顔だけでなく、腕や脚でも同じです。
特に乾燥してかゆい部分は、
かく
擦る
さらにかゆくなる
という流れになりやすいため、入浴後に保湿剤を広げるときも肌を必要以上に刺激しないようにします。
保湿剤は「力を入れて浸透させる」必要はありません。
香りの強い新しい化粧品を一度に増やさない
肌荒れすると、「早く治したい」と新しい化粧水、美容液、クリーム、パックを一度に追加したくなることがあります。
しかし、敏感になった肌では新しい製品そのものが刺激になる場合があります。
乾燥肌向けの製品では、香料を含まない**fragrance-free(無香料)**のものが勧められることがあります。特に湿疹などで肌が敏感になっている場合には、香料が刺激になるケースがあります。
新しいスキンケアを複数同時に始めると、もし赤みやかゆみが出ても、どれが原因なのか分かりにくくなります。
肌が荒れている時期ほど、工程を増やしすぎないほうが管理しやすいでしょう。
保湿しても赤み・かゆみが続くなら「乾燥だけ」と決めつけない
乾燥肌なら保湿で改善することも多い一方、赤み、強いかゆみ、湿疹などが続く場合には別の皮膚疾患が関係していることがあります。
アトピー性皮膚炎では皮膚のバリア機能低下が関係し、保湿などのスキンケアに加えて、炎症に対する適切な治療が必要になることがあります。
また、新しい化粧品や洗剤などがきっかけとなる接触皮膚炎もあります。
「乾燥しているからクリームをもっと塗ろう」と同じ対応を続けるのではなく、
強い赤み
腫れ
繰り返す湿疹
眠れないほどのかゆみ
ひび割れや出血
などがある場合は、皮膚科で原因を確認したい状態です。
秋の乾燥対策は高価な美容液を増やす前に「洗う・温度・塗る」を見直す
夏の疲れが肌に出てくると、特別な美容成分を追加したくなります。
ただ、乾燥対策の土台になるのはもっとシンプルです。
熱すぎないお湯で短めに洗う。強くこすらない。入浴や洗顔後は肌が乾ききる前に保湿する。乾燥の程度に応じてローション、クリームなどを使い分ける。
こうした基本が崩れたまま美容アイテムだけを増やしても、肌への刺激まで増えてしまうことがあります。
夏には気にならなかった頬のつっぱりやすねの粉ふきが出始めたら、「秋だから仕方ない」と放置せず、毎日の洗い方と保湿のタイミングから見直してみるのが取り入れやすい方法です。
- テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
- 日本皮膚科学会「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024」
- American Academy of Dermatology「Dermatologists’ top tips for relieving dry skin」
気になる生活ナビをもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。


コメント