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大腸がんの切り札は何?260万人に届く検診案内と便潜血検査を解説【トリセツショーで話題】

あしたが変わるトリセツショー

大腸がん対策の「切り札」は検診を受ける行動につなげる仕組み

日本で罹患数が最も多い大腸がん。その一方で、国が推奨する大腸がん検診の受診率は半数に届いていません。『あしたが変わるトリセツショー(緊急対策!「大腸がん」切り札プレゼント)(2026年9月3日)』では、全国の自治体と連携し、検診を「知っている」だけで終わらせず、実際の受診につなげる大規模な取り組みが展開されます。

この記事でわかること

  • 自宅に届く大腸がん対策の「切り札」の仕組み
  • 40歳から受ける便潜血検査の方法
  • 便潜血検査が陽性だった場合に必要なこと
  • 案内が届かなくても大腸がん検診を受ける方法

自宅に届く「切り札」の中核は自治体からの個別受診勧奨

(出典:那覇市公式ホームページ

今回の大きな仕掛けが、全国47都道府県・260万人以上を対象に進められる大腸がん検診の受診促進プロジェクトです。NHK、全国の自治体、がん検診受診率向上に取り組む「希望の虹プロジェクト」が連携しています。

ポイントは、全国260万人に同じ検査キットを一律に送る仕組みではないことです。

キャンペーンの中心になっているのは、自治体から対象者へ大腸がん検診を個別に知らせる受診勧奨です。希望の虹プロジェクトでは、大腸がん検診用のはがきを自治体向けに用意しており、各自治体が年齢や加入している健康保険、検診の受診状況などに応じて対象者を決めています。

たとえば那覇市では、40~74歳の国民健康保険加入者のうち、年度内に大腸がん検診を受けていない人へ勧奨はがきを送る予定です。

横浜市でも、国民健康保険に加入する40~69歳の約28万人を対象に受診勧奨はがきを発送しています。つまり「テレビを見て終わり」ではなく、自宅に届く案内から実際の申し込みや受診へつなげることが、このプロジェクトの重要な部分になっています。

さらに、家族や友人など大切な人へ渡せる特別な検診案内も用意されています。宛名を書いて手渡せる形にすることで、「検診を受けたほうがいいよ」と身近な人から声をかけるきっかけを作る狙いがあります。

大腸がん検診は40歳から年1回の便潜血検査

大腸がん検診として国が推奨している基本的な方法が便潜血検査です。

対象は原則として40歳以上、1年に1回。一般的な方法では2日分の便を採取します。肉眼では分からないほど微量の血液が便に混じっていないかを調べ、大腸がんやポリープなどによる出血の可能性を確認します。

便を提出するだけなので、大腸内視鏡を最初から受ける検査とは大きく異なります。

自治体によって受診方法は違い、医療機関や集団検診会場へ提出するところもあれば、自宅で採便して郵送できるところもあります。阿久根市では、自宅で採取した便をポストから送る郵送法による検診も実施されています。

大腸がんは毎日出血しているとは限りません。そのため、定期的に検査を続けることが大切です。

「去年は陰性だったから、もう受けなくていい」という検査ではなく、40歳を過ぎたら毎年続けることが基本になります。

便潜血検査が陽性ならもう1度便を調べて終わりにしない

ここは特に知っておきたいところです。

2日分を調べる便潜血検査では、1日分だけでも陽性になった場合は精密検査が必要です。

「痔だと思うから大丈夫」「もう1回便潜血検査をして陰性ならいい」と自己判断するのは適切ではありません。便潜血検査を再度受けても、精密検査の代わりにはならないためです。

精密検査では、大腸の内部を詳しく調べる検査が行われます。大腸内視鏡検査では、肛門から内視鏡を入れて大腸を直接観察でき、必要に応じて病変の組織を採取することもできます。

一方、便潜血検査が陽性だからといって、大腸がんが確定したわけではありません。

2024年度の地域保健・健康増進事業報告では、大腸がん検診で「要精密検査」と判定された人のうち、実際に大腸がんが見つかった割合は3.02%、約33人に1人でした。だからこそ「陽性=がん」と怖がって受診を避けるのではなく、原因を確かめるために精密検査まで受けることが大切です。

日本の大腸がん検診受診率は45.9%

「便を少し採るだけなら、もっと多くの人が受けているのでは」と感じますが、ここに大きな課題があります。

国民生活基礎調査に基づく2022年の大腸がん検診受診率は、全国で**45.9%**でした。半数以上が受けていない計算になります。

今回の企画では、特に受診率が低い地域として沖縄県・与那国島で大腸がん検診を促すプロジェクトが行われています。

与那国島では、大腸がん検診の受診率が20%とされ、行動科学の専門家のアイデアを取り入れた「トリセツ祭り」を開催。模型や実験などを通じて、「検診は怖そう」「面倒そう」という心理的な壁を下げ、実際の受診行動へつなげる試みが行われました。

大腸がん検診の場合、医学的に有効な検査方法があっても、対象者が受けなければ早期発見にはつながりません。

そのため、検査方法を教えるだけでなく、はがきを自宅へ届ける、家族から声をかけてもらう、申し込みや受診までのハードルを下げるという「行動につなげる仕組み」が重視されています。

はがきが届かなくても大腸がん検診は受けられる

今回のキャンペーンに参加している地域でも、40歳以上の全員に同じはがきが届くわけではありません。

自治体によって、

  • 対象年齢
  • 健康保険の種類
  • 今年度の受診状況
  • 申し込み方法
  • 検診期間
  • 自己負担額

などが異なります。

ただし、キャンペーンのはがきが届かない=大腸がん検診を受けられない、という意味ではありません。

市区町村では健康増進法に基づいてがん検診が実施され、多くの場合、検診費用の一部または大部分に公費が使われています。勤務先や加入している健康保険組合で受けられる場合もあります。

自治体によってはキャンペーンに合わせて受付期間そのものを延長する動きもあります。

掛川市では大腸がん検診の申し込み期限を2026年9月30日まで延長しています。自宅に何も届いていない人も、「住んでいる市区町村名+大腸がん検診」で確認すると、対象年齢、費用、申し込み方法、実施医療機関などを確認できます。

血便や便通の変化がある人は検診日を待たない

大腸がん検診は、基本的に症状のない人が早期発見のために受ける検査です。

血便、便に血が付く、腹痛、便秘や下痢が続く、便が細くなった、排便回数が変わったなどの症状がある場合は、「次の大腸がん検診まで待とう」と考えず、医療機関を受診することが勧められています。

特に血便は痔でも起こるため、「昔から痔だから」と判断してしまいがちです。

しかし、大腸がんでも血便は起こります。症状がある人にとって必要なのは健康な人向けの「検診」ではなく、症状の原因を調べるための診察・検査です。

逆に、自覚症状がないからこそ検診を受ける意味があります。早期の大腸がんでは自覚症状がほとんどないことがあるためです。

大腸がんは年間15万人以上が診断され5万人以上が亡くなっている

大腸がんは「結腸がん」と「直腸がん」を合わせた呼び方です。

2023年に新たに大腸がんと診断されたのは154,039例。男女を合わせたがん罹患数では1位でした。

2024年の死亡数は54,416人で、男性28,826人、女性25,590人。がんによる死亡数では男性2位、女性1位となっています。

一方、大腸がんは早く見つけることが非常に重要ながんでもあります。

だからこそ「体調が悪くなってから検査する」のではなく、症状がない段階から便潜血検査を続けることが大切です。

今回の大規模プロジェクトで自宅に届く案内も、ゴールは「はがきを読むこと」ではありません。

40歳を過ぎたら年1回の検診を受ける。陽性なら精密検査まで受ける。症状があれば検診を待たず受診する。

この3つを実際の行動につなげることが、大腸がん対策の中心になります。


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