丸ごとりんごを包んで焼くアメリカの家庭菓子
2026年9月7日放送の『グレーテルのかまど』で取り上げられるのは、発明王トーマス・エジソンが好んだアップルダンプリングです。りんごをパイ生地で丸ごと包み、甘いシロップと一緒に焼く素朴なお菓子で、焼きりんごの柔らかさとアップルパイの香ばしさを同時に味わえます。どのようなお菓子なのか、家庭で再現する方法、エジソンとの意外なつながりまで詳しく紹介します。
この記事でわかること
- アップルダンプリングの特徴と発祥
- エジソンがアップルダンプリングを好んだ理由
- 冷凍パイシートを使った家庭向けの作り方
- りんごを生焼けにしないコツとおいしい食べ方
※放送後詳しい内容が分かり次第追記します。
アップルダンプリングは焼きりんごとアップルパイの中間

出典:「アップルダンプリング」のつくり方。りんごを丸ごと味わう、素朴な焼き菓子|アメリカ菓子図鑑/原 亜樹子さん
アップルダンプリングは、皮と芯を取り除いたりんごを小麦粉の生地で包み、オーブンで焼くお菓子です。りんごの芯を抜いた空洞には、砂糖、バター、シナモン、レーズン、クルミなどを詰めます。
焼く前に水、砂糖、バターなどで作ったシロップを耐熱皿へ注ぐのも大きな特徴です。オーブンの中でりんごから出た果汁とシロップが混ざり、底はしっとり、上側の生地は香ばしく焼き上がります。
「ダンプリング」と聞くと日本では餃子のような料理を想像しやすいですが、英語圏では食材を生地で包んだ料理や、生地をゆでたり煮たりした料理を広く指します。アップルダンプリングにも、布で包んでゆでる古いタイプと、オーブンで焼く現在主流のタイプがあります。
アメリカでは特にペンシルベニア州の郷土菓子として親しまれてきました。ペンシルベニア・ダッチの家庭では、デザートだけでなく、温かいダンプリングに牛乳をかけて朝食として食べる文化もあります。
エジソンは1869年にアップルダンプリングと出会った
トーマス・エジソン出生地博物館が紹介している資料によると、エジソンがアップルダンプリングを食べたのは1869年のことです。
当時22歳だったエジソンはニューヨークへ移ったばかりで、お金にも食べ物にも困っていました。その際、持っていた茶葉の袋と引き換えに焼いたアップルダンプリングを手に入れたと伝えられています。
空腹のときに食べた温かく甘いりんご菓子は、エジソンにとって忘れられない味になりました。その後もりんごを使ったパイや菓子を好み、1882年の新聞取材では、好きな食べ物としてペストリー、特にアップルパイを挙げています。
アップルダンプリングだけを生涯唯一の好物とするのは言い過ぎですが、若い頃の思い出と結び付いた、エジソンお気に入りのりんご菓子だったことは確かです。
家庭で作りやすいアップルダンプリングの材料
2026年9月5日時点では、今回の番組で瀬戸康史さんが作る公式レシピの詳しい分量は公開されていません。以下はアメリカの伝統的な作り方をもとに、冷凍パイシートで再現しやすくした4個分のレシピです。
材料は次のとおりです。
- 小さめのりんご:4個
- 冷凍パイシート:約10×18cmを4枚
- グラニュー糖:40g
- シナモンパウダー:小さじ1
- 無塩バター:20g
- レーズン:20g
- 刻んだクルミ:20g
- 溶き卵:適量
シロップの材料は次のとおりです。
- 水:160ml
- きび砂糖またはブラウンシュガー:60g
- 無塩バター:15g
- レモン汁:大さじ1
レーズンとクルミは省略できます。酸味があり、加熱しても煮崩れにくい紅玉が最適です。紅玉が手に入らない場合は、シナノゴールドやジョナゴールドなどを選びます。
一般的な大玉のふじでは火が通るまで時間がかかるため、1個130~160g程度の小ぶりなりんごがおすすめです。
冷凍パイシートを使った作り方
最初に冷凍パイシートを商品の表示どおりに解凍し、オーブンを200度に予熱します。
りんごは皮をむき、芯抜き器や細めのナイフで芯を取り除きます。このとき底まで完全に貫通させず、少し残しておくと、詰めた砂糖やバターが流れ出にくくなります。
グラニュー糖とシナモンを混ぜ、半量をりんごの内側と表面にまぶします。芯を抜いた穴へ、4等分したバター、レーズン、クルミ、残りのシナモンシュガーを詰めます。
パイシートを約18cm四方まで伸ばし、中央にりんごを置きます。生地の四隅を持ち上げてりんごを包み、重なった部分へ水を薄く塗って閉じます。隙間があると焼いている途中で果汁が漏れるため、つなぎ目は指でしっかり押さえます。
小鍋にシロップの材料を入れ、砂糖が溶けるまで軽く加熱します。深さのある耐熱皿に包んだりんごを並べ、シロップをりんごの周囲へ注ぎます。生地の表面に溶き卵を薄く塗ります。
200度で約15分焼いた後、180度へ下げて25~35分焼きます。表面が濃いきつね色になり、竹串がりんごへ抵抗なく入れば焼き上がりです。
焼き上がってすぐは生地が崩れやすいため、耐熱皿に入れたまま10分ほど休ませます。底に残ったりんご風味のシロップをかけて盛り付けます。
りんごを生焼けにしないためのポイント
最も起こりやすい失敗は、生地だけが先に焼け、中心のりんごが硬いまま残ることです。小ぶりのりんごを使うことが、失敗を防ぐ一番の近道です。
大きなりんごしかない場合は、半分に切って芯を除き、切り口を合わせてから包む方法があります。見た目は丸ごとに近いまま、中心まで早く加熱できます。
生地が焦げそうなときは、途中からアルミホイルをふんわりとかぶせます。オーブンから取り出す判断は、焼き色だけでなく、側面から竹串を刺したときの柔らかさで行います。
また、冷凍パイシートは温めすぎないことも重要です。バターが溶けた柔らかい状態で包むと層がつぶれ、サクサク感が弱くなります。作業中に生地がだれてきたら、包んだ状態で冷蔵庫へ10分ほど入れてから焼きます。
温かいシロップと乳製品がよく合う
アップルダンプリングは、焼きたてよりも10~15分置き、シロップが少しとろりとした頃が食べやすくなります。
定番の組み合わせはバニラアイスです。温かいりんごと冷たいアイスの温度差が生まれ、シナモンの香りも引き立ちます。甘さを抑えたい場合は、無糖のホイップクリームや水切りヨーグルトが合います。
ペンシルベニア風に味わうなら、深めの器に入れて温めた牛乳を少量注ぐ方法もあります。パイ生地が牛乳を吸い、パンプディングのような柔らかい食感になります。
実用情報|保存と温め直し
アップルダンプリングは生地の香ばしさが残っている当日中が最もおいしく食べられます。
保存する場合は、完全に冷ましてから密閉容器へ入れ、冷蔵庫で保存します。翌日までを目安に食べ切るのがおすすめです。シロップが多い場合は、ダンプリングと分けて保存すると生地が過度にふやけません。
温め直しは、180度のオーブンまたはトースターで8~10分が目安です。表面が焦げそうな場合はアルミホイルをかぶせます。電子レンジでも温められますが、生地はしっとりした食感になります。
番組と同じ正式な材料や分量を知りたい場合は、放送後にNHKの番組ページで公開される「レシピ」を確認してください。今回のレシピが公開された後は、家庭向け再現レシピと混同しないよう、記事内に追記すると安心です。
まとめ
アップルダンプリングは、芯を抜いたりんごへ砂糖やバターを詰め、生地で丸ごと包んでシロップとともに焼く家庭菓子です。
エジソンは1869年、苦しい生活を送っていたニューヨークで、茶葉と交換して手に入れたアップルダンプリングを食べたと伝えられています。その強い思い出が、後年まで続くりんご菓子好きの出発点になりました。
家庭で再現するときは、小ぶりで酸味のあるりんごを使い、焼き色だけでなく竹串で中心の柔らかさを確認することが成功のポイントです。
参考リンク
- グレーテルのかまど|NHK
- エジソンが好んだ食べ物|Thomas Edison Birthplace Museum
- Baked Apple Dumplings|King Arthur Baking
- ペンシルベニアのアップルダンプリング文化|PA Eats
気になる生活ナビをもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。


コメント