チコちゃんに叱られる!で紹介「チュロスはなぜギザギザしている?」
2026年9月18日放送のNHK「チコちゃんに叱られる!」では、「チュロスはなぜギザギザしている?」という身近なお菓子の疑問が取り上げられます。
テーマパークや映画館でおなじみのチュロスですが、あのギザギザした星形は単なるデザインではありません。揚げたときの破裂を防ぎやすくすることに加え、外側をカリッと仕上げるためにも重要な形です。
さらに日本では、5角形から10角形まで試作を重ね、折れにくさと食感の両方から「9角形」にたどり着いたメーカーもあります。普段何気なく食べているチュロスには、かなり合理的な形の秘密が隠されていました。
この記事でわかること
- チュロスをギザギザにする最大の理由
- 丸いチュロスを揚げると危険な理由
- 星形がサクサク食感につながる仕組み
- 日本で「9角形」のチュロスが生まれた背景
チュロスのギザギザは破裂を防ぎやすくするため

チュロスの表面にあるギザギザには、油で揚げたときに生地が破裂するリスクを抑える役割があります。
チュロスは、小麦粉を中心とした水分を含む生地を油で加熱して作るお菓子です。加熱されると内部の水分は水蒸気へ変化し、体積が大きくなります。
ここで問題になるのが、表面がなめらかな丸い棒状だった場合です。
表面が先に固まり、内部で発生した水蒸気による圧力が高くなると、生地が破裂することがあります。業務用食材を扱うミクリードも、丸い形では中心の水分の逃げ場がなくなり、水蒸気によって破裂する可能性があると説明しています。
星形の口金から絞り出せば、生地の表面には縦方向の深い溝ができます。
ギザギザによって表面積が増え、丸い棒状に比べて生地全体へ熱が入りやすくなるため、急激な膨張を抑えやすくなるというわけです。
つまり、チュロスらしい形は飾りではなく、揚げ菓子としての安全性にも関係した形なのです。
丸い口金ではなく「星形の口金」を使う
家庭用のチュロスレシピを見ても、星形の口金を使う作り方が一般的です。
味の素の公式レシピでも、生地を作ったあと、
- 星型の口金を絞り袋につける
- 生地を10〜15cmほど絞り出す
- 180℃の油で揚げる
という手順になっています。
星形の口金を通した瞬間に、私たちがよく知るチュロス特有の縦長の溝ができます。
そのため「揚げたあとに模様をつけている」のではありません。
生地を油へ入れる前から、すでにギザギザした形になっているのです。
なお、家庭でチュロスを作る場合も、レシピで指定された口金や油温を守ることが大切です。丸い口金へ自己流で変更するのは避けたほうが安全です。
ギザギザは「サクサク食感」を作る形でもある
ギザギザにはもう1つ大きな意味があります。
それが、チュロス独特の外はカリッ、中はやわらかい食感です。
表面に凹凸があることで油に触れる面積が増えます。すると突出した部分や細かな溝の周辺がしっかり加熱され、香ばしい表面を作りやすくなります。
日本でチュロスを製造する「星のチュロス」も、星形の断面について「表面がサクッと仕上がり、中はしっとりとした状態」を目指して採用したと説明しています。
つまりギザギザは、
- 破裂のリスクを抑えやすくする
- 表面をカリッと仕上げる
- 外側と内側の食感差を作る
という、複数の役割を持っています。
チュロスを食べたときに感じる「カリッ」「サクッ」という感触そのものが、あの形と深くつながっているのです。
日本では5角形から10角形まで試した結果「9角形」に
さらに面白いのが、日本で作られてきたチュロスの開発史です。
石川県能登で製造する「星のチュロス」の公式サイトには、星形の角の数を決めるまでの試行錯誤が詳しく残されています。
同社によると、開発時には5角形から10角形までさまざまな断面を試しました。
5角形や6角形は見た目がよかったものの、品質面で問題が発生。そこで角の数を変えながら試作を続けた結果、9角形が最も折れにくく、理想とする食感にも近かったとしています。
これはかなり興味深い話です。
「星形なら何角でも同じ」というわけではなく、角の数によって、
- 表面の凹凸
- 火の入り方
- サクサク感
- 生地の強度
- 折れやすさ
まで変化するからです。
現在、同社は「9角形の星形」を商品の特徴として掲げています。公式商品ページでも、9角形によってまっすぐでも折れにくく、独特の食感が生まれると説明しています。
40cmの長いチュロスを折れにくくする必要もあった
9角形にたどり着いた背景には、日本独自の事情もありました。
「星のチュロス」の開発では、長さ40cmの商品を作ろうとしていました。
ところが試作段階では、持っただけで折れてしまうことが問題になります。30cmなら折れにくいものの、40cmという長さにはこだわりがあり、短くするのではなく生地そのものを改善する道を選びました。
そこで粉の配合とともに見直されたのが断面の形です。
試作を繰り返し、
「外はサクッ、中はしっとり」
という食感を保ちつつ、40cmでも折れにくい形を探した結果、9角形が選ばれました。
一見すると単なるギザギザですが、実際にはおいしさと強度を両立するための設計でもあったのです。
チュロスはスペイン発祥の揚げ菓子
チュロスはスペイン発祥とされる揚げ菓子です。
日清製粉ウェルナもチュロスを「スペイン発祥の揚げ菓子」と紹介しており、日本ではテーマパークや映画館などの定番スイーツとして広まりました。同社は業務用市場で30年以上チュロスの商品開発・販売を続けています。
一方、「星のチュロス」の運営会社は、創業者が1986年にロサンゼルスでチュロスと出会い、その後、日本での製造に挑戦したと説明しています。
1988年には能登で工場を立ち上げましたが、最初から現在の形が完成していたわけではありません。
生地の配合、長さ、太さ、断面の形などを何度も変更し、製造開始から約1年をかけて商品化へたどり着きました。同社の記録では、1989年7月1日が最初の出荷だったとされています。
普段は何気なく食べているチュロスですが、その形を安定して大量生産するまでには、かなり長い開発の積み重ねがあったことがわかります。
家でチュロスを作るなら星形口金を使う
家庭で作る場合も、ポイントはやはり星形の口金です。
基本的には、
- レシピで指定された星形口金を使う
- 生地を均一な太さに絞る
- 指定された油温を守る
- 一度に大量の生地を油へ入れない
- 油へ顔や体を近づけすぎない
といった基本を守ることが重要です。
「チュロスなのだから形は丸でもいい」と考えたくなりますが、星形は見た目だけを整えるものではありません。
特に揚げるタイプでは、レシピの形状を自己流で変更せず、星形口金を使うのが安心です。
まとめ
「チコちゃんに叱られる!」で取り上げられる「チュロスはなぜギザギザしている?」という疑問。
ポイントは、あのギザギザがチュロスを安全に、そしておいしく揚げるための形になっていることです。
丸い棒状の生地では、表面が固まったあと内部の水蒸気によって破裂する危険があります。そこで星形の口金を使って表面へ凹凸を作り、加熱しやすい形にしています。さらに表面積が増えることで、チュロスならではのカリッとした食感も生まれます。
日本ではさらに形の改良が進められ、5角形から10角形まで試した結果、折れにくさと食感のバランスから9角形を採用したメーカーもありました。
テーマパークで何気なく手にしている1本のチュロス。そのギザギザには、破裂を防ぎやすくする工夫、食感、強度という3つの理由が詰まっていました。
参考リンク
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