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マンション大規模修繕「なりすまし住民」の手口と防止策!談合42社処分と国交省の本人確認対策【テレメンタリーPlus】

テレメンタリー

マンション修繕委員会に業者が潜入!住民の積立金を狙うなりすまし問題

マンションの大規模修繕工事で、施工会社の社員が実際の区分所有者の名前を使って修繕委員会に入り込み、自社に有利な業者選定へ誘導する「なりすまし住民」が問題になっています。

2026年10月11日放送のテレビ朝日系『テレメンタリーPlus』では、住民たちが長年積み立ててきた修繕積立金を狙う「なりすまし」と「談合」の実態が取り上げられます。

公正取引委員会は2026年9月28日、関東地区のマンション大規模修繕工事をめぐる談合について、関係する事業者に排除措置命令や課徴金納付命令を出しました。テレビ朝日は、長谷工や清水建設のグループ会社など42社が関係する問題として報じています。

さらに重要なのが、国土交通省が2025年10月の「マンション標準管理規約」改正で、修繕委員や管理組合役員になる人の本人確認を対策として明記したことです。

これは一部のマンションだけの問題ではありません。大規模修繕を予定している管理組合や、毎月修繕積立金を支払っている住民にとって、知っておくべき問題です。

この記事でわかること

  • 「なりすまし住民」が修繕委員会に潜入する手口

  • 2026年9月28日に発表された談合処分の内容

  • 国土交通省が示した顔写真付き身分証による本人確認

  • 管理組合が修繕積立金を守るために確認したい対策

「なりすまし住民」は実在する区分所有者の名前で会議に参加していた

公式動画:テレビ朝日『テレメンタリー2026 なりすまし住民~狙われたマンション大規模修繕~』予告映像

問題の中心にあるのは、マンションの修繕工事を検討する会議への不正な参加です。

マンションでは、外壁の塗り替えや屋上防水、共用部分の補修など、大きな工事を実施する際に修繕委員会を設けることがあります。

修繕委員会は、工事の内容や予算、施工会社の選定などについて検討する重要な組織です。

本来は管理組合の規約や決定に従って選ばれた人たちが、住民全体の利益を考えて話し合います。

ところが、実際にはそのマンションの区分所有者ではない施工会社の社員が、住民を装って委員会に参加していた事例が発覚しました。

2026年7月4日に放送された『テレメンタリー2026 なりすまし住民~狙われたマンション大規模修繕~』では、修繕工事をめぐる住民会議で、出席していた男性の身元が問題になった場面が紹介されています。

男性は、実際にマンションに住む人の名義を使って会議に参加していました。

その狙いは、自分の会社が大規模修繕工事を受注できるよう、業者選定に影響を与えることでした。

住民の立場で発言している人物が、実は工事を受注したい会社の関係者だったという事実は、管理組合の意思決定そのものを揺るがします。

なりすましによって工事業者の選定がゆがめられる仕組み

マンションの大規模修繕工事は、数千万円から億円単位になることもある大きな契約です。

管理組合は、長年積み立ててきた修繕積立金を使って工事費用を支払います。

そのため、どの会社に工事を依頼するのか、金額が適切なのかを慎重に判断する必要があります。

なりすまし住民の問題では、業者の社員が住民になりすまして修繕委員会に入り込み、自社に有利な発注につながるよう働きかけた事例が確認されています。

具体的に問題となるのは、次のような点です。

  • 工事を受注したい会社の関係者が、区分所有者の名前を使って委員会に参加する

  • 住民側の立場を装って、工事の検討や業者選定に関与する

  • 自社に有利な発注につながるよう、委員会の判断を誘導する

  • 本来は住民が公正に比較すべき工事の発注が、特定業者の利益に左右される

業者選定の段階で不正が入り込むと、価格や施工内容を適正に比較することが難しくなります。

さらに、委員会の構成そのものが正当でなかった場合、それまでの検討をやり直す必要が生じ、工事の計画や実施時期にも影響が及びます。

マンションの修繕は建物の安全性や資産価値を維持するために行うものです。

その意思決定を外部の業者が不正に動かすことは、住民全体の利益を損なう重大な問題となります。

2026年9月28日に公正取引委員会が大規模修繕の談合を認定

なりすましとは別に、大規模修繕工事をめぐって発覚したのが施工会社と設計コンサルタント会社による談合です。

2026年9月28日、公正取引委員会は、関東地区に所在するマンションの大規模修繕工事について、独占禁止法違反による排除措置命令と課徴金納付命令を発表しました。

対象となったのは、設計コンサルタント会社が工事業者の選定を支援していた案件です。

公正取引委員会が示した2つの案件には、次の会社が関係していました。

  • 株式会社リノシスコーポレーション

  • 株式会社翔設計

リノシスコーポレーションが担当した案件では、施工業者36社との間で受注に関する調整が行われていました。

翔設計が担当した案件でも、施工業者19社との間で受注調整が行われていました。両案件には重複する施工業者が含まれます。

これらの問題では、あらかじめ工事を受注する会社を決め、ほかの会社が協力する仕組みが確認されています。

公正取引委員会は、こうした行為が工事業者間の自由な競争を実質的に制限していたと判断しました。

ただし、談合で処分された会社と、住民になりすましていた人物の所属会社が同じであると、一括して扱うことはできません。

「談合」は会社間で受注を調整する問題であり、「なりすまし」は住民の立場を偽って意思決定に入り込む問題です。

手口は異なりますが、どちらも住民が適正な工事業者を選ぶ機会を損なうという点で共通しています。

設計コンサルタントと施工会社の間で行われた受注調整

大規模修繕では、管理組合が工事会社を直接選ぶ方法だけでなく、設計コンサルタントに業者選定の支援を依頼する方法もあります。

設計コンサルタントは、建物の調査や診断、工事内容の設計、見積書の比較、工事監理などを担当します。

本来は、管理組合が適切な判断をするための専門的な支援を行う立場です。

ところが、今回の談合案件では、その設計コンサルタントが工事業者との受注調整に関与していました。

公正取引委員会が認定した行為には、次のような内容が含まれています。

  • 設計コンサルタントと施工業者が、工事の受注について協力関係を築く

  • 受注予定者を事前に決める

  • 受注予定者以外の会社が、指定された見積価格を提示するなどして協力する

  • 管理組合の設計予算などの情報を、受注予定者側に提供する

見積書が複数集まっていても、その価格が事前に調整されていれば、公正な比較にはなりません。

管理組合から見ると複数社による競争が行われているようでも、実際には受注する会社が決まっていたという構造です。

また、公正取引委員会は、施工会社が設計コンサルタントに対し、工事請負契約額の一定割合に相当する手数料を支払っていた事実も確認しました。

こうした金銭のやり取りについて、受注に関する自由な競争をゆがめるおそれがあるとして、関係する業界団体に注意喚起を行っています。

国交省は2025年の標準管理規約改正で本人確認を明記した

なりすまし住民の問題を受け、国土交通省も対策を進めています。

2025年10月17日に改正された「マンション標準管理規約」では、管理組合役員や専門委員の本人確認について、新たな説明が加えられました。

標準管理規約は、マンションが管理規約を作成・改正する際に参考とするひな型です。

特に重要なのが、修繕委員会などの専門委員に関する部分です。

国土交通省は、修繕工事関連業者の従業員が区分所有者になりすまして委員会に入り込む事例を踏まえ、委員への就任時に本人確認を行うことが有効だと示しました。

本人確認の方法として例示されたもの

  • マイナンバーカード

  • 運転免許証

  • パスポート

いずれも顔写真付きの身分証明書です。

名前を申告してもらうだけでは、他人の氏名をかたる人物を見抜けない場合があります。

本人確認を行うことで、実際の区分所有者と委員として参加しようとしている人物が一致しているかを確認しやすくなります。

ただし、今回の改正は標準管理規約のコメントに対策を追加したもので、すべてのマンションに一律の身分証提示義務を新設したものではありません。

各管理組合が実際の管理規約や委員の選任方法に合わせ、適切な確認手続きを整えることが重要です。

管理組合が本人確認を実施する際の具体的なポイント

国土交通省は、管理組合役員と専門委員の就任時に本人確認を行うことを勧めています。

特に大規模修繕では、修繕委員会が業者選定に直接関わるため、参加者の資格を明確にする必要があります。

管理組合で確認しておきたい項目は次のとおりです。

  • 委員に就任する人の氏名

  • 区分所有者本人であることの確認

  • 委員として参加できる資格と選任手続き

  • 顔写真付き身分証明書による本人確認の方法

  • 委員の選任記録や会議の出席記録

身分証明書を確認するときは、必要以上の個人情報を収集・保存しないよう配慮することも大切です。

また、実際の区分所有者ではない専門家などが、正式な手続きを経て委員会に参加する場合もあります。

そのため、外部の人が参加すること自体が問題なのではありません。

自分の身元や立場を偽り、正当な選任手続きを経ずに委員会へ入り込むことが問題なのです。

修繕積立金を守るために業者選定の透明性も欠かせない

本人確認は、なりすましを防ぐための重要な対策です。

一方、談合の問題に対応するには、工事の発注手続きそのものを透明にする必要があります。

特に設計コンサルタントへ業者選定を依頼している場合、その会社が施工業者とどのような関係にあるのかも確認しておきたい点です。

管理組合では、次のような対応が考えられます。

  • 工事業者の選定基準を事前に明確にする

  • 複数社の見積内容や工事仕様を比較する

  • 設計コンサルタントと施工業者の利害関係を確認する

  • 受注候補者の選定過程を記録する

  • 不審な点がある場合は独立した専門家へ相談する

単純に見積価格が安い会社を選べばよいというものでもありません。

価格だけでなく、工事の内容、施工実績、保証、工事監理の体制なども含めて比較することが大切です。

また、設計コンサルタントが専門家として適正に業務を行っている場合もあります。

問題は、専門家を利用すること自体ではなく、管理組合が判断を任せきりにして、不透明な選定が行われることです。

修繕積立金は、管理組合に所属する住民たちが長い時間をかけて用意した大切な資金です。

その使い道を最終的に判断する管理組合が、発注の仕組みを理解し、必要な情報を確認できる体制を整えることが欠かせません。

2026年の談合処分で求められた再発防止措置

公正取引委員会は2026年9月28日の処分で、対象事業者に対して不正行為を繰り返さないための措置を命じました。

主な内容は、受注予定者を事前に決める行為を行わないことや、独占禁止法を守るための社内体制を整備することです。

また、関係する管理組合への通知も命令内容に含まれています。

施工会社には、必要に応じて行動指針の作成・改定や従業員向けの定期的な研修などが求められました。

課徴金納付命令の対象となった事業者には、2027年4月30日までの納付期限も設定されています。

今回の処分は、マンション大規模修繕工事という住民の共同財産が使われる分野において、自由な競争を妨げる行為が行われていたことを示しています。

なりすまし住民の問題と合わせ、管理組合の内部と業者選定の両方で透明性を高めていく必要があります。

マンション住民と管理組合が確認しておきたい実用情報

修繕委員会に関する確認事項

  • 現在の委員の選任方法

  • 委員に就任した際の本人確認の有無

  • 区分所有者と委員の氏名の確認方法

  • 外部専門家が参加する場合の資格や手続き

  • 修繕委員会の議事録・選定記録の管理状況

工事の発注に関する確認事項

  • 設計コンサルタントの契約内容

  • 施工会社の選定基準

  • 複数社の見積条件が統一されているか

  • 工事予算の情報が適切に管理されているか

  • 施工会社との利害関係に不透明な点がないか

相談・確認先

  • 管理組合の理事会・監事

  • マンション管理士などの専門家

  • 自治体のマンション管理相談窓口

  • 国土交通省のマンション管理関連資料

  • 談合に関する情報提供は公正取引委員会の相談・申告窓口

不審な人物や不自然な業者選定が疑われる場合は、個人で相手を追及するのではなく、管理組合として事実関係や記録を確認し、必要に応じて専門機関へ相談することが大切です。

まとめ

マンションの大規模修繕をめぐる「なりすまし住民」は、施工会社の社員が区分所有者を装い、修繕委員会に入り込んで業者選定に影響を与えようとした問題です。

さらに2026年9月28日には、公正取引委員会がマンション大規模修繕工事の談合について、関係事業者に排除措置命令と課徴金納付命令を行いました。

この問題を受け、国土交通省は2025年のマンション標準管理規約改正で、管理組合役員や修繕委員などの就任時に顔写真付き身分証明書で本人確認を行うことを、具体的な防止策として示しています。

マンションの修繕積立金を守るには、委員会に参加する人の身元を確認することと、工事業者を選ぶ過程の透明性を確保することの両方が重要です。

大規模修繕を業者に任せきりにせず、管理組合自身が契約内容や選定手続きを理解し、監督できる体制を作ることが、住民全体の財産を守ることにつながります。

参考リンク


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