福井県立図書館の「覚え違いタイトル集」が話題!思いがけない本の名前を司書が解き明かす
「100万回死んだねこ」「パンダ温泉」「論語とさんばん」。
どれも実際に福井県立図書館へ寄せられた、本のタイトルの覚え違いです。司書が利用者の記憶を手掛かりに正しい本を探し出した記録が、「覚え違いタイトル集」として無料公開されています。
2026年10月12日放送の日本テレビ『月曜から夜ふかし』では、この福井県立図書館のユニークな取り組みが紹介されます。
タイトルの覚え違いには思わず笑ってしまうものもありますが、単なる面白い言い間違いの記録ではありません。利用者が探している本を見つける、図書館ならではの専門的なサービスから生まれたものです。
2007年に公開を始めたこの取り組みは、2021年に『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』として書籍化され、2024年には文庫版も発売されました。
この記事でわかること
-
福井県立図書館「覚え違いタイトル集」の面白い実例
-
公式サイトで無料閲覧する方法
-
司書が覚え違いを記録し始めた理由と誕生の背景
-
書籍『100万回死んだねこ』の価格と購入方法
「覚え違いタイトル集」は公式サイトで無料公開されている
福井県立図書館の「覚え違いタイトル集」は、誰でもインターネットで閲覧できます。
図書館の公式サイトには、利用者が間違って覚えていた言葉と、司書が探し出した本の情報が掲載されています。
掲載されている事例は、次の3つに分かれています。
-
覚え違いタイトル集 No.1~500
-
覚え違いタイトル集 No.501~1000
-
覚え違いタイトル集 No.1001~
公式ページの上部から、それぞれの一覧を開いて読む仕組みです。
利用登録や料金の支払いは必要ありません。
特に面白いのは、覚え違いの言葉を見てから、実際の本の名前を予想できるところです。
「そんな間違い方をするのか」と驚くものもあれば、「自分もそう覚えていた」と感じるものもあります。
「100万回死んだねこ」など面白い覚え違いの実例
実際に福井県立図書館で公開されている代表的な事例を紹介します。
1.「100万回死んだねこ」
正しくは、佐野洋子さんの絵本『100万回生きたねこ』です。
1977年に講談社から出版された作品で、何度も生き返る猫の物語として知られています。
「生きた」が「死んだ」に変わるだけで、作品の印象が大きく変わってしまいます。
この覚え違いは、後に出版された事例集の書名にも採用されました。
2.「パンダ温泉」
正しくは、tupera tuperaの絵本『パンダ銭湯』です。
パンダだけが入れる銭湯を舞台にした人気絵本ですが、「銭湯」が「温泉」になっています。
どちらも入浴施設のため、内容を知っている人でも間違えやすい例です。
3.「論語とさんばん」
正しくは、渋沢栄一の『論語と算盤』です。
道徳と経済を結び付けた考え方で知られる本ですが、「算盤」という文字や読み方が覚え違いにつながっています。
4.「無毛地帯」
正しくは、山崎豊子の小説『不毛地帯』です。
漢字が1文字違うだけで、意味がまったく異なる言葉になっています。
5.「おでこがでませんように」
正しくは、くすのきしげのりさん作、石井聖岳さん絵の『おこだでませんように』です。
子どもの気持ちを描いた絵本で、タイトルの独特な言い回しが覚え違いにつながった事例です。
6.「こぐまちゃんのパンケーキ」
正しくは、わかやまけんさんらによる絵本『しろくまちゃんのほっとけーき』です。
キャラクターの名前と料理の名前が、少しずつ変わっています。
これらの事例には、言葉の意味から連想して覚えてしまうもの、似た響きに置き換わるもの、知っている単語と混ざってしまうものなど、さまざまな特徴があります。
覚え違いタイトル集は2007年に始まった図書館の取り組み
「覚え違いタイトル集」が生まれた背景には、図書館のカウンターで日常的に行われている利用者への対応があります。
図書館には、本の正確な名前がわからないまま相談に訪れる人がいます。
タイトルの一部しか覚えていなかったり、著者名を別の人と勘違いしていたりすることも珍しくありません。
そんなとき司書は、利用者の話から手掛かりを集めます。
本の内容、著者の特徴、出版社、表紙の色、どこで紹介されていたかなど、さまざまな情報を組み合わせて目的の本を探します。
この仕事は「レファレンスサービス」と呼ばれています。
福井県立図書館では、カウンターで実際に出会った覚え違いの中から、司書が探し出した事例を整理し、2007年からホームページで公開するようになりました。
きっかけは、こうした記録を図書館の職員だけで共有するのではなく、利用者にも役立ててもらいたいという考えでした。
さらに、図書館には本を貸し出すだけではなく、調べものを手伝う専門的なサービスがあることを、多くの人に知ってもらう狙いもありました。
面白さだけでなく司書の本探しの技術が詰まっている
覚え違いタイトル集には、笑える言葉が数多く登場します。
しかし、司書の仕事という視点で見ると、もう1つの面白さが見えてきます。
例えば「パンダ温泉」という言葉だけを検索しても、探している『パンダ銭湯』に直接たどり着けるとは限りません。
そこで司書は、パンダが登場する絵本なのか、入浴が題材なのか、どの年代向けの本なのかといった情報から候補を絞っていきます。
利用者が覚えている情報が、すべて正しいとは限らないことも重要です。
本の名前だけでなく、著者、内容、出版された時期など、複数の記憶が混ざっている場合もあります。
福井県立図書館の公式サイトでは、司書が手掛かりを集めて本を探した結果を「こうかも!」という欄に掲載しています。
また、事例によっては「回答プロセス」も紹介されています。
単に間違った言葉と正しいタイトルを並べるだけではなく、目的の本を探し当てるまでの考え方を知ることができるのです。
2021年に書籍化され2024年には文庫版も発売
覚え違いタイトル集は、2009年にインターネット上で大きな注目を集めました。
その後も福井県立図書館の人気コンテンツとして続き、2021年10月20日に講談社から書籍『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』が発売されます。
書籍では、公式サイトに掲載された事例から約90件を厳選しています。
覚え違いを題材にした多田玲子さんのイラストに加え、司書が正しい本を探し出す方法や、図書館の仕事についても紹介されています。
さらに2024年10月16日には、持ち運びやすい文庫版が発売されました。
書籍の特徴は、利用者の覚え違いを読んでからページをめくると、正しい本の情報がわかる構成です。
クイズ感覚で楽しめるため、図書館や本に普段あまり親しみのない人にも読みやすい内容になっています。
なお、書籍の印税は本の形で福井県立図書館・若狭図書学習センターに納入され、福井県へ還元される仕組みです。
『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』の価格と購入情報
文庫版
-
書名:100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集
-
著者:福井県立図書館
-
出版社:講談社
-
発売日:2024年10月16日
-
定価:825円(税込)
-
ページ数:208ページ
-
ISBN:9784065369630
-
判型:A6判
-
電子版:2024年11月6日発売
単行本
-
発売日:2021年10月20日
-
定価:1,320円(税込)
-
ページ数:192ページ
-
ISBN:9784065258927
どちらも講談社から刊行されています。
これから購入する場合は、比較的手頃な価格で読める文庫版も選択肢になります。
福井県立図書館の場所と利用案内
「覚え違いタイトル集」を制作した福井県立図書館は、福井県福井市にあります。
-
施設名:福井県立図書館
-
住所:福井県福井市下馬町51-11
-
電話:0776-33-8860
-
平日の開館時間:9:00~19:00
-
土・日・祝日の開館時間:9:00~18:00
-
覚え違いタイトル集:公式サイトで無料公開
実際に本を探してほしい場合には、カウンターで司書に相談することもできます。
また、公式サイトでは「覚え違いタイトル集」への情報提供も受け付けています。
自分が経験した本の覚え違いを知らせることができ、寄せられた情報が掲載される場合もあります。
まとめ
福井県立図書館の「覚え違いタイトル集」は、利用者がうろ覚えで尋ねた本を、司書が探し出した記録です。
2007年から続く取り組みで、現在も公式サイトで無料公開されています。
「100万回死んだねこ」「パンダ温泉」「無毛地帯」など、思わず笑ってしまう事例の背景には、利用者の曖昧な記憶から目的の本を見つけ出す司書の技術があります。
2021年には書籍化され、2024年には825円(税込)の文庫版も発売されました。
本のタイトルを間違えて覚えていても、手掛かりがあれば探し出せる。そのことを楽しく伝えてくれる、福井県立図書館ならではの取り組みです。
参考リンク
おすすめ関連商品
– 『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』講談社文庫
気になる生活ナビをもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。


コメント