「豊臣兄弟!」柴田勝家役で山口馬木也が見せた集大成
2026年9月4日放送の「あさイチ」では、山口馬木也さんが大河ドラマ「豊臣兄弟!」の柴田勝家役について語ります。8月30日放送の第33回「北庄城の別れ」では、宮﨑あおいさん演じる市とともに壮絶な最期を迎えた勝家。実はその撮影では、山口さん自身の感情や共演者への思いが役作りに深く入り込んでいました。
この記事でわかること
- 山口馬木也さんが柴田勝家をどう作り上げたのか
- 仲野太賀さん・池松壮亮さんへの「嫉妬」を芝居に使った理由
- 宮﨑あおいさんと手をつないだまま殺陣をした舞台裏
- 勝家と市の墓がある西光寺を訪れた理由
山口馬木也の経歴と転機 『剣客商売』から『侍タイムスリッパー』で大ブレイクするまで【あさイチ】
柴田勝家は秀吉の前に立ちはだかる織田家の重臣
柴田勝家は織田信長に仕えた重臣で、「鬼柴田」とも呼ばれる猛将として知られています。
本能寺の変で信長が亡くなった後、羽柴秀吉との対立が深まり、1583年の賤ヶ岳の戦いで敗北。
北庄城へ戻り、妻の市とともに最期を迎えました。
現在の福井市にある北庄城跡には柴田神社が建ち、勝家と市が祭られています。
「豊臣兄弟!」では、仲野太賀さん演じる豊臣秀長と池松壮亮さん演じる秀吉の前に立ちはだかる大きな存在として描かれました。
山口馬木也は「最強の老害」を目指していた
山口さんが当初考えていた柴田勝家像は、かなり大胆です。
本人が語っているのが「最強の“老害”」という言葉。
古い価値観を背負い、新しい時代を進もうとする秀吉・秀長兄弟を簡単には認めない人物として立ちはだかろうと考えていました。
ところが、約1年に及ぶ撮影の中で山口さん自身の気持ちにも変化が起きていきます。
大きかったのが、仲野太賀さんと池松壮亮さんとの共演でした。
仲野太賀と池松壮亮への「嫉妬」が勝家の感情になった
山口さんは、仲野さんと池松さんの人柄が素晴らしく、「どう憎めばいいのか」と悩んだそうです。
そこで気づいたのが、自分自身の中にあった2人の俳優への嫉妬でした。
自分が2人と同じ年代だった頃に、これほどの芝居ができただろうか。
今の自分でもできるのだろうか。
そう考えたときに生まれた俳優としての嫉妬を、そのまま柴田勝家の豊臣兄弟に対する感情へ重ねることにしました。
最初は認めたくない。
しかし、実力があることは分かっている。
やがて少しずつ彼らを認め、最後には次の世代へバトンを渡す。
ドラマの中の勝家の変化と、山口さん自身の共演者に対する感情が重なっていったのです。
お市の手料理が勝家の心を変えた
山口さんが勝家の気持ちを大きく変えるきっかけになったと語るのが、市との食事場面です。
宮﨑あおいさん演じる市が勝家に手料理を振る舞う場面。
脚本上では、市が初めて作った料理なので「まずい」という設定でした。
ところが山口さんは、「勝家はまずいとは思わないはず」と考えます。
スタッフに相談し、料理も絶妙な仕上がりに調整されました。
山口さんは撮影で料理をきれいに食べ終えたあと、無意識のうちに残ったご飯粒まで食べたといいます。
それを見た宮﨑さんから「すごく愛を感じた」と言われたそうです。
単なる夫婦の食事場面ですが、山口さんにとっては勝家という人物を理解する重要な瞬間になりました。
「こんな幸せがあるのなら、このままでもいい」。
そう思えたことで、秀吉や秀長へ次の時代を渡す勝家の心境も腑に落ちたといいます。
宮﨑あおいとは初共演だった
意外にも山口さんと宮﨑あおいさんは「豊臣兄弟!」が初共演でした。
しかも山口さんの家族は、宮﨑さんが主演した2008年の大河ドラマ「篤姫」が大好きだったそうです。
そのため共演にはかなり緊張したと明かしています。
そんな憧れの存在と夫婦を演じ、最後には一緒に北庄城で最期を迎える。
山口さんにとって特別な役になったことがうかがえます。
北庄城の殺陣は「手をつないだまま」撮影された
最終局面の大きな見どころとなったのが、北庄城での立ち回りです。
当初の演出では、市を安全な場所へ置き、勝家が1人で戦う予定でした。
ところが監督から、「手をつないだままできませんか」と提案されます。
鎧姿で、片手には刀。
さらに狭い場所で宮﨑さんと手をつないだまま殺陣をするのですから、難度は一気に上がります。
山口さんは、何より宮﨑さんにけがをさせないことを考えながら動いたそうです。
ところが実際に芝居が始まると、山口さんはつないだ手から、逆に「自分が守られている」ような感覚を覚えたと明かしています。
俳優として演技をしていながら、勝家と市の関係そのものに近づいていった瞬間だったのでしょう。
最期を演じる前に福井の西光寺を訪れていた
勝家の最期を演じるため、山口さんは福井県にある勝家ゆかりの場所を実際に訪ねています。
そのひとつが西光寺です。
西光寺は柴田勝家と市の菩提寺で、境内には2人の墓があります。
山口さんはその墓を目の前にし、「この先も2人は一緒にいられる」と感じたそうです。
その経験が、勝家と市が一緒に最期を迎える場面を演じる上で大きな支えになりました。
単に台本を読み込むだけでなく、400年以上前に勝家が生きた土地まで足を運び、自分の中に材料を蓄積する。
山口さんらしい役への向き合い方です。
柴田勝家の見た目も肖像画を強く意識した
「豊臣兄弟!」の柴田勝家を見て、「肖像画に似ている」と感じた人も多かったのではないでしょうか。
これは偶然ではありません。
山口さん自身が「肖像画に近づけてほしい」と扮装部へ希望したことを明かしています。
髪型やひげ、衣装がそろった姿を見た山口さんは、その完成度の高さから「特別な役作りはいらないのでは」と感じるほどだったそうです。
時代劇を長く経験してきた山口さんだからこそ、外見だけを派手に作るのではなく、衣装や所作を含めた全体で人物を成立させる意識が強かったのでしょう。
柴田勝家役は山口馬木也の時代劇人生の集大成になった
山口馬木也さんは若い頃、「剣客商売」で藤田まことさんや京都の時代劇スタッフから所作や殺陣を学びました。
その後も長年、時代劇に出演。
そして「侍タイムスリッパー」でその技術と経験が大きく評価されました。
そこから迎えた「豊臣兄弟!」の柴田勝家。
若い俳優への嫉妬まで役に取り込み、宮﨑あおいさんとの芝居から勝家の愛情を見つけ、実際に福井へ足を運んで最期の心情を考える。
単に「怖い猛将」を演じただけではないことが分かります。
「あさイチ」で語られる撮影秘話は、山口さんが長年積み重ねてきた時代劇人生そのものを知る機会になりそうです。
参考リンク
共同通信 山口馬木也「豊臣兄弟!」インタビュー
福井市公式観光サイト 柴田勝家とお市ゆかりの地
福井県公式観光サイト 西光寺
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