山口馬木也が長い俳優人生の先でつかんだ大ブレイク
2026年9月4日放送の「あさイチ」プレミアムトークに、俳優の山口馬木也さんが登場します。大河ドラマ「豊臣兄弟!」の柴田勝家役で注目を集める山口さんですが、現在の活躍に至るまでには長い俳優人生がありました。30歳で出演した「剣客商売」、恩師・藤田まことさんとの出会い、そして50代で迎えた映画初主演「侍タイムスリッパー」。遅咲きともいえる大ブレイクまでの歩みをまとめます。
この記事でわかること
- 山口馬木也さんの年齢・出身・俳優デビューまでの歩み
- 俳優を本気で目指すことになった意外なきっかけ
- 「剣客商売」と藤田まことさんが人生を変えた理由
- 「侍タイムスリッパー」から「豊臣兄弟!」へ続く現在の活躍
山口馬木也の柴田勝家が圧巻 宮﨑あおいとの北庄城最期と役作り【あさイチ】
山口馬木也は1973年生まれの岡山県出身
山口馬木也さんは1973年2月14日生まれ、岡山県出身の俳優です。2026年9月現在53歳。1998年の日中合作映画「戦場に咲く花」で俳優デビューしました。
その後、「雨あがる」「告白」「悪の教典」などの映画に加え、「剣客商売」「水戸黄門」などの時代劇、大河ドラマ「北条時宗」「八重の桜」「麒麟がくる」「鎌倉殿の13人」など数多くの作品に出演してきました。
現在はSHIN ENTERTAINMENTに所属しています。2026年には大河ドラマ「豊臣兄弟!」で柴田勝家を演じたほか、劇団☆新感線の「髑髏城の七人 LAST STAND」への出演も発表されています。
最初から俳優志望だったわけではなかった
現在では時代劇俳優として強い印象を残す山口さんですが、若い頃から一直線に俳優を目指していたわけではありません。
岡山を出た山口さんは、京都の美術系大学へ進学しました。大学時代を過ごした後、「東京でやりたいことを見つけたい」と身の回りの物を処分し、バイクで東京へ向かったと語っています。
東京では生活するため昼も夜も働きました。その中で外見を褒められることが多く、そこから役者の世界に接点が生まれます。
しかし、初めて参加したテレビの現場では、わずか2行ほどのセリフをうまく言うことができませんでした。
それまで絵や音楽などを比較的器用にこなしてきた山口さんにとって、「自分が何もできない」という経験は大きなショックだったそうです。
ところが、この失敗が逆に火をつけました。
「なにくそ」という思いが生まれ、そこから本気で俳優を目指すようになったのです。現在の山口馬木也さんにつながる原点は、成功体験ではなく、最初の現場で味わった挫折でした。
1998年に俳優デビューし時代劇と出会う
1998年に「戦場に咲く花」で俳優デビュー。2000年には蜷川幸雄さん演出の舞台「三人姉妹」に出演し、同じ2000年公開の映画「雨あがる」で時代劇にも挑戦しました。
山口さんにとって時代劇は、やがて俳優人生そのものを支える存在になっていきます。
本人は後年、「時代劇に救われた」という趣旨の言葉を何度も語っています。
演技には絶対的な正解がない一方、時代劇には刀の抜き方、着物の扱い方、座り方、歩き方といった「学べる技術」があります。
右も左も分からなかった若手時代の山口さんにとって、学んだ分だけ前へ進める時代劇の世界は、自分が俳優として生きるための足場になったのでしょう。
30歳の「剣客商売」が最初の大きな転機
山口さん自身が俳優人生の大きな転機として挙げているのが、2003年から出演した「剣客商売」です。
藤田まことさん演じる秋山小兵衛の息子・秋山大治郎役を担当しました。
前任は渡部篤郎さん。すでに人気を集めていた役を、当時まだ広く名前を知られていなかった山口さんが引き継ぐという大抜てきでした。
本人は後に、「剣客商売」がなければ俳優として食べていけなかっただろうと振り返っています。
そして、ここで出会ったのが藤田まことさんです。
藤田さんから細かな演技論を教え込まれたというより、現場での立ち居振る舞いや物事を見る姿勢、人との接し方を見ながら学んだと山口さんは語っています。
「神は細部に宿る」という感覚もそのひとつ。
画面の中心に映らない部分まで丁寧に作ること、料理を食べる仕草ひとつにも人物の人生を宿らせること。こうした藤田さんから受け継いだ感覚は、20年以上後の「侍タイムスリッパー」にまでつながりました。
山口さんは「剣客商売」がなければ今も役者を続けられていなかったと話すほど、この作品を大切にしています。
50代で巡ってきた人生初の映画主演
山口馬木也さんの名前が一気に全国へ広がったのが、2024年公開の「侍タイムスリッパー」です。
山口さんが演じたのは、幕末から現代へタイムスリップしてしまった会津藩士・高坂新左衛門。
現代の時代劇撮影所に迷い込み、自分が磨いてきた剣の技を生かして「斬られ役」として生きていきます。
山口さんにとって、これが映画初主演でした。
脚本を初めて読んだときは一気に読み終えるほど面白かった一方、読み返すうちに高坂新左衛門と自分自身の俳優人生が重なったといいます。
何も分からないまま俳優の世界に入り、周囲の人に支えられ、時代劇に救われて歩いてきた山口さん。
幕末から突然現代に放り出され、時代劇に居場所を見つける高坂新左衛門。
山口さんがこの役に運命的なものを感じたのも不思議ではありません。
単館上映から全国へ広がった「侍タイムスリッパー」
「侍タイムスリッパー」は大規模な商業映画としてスタートした作品ではありません。
2024年8月17日、東京・池袋シネマ・ロサ1館から上映が始まりました。
ところが口コミで評判が急拡大。
上映館は全国へ増え続け、所属事務所は2025年1月時点で350館以上に広がったことを公表しています。
さらに映画賞でも高く評価されました。
山口さんは第37回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞で主演男優賞、第67回ブルーリボン賞で主演男優賞を受賞。
第48回日本アカデミー賞では優秀主演男優賞に選出されました。
作品自体も日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞しています。
山口さんはブルーリボン賞受賞時、「侍タイムスリッパー」を自身の人生にとって大きな分かれ道になる作品だと語っています。
20代ではなく、30代でも40代でもなく、50代で初主演作品が代表作になる。
山口馬木也さんの俳優人生を象徴するような出来事です。
「侍タイムスリッパー」から大河「豊臣兄弟!」へ
大ブレイク後の大きな仕事となったのが、2026年のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」です。
山口さんが演じたのは織田家の重臣・柴田勝家。
「鬼柴田」と呼ばれる猛将で、信長亡き後には秀吉と天下の主導権を争うことになる重要人物です。
8月30日放送の第33回「北庄城の別れ」では、宮﨑あおいさん演じる市とともに迎える勝家の最期が描かれました。
「侍タイムスリッパー」で積み重ねてきた時代劇の技術が再評価され、その先に大河ドラマの主要武将役が続いた流れは、山口さんの長年のキャリアを考えると非常に象徴的です。
山口馬木也は積み重ねた技術が50代で花開いた俳優
山口馬木也さんの経歴を見ると、突然現れた新人俳優ではありません。
1998年のデビューから、時代劇、映画、舞台、テレビドラマで経験を積み続けてきた俳優です。
30歳で「剣客商売」に巡り合い、藤田まことさんから多くを学ぶ。
50代で初主演した「侍タイムスリッパー」が異例のヒットとなり、主要映画賞を受賞。
そして2026年には、大河ドラマ「豊臣兄弟!」で柴田勝家を演じるまでになりました。
「あさイチ」のプレミアムトークで語られる言葉も、こうした長い俳優人生を知ってから聞くと、また違って見えてきそうです。
参考リンク
SHIN ENTERTAINMENT 山口馬木也所属情報
第48回日本アカデミー賞 公式サイト
山口馬木也「侍タイムスリッパーとの出会い」文藝春秋PLUS
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