世界最優秀賞に輝いた女子高校生たちが挑む3日間のジオラマ制作
2026年10月5日放送のテレビ東京「世界!ニッポン行きたい人応援団」では、世界大会で最優秀賞に輝いた女子高校生の模型チームが、オランダ人ジオラマ作家と組み、わずか3日間で日本の原風景を表現するジオラマ制作に挑みます。
その高い制作力で知られるのが、東京都小平市にある白梅学園清修中高一貫部の「鉄道模型デザイン班」です。
2025年にはドイツ・シュトゥットガルトで行われた「ヨーロピアンNスケール・コンベンション」に出場。13か国24チームの中から最優秀賞に選ばれました。しかも、出展チームの中で学生だったのは白梅学園清修だけでした。
この記事でわかること
- 白梅学園清修・鉄道模型デザイン班が世界最優秀賞を取った実績
- 世界大会につながった「愛され続ける日光軌道」の特徴
- 14年前に鉄道模型制作を始めたきっかけ
- 2026年の最新作品と先輩から後輩へ受け継がれる制作技術
白梅学園清修は13か国24チームの世界大会で最優秀賞
公式動画:全国高等学校鉄道模型コンテスト「白梅学園清修中学校・清修中高一貫部 モジュール部門作品紹介」
白梅学園清修中高一貫部の鉄道模型デザイン班が世界の舞台へ進んだのは、2025年の全国高等学校鉄道模型コンテストで最優秀賞を獲得したことがきっかけでした。
副賞としてドイツ・シュトゥットガルトで開かれた「ヨーロピアンNスケール・コンベンション」への出場権を獲得。現地には13か国から24チームが集まりました。
白梅学園清修以外はすべて大人のチーム。その中で女子高校生たちの作品が最優秀賞に選ばれました。
鉄道模型というと、車両の精密さや走行技術に目が向きがちです。
しかし白梅学園清修が得意としているのは、線路の周囲にある建物、自然、人々の暮らしまで含め、1つの物語として風景を作り込むことです。
世界大会につながった「愛され続ける日光軌道」
2025年度のモジュール部門で最優秀賞を受賞した作品が「愛され続ける日光軌道」です。
同年度は1畳レイアウト部門でも「耳をすませば聞こえてくるかな」が最優秀賞を受賞し、さらに投票者が選ぶベストワン賞にも選ばれました。
「愛され続ける日光軌道」は、日光の風景と、かつて走っていた路面電車をジオラマの中に表現した作品です。
小平市もこの実績を紹介しており、鉄道模型デザイン班が2024年、2025年と全国高等学校鉄道模型コンテストの主要2部門で最優秀賞を獲得し、2025年にはドイツの世界大会でも最優秀賞に輝いたことを公表しています。
作品の強さは、鉄道だけを主役にしないところにあります。
建物の配置、地形、木々、人の姿まで細かく作り込み、「この場所で人が暮らしている」と感じられる情景へ仕上げています。
2026年は「幸せを届ける魔女の話」で1畳レイアウト3連覇
世界大会優勝後も、鉄道模型デザイン班の活動は続いています。
2026年8月に開催された全国高等学校鉄道模型コンテストでは、
- モジュール部門:「青き海に刻む青春の記憶」優秀賞
- 1畳レイアウト部門:「幸せを届ける魔女の話」最優秀賞
という結果を残しました。
1畳レイアウト部門では2024年、2025年、2026年と3年連続で最優秀賞。
2024年は「住みたかったトトロの町」、2025年は「耳をすませば聞こえてくるかな」、そして2026年が「幸せを届ける魔女の話」です。
2026年大会を制作したのは4年生のメンバー。
前年までの世界大会経験者だけが強いのではなく、次の世代が技術を引き継いだうえで全国トップの結果を残している点が、このチームの大きな特徴です。
鉄道模型デザイン班の始まりは14年前の1通の手紙
白梅学園清修と鉄道模型との出会いは、現在から14年前にさかのぼります。
全国高等学校鉄道模型コンテストの主催者から学校へ、「鉄道模型を多くの人に広めたい。一緒にやりませんか」という趣旨の手紙が届きました。
当時の中学2年生へ参加するか尋ねたところ、生徒たちはすぐに挑戦することを決めます。
その何気ないやり取りから鉄道模型制作が始まりました。
最初から全国制覇や世界大会を目指して作られたチームではありません。
興味を持った生徒たちが制作を始め、作品を重ねる中で技術と表現を磨き続けてきた結果、全国大会、さらに世界大会へと舞台が広がっていきました。
学校ではこの活動について、制作を通して意欲、協調性、コミュニケーション能力などの「非認知能力」も身につけられる取り組みと位置付けています。
先輩から後輩へ模型技術を直接伝える
白梅学園清修の強さを支えているのが、代々続いてきた技術継承です。
2025年の全国大会終了後には、上級生が下級生へミニジオラマ制作を教える活動が行われました。
学校も「先輩から後輩へ、鉄道模型の技術が引き継がれています」と紹介しています。
模型制作では、設計図だけを残せば同じ作品が作れるわけではありません。
地面の質感、植物の作り方、塗装の濃淡、古びた建物の表現など、実際に手を動かすことで身につく技術が数多くあります。
上級生が下級生と一緒に制作することで、そうした細かな技術や感覚まで受け渡してきました。
世界大会で評価された世代が卒業しても、2026年に1畳レイアウト部門3連覇を達成できた背景には、この積み重ねがあります。
コンテストを離れ小平市の「未来の街」もジオラマ化
鉄道模型デザイン班の制作は大会だけにとどまりません。
2026年には地元・小平市から依頼を受け、西武多摩湖線が走る市役所周辺「中央エリア」の未来を1つの鉄道模型として制作しました。
小平市では中央公民館、健康福祉事務センター、福祉会館を複合化して建て替える計画があり、その未来の姿を分かりやすく伝える役割を高校生たちのジオラマが担っています。
完成作品は小平市へ寄贈され、市役所などで展示されます。
模型を「大会で競う作品」から、まだ存在しない未来の街を市民に伝える道具へ広げた取り組みです。
同プロジェクトでは、中央エリアの設計を担当する隈研吾建築都市設計事務所の隈研吾さんとの対談も行われました。
3日間の日蘭ジオラマ制作で生きる細かな表現力
10月5日の「世界!ニッポン行きたい人応援団」で行われるのは、通常のコンテストとは違う共同制作です。
日本の風景をジオラマで作り続けてきたオランダ人作家が長野県の穂高・白馬を訪れ、実際の原風景を見たうえで女子高校生チームと作品を作ります。
与えられた制作期間はわずか3日間。
制作では爪楊枝を極細の筆として使い、歯ブラシを加工して田んぼの苗を表現するなど、身近な材料も利用した細かな技術が登場します。
鉄道模型デザイン班が14年間積み上げてきたのも、こうした「小さなものを本物らしく見せる」工夫です。
世界大会のために完成させた作品とは違い、今回は海外のジオラマ作家と短期間で1つの情景を組み上げます。
技術だけでなく、異なる作り手同士がイメージを共有して1つの風景にまとめていく制作になります。
白梅学園清修・鉄道模型デザイン班の実績
主な近年の実績は次の通りです。
- 2024年モジュール部門:「ようきてくれんさった」垣間見る岐阜/最優秀賞・文部科学大臣賞
- 2024年1畳レイアウト部門:「住みたかったトトロの町」/最優秀賞
- 2025年モジュール部門:「愛され続ける日光軌道」/最優秀賞
- 2025年1畳レイアウト部門:「耳をすませば聞こえてくるかな」/最優秀賞
- 2025年ヨーロピアンNスケール・コンベンション/最優秀賞
- 2026年モジュール部門:「青き海に刻む青春の記憶」/優秀賞
- 2026年1畳レイアウト部門:「幸せを届ける魔女の話」/最優秀賞
2026年の1畳レイアウト部門最優秀賞によって、同部門では3連覇を達成しました。
学校の所在地は東京都小平市小川町1-830です。
まとめ
白梅学園清修中高一貫部の鉄道模型デザイン班は、14年前に届いた1通の手紙から始まった活動です。
生徒たちは鉄道車両だけではなく、建物、植物、人の暮らしまで含めた情景づくりを磨き、2024年、2025年には全国大会の主要部門を制覇。2025年には13か国24チームが参加したドイツの世界大会で最優秀賞を獲得しました。
そして世界大会を経験した世代から後輩へ技術が受け継がれ、2026年も1畳レイアウト部門で最優秀賞を獲得し3連覇を達成しています。
10月5日放送の「世界!ニッポン行きたい人応援団」では、これまで競技作品として磨いてきた細密な制作力を、オランダ人ジオラマ作家との3日間の共同制作で発揮します。全国大会、世界大会と進んできた女子高校生たちの模型技術が、今度は国境を越えた1つの日本の風景へつながります。
参考リンク
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