体重を早く落とすほど良いわけではない
2026年10月8日放送の「林修の今知りたいでしょ!」3時間SPでは、「体重の新常識」の1つとして間違ったダイエットの危険性が取り上げられます。
短期間で体重を大きく落とせば成功したように見えますが、体重計で減った数字のすべてが体脂肪とは限りません。急激な減量より緩やかな減量のほうが、体脂肪を減らしながら安静時代謝を維持しやすいことを示した研究もあります。さらに極端な食事制限では、栄養不足や筋肉量低下、胆石など別の問題にも注意が必要です。
この記事でわかること
- 急激な減量より緩やかな減量が有利な理由
- 食べないダイエットで筋肉まで減る問題
- 急激な体重減少と胆石リスクの関係
- 健康的な減量で食事と運動を組み合わせる理由
急激な減量より緩やかな減量のほうが体脂肪を減らしやすい
「同じ5kgを落とすなら、1か月で落としたほうが効率がいい」。
そう考えたくなりますが、体重の減少量だけではダイエットの中身は判断できません。
急激な減量と緩やかな減量を比較した研究をまとめた2020年のメタ解析では、最終的な体重減少量がほぼ同じでも、緩やかに減量したグループのほうが体脂肪量と体脂肪率をより減らし、安静時代謝も維持しやすいという結果が示されました。
体重計の数字を最短で減らすことと、余分な体脂肪を減らすことは必ずしも同じではありません。
数日から短期間で体重が大きく変わった場合には、脂肪だけでなく体内の水分量などが影響していることもあります。
ダイエットで本当に減らしたいのは、体を支える筋肉や必要な水分ではなく、過剰に蓄積した体脂肪です。
そのため、「何kg減ったか」だけではなく「どのように減らしたか」まで考える必要があります。
「食べないダイエット」は筋肉と基礎代謝にも影響する
摂取カロリーを減らせば体重は落ちやすくなります。
だからといって、食事そのものを極端に減らせばよいわけではありません。
厚生労働省の健康情報では、「食べない」といった無理なダイエットを行うと筋肉量が減少し、基礎代謝が低下することが指摘されています。また、偏った食生活は鉄をはじめ、健康維持に必要な栄養素の不足にもつながります。
筋肉は体を動かすだけの組織ではありません。
日常生活で立つ、歩く、階段を上るといった動作にも必要で、エネルギー消費にも関係しています。
体重を落とすために食事を極端に減らし、
体重が減る
↓
筋肉も減る
↓
日常の活動量まで落ちる
↓
食事を元に戻す
という流れになれば、その後の体重管理も難しくなります。
ダイエットでは「体を小さくする」だけでなく、必要な筋肉をできるだけ維持しながら余分な脂肪を減らす視点が重要です。
急激な体重減少は胆石のリスクも高める
急激なダイエットには、見た目やリバウンドとは別の問題もあります。
その1つが胆石です。
胆石と体重についてまとめた医学レビューでは、肥満そのものが胆石のリスク要因である一方、急激な体重減少も胆石ができるリスクを高めることが示されています。
非常に低カロリーの食事などで短期間に大きく体重を落とすと、胆汁中のコレステロールの状態などが変化し、胆石形成につながりやすくなると考えられています。
過去のレビューでは、特に減量速度が速い場合に胆石リスクが高まることも報告されています。
「早く痩せれば、それだけ体に良い」と単純には考えられない理由の1つです。
まず現在の体重から3〜5%減を目指す考え方
肥満やメタボリックシンドロームがある場合でも、最初から大幅な減量を目指す必要はありません。
厚生労働省の運動プログラムでは、食事療法と運動療法によって現在の体重から3〜5%程度減量し、その状態を維持することが重要とされています。
たとえば、
- 60kgなら約1.8〜3kg
- 70kgなら約2.1〜3.5kg
- 80kgなら約2.4〜4kg
- 90kgなら約2.7〜4.5kg
が3〜5%です。
「10kg痩せないと意味がない」と考えるのではなく、まず現実的な範囲から体重を減らして維持する考え方です。
高血圧、糖尿病、脂質異常症などがある場合は、減量方法や運動量について医師などに相談することも大切です。
有酸素運動だけでなく筋力トレーニングも組み合わせる
食事量だけで体重を調整しようとすると、食べる量を大きく減らす方向へ進みやすくなります。
そこで重要になるのが運動です。
厚生労働省の肥満症・メタボリックシンドローム向け運動プログラムでは、減量や減量維持では有酸素運動によってエネルギー消費を増やし、筋力トレーニングやストレッチを組み合わせることが示されています。
有酸素運動なら、
- ウォーキング
- 自転車
- 水中歩行
- 軽いジョギング
などがあります。
筋力トレーニングも、必ずしも重いバーベルを使う必要はありません。
スクワット、ヒップリフト、プランクなど、自分の体力に合わせた運動から始められます。
運動習慣がなかった人については、最初は低強度で1回の時間を短くして始めることも示されています。
「食べないことで体重を減らす」のではなく、「食事を適切に整えながら体も動かす」ことが、筋肉を保ちながら減量する基本になります。
炭水化物や脂質を完全に抜く必要はない
短期間で結果を求めるダイエットでは、
「炭水化物は全部やめる」
「脂質は一切食べない」
「1日1食だけにする」
といった極端な方法へ傾くことがあります。
しかし健康的な体重管理では、特定の栄養素を一律に悪者にするより、食事全体を見直すことが重要です。
厚生労働省の健康情報でも、体重管理では自分に減量が本当に必要なのかを確認し、食事内容や生活習慣を見直すことが基本とされています。
まず確認したいのは、
- 毎日の間食
- 甘い飲み物
- 大盛りやおかわり
- 夜遅い時間の食事
- アルコールと一緒に食べる料理
- 運動不足や座っている時間
などです。
食事を丸ごと抜くより、「余分になっている部分」を見つけて減らすほうが、その後も続けやすくなります。
体重だけでダイエットの成功を判断しない
ダイエットを始めると、毎朝の体重計の数字が気になります。
しかし、1日ごとの体重には水分量や食事、排泄なども影響します。
そのため、
「昨日より500g増えた」
「1週間で思ったほど減らなかった」
という理由だけで食事をさらに減らす必要はありません。
見るべきなのは短期間の数字だけではなく、
- 数週間から数か月の体重変化
- 腹囲
- 食生活
- 運動習慣
- 無理なく続けられているか
といった全体の変化です。
体重計の数字を速く減らす競争にしてしまうと、必要以上の食事制限につながりやすくなります。
まとめ
2026年10月8日放送の「林修の今知りたいでしょ!」では、「体重の新常識」の中で間違ったダイエットの危険性が取り上げられます。
急激に体重を落とすほど、良いダイエットになるわけではありません。
研究では、同程度の体重減少でも、緩やかな減量のほうが体脂肪を減らし、安静時代謝を維持しやすい結果が示されています。極端な食事制限では筋肉や必要な栄養素まで不足し、急激な減量では胆石リスクが高まることにも注意が必要です。
大切なのは「最短で何kg落とせるか」ではありません。
食事を整え、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせ、無理なく維持できる体重へ少しずつ近づける。
体重を減らしたあとまで続けられる方法を選ぶことが、間違ったダイエットを避ける大きなポイントです。
参考リンク
厚生労働省 健康日本21「若い女性の『やせ』と健康・栄養問題」
PubMed「Effects of gradual weight loss v. rapid weight loss on body composition and RMR」
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