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うぶけや|1783年創業、9代続く人形町の刃物店と「職商人」の研ぎ直し【東京まち物語】

東京まち物語

日本橋人形町で江戸時代から刃物を扱う「うぶけや」

東京・日本橋人形町に店を構える「うぶけや」は、1783年(天明3年)創業の打刃物専門店です。

2026年10月8日放送のテレビ東京「東京まち物語」では、9代にわたって人形町とともに歩んできた老舗として登場。包丁や鋏、毛抜きなどを販売するだけでなく、自ら刃を仕上げ、使い込まれた刃物を研ぎ直す「職商人」の仕事が現在まで受け継がれています。

この記事でわかること

  • 1783年創業「うぶけや」の歴史
  • 「うぶけや」という屋号が生まれた理由
  • 現在も続く「職商人」と研ぎ直しの仕事
  • 店舗の場所・営業時間・修理を依頼する方法

「うぶけや」の名前は“うぶ毛でも剃れる・切れる・抜ける”から誕生

出典:うぶけや公式サイト

「うぶけや」という一度聞いたら忘れにくい屋号には、店の刃物づくりそのものが表れています。

初代・㐂之助が作った刃物は、「うぶ毛でも剃れる」「うぶ毛でも切れる」「うぶ毛でも抜ける」と客から評判になりました。包丁やかみそりなら剃れる、鋏なら切れる、毛抜きなら抜ける。その評判から「うぶけや」という名前が付けられました。

創業地は東京ではなく、大阪の新町橋橋詰です。

1800年代に入ると江戸の長谷川町、現在の日本橋堀留町に江戸店を開設。その後、明治維新のころまでに現在の日本橋人形町へ移り、現在まで商いを続けています。大阪の本店は現在残っていません。

2026年10月8日の「東京まち物語」では、この店が9代にわたって人形町とともに歩んできた歴史が描かれます。

うぶけやが守る「職商人」は作って売るだけの刃物屋ではない

うぶけやを知るうえで重要な言葉が「職商人」です。

うぶけやでは2代目以降、この昔ながらの形を守ってきました。

職商人とは、店を構えて商品を販売する商人でありながら、自身も刃物を仕上げる職人であるという仕事の形です。

腕のある職人に刃物を作ってもらい、それをそのまま店頭へ並べるわけではありません。自分たちで刃を付け、納得できる状態まで仕上げてから販売します。

現在扱っている刃物も幅広く、

  • 和包丁・洋包丁
  • 裁ち鋏
  • 毛抜き
  • かみそり
  • 和鋏
  • 生花鋏
  • 洋鋏
  • 小刀
  • ナイフ

などがあります。

包丁や小刀については、内容によって特注の相談にも応じています。

便利な大量生産品が身の回りにあふれる現在でも、「買ったら終わり」ではなく、使いながら整え、長く使い続けることを前提にしているところが、うぶけやの大きな特徴です。

刃物は研ぎ直して長く使う、販売後も続く客との関係

うぶけやでは、自店で販売した刃物だけでなく、刃物の修理やメンテナンスも大切な仕事として続けています。

使い続ければ包丁や鋏の刃は少しずつ傷みます。そこで再び店に持ち込まれた道具を確認し、必要に応じて研ぎ直します。

うぶけやの公式サイトでは、刃物は使えば刃が荒れ、研げばその分だけ刃も減っていくものだと説明しています。それでも適切な手入れを続けることで、長く気持ちよく使うことができます。

修理は基本的に木曜日を締め切りとして、翌週水曜日の仕上がりとなる流れです。

金曜日や土曜日に持ち込んだ場合は翌々週水曜日になる場合があり、混雑状況や刃物の状態によってさらに時間が必要になることもあります。

こうした販売後の仕事まで含めて「職商人」です。

東京都の「江戸東京きらりプロジェクト」でも、使い手から直接要望を聞き、修理やメンテナンスを続けることで商品そのものも磨かれていく点が、うぶけやの特徴として紹介されています。

「うぶけやで切れないものは毛抜きとお客様とのご縁」

刃物屋という商売には「切る」という言葉が付きまといます。

刃物を贈ると「縁が切れる」と考える人もいますが、うぶけやではまったく違う捉え方をしています。

店に代々残されている言葉が、

「うぶけやで切れないものは毛抜きとお客様とのご縁」

です。

毛抜きは「切る」道具ではありません。そして、一度商品を買った客との関係も切らない。

刃物が傷めば研ぎ直しに持ってきてもらい、再び使える状態に整える。販売した瞬間ではなく、そこから客との付き合いが始まるという店の姿勢を象徴する言葉です。

鋏についても、2枚の刃が協力して初めて物を切れることから、新婚家庭への贈り物にも通じるものとして紹介されています。包丁も日々の料理を支える道具です。

「切れる道具」を売りながら、人との縁は長くつなぐ。

240年以上続く刃物店らしい言葉です。

人形町に残る昭和初期の店と9代にわたる商い

うぶけやの魅力は商品だけではありません。

現在の人形町には大型ビルや新しい店舗も増えていますが、うぶけやには昔の面影を残した店構えがあります。

現在の木造3階建ての店舗は1927年(昭和2年)に建てられたもの。店内には総桑で作られた大きな陳列棚や唐傘天井などが残っています。

うぶけやが現在の場所へ移ったのは明治維新のころ。

その後、関東大震災や戦争、戦後の高度成長、街の再開発など、人形町の風景が大きく変わる中でも、同じ場所で刃物を扱い続けてきました。

「東京まち物語」が今回うぶけやを取り上げる理由も、単に古い店だからではありません。

店と仕事、そしてそこで働く人が残ることで、人形町という街の記憶そのものが受け継がれているからです。番組では「変わりゆく人形町で、残したい物語」がテーマになっています。

包丁・鋏・毛抜きは手入れ方法も違う

長く使うためには、道具に合わせた日常の手入れも重要です。

うぶけやでは、公式サイトで刃物ごとの扱い方を公開しています。

鋼の包丁は、

  • 使用後によく洗う
  • 熱湯をかける
  • 乾いた布巾で水気を取る
  • 湿気の少ない場所へしまう
  • 食器洗浄乾燥機には入れない

という手入れが基本です。

鋏は使用後に乾いた布や油布で拭きます。油を使う場合、椿油、ミシン油、機械油、ベビーオイル、丁子油などは利用できますが、サラダ油は使わないよう案内されています。

毛抜きは、ファンデーションや皮脂が先端に付くと滑りやすくなるため、使用後に油取り紙などを挟んで軽く拭きます。

特に鋼の刃物にとって大敵なのがサビです。

良い道具を買うだけでなく、手入れし、傷めば直すところまで含めて使い続ける。その考え方が、うぶけやの商いとつながっています。

店舗情報・研ぎ直しの実用情報

うぶけやは、日本橋人形町の実店舗で営業しています。

  • 店名:うぶけや
  • 住所:東京都中央区日本橋人形町3-9-2
  • 電話:03-3661-4851
  • 営業時間:平日9:00~18:00
  • 土曜日:9:00~17:00
  • 定休日:日曜日・祝日
  • 最寄駅:東京メトロ日比谷線・都営浅草線「人形町駅」
  • 研ぎ直し・修理:店舗で受付
  • 修理代金:クレジットカード利用不可

人形町駅からは、人形町交差点から小伝馬町方面へ進み、右側4軒目にあります。

包丁や鋏は状態によって修理できる範囲が異なるため、遠方から持ち込む場合や特殊な刃物の場合は、事前に店舗へ確認しておくと安心です。

まとめ

日本橋人形町の「うぶけや」は、1783年に創業し、9代にわたって続く打刃物専門店です。

「うぶ毛でも剃れる・切れる・抜ける」という評判から生まれた屋号を守りながら、包丁、鋏、毛抜きなどを販売してきました。

最大の特徴は、単なる販売店ではなく、自分たちで刃を仕上げ、修理や研ぎ直しまで担う「職商人」という仕事を現在も続けていることです。

使い捨てではなく、手入れしながら道具を長く使う。

「うぶけやで切れないものは毛抜きとお客様とのご縁」という言葉には、240年以上続く店の商い方が凝縮されています。

2026年10月8日の「東京まち物語」では、そんな刃物店を通して、変わり続ける日本橋人形町に残る街の記憶が描かれます。

参考リンク


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