玉ノ井部屋|豪快なちゃんこ料理を支える職人技と父子2代の相撲への情熱
総重量70kgを超える肉料理、濃厚なラーメンちゃんこ鍋、自家製コンソメを使ったオニオングラタンスープ。東京都足立区にある「玉ノ井部屋」は、力士たちの豪快な食事と本格的な料理の腕前でも知られる相撲部屋です。
その食事を支えてきた人物の一人が、元寿司職人という異色の経歴を持つ力士・東浪(あずまなみ)。2025年には200人分の料理を準備し、鶏ガラ18kgから出汁を取る塩ちゃんこや牛すじ煮込みを作りました。
2026年10月19日放送予定の日本テレビ系『有吉ゼミ』でも、玉ノ井部屋の総重量70kg超えの肉祭り決起集会が紹介されます。
玉ノ井部屋は1990年に元関脇・栃東知頼さんが創設し、現在は息子で元大関の栃東大裕さんが師匠を務めています。親子2代の幕内優勝という実績を持ち、力士としての強さだけでなく、社会人としての成長も大切にしている部屋です。
力士たちの食生活を支える料理人の工夫から、親子2代の歴史、現在の所属力士、稽古見学まで紹介します。
この記事でわかること
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玉ノ井部屋の豪快なちゃんこ料理と、元寿司職人・東浪の調理技術
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元関脇の父と元大関の息子が受け継いできた部屋の歴史
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羽出山・東白龍をはじめとする2026年の所属力士
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玉ノ井部屋の所在地、アクセス、稽古見学の受付状況
玉ノ井部屋のちゃんこ料理|大量調理を支える職人の工夫
公式動画:玉ノ井部屋「餅つき420kg&ちゃんこ場限定の絶品賄いメシ」
玉ノ井部屋の食事は、力士たちが自分たちの手で料理を作り、大勢で食卓を囲むことが特徴です。
2026年10月に予定されている肉祭り決起集会では、総重量70kgを超える料理が用意されます。紹介される主な料理は次の2品です。
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二郎風の濃厚ラーメンちゃんこ鍋
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自家製コンソメのオニオングラタンスープ
相撲部屋のちゃんこといえば、大きな鍋で肉や野菜を煮込む料理を思い浮かべる人も多いでしょう。しかし、玉ノ井部屋ではラーメンや洋風スープなど、鍋料理だけにとどまらない献立が登場します。
過去には大量の牛すじ煮込みや、デザートのパンナコッタまで手作りしてきました。
この料理の幅広さを支えるのが、調理経験のある力士たちです。中でも東浪は、寿司職人としての経験を生かし、大規模なちゃんこ会で料理を取り仕切ってきました。
ただ大量に作るのではなく、肉の下処理や出汁の取り方、味を染み込ませる時間まで工夫しています。
元寿司職人のちゃんこ長・東浪|200人分を仕込む料理の腕前
玉ノ井部屋の料理を語るうえで欠かせないのが、東浪(あずまなみ)です。
元寿司職人という経歴を持ち、2025年8月の名古屋場所合宿では、ちゃんこ長として大規模な食事会の調理を担当しました。
このとき参加したのは、名古屋の支援者や相撲ファンなど140人以上。東浪が準備したのは、約200人分の料理でした。
使用する食材だけでも、鶏もも肉20kg、白菜10kgなど、合計100kgを超える量です。
その日の献立には、玉ノ井部屋伝統の塩ちゃんこ鍋をはじめ、牛すじ煮込みなど合計5品が用意されました。
中でも印象的なのが、牛すじ煮込みの作り方です。
牛すじ20kgを70リットルの大鍋で下茹でし、余分な脂やアクを丁寧に取り除きます。その後、調味料と野菜を合わせて煮込み、完成した料理は45kgにもなりました。
牛すじ煮込みの主な材料
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牛すじ:20kg
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こんにゃく:15丁
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大根:2本
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日本酒
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醤油
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昆布つゆ
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牛肉だしの素「ダシダ」
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豆板醤
甘みを加えるために砂糖を使うのではなく、日本酒を用いるのが東浪の調理法です。
酒を加熱してアルコールを飛ばし、醤油や昆布つゆ、牛肉だしの素で旨味を重ねます。豆板醤でわずかに辛みを加えるのも特徴です。
さらに大切なのが、完成後すぐには提供しないこと。前日に仕込み、1日寝かせることで牛すじや野菜に味を染み込ませていました。
東京の割烹料理店で気に入った味を、自分なりにアレンジして作った料理でもあります。
寿司職人としての経験だけに頼るのではなく、ほかの料理店からも味づくりを学ぶ。その姿勢が、玉ノ井部屋の食事の豊かさにつながっています。
鶏ガラ18kgで作る伝統の塩ちゃんこ鍋
玉ノ井部屋の代表的な料理の一つが、鶏ガラから出汁を取る塩ちゃんこ鍋です。
2025年のちゃんこ会では、出汁を作るために鶏ガラ18kgを使用しました。
大量の鶏ガラを鍋に入れ、時間をかけて煮出していきます。通常は約5時間かけて炊くところを、東浪は前日に2時間煮込み、残りを翌日に仕上げる方法を取っていました。
一晩置くことで鶏ガラの香りを引き出すという、東浪ならではの工夫です。
さらに肉団子の種を20kg準備し、翌日の提供に備えました。
塩ちゃんこは、複数の食材を組み合わせて食べられる料理ですが、玉ノ井部屋ではベースとなる出汁の仕込みにも十分な時間をかけています。
食材の量が増えれば、火の通り方や味の入り方をそろえることも重要になります。大人数に同じ料理を提供するには、前日からの段取りが欠かせません。
東浪が行った調理は、家庭料理を単純に大きな鍋で作るものではなく、大量調理に合わせて工程を組み立てたものでした。
力士の料理は鍋だけではない|パンナコッタまで手作り
玉ノ井部屋の料理の幅広さを象徴するのが、手作りのデザートです。
2025年のちゃんこ会の準備中、東浪は調理に携わる力士たちに、特製パンナコッタを作って振る舞いました。
使用した牛乳は4リットル。グラニュー糖やゼラチンに加え、ホワイトラムとダークラムの2種類を使っています。
加熱した材料の粗熱を取りながら生クリームを加え、冷蔵庫で約3時間冷やして固めるという作り方です。
仕上げには大福アイス、ミックスベリーソース、ミントを添えました。
完成したパンナコッタの量は約7kg。ちゃんこ長が手間をかけて作ったデザートを、力士たちが味わう場面も紹介されています。
大量の肉料理やちゃんこ鍋だけでなく、洋菓子まで作れることは、玉ノ井部屋の料理文化の特徴です。
1990年創設|初代師匠・栃東知頼が築いた相撲部屋
玉ノ井部屋を創設したのは、元関脇の栃東知頼(とちあずまともより)さんです。
本名は志賀駿男。1944年に福島県相馬市で生まれ、1960年の九州場所で初土俵を踏みました。
春日野部屋に所属し、1972年初場所で幕内最高優勝を達成。最高位は関脇です。
1977年に現役を引退した後、親方として後進の指導に携わり、1990年に春日野部屋から独立して玉ノ井部屋を創設しました。
その際には、3人の内弟子を連れて新しい部屋を立ち上げています。
東京都足立区に初めて創設された相撲部屋でもありました。
創設翌年の1991年には、日系人を含むブラジル出身の力士5人が入門。海外出身者の育成にも取り組み、隆濤や国東、若東といった関取を輩出しています。
2004年12月には、現在の東京都足立区西新井に部屋を新築移転しました。
創設から力士の育成、外国出身力士の受け入れ、新しい施設への移転まで、玉ノ井部屋は着実に基盤を築いてきました。
元大関・栃東大裕が父から受け継いだ相撲部屋
現在の玉ノ井部屋の師匠は、元大関・栃東大裕(とちあずまだいすけ)さんです。
本名は志賀太祐。1976年11月9日生まれで、先代師匠・栃東知頼さんの次男にあたります。
明治大学付属中野中学校に進学し、相撲部に入部。高校3年生のときにはインターハイで優勝し、高校横綱となりました。
1994年11月場所で初土俵を踏み、入門後は26連勝を記録。1996年5月場所には十両に昇進し、同年11月には新入幕を果たしています。
その後も昇進を重ね、2001年11月場所で12勝3敗の成績を残し、大関昇進を決めました。
新大関として迎えた2002年初場所では、幕内最高優勝を達成します。
これにより、父の栃東知頼さんが1972年に果たした幕内優勝を、息子も成し遂げることになりました。
栃東大裕さんは2003年11月場所、2006年1月場所にも優勝。通算3回の幕内最高優勝を記録しています。
現役時代の主な実績
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初土俵:1994年11月場所
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新十両:1996年5月場所
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新入幕:1996年11月場所
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大関昇進:2002年1月場所
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幕内最高優勝:3回
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殊勲賞:3回
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敢闘賞:2回
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技能賞:7回
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生涯戦歴:560勝317敗169休
2007年5月に現役を引退した後は、年寄として後進の指導に携わりました。
そして2009年9月、父の先代玉ノ井親方が定年退職したことに伴い、部屋を継承しました。
かつて父のもとで鍛えられ、大関まで上り詰めた息子が、今度は若い力士を育てる立場になったのです。
玉ノ井親方が大切にする「力士の前に一人の社会人」という教育
玉ノ井太祐親方が部屋の運営で重視しているのは、相撲で強い力士を育てることだけではありません。
公式サイトの挨拶では、力士である前に、一人の社会人として常識を備えた人間を育てることを大切にしていると説明しています。
相撲部屋には、中学校を卒業したばかりの若者から経験豊富な関取まで、さまざまな年齢の力士が共同生活を送っています。
稽古や本場所での勝敗に加え、生活の中での役割や人間関係も重要になります。
玉ノ井部屋では新弟子を随時募集しており、公式案内では、未経験者にも相撲界への挑戦を呼びかけています。
入門後は部屋で生活し、食費や生活費は徴収しないと案内されています。稽古見学だけでなく、入門希望者向けの1日体験入門も受け付けています。
親方の教育方針と力士たちの共同生活は、料理の場面にも表れています。
一人で食べるためではなく、大勢の仲間の食事を準備する。手間のかかる仕込みを分担し、互いの生活を支えながら稽古に励むことも、相撲部屋での経験の一つです。
2026年の玉ノ井部屋|羽出山と東白龍が十両で活躍
玉ノ井部屋は2026年も、多くの力士が所属する相撲部屋として活動しています。
2026年9月場所の番付では、十両に2人の関取が所属していました。
2026年9月場所の主な所属力士
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羽出山 将(はつやま しょう):西十両8枚目
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東白龍 雅士(とうはくりゅう まさひと):西十両9枚目
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天昇山:東幕下8枚目
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東俊隆:西幕下11枚目
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行徳:西幕下17枚目
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東誠竜:西幕下40枚目
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清乃海:西幕下54枚目
羽出山は2026年1月場所に西前頭17枚目として幕内の土俵にも上がっています。
東白龍も幕内経験のある力士で、玉ノ井部屋を代表する関取の一人です。
また、2026年7月場所では天昇山が三段目優勝を達成しました。
部屋の創設から2026年までに輩出した関取は10人。歴代の関取には、元大関・栃東のほか、東龍、富士東、芳東などが名を連ねています。
玉ノ井部屋では「東」の字を含む四股名が多いことも特徴です。
東白龍、東俊隆、東誠竜、東照山、富士東など、四股名からも部屋の伝統を感じ取れます。
玉ノ井部屋の場所・アクセスと稽古見学
玉ノ井部屋の本拠地は、東京都足立区西新井にあります。
玉ノ井部屋の所在地
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住所:東京都足立区西新井4-1-1
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最寄り駅:東武大師線「大師前駅」
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大師前駅からのアクセス:徒歩約15分
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西新井駅からのアクセス:バス約15分
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バス利用:国際興業バス「足立工業高校南」停留所から徒歩約1分
玉ノ井部屋には、地方場所のための宿舎も設けられています。
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大阪宿舎:大阪府大阪市西淀川区佃・田蓑神社内
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名古屋宿舎:愛知県春日井市大和通・地蔵寺内
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九州宿舎:福岡県糟屋郡須惠町植木・道林寺内
稽古見学について
2026年10月時点で、東京の玉ノ井部屋は一般向けの稽古見学の受付を停止しています。
見学希望者が多く、東京での受付が混み合っているためです。一方、地方場所での見学については受付を行っています。
ただし、見学は基本的に後援会の会員が優先されます。希望する場合には、公式サイトの案内に従って問い合わせる必要があります。
また、玉ノ井部屋には地域ごとの後援会があり、名古屋後援会では場所前の「ちゃんこ激励会」への招待が会員特典に含まれています。
相撲部屋の食事や稽古を身近に感じられる機会が、後援会活動を通じても設けられています。
玉ノ井部屋の料理が受け継がれる理由
玉ノ井部屋の特徴は、力士の食事を単なる栄養補給で終わらせず、料理そのものに工夫を重ねていることです。
元寿司職人の東浪が大規模なちゃんこ会を取り仕切り、牛すじを前日から仕込む。鶏ガラを大量に使って出汁を取り、手作りデザートまで用意する。
そこには、力士としての仕事と同じように、調理にも真剣に取り組む姿があります。
また、2026年には玉ノ井部屋出身の元力士・加地勇二郎さんが、愛知県春日井市で居酒屋「龍虎朱(りゅうこす)」を開きました。
加地さんは13年間相撲に励みながら、ちゃんこをはじめとする料理を当番で作っていた人物です。
店では、鶏ガラスープと生姜入りのつみれを使った「お椀ちゃんこ」を提供しています。
相撲部屋で培った料理の経験が、引退後の仕事にもつながった一例です。
玉ノ井部屋の食文化は、現役力士たちの食卓だけでなく、相撲界を離れた後の人生にも生かされています。
まとめ
玉ノ井部屋は、1990年に元関脇・栃東知頼さんが創設し、2009年から息子の元大関・栃東大裕さんが師匠を務める相撲部屋です。
父子2代で幕内最高優勝を達成した歴史を持ち、現在も羽出山や東白龍をはじめとする力士たちが稽古に励んでいます。
その生活を支えてきたのが、手間を惜しまないちゃんこ料理です。元寿司職人の東浪が作る塩ちゃんこや牛すじ煮込み、大量の食材を使った豪快な食事には、相撲部屋ならではの調理技術と工夫があります。
力士を強く育てることと、一人の社会人として成長させること。その両方を大切にする玉ノ井部屋では、稽古場だけでなく、食事を作る厨房も若い力士たちが経験を積む大切な場所となっています。
参考リンク
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