つり革が高くてつかみにくいときは、高さと手すりの位置を確認
つり革は、指先が届くだけでは、しっかり体を支えられるとは限りません。高い位置のつり革を無理につかむより、低いものや握りやすい手すりを探すのが、車内での設備選びの出発点です。2026年10月28日放送予定のNHK Eテレ『ザ・バックヤード 知の迷宮の裏側探訪』では、鉄道総合技術研究所の使いやすい吊り手の研究が取り上げられます。高さが違う理由と、形だけでは判断できないつかみやすさを整理します。
高いつり革がつかみにくい理由と、高さが違う理由
つり革の高さは、床から握る部分の下端までで考えます。背の低い人にも背の高い人にも、同じ高さが使いやすいわけではありません。通路を歩く人の邪魔になりにくい高さと、立って体を支えやすい高さを両立させる必要もあります。
交通エコロジー・モビリティ財団のバリアフリー整備事例では、一般のつり革の下端を160〜165cm、低いものを155〜160cm、通路のものを180cm以上とした例が示されています。これらは設計事例であり、すべての電車に共通する統一寸法ではありません。
低い位置のものは、女性や高齢者の使いやすさも重視した設定です。車内に高さの異なるつり革があるのは、使う人の体格と設置場所の両方に配慮しているためです。自分には高すぎると感じたら、周囲に低いものがないか確認する意味があります。
丸型か三角型かより、無理なく握れる位置を選ぶ
丸型と三角型の比較では、何を評価した研究なのかが大切です。長く握っているときの使いやすさと、合図に反応して素早くつかめるかどうかは、別の評価になります。
鉄道総研の「つり手の即座のつかみやすさ評価」では、床から150・160・170・180cmの高さを比較しました。通勤列車が等速で直進する振動環境を再現し、ブザー音の後につり手をつかむ試験です。
この条件では、高さ180cmは形や向きにかかわらず、ほかの高さよりつかみにくくなりました。150〜170cmでは三角型より丸型、特に正面向きの丸型の結果が良かったと報告されています。
ただし、これは急ブレーキ中に試した結果でも、あらゆる人に丸型が最適だという結論でもありません。普段の車内では形だけで優劣を決めず、自分の位置から無理なく手を掛けて握れるかを確認しましょう。つかみにくい高いつり革を選び、揺れてから持ち替えることは避けたいところです。
手すりが曲がって通路側に出ているのにも理由がある
鉄道総研の車内設備研究では、延べ約250人の利用者が振動環境でつり革を評価しています。つり革は握る部分の高さだけでなく、吊り下げる長さも含めて検討されており、単に長くすれば使いやすくなるとはいえません。
手すりについては、通路側へ10〜15cm程度張り出させると、立っている人がしっかり握りやすく、座った人も立ち上がりやすくなることが確認されました。約15cm張り出した場合も、座った人の膝より内側に収まり、乗り降りのしやすさは標準的なものと変わらなかったとされています。
座席の端にある、途中が通路側へ曲がった手すりは、見た目のデザインだけでなく、手を届かせやすくする工夫でもあります。頭上のつり革が高すぎる場合は、近くの握れる手すりも選択肢です。通路をふさいだり、走行中に無理に移動したりせず、乗車時や停車中に使いやすい位置を選びましょう。
まとめ
つり革のつかみやすさは、丸型・三角型の違いだけでなく、高さや向き、吊り下げる長さでも変わります。高くて握りにくいときは、低いつり革や手の届く手すりを確認してください。車内の寸法は一律ではないため、自分が無理なく握れる位置を選ぶことが大切です。
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