- 日本のサウナはなぜここまで広がった?
- 日本のサウナは入浴だけでなく「体験」に進化した
- サウナの国のエドことエートゥ=アンッティ・ハルティカイネンさんとは
- 「ととのう」とはどんな状態なのか
- 「サ活」はサウナに入ることだけを指す言葉ではない
- 「サ飯」が施設を出た後の楽しみを生んだ
- 「サ旅」が地方を訪れる新しい理由になっている
- 鳥取と北海道の地方サウナはなぜ人を呼べるのか
- ロウリュとアウフグースは何が違う?
- 人気熱波師が外国人観光客を呼び込む理由
- 日本とフィンランドではサウナの楽しみ方が異なる
- 地方サウナが長く続くために必要なこと
- 地方サウナへ行く前に確認したいこと
- サウナを安全に楽しむための注意点
- 日本のサウナ文化が広がった理由まとめ
- 参考リンク
- 気になる生活ナビをもっと見る
日本のサウナはなぜここまで広がった?
サウナの本場といえばフィンランドですが、日本では水風呂や外気浴、食事、旅行まで組み合わせた独自の楽しみ方が生まれています。『最深日本研究 ~外国人博士の目~ サウナを知りたい(2026年8月10日)』では、フィンランド出身の観光学者エートゥ=アンッティ・ハルティカイネンさんが、日本のサウナ文化を調査します。鳥取と北海道の地方サウナは、なぜ遠方から人を呼べるのでしょうか。言葉、体験、地域観光という3つの面から見ていきます。
この記事でわかること
- 日本のサウナが独自に発展した理由
- 「ととのう」「サ活」「サ飯」の意味
- エドさんが調べるサウナツーリズム
- 地方サウナへ行く前に確認したいこと
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日本のサウナは入浴だけでなく「体験」に進化した
日本でサウナが広がった大きな理由は、サウナ室に入ることだけでなく、水風呂、休憩、食事、旅行、イベントまでをひと続きの体験として楽しめるようになったことです。
一般的な温浴施設では、次のような流れで利用する人が多く見られます。
- サウナ室で体を温める
- 汗を流してから水風呂に入る
- イスや休憩スペースで体を休める
- 体調に合わせて繰り返す
- 入浴後に食事や飲み物を楽しむ
ここで重要なのは、長時間我慢することや、何回入ったかを競うことではありません。体調に合わせ、自分が心地よいと感じる範囲で利用することが基本です。
フィンランドでもサウナは生活に深く根付いていますが、日本では銭湯や温浴施設の文化と結び付き、サウナ室、水風呂、休憩場所を順番に回る入り方が広まりました。
さらに、施設ごとに温度、湿度、水風呂、外気浴、香り、照明、音楽などが異なるため、「どこで入っても同じ」ではありません。施設を選び、違いを味わうこと自体が楽しみになっています。
たしかに、ただ汗をかくだけなら、ここまで多くの専門施設や旅行企画は生まれにくかったはずです。体験を選べることが、日本の盛り上がりを支えていると考えると理解しやすくなります。
サウナの国のエドことエートゥ=アンッティ・ハルティカイネンさんとは
エートゥ=アンッティ・ハルティカイネンさんは、フィンランド出身の研究者です。「サウナの国のエド」という名前でも活動しています。
北海道大学の博士課程で、日本におけるサウナの利用や観光との関係を研究しています。
エドさんはヘルシンキ大学で地域・文化研究を学び、修士論文の調査では日本のサウナ愛好家67人にインタビューしました。日本でどのような人がサウナを利用し、どんな価値を感じているのかを、利用者の言葉から調べています。
現在の研究で重視されているのが、サウナブームと地域観光の持続可能性です。
新しい施設が一時的に話題になっても、利用者が継続して訪れなければ、地域の観光資源として長く残るとは限りません。一方で、その土地の自然、宿泊、食、住民、歴史と結び付いた施設には、遠方から繰り返し訪れてもらえる可能性があります。
本場の出身者が日本のサウナを研究するという点は、初めて知ると少し驚きます。しかし、当たり前だと思っている習慣ほど、外からの視点によって独自性が見えやすくなるものです。
「ととのう」とはどんな状態なのか
日本のサウナ文化を象徴する言葉が、「ととのう」です。
一般的には、サウナ、水風呂、休憩を繰り返した後に感じる、心身が落ち着いたような心地よい感覚を表します。
ただし、「ととのう」は医学的な診断名や、誰にでも同じように起きる状態ではありません。感じ方には個人差があり、必ず体験しなければならないものでもありません。
人によって表現も異なります。
- 頭がすっきりする
- 体の力が抜ける
- 静かに休みたくなる
- 気分が切り替わる
- 浮遊するような感覚がある
この言葉が広まったことで、サウナ後の感覚を他人と共有しやすくなりました。
以前なら「何となく気持ちがよかった」で終わっていた体験に名前が付き、初心者にも楽しみ方が伝わるようになったのです。
一方、「ととのうためには高温に長く耐えなければならない」「冷たい水風呂に必ず入らなければならない」と考えるのは危険です。
個人的には、言葉に合わせて体を無理に追い込まないことがいちばん大事だと感じます。水風呂が苦手なら無理に入らず、ぬるいシャワーや休憩で体を落ち着かせても構いません。
「サ活」はサウナに入ることだけを指す言葉ではない
サ活は、サウナを楽しむ活動を表す言葉です。
施設へ行って入浴するだけでなく、訪れた施設を記録したり、仲間と情報を交換したり、旅先のサウナを探したりする行動も含めて使われています。
例えば、次のような楽しみ方があります。
- 近所の温浴施設へ定期的に通う
- 旅行先で特色のある施設を訪れる
- 水風呂や外気浴スペースの違いを楽しむ
- 熱波やアウフグースのイベントに参加する
- 利用した施設を記録する
- サウナ用品や衣類をそろえる
サウナは1人でも利用できますが、感想や情報を共有しやすい趣味でもあります。
「温度は何度だったか」「水風呂は深かったか」「外気浴ができたか」「予約が必要か」など、体験を比較できる要素が多いことも、サ活が広がった理由の1つでしょう。
実際に施設を選ぶなら、人気だけで判断せず、自分が安心して利用できる環境かを確認したいところです。高温が苦手な人と、熱さを求める人では、向いている施設が異なります。
「サ飯」が施設を出た後の楽しみを生んだ
サ飯は、サウナを利用した後に食べる食事を表す言葉です。
特定の料理だけを指すわけではなく、カレー、麺類、定食、丼、地域料理など、施設や地域によって内容は異なります。
サウナの後は食事をおいしく感じる人も多く、温浴施設が独自のメニューを提供する例も見られます。
サ飯が広がったことで、利用者の行動も変わりました。
以前は入浴が終われば施設を出ていた人が、館内で休憩し、食事を取り、長い時間を過ごすようになります。施設にとっても、入浴料だけでなく飲食や物販につながるため、サービス全体を充実させやすくなります。
地方では、地元の肉、魚、野菜、乳製品、郷土料理などを組み合わせられます。サウナを入口にして、その土地の食を知ってもらえることが大きな特徴です。
ただし、大量に汗をかいた直後は、食事より先に水分を取ることが大切です。アルコールを水分補給の代わりにすることはできません。
「サ旅」が地方を訪れる新しい理由になっている
サウナを主な目的として旅をすることは、サ旅と呼ばれています。
観光地を巡ったついでにサウナへ寄るだけでなく、「この施設へ行くために鳥取や北海道を訪れる」という旅行です。
地方の施設には、都市部では再現しにくい魅力があります。
- 森や川、湖に囲まれた環境
- 雪や冷たい空気を生かした外気浴
- 地域の水を使った水風呂
- 地元産の木材を使ったサウナ室
- 宿泊と一体になった体験
- 地元の食材を使った食事
- 少人数や貸し切りでの利用
特に北海道では、冬の寒さそのものが体験の一部になります。鳥取でも、都市型施設とは異なる自然環境や地域とのつながりを打ち出せます。
有名な観光名所がなくても、「ここでしかできないサウナ体験」があれば、遠方から人を呼べる可能性があります。
観光客が施設だけでなく、宿泊施設、飲食店、交通機関、土産店も利用すれば、地域全体への経済効果も期待できます。
ただ、サウナだけを目的に遠出することに、最初は少し不思議さを感じる人もいるでしょう。ところが、登山、温泉、キャンプのために旅行することを考えれば、サウナが旅の目的になるのも自然な流れだと感じます。
鳥取と北海道の地方サウナはなぜ人を呼べるのか
番組では、鳥取と北海道の地方サウナについて、集客の秘密が調査されます。
放送前に公表されている番組情報では、紹介される全施設の正式名称までは明らかになっていません。そのため、施設名を決め付けることはできません。
ただし、地方サウナが遠方から利用者を呼ぶ仕組みは、単に新しい設備を造ることだけではありません。
大切なのは、その土地に行く理由を体験として組み立てることです。
例えば、北海道の寒さや雪は、一般的な観光では移動の負担になることもあります。しかし、サウナと組み合わせれば、冷たい外気そのものが特別な体験になります。
鳥取でも、自然、景観、水、地域の食、宿泊を組み合わせることで、都市部の施設との差を生み出せます。
地方サウナに共通すると考えられる要素は、次のとおりです。
- 地域の自然をそのまま生かす
- 体験内容を写真や動画で伝えやすくする
- 宿泊や食事と組み合わせる
- 地域の事業者同士が連携する
- 初心者や外国人にも利用方法を伝える
- 季節ごとの楽しみを用意する
- 予約人数を調整して体験の質を守る
個人的には、豪華な設備よりも、その土地でなければ成立しない理由があるかが重要だと思います。都市部と同じ施設を地方に造るだけでは、遠くから訪れる動機にはなりにくいからです。
ロウリュとアウフグースは何が違う?
サウナでよく聞く言葉に、ロウリュとアウフグースがあります。
ロウリュは、熱したサウナストーンに水をかけ、蒸気を発生させる行為を指します。蒸気によって湿度が上がると、同じ室温でも体感温度が高く感じられます。
一方のアウフグースは、発生した蒸気をタオルなどで利用者へ送るサービスやパフォーマンスです。
施設によっては音楽、香り、照明、タオル技を組み合わせ、1つのショーのように見せることもあります。
整理すると、次のような違いです。
| 言葉 | 主な意味 |
|---|---|
| ロウリュ | サウナストーンに水をかけて蒸気を発生させること |
| アウフグース | 蒸気をタオルなどで循環させるサービス |
| 熱波 | 利用者へ熱い空気を送る行為やサービス |
| 熱波師 | 熱波やアウフグースを担当する人 |
日本では「熱波」と「アウフグース」が近い意味で使われることもあります。実際の内容は施設やイベントによって異なるため、参加前に説明を確認した方が安心です。
人気熱波師が外国人観光客を呼び込む理由
熱波師の役割は、熱い風を送るだけではありません。
利用者の様子を見ながら室内を進行し、香り、音楽、照明、タオル技などで、その場にしかない体験を作ります。
こうしたパフォーマンスは、言葉が完全に通じなくても伝わりやすい点が特徴です。
大きなタオルを回す動き、音楽に合わせた演出、蒸気が広がる瞬間、参加者の一体感は、外国人旅行者にも直感的に楽しめます。
人気の熱波師が出演する日時に合わせて、施設を訪れる人もいます。スポーツ選手や音楽家の公演を見に行くように、人そのものが来訪の目的になるのです。
地方施設にとっては、通常営業だけでは届きにくい層に、イベントを通じて存在を知ってもらえる利点があります。
ただし、イベントは通常より高温になる場合があります。初めて参加する人は、途中退出できるか、座る位置を選べるか、予約が必要かを事前に確認しておくと安心です。
日本とフィンランドではサウナの楽しみ方が異なる
フィンランドのサウナには、家族や友人と時間を過ごし、会話をしながらゆっくり温まる文化があります。家庭や別荘にサウナが設けられている例も多く、特別な娯楽というより、暮らしに近い存在です。
一方、日本では公衆浴場、健康ランド、ホテル、スポーツ施設などにサウナが設置され、外出先で利用する形が広まりました。
日本では次のような要素が重視される傾向があります。
- サウナ室の温度
- 水風呂の温度や深さ
- サウナから水風呂までの動線
- 休憩用イスの数
- 外気浴ができるか
- 混雑状況
- 黙って静かに利用できるか
- 食事や休憩設備があるか
フィンランドと日本のどちらが正しいという話ではありません。サウナが社会や生活環境に合わせて異なる形に発展したと考える方が自然です。
本場の方法をそのまま再現するだけでなく、日本の入浴文化に合わせて変化したからこそ、多くの人に受け入れられたのでしょう。
地方サウナが長く続くために必要なこと
サウナブームによって施設が増えても、すべてが長く続くとは限りません。
施設を維持するには、設備の管理、燃料、水、清掃、人材、安全対策などの費用がかかります。自然の中にある施設では、天候、道路状況、冬季の管理にも配慮が必要です。
一時的な話題で終わらせないためには、地域との関係が重要になります。
- 地元の宿泊施設と連携する
- 飲食店や生産者の食材を取り入れる
- 地元住民も利用できる価格や機会を用意する
- 自然環境への負担を抑える
- 従業員や熱波師を継続的に育てる
- 繁忙期だけでなく年間の集客を考える
- 初心者にも利用しやすい説明を用意する
- 外国語案内や予約方法を整える
観光客ばかりを優先すると、地元の人が利用しにくくなることも考えられます。逆に、地域の日常に溶け込みながら旅行者も受け入れられる施設は、長く支持される可能性があります。
エドさんの研究でも、ブームの大きさだけでなく、サウナツーリズムが地域にどのような価値を残せるかが重要なテーマとなっています。
たしかに、SNSで一度話題になることと、何年も利用されることは別の問題です。個人的には、施設の豪華さより、運営する人と地域との関係が見える場所に魅力を感じます。
地方サウナへ行く前に確認したいこと
自然の中にあるサウナや予約制施設は、一般的な温浴施設と利用方法が異なる場合があります。
訪問前には、少なくとも次の項目を確認しましょう。
- 完全予約制か
- 当日利用できるか
- 利用料金
- 男女一緒に利用する施設か
- 水着の着用が必要か
- 水着やタオルを借りられるか
- シャワーや洗い場があるか
- 更衣室や貴重品ロッカーがあるか
- 飲み物を購入できるか
- 冬季も営業しているか
- 悪天候による中止条件
- 最寄り駅からの交通手段
- 駐車場の有無
- 子どもが利用できるか
- 宿泊者限定か日帰り可能か
特に注意したいのがアクセスです。
地方の施設は、駅から離れていたり、路線バスの本数が少なかったりすることがあります。冬の北海道では道路状況も変わるため、移動時間には余裕が必要です。
人気イベントでは、通常の入館予約とは別に、熱波やアウフグースの参加予約が必要になる場合もあります。
実際に選ぶなら、料金だけでなく、現地へ安全に到着し、帰れるかまで含めて考えたいところです。
サウナを安全に楽しむための注意点
サウナでは大量の汗をかくため、脱水や体調不良に注意が必要です。
利用前後には水分を取り、のどが渇く前に補給することが大切です。
次のような場合は、利用を控えるか、慎重に判断してください。
- 飲酒している
- 発熱や強い疲労がある
- 睡眠不足で体調が悪い
- 食事の直後で苦しい
- 脱水が疑われる
- 心臓や血圧に不安がある
- 医師から入浴や運動を制限されている
サウナ室では、周囲に合わせて我慢する必要はありません。息苦しさ、めまい、吐き気、動悸、頭痛などを感じたら、すぐに退出してください。
水風呂も無理に入るものではありません。急な温度変化は体に負担をかけるため、心臓や血圧の病気がある人は特に注意が必要です。
外気浴中にも体が冷えすぎる場合があります。冬の屋外では、足元の凍結や転倒にも気を付けましょう。
サウナは「熱さに耐えた人ほど効果が高い」というものではありません。自分の体調を基準にすることが、安全に楽しむための基本です。
日本のサウナ文化が広がった理由まとめ
日本のサウナがここまで広がった背景には、サウナ室そのものだけでなく、水風呂、外気浴、言葉、食事、旅行、熱波イベントまでを含む文化が生まれたことがあります。
「ととのう」という言葉は感覚を共有しやすくし、「サ活」は日常の趣味へ、「サ飯」は入浴後の楽しみへ、「サ旅」は地方を訪れる目的へと発展しました。
鳥取や北海道のような地方では、自然、気候、水、食、宿泊を組み合わせることで、都市部にはない体験を作れます。さらに、熱波師のパフォーマンスは、言葉や国籍を超えて人を呼び込むきっかけになります。
ただし、大切なのは一時的に話題になることだけではありません。地域の人にも受け入れられ、安全に運営され、自然環境を守りながら続けられるかが問われます。
フィンランド出身のエドさんが日本のサウナを研究する姿からは、日本人にとって身近になったサウナが、海外から見ると非常に独特な文化であることがわかります。
施設を訪れる際は、人気や写真だけで決めず、予約、料金、持ち物、アクセス、利用条件を確認し、自分の体調に合った楽しみ方を選びましょう。
参考リンク
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