小麦粉なしでも肉とピーマンが離れにくい「科学で作る肉詰め」
NHK「あさイチ」2026年9月7日放送の「みんな!ゴハンだよ」で、分子調理学研究家のこじまぽん助さんが「ピーマンの肉詰め」を紹介しました。特徴は、肉とピーマンをくっつけるための小麦粉や片栗粉を使わないこと。ピーマンの外側にフォークで傷をつけ、ひき肉を2回に分けて混ぜ、火加減を調整することで、焼いたときに肉がはがれにくく、ジューシーに仕上げます。番組 で紹介された材料と作り方を、なぜその工程が必要なのかまで含めてまとめます。番組表でも、同日の「みんな!ゴハンだよ」の料理として、こじまぽん助さんのピーマンの肉詰めが告知されていました。
この記事でわかること
- あさイチで紹介されたピーマンの肉詰めの材料と作り方
- ピーマンの外側をフォークで傷つける理由
- 合いびき肉を半量ずつ混ぜる意味
- 小麦粉なしでもはがれにくくする焼き方のポイント
こじまぽん助流は「粉で接着しない」のが特徴
一般的なピーマンの肉詰めでは、ピーマンの内側へ小麦粉や片栗粉をまぶし、肉だねとの接着を助ける作り方がよく使われます。
ところが、こじまぽん助さんのレシピでは粉を使いません。
ポイントになっているのが、
「ピーマンの下処理」
「肉だねの混ぜ方」
「焼き方」
の3つです。
こじまさん自身がNadiaで公開している同レシピでも、この3点を「ピーマンの下処理」「エマルジョンと食感」「低温で焼く」というポイントとして挙げています。
単純に肉をピーマンへ強く押し込むのではなく、焼いたときに肉とピーマンがどう変化するかを考えて作るのが、このレシピのおもしろいところです。
材料は2人分で合いびき肉300g・ピーマン4個
番組で紹介された2人分の材料はこちらです。
- 合いびき肉……300g
- ピーマン……4個
- 塩……2g
- 黒こしょう(粗びき)……適量
- たまねぎ……1/4個
- パン粉……カップ1/2
- 卵……1個
材料そのものは、かなりオーソドックスです。
特別な調味料もありません。
Nadiaで以前から公開されているこじまさんのレシピも、合いびき肉300g、ピーマン4個、玉ねぎ1/4個、パン粉100ml、卵1個、塩2gという構成で、今回の「あさイチ」版とほぼ同じです。
だからこそ、味を変わった材料で作るのではなく、調理方法だけで仕上がりを変えるレシピだと分かります。
最初のポイントはピーマンの「外側」に傷をつけること
ピーマンは縦半分に切り、種とワタを取り除きます。
ここまでは普通ですが、そのあとが特徴的です。
フォークを使い、ピーマンの緑色の外側へ4~6か所ほどひっかき傷をつけます。
肉を詰める内側ではありません。
こじまさんは過去のレシピでも、組織密度の高い外側へ傷をつけることで、加熱したときにピーマンが大きく開くのを防ぐ方法を紹介しています。
肉詰めがはがれる原因は、肉だけにあるわけではありません。
肉は加熱すると縮みますが、ピーマン側も熱によって形が変わります。その動きが大きくずれると、間に隙間ができて肉が外れやすくなります。
そこでピーマン側の変形を抑えるのが、フォークの傷というわけです。
内側に粉をまぶして無理にくっつけるのとは、発想そのものが違います。
合いびき肉300gを最初から全部混ぜない
肉だね作りにも、かなり大事なポイントがあります。
合いびき肉300gを最初から全部ボウルへ入れるのではなく、まず半量の150gだけを使います。
そこへ塩2gと黒こしょうを加え、肉に粘りが出るまでしっかり混ぜます。
そのあと、
- みじん切りにしたたまねぎ
- パン粉
- 卵
を加え、さらに混ぜます。
ここまでできたところで、残しておいた合いびき肉150gを投入。
そして最後の肉は、10秒ほどサッと混ぜるだけです。
これが、こじまぽん助流のかなり特徴的な工程です。
なぜ肉を2回に分けるとおいしくなるのか
最初の150gは、塩を加えてよく練ることで粘りのある状態になります。
この粘りが、肉だね全体をまとめる役割をします。
一方、後から加える150gは短時間しか混ぜません。
そのため肉の粒感がある程度残り、食べたときに「肉を食べている」という食感を感じやすくなります。
つまり、
しっかり練った肉=まとまりを作る
後から加えた肉=肉らしい食感を残す
という2つの役割を同じ肉だねの中に作っているわけです。
こじまさんの公開レシピでも、肉をまず半量だけ練り、残りをあとから加える工程が採用されています。
全部を長時間こねれば肉だねはまとまりやすくなりますが、そのぶん均一な食感になりやすいもの。
あえて混ぜ方を変えることで、まとまりと肉感を両立させています。
ピーマンには肉だねをしっかり詰め込む
完成した肉だねは、半分に切ったピーマンへ詰めていきます。
ここでは遠慮せず、隙間ができないようにしっかり詰めるのがポイントです。
ただし、この料理は「強く押し付けたからはがれない」というレシピではありません。
フォークによるピーマンの下処理と肉だねの作り方、そして次の焼き方までがセットになっています。
肉詰め料理では1工程だけ真似するより、この流れをそのまま再現した方が成功しやすいでしょう。
フライパンに油をひかず肉の面から焼く
肉を詰めたら、フライパンへ肉の面を下にして並べます。
油は基本的に必要ありません。
合いびき肉から脂が出てくるため、その脂を利用しながら焼けます。
そして上からアルミホイルをかぶせます。
火をつけたら、まず強めの中火。
フライパンから「パチパチ」と音がしてきたところで中火に落とします。
この「音」を火加減を変える目安にしているのも、家庭では分かりやすいポイントです。
中火で両面4分ずつ、最後に焼き色をつける
中火にしたら、肉側を4分ほど焼きます。
裏返してピーマン側も4分。
これだけで終わりではありません。
最後に再び強めの中火にし、両面をそれぞれ1~2分ほど焼いて香ばしい焼き色をつけます。
つまり大まかな流れは、
中火でじっくり火を通す
↓
最後だけ火力を上げる
↓
香ばしい焼き色をつける
というものです。
最初から強火で焼き続けるのではありません。
こじまさんのNadiaレシピでも、重要なポイントとして「低温で焼く」が挙げられています。
パルシステム東京でこじまさんが監修した肉詰めレシピでも、低温でゆっくり加熱することで肉だねが縮みにくく、はがれにくくなるという考え方が紹介されています。
最後だけ強めの火にする理由
弱めの火だけで仕上げると、肉には火が通っていても表面の香ばしさが足りなくなりがちです。
反対に最初から強火にすると、表面だけが急激に加熱され、肉が縮みやすくなります。
そこで、
「中まで火を通す工程」
と
「焼き色を付ける工程」
を分けています。
焼き色が付いた肉の表面には香ばしさが生まれ、ピーマンにも焼いた野菜ならではの甘みが出てきます。
科学的な考え方を使っていますが、実際にやることは「最初はじっくり、最後に焼く」というシンプルな方法です。
ソースを煮絡めないのも特徴
完成したピーマンの肉詰めは、好みの味付けで食べます。
番組でおすすめされたのはおろしじょうゆです。
ケチャップとソースをフライパンで煮絡めるタイプの肉詰めとは違い、肉そのものの味や焼き目、ピーマンのおいしさを楽しみやすい食べ方です。
大根おろしとしょうゆなら後味も比較的さっぱり。
肉だね自体に塩と黒こしょうが入っているため、まず何も付けずに食べてみて、そのあとおろしじょうゆを加えてもよさそうです。
実用情報:あさイチ版を作るときの手順
家庭で再現するときは、この順番で進めると分かりやすいです。
- ピーマン4個を縦半分に切る
- 種とワタを取る
- 外側へフォークで4~6か所傷をつける
- 合いびき肉150gに塩2gと黒こしょうを加える
- 粘りが出るまでしっかり混ぜる
- 玉ねぎ1/4個、パン粉1/2カップ、卵1個を加える
- 残りの肉150gを加えて約10秒混ぜる
- ピーマンへ肉だねをしっかり詰める
- 肉側を下にしてフライパンへ並べる
- アルミホイルをかぶせて強めの中火にする
- パチパチ音がしたら中火に落とす
- 両面を4分ずつ焼く
- 強めの中火にして両面を1~2分ずつ焼く
- 好みでおろしじょうゆを添える
特に間違えやすいのは、フォークを入れるのが外側という点と、肉300gを最初から全部こねないという2点です。
ここを押さえておけば、通常の肉詰めとはかなり違った仕上がりを狙えます。
まとめ
「あさイチ」でこじまぽん助さんが紹介したピーマンの肉詰めは、小麦粉や片栗粉に頼らず、調理工程で肉をはがれにくくするレシピでした。
大切なのは、
ピーマンの外側へフォークで4~6か所傷をつけること。
合いびき肉300gを150gずつ2回に分けて混ぜること。
中火でじっくり焼いてから、最後に火力を上げて焼き色を付けることです。
材料自体は普通なのに、工程を少し変えるだけで仕上がりが変わるのが、分子調理学研究家・こじまぽん助さんらしいところです。
「ピーマンの肉詰めを作ると、いつも肉だけポロッと外れてしまう」という人ほど、一度試してみる価値のある作り方です。
参考リンク
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