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巴工業の信州コーヒーは寒冷地で約470本を栽培 5年の試行錯誤と掛川倖太郎の挑戦|FIND! GOOD! FOOD!

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巴工業がプラスチック製造の品質管理から信州コーヒーを生み出すまで

2026年9月30日放送のテレビ東京「FIND! GOOD! FOOD!~未来を変える食の冒険~」では、長野県上田市の巴工業が手掛ける「信州コーヒー」と掛川倖太郎さんの挑戦が取り上げられます。寒冷地では難しいとされるコーヒー栽培に製造業で培った品質管理を持ち込み、約5年の試行錯誤を経て2025年に商品化までたどり着きました。

現在は本社敷地内と東御市の農業用ハウスで約470本のアラビカ種を育て、商品を作るだけでなく、収穫から試飲まで体験できる取り組みへ広げています。

この記事でわかること

  • 巴工業がプラスチックメーカーからコーヒー栽培へ進んだ背景
  • 寒冷地の信州で約470本を育てる栽培方法
  • 5年の試行錯誤から2025年の商品化に至るまで
  • 掛川倖太郎さんが目指す信州コーヒーの未来

巴工業は上田市でプラスチック加工を続ける老舗メーカー

出典:テレビ東京「FIND! GOOD! FOOD!」公式ページ

巴工業株式会社は長野県上田市芳田に本社を置くメーカーです。1947年に創業し、1951年に会社を設立。現在はプラスチック加工販売、環境サービス、国産コーヒー栽培事業などを手掛けています。

1971年からプラスチックロープの製造を開始し、その後はチャックテープ、生分解性ロープ、生分解性草刈りコードなどへ事業を広げてきました。

特徴の一つが、本業で徹底してきた品質管理です。工場ではクリーンルーム内の温湿度を管理し、完成品もロットごとに検査。わずかな環境変化にも対応しながら品質を安定させる製造技術を長年積み重ねています。

その製造業の考え方が、まったく異なる分野に見えるコーヒー栽培にもつながっていきました。

巴工業が2021年に信州でコーヒー栽培を始めた背景

巴工業の公式沿革には、2021年にコーヒー栽培を開始したことが記されています。

背景にあったのが、将来のコーヒー生産を取り巻く環境への問題意識です。

掛川倖太郎さんは、気候変動によって2050年ごろにはブラジルやエチオピアなど従来の産地でコーヒー生産が難しくなる可能性を意識し、先を見据えた新しい取り組みとして栽培を始めたと説明しています。

長野県でコーヒーという組み合わせは意外ですが、巴工業は単に暖かい地域を再現しようとしたわけではありません。

信州ならではの寒暖差もコーヒーの個性につなげようとしてきました。

製造業で身につけた「条件を管理し、結果を確認し、また改善する」という考え方を、植物を育てる仕事へ持ち込んだ挑戦でもあります。

寒冷地で約470本のアラビカ種を育てる温度管理

巴工業が栽培しているのは、主にアラビカ種のコーヒーです。

栽培場所は上田市にある本社敷地内と、東御市の農業用ハウスの2カ所。2026年時点で約470本を温度管理しながら育てています。

コーヒー栽培に適した気温の目安は20~30℃とされます。

冬の冷え込みが厳しい長野では、そのまま露地で育てることは難しく、農業用ハウスを使った環境管理が重要になります。一方で夏にはハウス内が非常に高温になることもあり、寒さだけを克服すればよいわけではありません。

こうした条件を整えながら育てた結果、信州の大きな寒暖差もコーヒーの特徴につながりました。

2026年の報道では、信州で育った実は糖度が高く、コーヒーにするとフルーティーな味わいになると紹介されています。

「寒いからコーヒーは作れない」ではなく、温度を管理したうえで信州らしい環境を味へ生かしていくところに、この事業の面白さがあります。

5年の試行錯誤を経て2025年に信州産コーヒーを商品化

栽培を始めても、すぐ商品になるほどコーヒーづくりは簡単ではありませんでした。

まとまった収穫ができるようになるまで試行錯誤を重ね、2025年には初めて500kg以上を収穫。精製、乾燥、焙煎を経て「信州産コーヒー」の商品化を実現しました。

ここで重要なのは、赤い実を収穫すれば完成ではないことです。

コーヒーは、完熟したコーヒーチェリーを収穫した後、中にある種を取り出し、精製、乾燥、焙煎と複数の工程を経て、ようやく普段目にするコーヒー豆になります。

栽培だけでなく、その先の加工・精製まで含めて品質を作り込む必要があります。

約5年という時間は、寒冷地で木を育てられるか確かめる期間であると同時に、長野で育てたコーヒーを商品として成立させるための時間でもありました。

プラスチック製造の品質管理技術がコーヒー栽培と精製に生きる

巴工業のコーヒー事業を特徴づけているのが、本業とのつながりです。

一見するとプラスチックとコーヒーには共通点がありません。

しかしプラスチック製造では、気温や湿度、原料、加工条件がわずかに変化するだけでも製品の品質に影響します。そのため巴工業は、温湿度管理やロットごとの検査を繰り返しながら、品質のばらつきを抑えてきました。

コーヒーにも同じように、気温、木の状態、実の熟し方、収穫時期、乾燥、精製など多くの条件があります。

掛川さんが掲げるのは、本業で培った「ものづくりの精神」をコーヒーの栽培・加工・精製へ生かすことです。

農業へ突然参入したというより、長年続けてきた品質を安定させるものづくりを、新しい素材であるコーヒーへ広げたと見ると、巴工業の挑戦が分かりやすくなります。

コーヒー収穫体験が2026年にふるさと納税返礼品へ

商品化の次に始まったのが、コーヒーを「飲む」だけではなく、できるまでを体験してもらう取り組みです。

巴工業は2025年からコーヒーチェリーの収穫体験を開始しました。

さらに2026年には、収穫、ファームツアー、栽培説明、選別や乾燥工程の見学、カスカラティーや国産コーヒーの試飲などを組み合わせた体験が、上田市と東御市のふるさと納税の共通返礼品になりました。

ふるさと納税の返礼品として用意されているプランでは、東御市の温室ハウスでコーヒーチェリーの収穫やファームツアーを体験できます。

コーヒーを購入して終わるのではなく、木に実っている状態から一杯になるまでの流れを知ってもらうこと自体が、新たな価値になっています。

寒冷地でコーヒーを作るという珍しさに加え、上田市や東御市へ実際に足を運ぶきっかけにもなっています。

掛川倖太郎が目指す世界と戦える信州コーヒー

掛川倖太郎さんが目指しているのは、「長野でコーヒーができました」という珍しさだけではありません。

2026年の取材では、コーヒーができるまでのプロセスや巴工業という会社そのものを知ってもらいながら、最終的には海外にも負けない、世界と戦えるコーヒーを作りたいという目標を語っています。

ハウス栽培には光熱費などの課題があります。

それでも約470本まで栽培規模を広げ、商品化、収穫体験、ふるさと納税返礼品へと段階を進めてきました。

巴工業が作ろうとしているのは、従来の産地をそのまま再現したコーヒーではありません。

信州の寒暖差、本業で培った品質管理、加工・精製技術、そして現地での体験まで組み合わせた「信州だから作れるコーヒー」です。

まとめ

巴工業は、1947年創業のプラスチック加工メーカーでありながら、公式沿革では2021年から国産コーヒー栽培へ参入しました。

上田市と東御市で約470本のアラビカ種を育て、約5年の試行錯誤を経て、2025年には500kg以上を収穫して「信州産コーヒー」を商品化しています。

さらに2026年には収穫体験が上田市と東御市のふるさと納税の共通返礼品となり、「飲むコーヒー」から「信州で育つ過程まで体験するコーヒー」へ取り組みが広がりました。

プラスチック製造で磨いてきた品質管理を別分野へ生かし、寒冷地という条件さえ信州らしい味へ変えていく。

掛川倖太郎さんが掲げる「世界と戦える味」への挑戦は、地方の老舗製造業が本業の強みを使って新しい産業を生み出す物語でもあります。

参考リンク

テレビ東京「FIND! GOOD! FOOD!」公式ページ
巴工業株式会社 公式サイト
巴工業株式会社 会社概要・沿革


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