記事内には、広告が含まれています。

パウンドケーキの名前の由来は4材料を1ポンドずつ 1747年レシピから続く黄金配合|グレーテルのかまど

スイーツ

パウンドケーキはなぜ「パウンド」と呼ばれるのか

2026年10月5日放送のNHK Eテレ「グレーテルのかまど ヘンゼルのスイーツ!タイムトラベル」では、古代のはちみつから現代の砂糖まで甘味の歴史をたどり、ヘンゼルが3種のパウンドケーキを作って食べ比べます。今回の主役となるパウンドケーキには、その名前そのものに昔のお菓子作りが残されています。

基本となるのは、小麦粉、バター、砂糖、卵の4つ。

これらをそれぞれ「1ポンド」ずつ使って作ったことから、英語で「pound cake」と呼ばれるようになりました。

現在の家庭では1ポンドずつ使うことはほとんどありませんが、「4つの主材料を同じ重さで配合する」という考え方は今もパウンドケーキの基本として受け継がれています。

この記事でわかること

  • パウンドケーキという名前の由来
  • 1747年の料理書に残る初期のパウンドケーキ
  • 小麦粉・バター・砂糖・卵を同量にする理由
  • フランスの「カトルカール」との共通点

パウンドケーキは小麦粉・バター・砂糖・卵を1ポンドずつ使ったケーキ

パウンドケーキの「パウンド」は、重さの単位「pound」が由来です。

伝統的な配合では、

  • 小麦粉:1ポンド
  • バター:1ポンド
  • 砂糖:1ポンド
  • 卵:1ポンド

という、非常に覚えやすい割合で作られました。

1ポンドは約454gです。

つまり昔ながらの配合は、材料をほんの少しずつ使う家庭用の小さなケーキではありません。4つの基本材料だけでもかなりの量になる、大きく濃厚なケーキでした。Smithsonianも、パウンドケーキの名前について「完成品が1ポンドなのではなく、4材料をそれぞれ1ポンド使ったことに由来する」と紹介しています。

現在は100gずつ、120gずつなど、家庭の型に合わせて分量を小さくして作るのが一般的です。

それでも「全部同じ重量」という基本は変わりません。

1747年の料理書にすでにパウンドケーキのレシピが残る

パウンドケーキの古いレシピとして知られるのが、イギリスの料理研究家ハンナ・グラスが1747年に出版した「The Art of Cookery Made Plain and Easy」です。

現在も当時の書籍がデジタル保存されています。

そこに記されたパウンドケーキでは、バター、卵、小麦粉、砂糖を大量に使い、生地をしっかり混ぜ合わせて焼いています。

現代ならハンドミキサーやフードプロセッサーを使えますが、18世紀にはもちろんありません。

古いレシピでは、バターをクリーム状になるまで練り、卵や砂糖、小麦粉を加えながら長時間混ぜて生地を作っていました。

現在のパウンドケーキと材料そのものは大きく変わらなくても、「膨らませるために生地へ空気を抱き込ませる」という作業には、かなりの労力が必要だったのです。

ベーキングパウダーがない時代は「混ぜ方」が重要だった

現在の焼き菓子では、ベーキングパウダーを加えて膨らませるレシピも珍しくありません。

しかし初期のパウンドケーキには、現代のような膨張剤がありませんでした。

そのためバターを練り、卵を加えながら生地へ空気を含ませることが重要になります。

シンプルな材料しか使わないからこそ、

  • バターをどう練るか
  • 卵をどう混ぜるか
  • 生地にどれだけ空気を含ませるか
  • どの温度で焼くか

といった作り方によって、完成した食感が大きく変わります。

ふんわり軽いスポンジケーキとは違い、バターや卵のコクが凝縮された、きめ細かく密度のある食感がパウンドケーキの特徴です。

なぜ「全部同じ重さ」という配合になったのか

パウンドケーキの面白さは、レシピが非常に覚えやすいことです。

バターだけ多い、小麦粉だけ少ないという複雑な数字ではなく、4つを同じ重さにする。

この比率なら、元のレシピを知らなくても簡単に量を変えられます。

例えば家庭で作る場合、

  • 小麦粉100g
  • バター100g
  • 砂糖100g
  • 卵100g

とすれば、昔のパウンドケーキと同じ考え方になります。

200gに増やしても、80gに減らしても、すべて同量なら基本の比率は同じです。

製菓の世界では、このように主要材料を同じ重量で使う配合が、パウンドケーキの基本として現在も知られています。

フランスでは同じ考え方を「カトルカール」と呼ぶ

イギリスのパウンドケーキとよく似たお菓子がフランスにもあります。

それが「quatre-quarts(カトルカール)」です。

フランス語で、

  • quatre=4
  • quarts=4分の1

という意味があります。

つまりケーキ全体を、小麦粉、バター、砂糖、卵の4材料で4分の1ずつ構成するという考え方です。

「1ポンドずつ」というイギリスのパウンドケーキと、「全体の4分の1ずつ」というフランスのカトルカール。

呼び方は違いますが、基本となる発想は非常によく似ています。

お菓子の名前そのものがレシピになっているのです。

アメリカ最初期の料理書にもパウンドケーキが登場

パウンドケーキはイギリスだけにとどまりませんでした。

1796年にアメリア・シモンズが出版した「American Cookery」にもパウンドケーキのレシピが収録されています。

アメリカ議会図書館は同書を、アメリカ人によって書かれ、アメリカで出版された最初の料理書として所蔵しています。

そのパウンドケーキも、

  • 砂糖
  • バター
  • 小麦粉
  • 卵

を基本にした配合です。

さらにローズウォーターやスパイスを加える記述があり、現代のプレーンなパウンドケーキより香り豊かだったことがわかります。

パウンドケーキは単純な4材料を基本にしながら、その土地や時代によって香料、酒、果物、ナッツなどが加えられ、多彩な焼き菓子へ発展していきました。

ドライフルーツや洋酒を入れるスタイルも古くから続く

現在でも、パウンドケーキにはさまざまな種類があります。

  • レーズン
  • オレンジピール
  • レモン
  • ナッツ
  • チョコレート
  • ラム酒
  • ブランデー

などを加えるレシピが定番です。

これは近年になって生まれたアレンジばかりではありません。

古いレシピにも果物や香辛料、酒を加えたものがあり、シンプルな基本生地をもとに味を変えて楽しむ文化が早くから存在しました。

「小麦粉・バター・砂糖・卵を同じ重さ」という骨格がしっかりしているため、さまざまな素材を加えてもパウンドケーキとして成立しやすいのです。

15周年で3種のパウンドケーキを食べ比べる意味

10月5日の「グレーテルのかまど」では、ヘンゼルが3種のパウンドケーキに挑戦します。

この回では、人類がどのように甘味を求めてきたのかを、古代のはちみつから現代の砂糖まで振り返ります。

そこから最後にパウンドケーキを作るという構成です。

パウンドケーキは、小麦粉、バター、卵、そして「甘味」を組み合わせた非常にシンプルなお菓子。

だからこそ、甘さの違いを比べるにはぴったりです。

番組情報では「さまざまな甘さで仕立てたケーキの味比べ」とも紹介されています。

古代のはちみつ。

清少納言の時代の甘葛。

ノストラダムスが扱った砂糖。

ナポレオンの時代に広がった甜菜糖。

長い歴史を経て人類が手にしてきた「甘さ」を、最後に1つのシンプルなケーキへ落とし込む。

15周年のタイムトラベルを締めくくるお菓子として、パウンドケーキが選ばれた理由が見えてきます。

家庭で基本配合を試すなら「同じ重さ」が目印

パウンドケーキの歴史を体験する方法は意外に簡単です。

基本は、

  • バター:1
  • 砂糖:1
  • 卵:1
  • 小麦粉:1

という重量比です。

卵は個数ではなく、殻を除いた重量で合わせると比率を整えやすくなります。

現在のレシピには砂糖を減らしたものや、ベーキングパウダーを加えたもの、バターの一部を別の油脂に置き換えたものなど多くの種類があります。

しかし、「パウンドケーキ」という名前の原点を味わいたいなら、まず4材料を同量にする基本配合が最も分かりやすい方法です。

まとめ

パウンドケーキという名前は、完成したケーキが1ポンドだから付いたのではありません。

もともと小麦粉、バター、砂糖、卵をそれぞれ1ポンドずつ使って作ったことが名前の由来です。

1747年のイギリスの料理書にはすでにパウンドケーキのレシピが残り、1796年のアメリカの料理書にも受け継がれています。

現在は1ポンドという大量の材料を使わなくても、4材料を同じ重量にすれば、その考え方を家庭でも再現できます。

何百年も前から続く極めてシンプルな配合だからこそ、甘味の違いや素材の変化もはっきり表れる。

「グレーテルのかまど」で登場する3種のパウンドケーキは、15年間のお菓子の物語だけでなく、人類が長い時間をかけて手にしてきた「甘さ」を味わい比べるケーキでもあります。

参考リンク

Smithsonian Magazine「A Pound Cake Was Originally Made With Four Pounds of Ingredients」

Library of Congress「American Cookery(1796)」

Open Library「The Art of Cookery, Made Plain and Easy(1747)」

おすすめ関連商品

NHK グレーテルのかまど ヘンゼルのレシピ帖


気になる生活ナビをもっと見る

購読すると最新の投稿がメールで送信されます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました