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海藻接着剤LOOPGLUEは水で剥がせる!セメダインが開発した再利用技術と誕生秘話|有吉のお金発見 突撃!カネオくん

有吉のお金発見 突撃!カネオくん

水をかけるだけで剥がせる海藻由来の接着剤が、ものづくりを変える

2026年10月11日放送のNHK総合『有吉のお金発見 突撃!カネオくん』では、スペースシャトルの製造や世界遺産の修復にも使われる接着剤の秘密とともに、水や海藻を利用した「きれいに剥がせる接着剤」が取り上げられます。

接着剤といえば、一度くっつけたものを簡単には剥がさないための材料です。しかし、使い終わったものを傷つけずに分解することも、現代のものづくりでは重要になっています。

そんな新しい接着技術を代表する実在製品の1つが、セメダイン、デザインスタジオwe+、イベント制作会社の博展が共同開発した「LOOPGLUE(ループグルー)」です。

海藻由来の成分を使い、木材と紙をしっかり接着しながら、水をかけるときれいに剥がせるという特徴があります。

今回はLOOPGLUEの仕組み、開発のきっかけ、展示会での活用方法、資材の再利用による経済的な効果まで詳しく紹介します。

この記事でわかること

  • 海藻由来の接着剤「LOOPGLUE」の特徴と使い道

  • 水をかけると接着した材料がきれいに剥がれる仕組み

  • セメダイン・博展・we+による開発のきっかけ

  • 展示会の木材再利用と約15%のコスト削減効果

LOOPGLUEは水で剥がせる海藻由来の接着剤

公式動画:水で剥がせる接着剤「LOOPGLUE(ループグルー)」|セメダイン公式YouTube

LOOPGLUE(ループグルー)は、2026年3月26日に共同開発が発表された、海藻由来の接着剤です。

最大の特徴は、通常の使用時にはしっかり接着しながら、水をかけることで貼り合わせた材料をきれいに分離できることです。

主に展示会ブースなどの木造構造物に壁紙や紙を貼り付ける用途を想定して開発されました。

製品の基本情報は次のとおりです。

  • 製品名:LOOPGLUE(ループグルー)

  • 開発発表日:2026年3月26日

  • 共同開発:セメダイン株式会社、株式会社博展、we+

  • 主成分:アルギン酸ナトリウム

  • 外観:淡黄色の半透明液体

  • 製品規格:20kgポリ袋入り段ボール

  • 主な用途:展示会ブースの木工造作における表装工事

  • 対応材料:紙、壁紙、木材、モルタル、ケイ酸カルシウム板、石膏ボードなど

  • 使用方法:刷毛やロールコーターで塗布

  • 発売元:セメダイン株式会社

  • 特許:出願中

一般家庭で使う小さなチューブ入り接着剤とは異なり、展示会や商業空間の施工で使用することを主な目的としています。

接着した材料を使い終わった後に簡単に分解し、再び使える状態へ戻す「易解体(いかいたい)」という考え方が、この製品の中心にあります。

LOOPGLUEが生まれた理由は展示会の大量廃棄問題

LOOPGLUEの開発は、展示会やイベントの会場で使われる木材を、もっと効率よく再利用したいという課題から始まりました。

展示会では、企業のブースをつくるために大量の木材が使われます。木製パネルに壁紙や装飾用の紙を貼り、美しい展示空間へと仕上げていきます。

ところが、イベントが終了すると大きな問題が生まれます。

壁紙を剥がそうとしても、接着剤が強すぎて紙が残ったり、木材の表面が傷ついたりするのです。

パネル自体はまだ使用できる状態でも、表面の仕上がりが悪くなれば次の展示会で使用することが難しくなります。

接着力が強いことが、かえって資材の再利用を妨げていました。

この課題に取り組んだのが、イベントや展示会の空間づくりを手がける博展です。

同社では、資材を捨てずに循環させるイベントづくりを目指し、接着剤を使わずに材料を組み立てる方法なども検討していました。

しかし、接着剤を使わなければ、空間デザインの自由度が制限されます。

そこで必要になったのが、しっかり接着できて、使い終わったらきれいに剥がせるという、従来とは違った接着剤でした。

開発の始まりは2023年の海洋環境デザイン会議

LOOPGLUEの研究が動き始めたのは、2023年です。

きっかけとなったのは、国際海洋環境デザイン会議での博展とwe+の協業でした。

we+は、素材の特性を研究し、新しいデザインや製品へつなげる活動を行うデザインスタジオです。海苔や海藻など、海洋資源を使った作品にも取り組んできました。

注目したのは、海藻が持つ独特の粘り気です。

例えば、とろろ昆布は昆布を重ねて圧縮し、薄く削ってつくられます。このとき、昆布が持つ天然の粘着成分も素材同士の密着に関係しています。

海藻の粘り気を接着剤として活用できれば、自然由来の新しい材料が生まれます。

博展とwe+は2023年10月から共同研究を開始しました。

研究では、海藻に含まれる複数の粘着成分を比較しています。

  • アルギン酸ナトリウム

  • フノラン

  • カラギーナン

これらを使って接着実験を繰り返し、約半年後に有力な材料として浮かび上がったのが、アルギン酸ナトリウムでした。

水拭きした瞬間に見つかった驚きの剥離性能

アルギン酸ナトリウムは、主に褐藻類から得られる天然由来の成分です。

研究チームは、この粉末を水に溶かし、紙や木材を接着できるか検証しました。

すると、想像以上の強い接着力を発揮しました。

初期の実験では、バールを使わなければ剥がせないほど、材料がしっかり接着したといいます。

ここで新しい着想が生まれました。

粉末のアルギン酸ナトリウムが水に溶けるのなら、固まって接着した状態でも、水に濡らせば剥がせるのではないかという考えです。

実際に、接着した材料を水拭きしたところ、きれいに剥がせることが確認されました。

強く接着する性能と、水で分離できる性能。この両方を備えていることが、製品化へ進む大きな転機になりました。

その後、we+の安藤北斗さんが、中学・高校時代の同級生でセメダインに勤務する岡部さんへ連絡したことから、接着剤メーカーとの共同開発が始まります。

素材の面白さを探究するデザイナー、資材の再利用を目指すイベント会社、接着技術を専門とするメーカー。

異なる分野の専門家が協力することで、研究段階の発見が実用的な接着剤へと発展していきました。

水で剥がれるのに接着力が強い仕組み

LOOPGLUEの特徴は、水を使って剥がせるだけではありません。

通常の施工環境では、一般的な壁紙用のでんぷん系接着剤や、化粧板用のゴム系溶剤形接着剤と同等以上の接着強さを示しています。

セメダインでは製品化に向けて、接着面積25mm×25mmの試験片を使用し、接着強さを測定しています。

試験では、通常環境だけでなく、高温多湿の条件や水に接触させる条件も設定されました。

開発段階で得られた接着性能を数値で確認し、実際の施工現場で扱える製品へと調整していったのです。

一方、LOOPGLUEはアルギン酸ナトリウムの水に対する性質を利用し、意図的に水を与えることで接着した材料を分離できるようにしています。

つまり、必要な間は接着し、解体するときには水を利用して剥がすという使い分けです。

ただし、あらゆる素材を接着できるわけではありません。

公式の製品用途では、紙や木材などが対象となっており、金属やプラスチックを含むすべての材料に使える万能接着剤ではありません。

木材の調達費と人件費をそれぞれ約15%削減

LOOPGLUEのメリットは、材料を剥がせることだけではありません。

展示会で使った木製パネルをきれいな状態へ戻せれば、次のイベントでも同じパネルを使いやすくなります。

従来の工法では、接着した紙が残ってしまい、木製パネルを何度も使ううちに廃棄せざるを得ない問題がありました。

博展の開発担当者は、これまでリユース用の木製パネルを平均約7回使用した後に廃棄していたと説明しています。

LOOPGLUEを使うと、壁紙を剥がした後の木製パネルを新品同様の状態に戻せるため、繰り返し利用しやすくなります。

開発企業では、その効果として次の削減を見込んでいます。

  • 木材の資材調達費:約15%削減

  • パネル制作にかかる人件費:約15%削減

これは開発企業が示した削減見込みであり、すべての現場で同じ数字が得られるという意味ではありません。

また、LOOPGLUE自体の費用は従来の接着剤より高くなるものの、分解作業の効率化や資材の再利用によって、全体的なコストを抑えることが期待されています。

接着剤だけを安くするのではなく、使い終わった後の作業まで含めて経済性を考える発想です。

原料は海藻のヌメリ成分!環境に配慮した製造にも特徴

LOOPGLUEには、海藻由来のアルギン酸ナトリウムが使われています。

原料となる海藻についても、環境への配慮が行われています。

セメダインが説明している原料調達方法では、南米チリの海岸に自然に漂着した海藻を採取しています。

海藻が生育している途中で大量に刈り取るのではなく、自然のライフサイクルを終えて海岸に流れ着いたものを資源として利用する取り組みです。

また、現地での採取作業は雇用創出にもつながっています。

LOOPGLUEは自然由来の成分を活用した水系接着剤で、室内濃度指針値が設定された13物質など、特定の有害性が懸念される成分を含まない設計となっています。

ただし、製品には防腐剤も配合されており、海藻だけを混ぜた単純な液体ではありません。

自然素材の持つ性質と、接着剤メーカーの製品開発技術を組み合わせたところに特徴があります。

LOOPGLUEの購入・使用に関する実用情報

LOOPGLUEは展示会ブースや木製構造物の表装工事などを主な用途とする製品です。

製品・施工情報

  • 発売元:セメダイン株式会社

  • 規格:20kg入り

  • 塗布方法:刷毛、ロールコーター

  • 使用対象:紙、壁紙、木材、モルタル、石膏ボードなど

  • 剥離方法:水を与えて接着部分を分離

  • 主な使用場所:展示会ブース、木製壁面、展示什器など

家庭用の壁紙補修材や瞬間接着剤とは使用目的が異なります。

また、水で剥がせる性質があるため、使用場所や施工条件に合うかを確認することが大切です。

製品の仕様や取り扱いについては、セメダインの製品情報から確認できます。

まとめ

海藻由来の接着剤「LOOPGLUE」は、ものを強く接着するだけでなく、使い終わった後にきれいに剥がして再利用するために開発されました。

2023年に始まった海藻の研究から、水で剥がれる特性の発見、セメダインとの共同開発を経て、2026年3月に製品として発表されました。

特に注目したいのは、接着剤の開発目的そのものが変わっていることです。

これまでの接着剤は、いかに強く、長く接着できるかが重要でした。しかし、資材を再利用するものづくりでは、必要なときにきれいに剥がせる性能にも価値があります。

展示会の資材を繰り返し使い、木材の調達費や制作の人件費をそれぞれ約15%削減する見込みが示されていることも、その実用性を物語っています。

身近な海藻の性質から生まれた接着技術が、廃棄物を減らし、資源を大切に使う新しいものづくりへとつながっています。

参考リンク


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