記事内には、広告が含まれています。

C11 171が24年ぶりに復活!朝ドラをきっかけに誕生したSLすずらん号と冬の湿原号|SLタイムマシン

鉄道

C11 171は24年間の休止を経て復活した北海道の蒸気機関車

1975年に役目を終え、公園で保存されていた蒸気機関車が、24年後の1999年に再び走り始めました。それが北海道で活躍するC11形171号機(C11 171)です。

2026年10月12日放送のNHK総合『SLタイムマシン』では、1970年代の蒸気機関車ブームやSLの復活、現在まで続く人気の秘密が取り上げられます。

日本のSL復活の歴史には、1999年のNHK連続テレビ小説『すずらん』をきっかけに生まれた動きもあります。

その象徴が、北海道の留萌本線を走った「SLすずらん号」です。

先頭で客車を引いたC11 171は、1940年に製造され、1975年に廃車となった蒸気機関車。標茶町の公園で長く保存された後、復元工事を経て1999年に運転を再開しました。

そして2000年からは、冬の釧路湿原を走る「SL冬の湿原号」として、新たな役割を担うようになりました。

この記事でわかること

  • C11 171が1975年の廃車から24年後に復活した経緯

  • 1999年の「SLすずらん号」誕生と朝ドラの関係

  • 現在の「SL冬の湿原号」へのつながりと車両の特徴

  • C11 171の保存・復元の歴史と乗車方法

C11 171は1999年に「SLすずらん号」として復活した

公式動画:JR北海道「C11 171 全般検査」

C11 171は、1940年7月19日に川崎車輛の兵庫工場で製造された蒸気機関車です。

北海道の鉄道路線で使用された後、1975年6月25日に廃車となりました。

廃車後は北海道標茶町の桜児童公園に運ばれ、動かない状態で保存されていました。

転機が訪れたのは1998年です。

北海道を舞台とするNHK連続テレビ小説『すずらん』の制作に伴い、留萌本線で蒸気機関車を走らせる動きが生まれました。

撮影では、栃木県の真岡鐵道からC12形66号機を借り受け、北海道の雪景色の中でSLを運行しています。

こうした取り組みとSL復活への期待が重なり、保存状態が良好だったC11 171を再び走らせる計画が進められました。

1998年11月27日、C11 171は復元工事のためJR北海道の苗穂工場へ搬入されます。

翌1999年4月21日に復元を終え、5月から留萌本線の深川駅と留萌駅を結ぶ「SLすずらん号」として営業運転を開始しました。

1975年の廃車から24年。公園で静かに保存されていた蒸気機関車が、再び乗客を乗せて走るようになったのです。

C11 171は1940年製造の小型蒸気機関車

C11形は、1932年から製造されたタンク式蒸気機関車です。

一般的な大型蒸気機関車には、石炭と水を積むための炭水車を機関車の後ろに連結したものがあります。

これに対してC11形は、石炭と水を機関車本体に搭載しています。

そのため比較的コンパクトで、地方路線や短距離の旅客列車、貨物列車などに使用されました。

C11 171の基本情報を整理します。

  • 形式:C11形蒸気機関車

  • 車両番号:171

  • 製造日:1940年7月19日

  • 製造会社:川崎車輛

  • 製造場所:兵庫工場

  • 廃車日:1975年6月25日

  • 保存場所:北海道標茶町・桜児童公園

  • 復元工事開始:1998年11月27日

  • 運転復帰:1999年4月

  • SLすずらん号の運転開始:1999年5月

蒸気機関車は、石炭を燃やしてボイラー内の水を加熱し、発生させた蒸気の圧力でピストンを動かします。

ピストンの往復運動は連結棒を通して車輪に伝えられ、列車を走らせます。

電車やディーゼル車とは異なり、運転には機関車の構造を理解した専門技術が必要です。

長期間保存されていたC11 171を復元するには、ボイラーや走行装置などを点検し、実際に運転できる状態へ戻す大がかりな作業が必要でした。

朝ドラ『すずらん』がSL復活の後押しとなった

1999年のSL復活を語るうえで欠かせないのが、北海道の鉄道を舞台にしたNHK連続テレビ小説『すずらん』です。

この作品は、北海道の留萌地方を舞台に、鉄道や炭鉱の町を背景として描かれました。

撮影では留萌本線の恵比島駅が使用され、駅の周辺は昭和初期の北海道を感じさせる風景として注目を集めました。

鉄道が地域の暮らしを支えていた時代を映像で再現するためには、蒸気機関車の存在が重要でした。

そこで1998年12月、真岡鐵道のC12 66を北海道へ運び、留萌本線で撮影が行われました。

しかし、北海道でのSL復活は、一時的な撮影用の運転だけでは終わりませんでした。

JR北海道は、保存されていたC11 171を復元し、観光列車として走らせる取り組みを進めたのです。

こうして1999年5月に誕生したのが「SLすずらん号」でした。

列車が運行されたのは、深川駅から留萌駅までの区間です。

かつて北海道の交通を支えていた蒸気機関車が、今度は観光客を乗せ、地域の魅力を伝える存在へと変わりました。

C11 171の復活は、テレビ作品をきっかけとした関心の高まりが、保存車両の再生につながった事例でもあります。

SLすずらん号から2000年の「SL冬の湿原号」へ

C11 171の活躍は、留萌本線だけで終わりませんでした。

1999年に「SLすずらん号」として復帰した後、JR北海道は道内各地で蒸気機関車を運行する取り組みを進めました。

なかでも重要だったのが、道東の釧路地域です。

C11 171が長年保存されていた標茶町や、かつて車両が所属していた釧路地域では、蒸気機関車の運転を望む声がありました。

こうした地域の期待を背景に、2000年から「SL冬の湿原号」の運行が始まります。

運転区間は、釧網本線の釧路駅から標茶駅までです。

冬の釧路湿原には雪原や湿原の風景が広がり、蒸気機関車が吐き出す白い蒸気と黒い煙が美しい景観をつくります。

一般的な観光列車とは異なり、冬の北海道ならではの自然と蒸気機関車を組み合わせた列車として親しまれてきました。

保存されていた標茶町へ、実際に走って戻ることになった点も、C11 171の歴史を象徴しています。

SL冬の湿原号はレトロな客車とだるまストーブが特徴

「SL冬の湿原号」は、蒸気機関車だけでなく、客車にも特徴があります。

JR北海道では、列車全体で昭和の鉄道旅行を感じられるよう、木材を使用した車内設備などを大切にしています。

主な特徴は次のとおりです。

  • たんちょうカー:大きな窓から釧路湿原の風景を楽しめる展望設備を持つ客車

  • ストーブカー:だるまストーブを備え、昔ながらの鉄道旅行の雰囲気を味わえる客車

  • カフェカー:車内販売などを楽しめる設備を持つ客車

  • C11 171:冬の雪景色の中で客車をけん引してきた蒸気機関車

たんちょうカーには、車窓から湿原の風景を眺めやすいように工夫された座席や展望スペースがあります。

また、ストーブカーのだるまストーブは、電車の一般的な暖房設備とは違った懐かしい雰囲気をつくり出します。

単に目的地まで移動するだけではなく、列車そのものに乗る体験が観光の目的となっているのです。

2026年にはC11 171のピストン部品が破損

長年にわたって運転を続けてきたC11 171ですが、古い蒸気機関車を維持するには、専門的な整備技術が欠かせません。

2026年1月31日の運転中には、駅を発車する際に機関車が一時的に動き出せなくなる事象が3回発生しました。

JR北海道が車両を調査した結果、蒸気の力を動力に変える「蒸気室」のピストンリングが破損していたことが判明しました。

ピストンリングが壊れると蒸気が漏れ、車両を動かすために必要な力が十分に得られなくなります。

このため、JR北海道は2月5日から8日まで、蒸気機関車をディーゼル機関車に変更して運転することを発表しました。

こうした故障は、80年以上前に製造された機関車を動態保存する難しさを物語っています。

蒸気機関車を走らせ続けるためには、部品の点検や修繕に加え、整備方法を理解する技術者の存在が必要です。

C11 171は、単に古い機関車が残っているだけではなく、運転と修繕の技術を受け継いできた車両でもあります。

SL冬の湿原号の乗車区間・予約方法

「SL冬の湿原号」は、例年冬の期間に運転される観光列車です。

基本情報

  • 列車名:SL冬の湿原号

  • 運行会社:JR北海道

  • 路線:釧網本線

  • 運転区間:釧路駅~標茶駅

  • 運転時期:例年冬季

  • 座席:全車指定席

  • 予約・購入方法:えきねっと、みどりの窓口、指定席券売機など

  • 乗車に必要なきっぷ:乗車券と指定席券

「SL冬の湿原号」は通年運転ではなく、運転日が設定される期間限定の列車です。

また、車両整備の状況などによって、蒸気機関車ではなくディーゼル機関車で運転される場合もあります。

旅行の計画を立てる際には、JR北海道の運転日や使用車両の案内を確認することが大切です。

まとめ

C11 171は、1940年に製造され、1975年に廃車となった蒸気機関車です。

北海道標茶町の公園で長く保存されていましたが、1998年に復元工事が始まり、1999年5月には「SLすずらん号」として営業運転を再開しました。

その背景には、NHK連続テレビ小説『すずらん』の制作に伴うSL運行や、北海道で蒸気機関車を復活させようという動きがありました。

さらに2000年からは「SL冬の湿原号」として釧路と標茶を結び、冬の北海道を象徴する観光列車となりました。

役目を終えた機関車が、長い保存期間を経て再び走り始めたC11 171の歴史は、日本の蒸気機関車文化を未来へ残す取り組みを伝えています。

参考リンク

おすすめ関連商品

KATO Nゲージ C11 171(2021-1)

KATO C11 171+14系500番台「SL冬の湿原号」6両セット(10-1958)


気になる生活ナビをもっと見る

購読すると最新の投稿がメールで送信されます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました