家族に頼れないときの「もしも」をどう備える?
入院や介護施設への入居では身元引受を求められることがあり、亡くなった後には葬儀、納骨、住まいの片付け、公共料金の解約など多くの手続きが残ります。身近に頼める家族がいない場合、こうした役割をどうするかは切実な問題です。
『テレメンタリーPlus「誰が看取るのか ~身寄りのない高齢者たち~」(2026年8月9日)』では、そんな「家族に代わる支援」が取り上げられます。今回は新潟のライフアカウントについて、サービス内容だけでなく、料金や成年後見制度との違い、契約前に確かめたいポイントまで整理します。
この記事でわかること
- ライフアカウントの身元保証・死後事務の内容
- 契約時に必要となる料金と別途かかる費用
- 成年後見制度とは何が違うのか
- 契約する前に確認しておきたい重要ポイント
ライフアカウントとは?新潟で身元保証や死後事務を行うサービス
ライフアカウントは、新潟市を拠点に、身寄りがない人や近くに頼れる家族がいない人などを対象として、生活上の「家族に頼ることが多かった役割」を支援するサービスです。
主なサービスは、大きく分けると次の3つです。
| 主なサービス | 内容 |
|---|---|
| 緊急時対応 | 駆け付け、緊急連絡先、安否確認など |
| 保証・金融支援 | 賃貸・施設入居時の身元保証、入院時の身元引受など |
| 死後事務 | 葬儀、火葬、納骨、遺品整理、行政手続きなど |
特に特徴的なのが、入院・施設入居といった「生きている間」の支援だけでなく、亡くなった後の手続きまで一続きで支援する仕組みになっている点です。
一人暮らしでも、普段はそれほど困らない人は多いでしょう。
ところが、突然入院する、介護施設へ移る、賃貸住宅を借り直すといった場面になると、「緊急連絡先は誰にする?」「病院へ駆け付けてもらえる人は?」「亡くなった後の部屋は誰が片付ける?」という問題が一気に現実的になります。
個人的には、ここがこのサービスを理解するうえで一番重要だと感じます。
単なる「高齢者向け便利サービス」ではなく、これまで親族が担ってきた複数の役割を、契約によって補うサービスと考えると分かりやすいです。
また、ライフアカウントは新潟県指定の居住支援法人として、住宅の確保に困っている高齢者などの支援にも取り組んでいます。
運営会社と村上慶乃介さんのプロフィール
ライフアカウントを運営しているのは、株式会社トモダテツナヒロです。
会社概要は次の通りです。
| 項目 | 内容 |
| 会社名 | 株式会社トモダテツナヒロ |
| 代表取締役 | 村上慶乃介さん |
| 所在地 | 新潟県新潟市中央区西堀通6番町885番地 |
| 設立 | 2017年8月 |
| 資本金 | 100万円 |
| 事業内容 | 葬祭業、葬祭周辺業、居住支援事業 |
運営会社がもともと葬祭やその周辺事業を手掛けていることも、ライフアカウントのサービス内容を理解するポイントです。
死後事務では、亡くなった後の葬儀、火葬、納骨、遺品整理などが関係します。そのため、葬送分野と生活支援を別々に考えるのではなく、一連の支援として組み立てているわけです。
代表の村上慶乃介さんは、会社の案内で、家族・親族間の助け合いが以前より難しくなり、身元保証や緊急対応などを頼めない人が増えていることを事業開始の背景として挙げています。
ただし、公開されている会社情報では、村上さんの年齢、出身校、詳細な職歴などまでは確認できません。
ここは、分からないプロフィールを推測して付け足さず、確認できるのは代表取締役であることと、葬祭・居住支援事業を運営していることまでと考えるのが安全です。
身元保証では何をしてもらえる?
「身元保証」と聞くと、単に書類の保証人欄へ名前を書いてくれるサービスを想像するかもしれません。
ライフアカウントでは、賃貸住宅や介護施設への入居時に身元保証を行い、希望に応じて物件紹介などにも対応しています。
入院する場合には「身元保証」ではなく、身元引受という形のサービスが用意されています。
2026年8月時点で公開されている料金は次の通りです。
| 契約 | 公開されている料金 |
| 賃貸・施設入居時の身元保証 | 賃貸・施設入居月額費用の3か月分 |
| 入院時の身元引受 | 33,000円 |
| 更新料 | 毎年13,200円 |
身元保証・身元引受とも契約期間は1年間と案内されており、毎年更新料が発生します。
ここで注意したいのは、身元保証を契約すれば日常生活のすべてを追加料金なしで任せられるわけではないということです。
たとえば緊急時の駆け付けについては別の料金体系があります。
施設入居・入院時の緊急対応サービスは、契約金11,000円、基本料金月額5,500円で、実際に駆け付けてもらった場合は、8:00~18:00が1時間5,500円、18:00~翌8:00が1時間7,700円とされています。
初めて見ると、「身元保証の料金だけで全部含まれると思っていた」という人もいるかもしれません。
実際に選ぶなら、
「契約料金に何が含まれ、どこから別料金になるのか」
は必ず確認したいところです。
死後事務委任契約の料金と含まれる内容
ライフアカウントの大きな特徴が、死後事務委任契約です。
これは、本人に十分な判断能力があるうちに契約を結び、亡くなった後に必要となる事務を第三者へあらかじめ依頼しておく仕組みです。
ライフアカウントが案内している主な内容には、
- 葬儀
- 火葬
- 納骨
- 海洋散骨や樹木葬への対応
- 遺品整理
- 動産・不動産の処分
- 健康保険証や介護保険証などの返還
- 年金関係の手続き
- 未納税金などへの対応
- 家賃や医療費など未払い債務の精算
- 電気・ガス・水道などの解約
などがあります。
「亡くなった後の手続き」と聞くと葬儀だけを思い浮かべがちですが、実際にはかなり幅広いことが分かります。
スマートフォン、賃貸住宅、公共料金、保険、年金、家財など、生活している以上さまざまな契約が残ります。
身近な家族がいれば家族が手分けすることもできますが、頼れる人がいなければ誰かが処理しなければなりません。
死後事務委任契約には、そうした「亡くなった後に残る実務」をあらかじめ整理しておく意味があります。
ライフアカウントの死後事務委任契約料は、2026年8月時点で165,000円(税込)です。
ただし、これはすべて込みの最終金額ではありません。
公式案内には実費は別途と明記されています。さらに、公正証書遺言の作成も求めています。
つまり、
165,000円=亡くなった後に必要となる費用の総額
ではありません。
ここはかなり重要です。
葬儀費用、火葬・納骨、遺品整理、各種支払いなどは本人の希望や状況によって変わるため、契約前には「想定される実費がどの程度なのか」まで聞いておいた方が安心でしょう。
利用できる地域と対象者
ライフアカウントは、新潟市中央区に拠点を置き、地元・新潟に密着したサービスとして案内されています。
ただし、2026年8月時点で確認できる公開情報では、「新潟県全域」「新潟市から半径○km」など、すべてのサービスについて一律の対応エリアを明記した情報は確認できません。
そのため、新潟県内であっても、
- 自宅の所在地
- 入居予定の施設
- 入院先の病院
- 緊急駆け付けが必要な地域
- 死後事務を行う場所
によって対応できるか、契約前に直接確認する必要があります。
対象者については、高齢者だけに限定したサービスではありません。
実際に公開されている支援事例には、親族がおらず、就職時の保証人や賃貸住宅の身元保証、将来の死後事務について相談した30代のケースも掲載されています。
そのため、
「子どもがいない人だけ」
「高齢者だけ」
「完全に親族がいない人だけ」
のサービスと考えるのは正確ではありません。
身近に頼れる人がいない、家族が遠方にいる、家族に負担を掛けたくないなど、事情は人によって異なります。
たしかに、こう考えると「おひとりさま」という言葉だけでは説明しきれないサービスだと感じます。
成年後見制度とはどう違う?
ここは特に混同しやすいところです。
成年後見制度と身元保証・死後事務サービスは同じものではありません。
成年後見制度は、認知症などによって判断能力が不十分になった人について、財産管理や契約などを法律面から支援する制度です。
成年後見制度には大きく、
- 法定後見制度
- 任意後見制度
があります。
法定後見は、本人の判断能力が不十分になった後に家庭裁判所が成年後見人などを選びます。
一方の任意後見は、本人に十分な判断能力があるうちに、将来誰にどのような事務を任せるのかを公正証書で決めておく制度です。
簡単に整理すると次のようになります。
| 比較 | 身元保証・死後事務サービス | 成年後見制度 |
| 主な目的 | 入院・入居時の支援、緊急対応、死後事務など | 判断能力が不十分な人の財産管理・契約などを支援 |
| 契約・開始時期 | サービスごとの契約による | 法定後見・任意後見で異なる |
| 身元保証 | サービス内容に含まれる場合がある | 成年後見制度そのものの中心目的ではない |
| 死後の対応 | 死後事務委任契約であらかじめ決める | 成年後見人の権限は本人死亡により原則終了し、死後にできる事務には範囲がある |
| 監督 | 契約関係が中心 | 家庭裁判所が関与する仕組みがある |
特に重要なのが、成年後見人だから亡くなった後のことをすべて自由に処理できるわけではない点です。
成年後見は本人が亡くなると原則終了し、成年後見人が死亡後にできる行為も法律上一定の範囲に限られます。
そのため、ライフアカウントでも成年後見制度と「競合するサービス」というより、必要に応じて成年後見人などと連携する形が取られています。
実際に公開されているケースでも、成年後見人が財産管理などを担当し、ライフアカウントが身元保証や緊急時対応を行った事例があります。
個人的には、「どちらを選ぶか」という2択で考えないことが大切だと思います。
本人の判断能力、財産管理の必要性、入院や施設入居、死後に任せたいことなどによって、必要な制度や契約を組み合わせる可能性があるからです。
契約前に確認したい料金・実費・解約条件
高齢者向けの終身サポートは、普通の商品を買うのとは性質が違います。
契約から実際にサービスを受けるまで何年も空く可能性があります。
だからこそ、「月額はいくら?」だけで決めない方がいいでしょう。
ライフアカウントで現在公開されている主な料金を整理すると次のようになります。
| サービス | 公開料金 |
| 施設・賃貸の身元保証 | 月額費用の3か月分 |
| 入院時の身元引受 | 33,000円 |
| 身元保証等の年間更新料 | 13,200円 |
| 緊急時対応の契約金 | 11,000円 |
| 緊急時対応基本料金 | 月額5,500円 |
| 昼間の駆け付け | 1時間5,500円 |
| 夜間の駆け付け | 1時間7,700円 |
| 独居向け見守り初期費用 | 33,000円 |
| LASHICセンサー | 月額5,500円 |
| 死後事務委任契約 | 165,000円+実費 |
ここから分かるのは、必要なサービスの組み合わせによって総額が大きく変わるということです。
例えば身元保証だけを考えていた人でも、一人暮らしなら見守りや緊急時駆け付けが必要になるかもしれません。
さらに死後事務まで準備するなら、契約料以外の実費も考える必要があります。
契約前には少なくとも、
- 初期費用
- 月額料金
- 年間更新料
- 駆け付け料金
- 死後事務の実費
- 公正証書作成などに必要な費用
- 追加サービスの料金
- 契約期間
- 解約方法
- 中途解約時の返金
- 契約者が転居した場合の扱い
- 事業者がサービスを続けられなくなった場合の対応
まで確認しておくと安心です。
なお、公開されているサービスページでは料金の一部は確認できますが、契約を中途解約した場合の具体的な返金額や精算方法など、契約条件のすべてをWeb上だけで確認できるわけではありません。
ここは予想で判断せず、実際の契約書や重要事項説明書で確認する必要があります。
「165,000円ならお願いできる」と金額だけを見るより、最終的にいくら必要になる可能性があるのかを確認する方が大事です。
高齢者等終身サポート事業者ガイドラインで確認したいポイント
身元保証や死後事務を扱う事業者を選ぶうえで知っておきたいのが、国が2024年に策定した「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」です。
このガイドラインが作られた背景には、終身サポートサービスならではの難しさがあります。
たとえば、
- 契約期間が長くなる
- 死後に実行されるサービスがある
- 費用を前払いする場合がある
- 契約後に本人の判断能力が低下する可能性がある
- 契約内容が本当に履行されたか本人が確認できない場合がある
といった特徴です。
普通の買い物なら、商品を受け取って問題があればすぐ確認できます。
ところが死後事務は、本人自身が「契約通り実行されたか」を確認できません。
初めて考えると、これはかなり大きな違いです。
ガイドラインでは、契約時に契約書や重要事項説明書を交付して適切に説明することなどが重視されています。また、サービス内容、費用、預託金などについて利用者が理解できるようにすることも重要とされています。
契約を考えているなら、次のポイントを確認してみてください。
- 何をしてもらえる契約なのか
- 何をしてもらえないのか
- 料金の総額を見積もってもらえるか
- 前払いするお金があるか
- 前払い金をどのように管理するのか
- 途中で解約できるか
- 解約した場合に返金されるか
- 死後事務の実施結果を誰が確認するのか
- 事業者と連絡が取れなくなった場合の仕組みがあるか
- 苦情や相談の窓口が明確か
ライフアカウントは、自社サイトでこのガイドラインを遵守すると表明しています。
ただし、これはライフアカウントに限った話ではありません。
どの終身サポート事業者を利用するとしても、「ガイドラインを守っていると書いてあるか」だけではなく、実際の契約内容が自分の希望と合っているかを確認することが大切です。
また、病院や介護施設への入院・入所については、身元保証人などがいないことだけを理由に受け入れを拒むのは適切ではないという国の考え方も示されています。
そのため、「保証人がいないから絶対に民間サービスを契約しなければならない」と焦る必要はありません。
まずは病院の医療相談員、ケアマネジャー、地域包括支援センター、自治体などへ相談し、そのうえで民間の身元保証や死後事務サービスが必要なのかを考える方法もあります。
個人的には、ここがいちばん大事だと感じます。
こうしたサービスは、不安になってから急いで契約するより、まだ自分で内容を理解して比較できる段階で、誰に何を任せたいかを整理しておく方が選びやすいからです。
身元保証、緊急対応、成年後見、死後事務は似ているようで役割が違います。
「全部お任せできるサービス」を探すよりも、まず自分が困りそうなのは、
入院なのか、住まいなのか、財産管理なのか、死後の手続きなのか。
そこを整理してから、必要なサービスと費用、契約条件を比較していくことが、後悔を減らす一番現実的な方法でしょう。
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