肩ではなく股関節から整える「あぐらストレッチ」が新登場
2026年9月10日放送のNHK「あしたが変わるトリセツショー」では、「肩の健康 改訂版」として、肩こりや肩の違和感にアプローチする新ワザ「あぐらストレッチ」が紹介されました。
名前は「あぐらストレッチ」ですが、床に座ってあぐらをかく方法ではありません。イスに座り、片足を反対側の脚に水平にかけ、上体を前へ倒すストレッチです。
番組でポイントになったのは、肩だけを直接動かすのではなく、股関節周りをストレッチして全身の姿勢を整え、肩甲骨がよい位置へ戻りやすい状態をつくることでした。
さらに、肩甲骨と上腕骨が連動する「肩の黄金リズム」を整える肩甲骨エクササイズや、腱板を鍛える方法も紹介されています。
この記事でわかること
- あぐらストレッチの具体的なやり方
- 肩甲骨と上腕骨の「肩の黄金リズム」とは何か
- 広背筋・肩甲挙筋・前鋸筋・僧帽筋下部への3分エクササイズ
- うちわとタオルを使った腱板エクササイズの方法
あぐらストレッチはイスに座って左右5回ずつ行う
今回新たに追加された「あぐらストレッチ」は、股関節周りを伸ばして姿勢を整える方法です。
やり方は次の通りです。
- イスに浅く座ります。
- 腰とひざがほぼ直角になるように姿勢を整えます。
- 片方の足を反対側の脚の上へ水平にかけます。
- 両手を握り、ゲンコツを上下に重ねます。
- 背筋を伸ばした状態のまま上体を前へ倒します。
- 重ねたゲンコツへ胸を近づけるようにして5秒キープします。
- 足を入れ替えて同じ動きを行います。
- 左右5回ずつ、合計10回行います。
大切なのは、背中を丸めて頭だけを下げるのではなく、背筋を伸ばしたまま股関節から上体を倒すことです。
番組では、このストレッチによって骨盤などを含めた全身の姿勢が整い、肩甲骨がよい位置へ戻りやすくなると紹介されました。
肩を直接グルグル回す体操ではないところが、今回の改訂版の大きなポイントです。
あぐらストレッチは肩甲骨エクササイズの前に行う
あぐらストレッチは単独で終わらせるのではなく、肩甲骨や腱板を動かすエクササイズの前に行うのがポイントです。
番組では、
- あぐらストレッチ
- 肩甲骨エクササイズ
- 腱板エクササイズ
という流れが紹介されました。
まず股関節周りを伸ばして姿勢を整えてから肩を動かすことで、肩甲骨が動きやすい位置へ戻ることを狙います。
肩の不調というと肩だけに注目しがちですが、今回のトリセツでは「全身の姿勢」という視点が加えられました。
肩の「黄金リズム」は肩甲骨と上腕骨の1:2
番組で肩の健康を考えるうえで重要なポイントとして紹介されたのが、「肩のリズム」です。
医学的には肩甲上腕リズムと呼ばれます。
腕を上げるときには、腕の骨である上腕骨だけが動いているわけではありません。背中側にある肩甲骨も連動して動きます。
番組では、健康な肩の動きの目安として、肩甲骨と上腕骨の動きが1:2になる「黄金リズム」が紹介されました。
例えば腕を90度まで上げた場合、
- 肩甲骨:約30度
- 上腕骨:約60度
という動きになります。
腕を真上の180度まで上げる場合も、
- 肩甲骨:約60度
- 上腕骨:約120度
となり、番組では同じ1:2の比率として説明されました。
ところが姿勢などの影響で肩甲骨が十分に動きにくくなると、この連動が崩れる場合があります。
番組では肩に不調を訴える33人を調べたところ、32人に肩のリズムの乱れが確認されたと紹介されました。
肩のリズムを自宅で確認する2つのセルフチェック
番組では、肩甲骨と上腕骨の動きに乱れがないかを簡単に確認する方法も紹介されました。
まず1つ目は、肘を上げるチェックです。
- 手を胸に当てます。
- 手のひらを胸につけたまま、肘を無理のない範囲まで上げます。
- 肘を上げたとき、首の付け根から肩全体まで一緒に大きく持ち上がる場合は注意します。
2つ目は左右差のチェックです。
- 両腕を前へ伸ばします。
- 「前へならえ」のように肩の高さまで上げます。
- 左右の肩の高さを確認します。
左右で肩の高さが違う場合も、肩周辺の動きに偏りがある可能性を考える目安になります。
ただし、これは病気を診断する検査ではありません。
左右差があることだけで四十肩・五十肩や腱板断裂などを判断することはできません。
広背筋と肩甲挙筋を20秒ストレッチ
肩の黄金リズムを整えるため、番組では筋肉のバランスを整える方法も紹介されました。
最初にアプローチするのが、背中の広背筋と、首から肩甲骨につながる肩甲挙筋です。
やり方は、
- 片手を肩の後ろへ回す
- 背中側でポコッと出ている肩甲骨を探す
- 反対側の手で肩甲骨を下方向へ押さえる
- 肘をつかむ
- 首を斜め前へ倒す
- 体も同じ方向へ傾ける
- その姿勢を20秒保つ
反対側も同じように行います。
肩甲骨周辺を無理やり引っ張るのではなく、無理のない範囲で伸ばすことが大切です。
前鋸筋は肘をつけたまま10回上げる
続いて動かすのが前鋸筋です。
前鋸筋は脇の下から肩甲骨周辺へつながり、肩甲骨を安定させながら動かす働きに関わる筋肉です。
番組で紹介された方法はシンプルです。
- 両肘を体の前で合わせます。
- 肘同士をつけたまま上へ持ち上げます。
- 無理なく上がる位置まで上げます。
- 元へ戻します。
- 10回繰り返します。
ポイントは、首や肩をすくめるように力を入れすぎないこと。
番組では、脇の下周辺の筋肉を意識することが紹介されました。
僧帽筋下部は肩甲骨を背骨へ寄せる
もう1つ重要なのが僧帽筋下部です。
僧帽筋は首から背中へ広がる大きな筋肉ですが、下部の筋肉は肩甲骨の動きを支える役割があります。
やり方は、
- 両手を頭の後ろで組みます。
- 肘を後ろへ引きます。
- 胸を張ります。
- 息を吸いながら肩甲骨を背骨へ寄せるイメージで動かします。
- 息を吐きながら力を緩めます。
- 10回繰り返します。
肩を上へすくめるのではなく、肩甲骨を背中の中央へ寄せる感覚で行います。
うちわとタオルで衰えやすい腱板を鍛える
さらに肩の動きにこだわりたい人向けとして、腱板エクササイズも紹介されました。
特に、両腕を肩の高さまで上げるセルフチェックで左右差が出る人に紹介された方法です。
用意するものは、
- タオル
- うちわ
です。
やり方は次の通りです。
- タオルを折りたたみます。
- タオルを脇にはさみます。
- 肘でタオルを軽く固定します。
- うちわを手に持ちます。
- 肘の位置を動かさず、手を外側へ引きます。
- その位置でうちわを軽く扇ぎます。
ポイントは、手首だけでうちわを動かさないこと。
肘を固定し、腕の動きを使って扇ぎます。
番組では左右10回ずつを1セットとして、1日3セット行う方法が紹介されました。
肩甲骨だけでなく腱板も肩の動きを支えている
肩を動かすときには、肩甲骨だけでなく「腱板」と呼ばれる筋肉・腱のグループも重要です。
腱板は肩関節を安定させながら腕を動かす働きに関わっています。
今回のトリセツは、肩を単純に「もむ」「回す」という発想ではありません。
まず股関節周りから姿勢を整え、肩甲骨を動きやすい状態へ近づけ、そのうえで肩甲骨周辺や腱板にアプローチするという流れになっています。
「あぐらストレッチ」が追加されたことで、肩だけを見るのではなく、全身の姿勢から肩の動きを考える内容へ改訂された形です。
強い肩の痛みがある場合は無理に行わない
今回紹介された方法は、自宅でできるストレッチやエクササイズですが、すべての肩の痛みに適しているわけではありません。
肩の痛みには、四十肩・五十肩と呼ばれる肩関節周囲炎のほか、腱板損傷や外傷などさまざまな原因があります。
特に、
- 強い痛みがある
- 急に腕が上がらなくなった
- 転倒やケガのあとから痛む
- 筋力が急に落ちた
- しびれを伴っている
といった場合は、無理に体操を続けず医療機関へ相談してください。
ストレッチも「痛いほど伸ばせば効く」というものではありません。無理のない範囲で行うことが大切です。
まとめ
2026年9月10日の「あしたが変わるトリセツショー」で追加された新ワザは、イスを使う「あぐらストレッチ」でした。
やり方を簡単に整理すると、
- イスに浅く座る
- 腰とひざを直角にする
- 片足を反対側の脚へ水平にかける
- ゲンコツを重ねる
- 背筋を伸ばしたまま上体を倒す
- 5秒キープ
- 左右5回ずつ、計10回行う
という方法です。
あぐらストレッチの目的は、肩そのものを直接伸ばすことではありません。
股関節周りをストレッチして全身の姿勢を整え、肩甲骨がよい位置へ戻りやすい状態をつくってから、肩甲骨や腱板のエクササイズにつなげるところが今回のポイントです。
肩甲骨と上腕骨が連動する「肩の黄金リズム」とあわせて覚えておくと、今回の肩のトリセツが分かりやすくなります。
参考リンク
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