賞味期限58秒の名物は柏屋の「ゆげたち」
2026年9月20日放送のテレビ朝日系『ナニコレ珍百景』では、千葉県・房総半島の先端をめぐる企画で「賞味期限わずか数十秒の名物グルメ」が登場します。銚子市には、まさに「賞味期限58秒」を掲げる名物があります。1915年創業の柏屋米菓手焼本舗、通称「路地裏の柏屋」で味わえる焼きたての「ゆげたち」です。
柏屋は、現在では銚子名物として広く知られる「ぬれせん」誕生の店でもあります。焼きたてをその場で味わう「ゆげたち」だけでなく、1963年の商品化から60年以上続く元祖ぬれせんの歴史にも注目です。
この記事でわかること
- 柏屋「ゆげたち」が賞味期限58秒と呼ばれる理由
- 柏屋で「ぬれせん」が誕生した経緯
- 3代目店主・横山俊二さんが受け継ぐ手焼きの技
- 柏屋の場所・営業時間・ゆげたちの販売情報
焼きたてのぬれせんが58秒と呼ばれる理由

柏屋の「ゆげたち」は、焼き上がったばかりの煎餅をしょうゆに浸し、熱々のまま味わう店頭ならではの商品です。
最大の特徴が「賞味期限58秒」という強烈な言葉。ただし、58秒を過ぎたら食べられなくなるという意味ではありません。
柏屋の公式ページにも「冷めても」楽しめる旨が記されており、58秒という数字は、湯気が立つ焼きたてならではの食感を味わうための特別な時間を表しています。焼き上がった直後から時間がたつにつれて、歯ごたえやしょうゆの染み具合が変わっていくのも「ゆげたち」の面白さです。
普通のぬれせんは持ち帰って食べられますが、「ゆげたち」はその場で味わうことに大きな価値があります。まさに、銚子まで足を運んだ人だけが体験できる焼きたての味です。
現在の公式案内では、「ゆげたち」は5枚1,000円(税抜)。1枚ずつの販売は行われていません。また、販売時間は変動するため、訪問当日に公式サイトの店頭情報を確認してから向かうのが確実です。
柏屋は1915年創業のぬれせん誕生の店
柏屋の歴史は、1915年(大正4年)に初代・横山芳己さんが創業したところから始まります。
当初から手焼き煎餅を作り続け、その技を受け継いだのが2代目の横山雄次さんでした。この2代目の時代に、後の銚子名物となる「ぬれせん」が生まれます。
現在はさまざまなメーカーや店舗が「ぬれ煎餅」「ぬれせんべい」を販売しているため、銚子電鉄の商品を思い浮かべる人も多いでしょう。
しかし柏屋は、店の公式サイトでも「ぬれせん誕生の店」と掲げています。「ぬれせん」という商品名も柏屋によって商標登録され、その歴史は60年以上に及びます。
昔ながらの煎餅屋から偶然のように生まれた一品が、やがて銚子を代表する食文化になっていったのです。
1963年に商品化された「ぬれせん」の歴史
ぬれせん誕生のきっかけは、最初から新商品を作ろうとしたことではありませんでした。
2代目の横山雄次さんは、1960年ごろから柔らかな煎餅を客への「おまけ」として配り始めました。それが評判となり、1963年に正式な商品として発売されます。
口コミで徐々に知られるようになり、「ぬれせん」の名称で商標登録。その後、平成に入ると各社が「ぬれせんべい」「ぬれ煎餅」といった名称の商品を発売し、全国的にも知られる存在になりました。
一般的な堅焼き煎餅とは製法にも違いがあります。
ぬれせんは焼きたての生地を熱いうちにしょうゆへ浸すことで、タレが染み込み、硬い部分と柔らかい部分が入り交じった独特の食感になります。柏屋では銚子のしょうゆを使い、昔ながらの味を作り続けています。
現在では「ぬれ煎餅=銚子」というイメージがありますが、その始まりをたどると、柏屋で配られていた「おまけ」に行き着くというわけです。
3代目店主・横山俊二が守る手焼きの技
現在、柏屋で手焼きの技を受け継いでいるのが3代目店主の横山俊二さんです。
銚子市が紹介する資料でも、柏屋米菓手焼本舗の3代目店主として横山俊二さんが紹介されています。2025年の千葉日報の記事でも、炭火の炉の前で1枚ずつ煎餅を手焼きする姿が取り上げられました。
機械で大量に均一な商品を作るのとは違い、手焼きは火加減や生地の状態を見ながら焼き上げる仕事です。
1915年の創業から100年以上。初代から2代目、そして3代目へと受け継がれてきた手焼きの技が、「ゆげたち」や元祖「ぬれせん」につながっています。
店頭で食べる「ゆげたち」は、単に賞味期限の短い珍しい食べ物というだけではありません。
焼き上がった瞬間の状態を、その場で客に渡せる手焼きの店だからこそ成立する名物なのです。
柏屋の場所・営業時間・アクセス
柏屋米菓手焼本舗は、千葉県銚子市港町にあります。「路地裏の柏屋」という名前の通り、大通り沿いの大型店舗ではありません。
店舗情報は次の通りです。
- 店名:柏屋米菓手焼本舗(ぬれせん誕生の店・路地裏の柏屋)
- 住所:千葉県銚子市港町1758
- 電話:0479-22-0480
- 営業時間:9:00~17:00
- 定休日:不定休
- 駐車場:2台
- 支払い:現金
- 車:JR銚子駅から約7分
- 電車:銚子電鉄「本銚子駅」下車、徒歩約12分
銚子市観光協会では、店舗周辺の道路が狭いため、車で訪れる際はカーナビの案内に注意するよう案内しています。営業時間や休日についても変更される場合があるため、遠方から向かう場合は当日の公式情報を確認しておきたいところです。
銚子まで行って味わう「ゆげたち」
通常の「ぬれせん」は柏屋から宅配してもらうこともできます。一方、「ゆげたち」は店頭で焼きたてを味わうこと自体が魅力の商品です。
現在の公式案内では、ゆげたちの販売時間は変動制。基本的な目安として午前9時~11時30分などが案内されていますが、その日の焼き上がり状況によって変わります。
つまり、銚子旅行のお土産として持ち帰るぬれせんと、その場でしか味わえないゆげたちは、楽しみ方がまったく違います。
湯気が立っている間に口へ運び、焼きたてならではの歯ごたえとしょうゆの染み方を楽しむ。
「賞味期限58秒」という言葉は、100年以上続く手焼き煎餅店だからこそ生み出せる、銚子での食体験そのものを表しているのかもしれません。
まとめ
柏屋米菓手焼本舗は、1915年創業の老舗であり、現在の銚子名物「ぬれせん」が生まれた店です。2代目・横山雄次さんがおまけとして配り始めた煎餅が評判となり、1963年に「ぬれせん」として商品化されました。
そして現在、3代目・横山俊二さんが手焼きの技を受け継いでいます。
その柏屋を象徴する店頭名物が「賞味期限58秒」のゆげたち。58秒を過ぎると食べられないわけではなく、焼き上がった直後ならではの食感を味わうための特別な一品です。
銚子へ出かけるなら、袋入りの元祖ぬれせんを買うだけでなく、焼き上がりの時間を確認して「ゆげたち」をその場で味わってみたいところですね。
参考リンク
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