半額シールの細かな切れ目は「貼り替え防止」のため
2026年9月22日放送のテレビ朝日系『THE世代感』では、関東17のスーパーマーケットを徹底取材。売り場の裏側や安さの仕組みとともに取り上げられるのが、惣菜や生鮮食品に貼られる「半額シール」の秘密です。よく見ると入っている細かな切れ目は、デザインではなく、シールを別の商品へ貼り替えにくくするための「スリット加工」です。
この記事でわかること
- 半額シールに切れ目が入っている理由
- 「スリット加工」と呼ばれる仕組み
- シールを剥がすと破れやすくなる理由
- スーパーで貼り替え防止が必要になる背景
半額シールの切れ目は「スリット加工」

スーパーの惣菜や弁当、生鮮食品などに貼られる「30%OFF」「半額」といった値引きシール。
そのシールをよく見ると、端や中央付近に細かな切れ目が入っているものがあります。
この切れ目は一般に「スリット加工」と呼ばれるものです。
食品スーパーやコンビニ向けの値引きラベルを製造する中川製作所では、「貼り換え防止のスリット加工」に対応していることを公式に紹介しています。
つまり、シールが破れてしまった不良品ではありません。
最初から剥がしにくく、別の商品へきれいに貼り直しにくくするために入れられている切れ目なのです。
剥がそうとすると切れ目からシールが破れる
スリット加工の仕組みはシンプルです。
普通のシールなら、端をつまんで慎重に剥がせば、形を保ったまま剥がせる場合があります。
ところがシール内部にあらかじめ複数の切り込みが入っていると、剥がす力がかかったときに、その切れ目からシールが分断されやすくなります。
大阪シーリング印刷も貼り替え防止加工について、シール内に刃型で切り込みを入れ、貼ったあとに剥がそうとすると加工部分から破れるため、きれいに剥がしにくくなる仕組みだと説明しています。
半額シールを剥がそうとして、
- シールの一部だけが残る
- 途中で細かく破れる
- 1枚の状態できれいに取れない
といった状態になるのは、この加工によるものです。
一見すると数本の小さな切れ目ですが、値引きシールの再利用を難しくする役割があります。
最大の目的は「安い商品への貼り替え」を防ぐこと
なぜ、わざわざ半額シールを剥がしにくくする必要があるのでしょうか。
理由は、値引きシールを別の商品へ貼り替える不正を防ぐためです。
たとえば、本来1000円の商品に付いていない半額シールを、別の商品から剥がして貼り直せてしまえば、店舗が意図していない価格で購入される可能性があります。
そこで「剥がすこと自体を完全に不可能にする」のではなく、一度貼ったシールをきれいな状態で再利用しにくくする工夫が使われています。
中川製作所では、食品スーパーやコンビニで使用する「30%OFF」「半額」などの値引きラベルについて、貼り換え防止用のスリット加工を用意しています。
値引きシールの隅にある小さな切れ込みは、売り場の商品と価格を守るための仕組みだったわけです。
「切れ目」は値引きシールだけに使われる技術ではない
シールを再利用できないようにする考え方は、スーパーの半額シールだけのものではありません。
ラベル業界にはさまざまな改ざん・貼り替え防止技術があります。
たとえば、
- 剥がすとシールそのものが破れる
- 剥がした場所に文字や痕跡が残る
- シール表面の素材が崩れる
- 一度剥がすと再利用しにくくなる
といった方式です。
リンテックでは、剥がすと表面の基材が壊れるラベルや、剥がした痕跡が分かるセキュリティーラベルを展開しており、用途のひとつとして「プライスシールなどの貼り替え防止」を挙げています。
「一度剥がしたことが分かる」「もう一度使えない」という考え方そのものが、さまざまな商品の管理で利用されているのです。
半額シールは店舗ごとに作られているものも多い
値引きシールというと、どこのスーパーでも同じものを使っているように見えますが、実際には店舗や企業の運用に合わせて作られるものもあります。
食品スーパー向けラベルでは、
- 「30%OFF」「半額」などの印刷
- ラベルの大きさ
- ロール1本あたりの枚数
- スリット加工
- プリンターに合わせた仕様
などを変更できます。
中川製作所でも、GMSや食品スーパー、コンビニで使われる食品POSラベルや値引きラベルについて、店舗側の運用に合わせてカスタマイズして製造しているとしています。
毎日大量の商品を扱うスーパーでは、値引きをするタイミングだけでなく、「シールを何枚使ったか」「売り場で扱いやすいか」といった管理も必要です。
小さな半額シールにも、実際の売り場に合わせた工夫が詰まっています。
半額シールを破れにくく剥がす方法はおすすめできない
スリット入りの値引きシールは、そもそも貼り替え防止を目的として作られています。
そのため、切れ目が入ったシールをきれいに剥がして再利用することは、この加工本来の目的とは逆になります。
食品を購入したあとに容器を分別するためシールを剥がしたい場合は、シールが破れても問題ありません。
無理に1枚の状態で残そうとせず、容器の分別方法については利用している自治体のルールに従うのが分かりやすいでしょう。
スーパーには見えにくい「不正防止」の工夫がある
スーパーの商品には、買い物をしているだけではほとんど気づかない仕組みが数多くあります。
半額シールの切れ目もそのひとつです。
切り込みを数本入れるだけなら、一見すると非常に単純な仕組みに見えます。
しかし、一度貼ったシールをきれいに剥がしにくくすることで、そのまま別の商品へ移す行為を難しくできます。
特別な電子機器を追加しなくても、シールそのものの形状で対策できるところが大きな特徴です。
『THE世代感』で扱われるスーパーの雑学は、売り場で普段何気なく目にしているものに、なぜその形になっているのかという理由があることを教えてくれます。
まとめ
スーパーの「半額」「30%OFF」などの値引きシールに入っている細かな切れ目は、貼り替え防止のためのスリット加工です。
シール内部にあらかじめ切り込みを入れておくことで、貼ったあとに剥がそうとすると切れ目から破れやすくなります。
その結果、1枚の値引きシールをきれいに剥がし、別の商品へそのまま貼り直すことが難しくなります。
何気なく見ていた半額シールですが、数本の小さな切れ目には、商品の価格と売り場を守る役割がありました。
次にスーパーで半額シールを見つけたら、「半額」の文字だけでなく、シールに入っている細かな切れ目も確認してみると面白そうです。
参考リンク
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