栗の木が実をつけるまでの年数は苗の育て方で変わる
栗の木は、接ぎ木苗なら植え付けからおよそ2〜3年、種から育てた実生(みしょう)の木なら7〜8年ほどで実がなり始めるという目安があります。一般に「桃栗三年柿八年」といわれますが、すべての栗が3年で収穫できるわけではありません。
2026年11月8日放送予定の日本テレビ『所さんの目がテン!』では、かがくの里で約10年前に植えた栗の木が初めて実をつけ、収穫する様子が紹介される予定です。10年という長さは不思議に感じられますが、実がなる時期は苗の種類、受粉、日当たりなどによっても変わります。
接ぎ木苗は2〜3年、種から育てた栗は7〜8年がひとつの目安
栗の苗には、育てたい品種の枝を別の木に接いで増やした接ぎ木苗と、栗の実を発芽させて育てた実生苗があります。
北海道の道南農業試験場が行った栗苗木の育成技術試験では、接ぎ木苗の結果樹齢を2〜3年、実生苗を7〜8年としています。結果樹齢とは、木が実をつけ始める年齢のことです。
また、JA京都の栽培解説では、一般的な栗の植え付けは接ぎ木苗を使い、植え付け後3年ごろから結実すると説明されています。市販の接ぎ木苗でも、実際の初収穫は苗の大きさや品種、栽培環境によって前後します。
つまり、庭で種から育てた栗が5年目に実をつけなくても、それだけで異常とはいえません。一方、植え付けて10年近くたつのにまったく実がならない場合は、年数以外の条件も確認する価値があります。
10年たって初めて実がなることはある?
栗の木が植え付け後10年ほどで初めて実をつけるケースも考えられます。特に、種から育てた木は結実までの期間が長く、環境によって生長の早さにも差が生じます。
ただし、10年かかった原因を年数だけで判断することはできません。接ぎ木苗か実生苗か、近くに別品種の栗の木があるか、花が咲いていたか、日当たりや剪定の状態はどうか、といった情報を合わせて考えます。
『所さんの目がテン!』のかがくの里で実がなった詳しい理由についても、放送前の段階では特定できません。ここで紹介するのは、一般的な栗栽培で確認したいポイントです。
栗の木に花が咲くのに実がならないのは受粉が原因かも
栗は自家不和合性という性質を持ち、自分と同じ品種の花粉だけでは実がつきにくい果樹です。1本の木に雄花と雌花が咲いても、安定して結実させるには、別品種から花粉を受け取ることが大切です。
農研機構の研究では、栗の品種「ぽろたん」は受粉樹に近いほど収量性が高く、隣接する列に異なる品種を植えることで安定した結実が期待できると報告されています。
そのため、花は毎年咲くのに栗がほとんどできない場合は、まず近くに開花期の合う別品種があるか確認しましょう。2本植えたつもりでも、同じ品種だったり、花が咲く時期が合わなかったりすると、十分な受粉につながらないことがあります。
受粉を助ける品種の組み合わせは品種ごとに異なります。苗を購入するときは、その品種に合う受粉樹を園芸店や生産者に確認すると安心です。
栗が実らないときに確認したい日当たりと枝の管理
受粉樹が近くにあるのに実が少ないときは、木の生育状態にも目を向けます。栗は日当たりと水はけの良い場所で育てるのが基本です。枝が込み合って日光が入りにくくなっていないか、根元が常に湿りすぎていないかなどを確認します。
高知県の農業情報によると、栗は前年の貯蔵養分や樹の状態が雌花のつき方に関係します。雌花は新しく伸びる枝の先端に近い位置につくため、やみくもに枝先を切ると花や実の数に影響することがあります。
枝を剪定するときは、傷んだ枝や混み合った枝を整理しつつ、実のつく枝を残すことが大切です。樹が弱っている場合には、病害虫の被害、肥料の過不足、乾燥なども見直します。
栗の木をこれから植えるなら何本必要?
家庭で栗の収穫を目指すなら、基本的には開花期の合う異なる品種を組み合わせることを考えます。農研機構では「ぽろたん」の受粉樹として、「ぽろすけ」「美玖里」「利平ぐり」などを用いた研究成果を公表しています。
ただし、品種によって適した受粉樹は異なるため、この組み合わせがすべての栗に当てはまるわけではありません。庭が狭く、複数本植えられない場合は、周囲に別品種の栗があるかを確認し、植える品種の選択を相談しましょう。
苗の購入時には品種名と接ぎ木苗であることを確認し、将来大きくなる栗の木に見合う栽培スペースを確保します。接ぎ木苗だから必ず数年で大量に収穫できるという意味ではなく、木を育てながら実の数を増やしていくのが基本です。
収穫した栗を甘く楽しむには
実を収穫できたら、まずは傷や虫食いのあるものを選別し、鮮度を保って保存することが大切です。栗は低温で貯蔵することで甘みが増す場合がありますが、保存温度や期間には注意が必要です。
家庭での冷蔵方法や甘みが増す仕組みは、すでに掲載している栗を甘くする冷蔵保存の方法で詳しく紹介しています。
まとめ
栗の木は、接ぎ木苗なら2〜3年、種から育てた実生苗なら7〜8年ほどで結実するのが一つの目安です。ただし、初収穫の時期は品種や育て方によって変わります。10年近く実がならない場合も、年数だけでは原因を断定できません。別品種の受粉樹、日当たり、枝の状態を確認し、木に合った環境を整えることが大切です。
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