「山形のお母さん」と呼ばれる女性と農家レストランの物語
『おとな時間研究所 健やか農ライフ(9月4日)』で加藤紀子さんが「山形のお母さん」と慕う人物が、山形県長井市で農家れすとらん なごみ庵を営む菅野ちゑさんです。加藤さんが毎年山形へ通い、味噌作りを続けるほど深い関係になったのはなぜなのか。菅野さんの農業人生、店を始めた理由、郷土料理、予約方法までまとめます。
この記事でわかること
- 加藤紀子さんの「山形のお母さん」が誰なのか
- 菅野ちゑさんが農家レストランを始めた経緯
- なごみ庵で食べられる郷土料理
- 店の場所・料金・予約方法と体験プラン
「山形のお母さん」はなごみ庵店主の菅野ちゑさん
加藤紀子さんが長年「山形のお母さん」と慕っているのは、菅野ちゑさんです。
菅野さんは山形県長井市で農業を続けながら、農家れすとらん なごみ庵を運営しています。稲作やさくらんぼ栽培を続け、採れた野菜や地域の食材を使って郷土料理を伝えてきた女性です。
加藤さん自身も2026年のブログで、約13年前になごみ庵を取材したことが出会いだったと振り返っています。
菅野さんの人柄や料理に強く惹かれ、「また会いに来る理由」を探す中で始まったのが、毎年恒例となった味噌作りでした。
半世紀以上農業を続けてきた菅野ちゑの人生
菅野さんは1947年1月、山形県白鷹町生まれ。
結婚後に長井市へ移り、農家の暮らしに入りました。当時は農業収入が決して高くなく、養豚や原木しいたけ栽培など、時代に合わせながらさまざまな農業に取り組んできました。
その後始めたのが、現在も続くさくらんぼ栽培です。
最初はあんず栽培に挑戦したもののうまくいかず、さくらんぼへ転換。苗木を植えてから実際に収穫できるまで約7年かかり、初めて収穫したさくらんぼの味は今でも忘れられないと語っています。
農家レストランだけを営んできた人ではなく、長い農業人生そのものが料理の背景にあります。
60歳で「なごみ庵」を開いたきっかけはグリーンツーリズム
なごみ庵の前身は、地域の女性たちが総菜などを加工販売するために始めた「すももの木」という活動でした。
しかし農作業などで忙しく、活動は次第に休止状態になります。
転機になったのが、農村に滞在しながら地域の暮らしや食文化を体験するグリーンツーリズムとの出会いでした。
「自分がやりたいことはこれだ」と感じた菅野さんは、農家レストラン開業へ動き始めます。
一緒に店を支えることになったのが高橋三枝子さんです。
そして2007年12月25日、菅野さんが60歳のときに農家れすとらん なごみ庵がオープンしました。
自分の畑と長井の食材を使った郷土料理が中心
(出典:山形県公式観光サイト「やまがたへの旅」)
なごみ庵で味わえる料理の魅力は、地元で採れた食材を、その土地に伝わる調理法で食べられることです。
代表的な「なごみ膳」では、季節によって内容は変わりますが、うこぎのえごま和え、冷汁、凍み豆腐、麩の唐揚げ、おからを使った料理など、置賜地方らしい料理が並びます。
自家製こんにゃくも特徴的です。
畑でこんにゃく芋を育てるところから始まり、料理として提供するまでを手作業で行っています。
スーパーで材料を買って郷土料理を再現する店ではなく、農業と料理が同じ場所でつながっている農家レストランです。
加藤紀子が毎年続ける味噌作りは大豆30kgの本格仕込み
加藤さんがなごみ庵へ通い続ける大きな目的の1つが、毎年の味噌作りです。
2026年の仕込みでは30kgの大豆を使い、米麹と塩を合わせて味噌を作っています。
大まかな流れは、
大豆を煮る
→米麹をほぐす
→塩と麹を合わせる
→大豆をつぶして混ぜる
→容器に詰めて空気を抜く
という昔ながらの方法です。
加藤さんにとって、この味噌は毎日の味噌汁に使う大切な調味料になっています。
13年以上交流が続いていることを考えると、味噌作りそのもの以上に、毎年同じ人と同じ季節を迎えることが大切な行事になっていることが伝わります。
食事だけでなく農作業や郷土料理作りも体験できる
なごみ庵はレストランですが、「料理を食べて帰る」だけではありません。
野菜収穫、うち豆作り、丸なす漬け、ピザ作りなど、季節に合わせた農村体験も行っています。
観光向けには、菅野さんと一緒に料理を作り、囲炉裏端で話しながら食事を楽しむ体験プランもあります。
料金は1人5,500円で、昼食、体験料、施設利用料、旅行傷害保険を含みます。1人から申し込みでき、参加希望日の7日前までの予約が必要です。
決められたアクティビティを次々こなすというより、「山形のおばあちゃんの家へ遊びに行く」感覚に近い体験です。
なごみ庵の場所・料金・予約方法
店舗は山形県長井市成田1445にあります。
基本情報は次の通りです。
- 住所:山形県長井市成田1445
- 電話:0238-84-7822
- 営業:完全予約制
- 定休日:火曜日
- なごみ膳:1,650円
- 駐車場:あり
- 山形鉄道フラワー長井線「あやめ公園駅」から徒歩約20分
食事は完全予約制のため、突然訪れるより先に連絡しておくのが安心です。
郷土料理は季節の農産物によって内容が変わるため、何が食べられるかも含めて予約時に相談できます。
「郷土料理を残したい」という思いが店の中心にある
なごみ庵が長く続いている理由は、珍しい料理を提供するためだけではありません。
菅野さんが大切にしているのは、昔の暮らしや郷土料理の記憶を次の世代へ残すことです。
囲炉裏を囲み、畑で採れたものを料理し、その作り方を誰かに教える。
加藤紀子さんが何度もここへ戻ってくるのも、料理のおいしさに加えて、菅野さんが積み重ねてきた暮らしそのものに惹かれているからでしょう。
なごみ庵は、山形の郷土料理を食べる店であると同時に、農家の暮らしと食文化を体験できる場所です。
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