駅弁が冷めてもおいしいのには理由がある
『有吉のお金発見 突撃!カネオくん(こだわりの人気弁当の裏側を一挙公開!)(9月6日)』では、巨大な駅弁製造工場と「冷めてもおいしい」ための工夫が登場します。その舞台となったのが埼玉県戸田市のJR東日本クロスステーション戸田工場。約300℃の過熱水蒸気を使う調理機から急速冷却まで、温め直せない駅弁だからこそ発達した製造技術を詳しく見ていきます。
この記事でわかること
- 駅弁が冷めてもパサつきにくい理由
- 約300℃の過熱水蒸気を使う調理方法
- JR東日本クロスステーション戸田工場の規模
- 東京駅「駅弁屋 祭」の場所と特徴
冷めてもおいしい秘密は約300℃の過熱水蒸気

(出典:中西製作所「SVロースター」)
駅弁を冷めてもおいしく仕上げる工夫の1つが、過熱水蒸気を使った調理です。
戸田工場で紹介された中西製作所の「SVロースター」は、約300℃の過熱水蒸気で食材を短時間に加熱します。表面はこんがり焼きながら、食材内部から水分が逃げすぎるのを抑えられるため、中をジューシーに仕上げやすいのが特徴です。
普通に強い熱だけを加えると、肉や魚は時間がたつにつれて水分が抜け、パサパサした食感になりやすくなります。
過熱水蒸気なら高温でも内部の水分を保ちやすいため、調理直後だけでなく、温度が下がった後の食感まで考えた料理ができます。
駅弁は焼いた後の「冷やし方」まで味と安全性に関わる
おいしさを支えているのは加熱方法だけではありません。
工場では調理した食材をすばやく冷却し、細菌が増えやすい温度帯に長時間置かないようにしています。さらに季節によって米や食材の状態も変わるため、水分量や火加減まで調整しています。
つまり「冷めてもおいしい駅弁」は、味付けを濃くするだけで作られているわけではありません。
加熱時に水分を残す→適切に冷却する→時間が経った状態まで考えて水分や火加減を調整するという複数の工程が組み合わさっています。
買ってからすぐ食べる飲食店の料理とは違い、駅弁は列車に乗ってしばらくしてから開けることも多い食品です。その食べる時間まで逆算して製造されている点が大きな特徴です。
巨大駅弁工場はJR東日本クロスステーション戸田工場
この製造技術が使われているのが、埼玉県戸田市にあるJR東日本クロスステーション フーズカンパニー戸田工場です。
戸田市の紹介によると、約30種類の駅弁を1日1万食以上製造し、ピーク時には2万食を超えることもあります。製造した駅弁は東京駅だけでなく、上野・品川・大宮など関東の主要駅へ出荷されています。
駅弁以外にもサンドイッチや弁当、そばなどの麺類、野菜や肉の加工も行う食品製造拠点です。JR東日本クロスステーションには戸田工場のほか、浦和工場や十日町すこやかファクトリーもあり、扱う食品によって生産拠点を分けています。
普段東京駅で何気なく手に取っている駅弁の裏には、これほど大規模な食品製造ラインがあります。
売れる駅弁は中身が一目で伝わるパッケージも重要
東京駅で駅弁を選ぶ人には、一般的なスーパーとは違う事情があります。
新幹線や列車の出発時間が決まっているため、何十分も商品を比較している余裕がない人も多くいます。
そのため売り場では、中にどんな料理が入っているのか、どこの地域の駅弁なのか、肉なのか魚なのかといった特徴が短時間で伝わるパッケージが重要になります。過去の特集でも、売れる駅弁では内容が直感的に分かる見せ方が大切だと紹介されました。
駅弁は「味」だけで競争しているわけではなく、売り場で数秒見たときに選んでもらえるデザインまで商品設計の一部になっています。
東京駅「駅弁屋 祭」には約150種類が集まる
東京駅で駅弁をまとめて見比べたいなら、「駅弁屋 祭 グランスタ東京」が代表的な売り場です。
JR東日本クロスステーションが運営し、北海道から九州まで約150種類の駅弁を扱っています。入荷状況や時間帯によって品ぞろえは変わりますが、地域をまたいで比較できるのが大きな特徴です。
店舗は東京駅1Fの中央通路エリア、改札内にあります。
- 場所:東京駅 グランスタ東京1F中央通路エリア
- 営業時間:5:30~22:00
- 定休日:なし
- 支払い:現金、クレジットカード、電子マネー、Suicaなど
- 取扱数:約150種類
特に新幹線に乗る前は、先に乗車ホームへ向かってしまうと戻るのが面倒になります。「駅弁屋 祭」は改札内中央通路にあるため、駅に着いた段階で弁当を選んでからホームへ向かうと動きやすくなります。
駅弁は「食べる瞬間」ではなく数時間後から逆算して作られている
駅弁のおいしさを知るうえで一番面白いのは、料理人が完成直後だけを見ていないことです。
飲食店なら、厨房で完成した料理を数分後に客が食べます。一方、駅弁は工場から駅へ配送され、売り場に並び、購入され、列車内で開けられるまで時間があります。
だからこそ、過熱水蒸気による保水、冷却、季節ごとの水分量や火加減の調整など、時間が経過した後の味から逆算した製造が必要になります。
電子レンジがなくても、そのままおいしく食べられる。
当たり前のように感じる駅弁の特徴は、実は巨大工場の設備と細かな調整によって成り立っています。
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