治験の仕事から「アスリート×腸内細菌」の世界へ進んだ上田麻実さん
2026年9月7日放送の日本テレビ『Switch-背中を押してくれたあの人-』に登場するのは、腸内細菌を研究するAuB株式会社で働く上田麻実さんです。
上田さんは以前、新薬開発に関わる治験の仕事をしていました。そこから、元サッカー日本代表の鈴木啓太さんが立ち上げたAuBへ転身。現在は研究者として実験だけを担当するのではなく、広報・PRやアスリートサポートなど、人と研究をつなぐ仕事をしています。
しかも、この転職は一般的な求人応募から始まったものではありません。幼い頃からの浦和レッズへの思い、医療・ヘルスケア分野で積んだ経験、自分自身が腸内環境に興味を持ったこと。そして鈴木啓太さんとの偶然の出会いが、ひとつにつながって実現したキャリアチェンジでした。
この記事でわかること
- 上田麻実さんがAuBへ転職するまでの経歴
- 治験の仕事から腸内細菌に興味を持った理由
- 鈴木啓太さんとの出会いとAuB入社までの経緯
- 現在担当している広報・PR、アスリートサポートの仕事内容
上田麻実さんはAuBで広報・アスリートサポートを担当
上田麻実さんは、元サッカー日本代表の鈴木啓太さんが代表を務めるAuB株式会社のメンバーです。
AuB公式の採用ページでは、上田さんは現在「マーケティング本部 PR アスリートサポート」と紹介されています。つまり、腸内細菌そのものを研究室で解析する研究職というより、研究成果や会社の取り組みを外部へ伝えたり、研究に協力するアスリートとの間をつないだりする立場です。
もともと上田さんはスポーツと縁の深い生活を送ってきました。
埼玉県の浦和で育ち、両親の影響で子どもの頃から浦和レッズの大ファン。試合の日には、学校が終わると両親が迎えに来て、そのままスタジアムへ向かうほどだったといいます。
中学生時代にはバドミントン部に所属し、県大会にも出場。チームではベスト4、個人戦でも上位に入った経験が紹介されています。スポーツを見るだけではなく、自分自身も競技に打ち込んできました。
そして幼い頃から「スポーツ選手に関わる仕事がしたい」という思いを持っていました。
後にAuBへ入ることを考えると、この子どもの頃からの夢がかなり重要な伏線になっています。
大学では臨床検査技師の資格を取得
上田さんは大学で、臨床検査技師の資格取得を目指して学んでいました。
臨床検査技師は、血液や尿などの検体を調べたり、心電図や超音波などの検査に携わったりする医療系の国家資格です。
大学時代には微生物に触れる機会もあり、その後の腸内細菌への関心につながる土台をすでに持っていました。
卒業後は、そのままスポーツ業界へ進んだわけではありません。
上田さんが選んだのは、新しい薬の開発に関わる「治験」の世界でした。
番組では「治験参加者管理業務から腸内細菌研究企業へ」と紹介されていますが、本人のインタビューによると、AuB入社以前は新薬開発に関する治験の仕事に携わり、特にうつ病やがんの薬を担当することが多かったそうです。
一見すると、スポーツとは離れた道に進んだようにも見えます。
ところが、この治験の仕事が後の転職にしっかりつながっていきます。
治験の仕事をしながら腸内細菌に興味を持つ
上田さんが腸内細菌に興味を持つようになったきっかけのひとつが、仕事の中で目にした医療情報でした。
うつ病やがんに関する薬を担当する中で、病気と腸内細菌との関係を扱うテーマを見かける機会が増えたといいます。
さらに、自分自身も便秘がちだったことから、
「腸内環境を整えることで体調はどれだけ変わるのだろう」
と興味を持ち、自分で調べ始めました。
ここが上田さんのキャリアを考えるうえで面白いところです。
「スポーツ選手に関わりたい」という昔からの夢と、「医療・ヘルスケア」という実際に経験してきた仕事は、当初は別々のものだったはずです。
そこへ「腸内細菌」という新しいテーマが加わりました。
そして、この3つを一気につなげる人物が現れます。
元浦和レッズの鈴木啓太さんでした。
鈴木啓太さんのAuB創業を知り「絶対ここに入りたい」
鈴木啓太さんは2015年シーズンを最後に現役を引退し、同年にAuB株式会社を設立しました。
AuBは現在、コンディショニングサポート事業、バイオマーカー開発事業、腸内細菌関連製品開発事業などを手掛けています。所在地は東京都中央区銀座、代表取締役は鈴木啓太さんです。
上田さんは、鈴木さんが引退後にアスリートの腸内細菌を研究する会社を立ち上げることを知りました。
その瞬間、
「スポーツ選手に関わる仕事がしたい」
「ヘルスケア分野で働いてきた」
「腸内細菌に興味を持っている」
という、それまで別々だった経験や興味がひとつにつながったそうです。
本人はこの感覚を「やりたかったこととやってきたことが全部繋がった」と表現しています。
そこで上田さんはAuBへの入社を考えます。
ただし、当時はホームページに求人募集も問い合わせ窓口もなかったといいます。
普通なら、ここで諦めてしまっても不思議ではありません。
上田さんは違いました。
Instagramで鈴木啓太さんへ直接DMを送っていた
上田さんが選んだ方法は、鈴木啓太さんのInstagramへ直接メッセージを送ることでした。
自己紹介や「機会があれば声をかけてほしい」という内容を長文で何度か送ったものの、返信はなかったそうです。
ここまでなら、「有名人にDMを送ったものの返事が来なかった」で終わる話です。
ところが、その後に偶然が起こります。
当時勤めていた会社の社長が、鈴木啓太さんと食事をすることになりました。
上田さんが大の浦和レッズ好きであることは会社でも知られていたため、社長から「一緒に来るか」と誘われます。
そして食事の席で社長が席を外したタイミングに、上田さんは鈴木さん本人へ、自分がAuBに入りたいと思ってDMを送っていたことを直接伝えました。
そこから連絡を取り合うようになり、しばらくしてAuBへの入社が実現しました。
社内では冗談交じりに「ストーカー入社」と呼ばれたそうですが、実際には「入りたい会社に募集がないなら、自分から接点をつくる」というかなり行動力のある転職です。
『Switch-背中を押してくれたあの人-』で描かれる「スイッチ」を考えるうえでも、この出会いは大きなポイントになりそうです。
前職の社長が結果的にキャリアをつないだ人物になった
上田さんの転職エピソードで見逃せないのが、前職の会社との関係です。
AuBへ行くために前の会社を否定したわけではありません。
むしろ、治験の仕事で医療やヘルスケアについて経験を積んだからこそ腸内細菌へ関心を持ち、その会社の社長が鈴木啓太さんとの食事に誘ってくれたことで、直接話す機会まで生まれました。
さらに鈴木さん自身も、AuBを立ち上げる際にさまざまなヘルスケア企業へ話を聞きに行っており、その訪問先のひとつが上田さんの前職の会社だったそうです。
転職というと「それまでの仕事を捨てて新しい道へ進む」というイメージがあります。
しかし上田さんの場合は逆で、それまで経験してきたことが積み重なった結果としてAuBへたどり着いています。
この点が、キャリアチェンジをテーマにする『Switch』ともよく合っています。
現在はアスリートと研究チームをつなぐ役割
AuBに入社した上田さんが担ってきた仕事のひとつが、アスリートサポートです。
研究に協力する選手とコミュニケーションを取り、
「どうすれば選手が相談しやすいか」
「どうすれば気持ちよく研究へ協力してもらえるか」
「協力してくれた選手に何を返せるか」
といったことを考えてきました。
AuB創業初期には、研究に協力してくれた選手のもとへ実際に出向き、腸内細菌の検査結果を説明して、その選手が感じている体調やコンディションと照らし合わせる作業も行っていたそうです。
これが単なる「データ収集」で終わっていないのがポイントです。
選手との会話から、「プロテインを飲んでも筋肉がつきにくい」「乳酸菌と一緒に摂ると調子がいい」といった声が出てくることもあり、それが研究や商品開発のヒントになるケースもありました。
数字だけでは分からない部分を、人との会話によって拾う。
上田さんの仕事は、研究者とアスリートをつなぐ橋渡しに近い役割ともいえます。
広報・PRでも会社と外部をつないでいる
上田さんはアスリートサポートだけでなく、広報・PRも担当しています。
取材依頼の内容を確認し、どのような話ができるのかを社内で整理したり、鈴木啓太さんの取材に同行したりする仕事です。
会社の研究、商品、鈴木さん自身について理解していなければ、正確な情報を外へ伝えることはできません。
そのため上田さんは、仕事をするうえで「社内コミュニケーション」を特に大切にしていると話しています。
研究に協力するアスリートとは研究チームをつなぎ、広報ではAuBとメディアをつなぐ。
上田さんのキャリアを見ていくと、一貫して「人と人をつなぐ仕事」をしていることが分かります。
AuBはアスリートの腸内細菌研究から広がった会社
AuBは2015年10月に設立された企業です。
現在の公式会社概要では、
- コンディショニングサポート事業
- バイオマーカー開発事業
- 腸内細菌関連製品開発事業
を事業内容として掲げています。
同社の特徴は、アスリートの腸内細菌研究を出発点にしていることです。
研究で得られた知見をもとに、菌を摂る、菌を育てる、菌を守るという考え方を取り入れた腸活関連商品なども展開しています。
そのため上田さんにとっては、「スポーツ」と「ヘルスケア」のどちらかを選ぶのではなく、両方を仕事にできる会社だったわけです。
上田麻実さんが目指すのは「お醤油のようなAuB」
上田さんは以前のインタビューで、将来の夢について印象的な話をしています。
目指しているのは、AuBの商品やサービスが「お醤油のような存在」になること。
これは醤油そのものを作りたいという意味ではありません。
健康に強い関心を持っている人だけが特別に利用するものではなく、家庭に醤油が置いてあるように、腸を整える商品やサービスが日常生活へ自然に溶け込んでほしいという考えです。
転職時には「スポーツ選手に関わりたい」という個人的な夢から始まった上田さんですが、現在はその先にある「多くの人の健康を支える仕事」にまで視野が広がっていることが分かります。
実用情報|上田麻実さんが勤務するAuB株式会社
2026年9月時点で確認できるAuB公式情報は次の通りです。
会社名:AuB株式会社
代表取締役:鈴木啓太
所在地:東京都中央区銀座7丁目13番6号 サガミビル2階
設立:2015年10月
主な事業:コンディショニングサポート、バイオマーカー開発、腸内細菌関連製品開発
上田麻実さんの所属:マーケティング本部
担当:PR、アスリートサポート
番組を見て「上田さんは研究者なのかな」と感じた人もいるかもしれませんが、現在の公式プロフィールでは、研究データを生み出す研究職というより、その研究をアスリートや社会につなげていくポジションとして紹介されています。
まとめ
『Switch-背中を押してくれたあの人-』に出演する上田麻実さんは、新薬開発に関わる治験の仕事から、腸内細菌を研究するAuB株式会社へキャリアチェンジした人物です。
大学では臨床検査技師の資格取得を目指して学び、前職ではうつ病やがんの薬に関する治験業務を経験。その中で腸内細菌へ興味を持つようになりました。
一方で、子どもの頃から浦和レッズが大好きで、「スポーツ選手に関わる仕事がしたい」という夢も持ち続けていました。
そこへ現れたのが、浦和レッズで長く活躍した鈴木啓太さんが立ち上げたAuBでした。
募集がない状態でもInstagramから直接アプローチし、さらに前職の社長がつくってくれた偶然の出会いを逃さず、自分から入社したい思いを伝えた上田さん。
現在は広報・PRやアスリートサポートを担当し、選手の声と研究をつなぐ役割を担っています。
上田さんの転職は、まったく違う仕事へ突然飛び込んだというより、「スポーツが好き」「ヘルスケアの経験がある」「腸内細菌に興味がある」という、それまで積み重ねてきたものがひとつにつながったキャリアチェンジでした。
参考リンク
日本テレビ「Switch-背中を押してくれたあの人-」公式サイト
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