空き家を売らずに再生する「アキサポ」の仕組み
2026年9月14日放送の『よじごじDays』では、全国で増え続ける空き家をテーマに、売れない家や使われていない家をどう活用するのか、その解決策が紹介されます。
なかでも注目されるのが「リノベーション0円サポート」。このサービスは、株式会社ジェクトワンが運営する「アキサポ」です。同社は今回の放送で、サービスの仕組みや「ヤナカアパートメント」などの物件が紹介されることを公式に発表しています。
この記事でわかること
- アキサポで空き家を0円リノベーションできる仕組み
- 本当に所有者の負担が0円になるのか
- 利用できる地域や契約期間などの条件
- ヤナカアパートメントがどのように再生されたのか
アキサポの「0円リノベーション」はなぜ可能なのか
公式動画:アキサポ「自己負担なし!? 築年数の古い家を無料でリノベーション」
アキサポは、所有者から一定期間空き家を借り受け、必要なリノベーションを行ったうえで、住宅や店舗などとして第三者へ貸し出す仕組みです。
ポイントは、単純に工事費を無料にするサービスではないこと。
所有者とアキサポが7〜12年程度の定期賃貸借契約を結び、アキサポ側が改修した物件を転貸します。その賃料収入などから工事費を回収するため、条件が合えば所有者が大きな初期費用を用意しなくても空き家を再生できます。
流れを簡単に整理すると、
- 所有者が空き家について相談
- アキサポが建物と周辺環境を調査
- どのように活用できるかを検討
- 所有者と定期賃貸借契約を締結
- アキサポがリノベーション
- 入居者や店舗などの利用者を募集
- 契約期間中はアキサポが運用・管理
- 契約終了後、改修された建物が所有者へ戻る
という形です。
「古くなって貸せない。しかし壊したり全面改修したりする資金もない」という空き家に、別の選択肢を作るサービスといえます。
必ず0円になるわけではない点には注意
「0円リノベーション」という言葉から、どんな空き家でも無料で新品同様にしてもらえるように感じますが、ここは注意が必要です。
アキサポ公式サイトでは、工事費をアキサポが全額負担するプランも可能としていますが、「物件条件・契約内容によって異なる」と明記されています。
所有者側の工事費負担を0%にした場合には、アキサポが改修費を負担する代わりに、所有者へのリターンは小さくなる仕組みです。
反対に、所有者が改修費の一部または全部を負担すれば、その分、大きなリターンを設定する方法も用意されています。
つまり、
「工事費0円」という単独のサービスではなく、改修費と将来受け取る賃料のバランスを調整する空き家活用サービス
と考えたほうが分かりやすいでしょう。
空き家を貸している間にも賃料を受け取れる
空き家をアキサポに預けると、単に建物がきれいになるだけではありません。
公式サイトでは、空室リスクについても、契約条件に基づき空室時も固定賃料を毎月支払う仕組みを案内しています。
所有者としては、
- 使用していなかった建物を再生できる
- 入居者募集を任せられる
- 建物管理を任せられる
- 賃料を受け取れる
- 契約満了後には再生された建物が戻る
というメリットがあります。
一方、アキサポ側には一定期間物件を運用し、転貸によって事業収入を得るメリットがあります。
双方のメリットが成立する物件だからこそ、所有者の初期負担を抑えたリノベーションが可能になるわけです。
どんな空き家でも引き受けてもらえるわけではない
もう一つ重要なのが、物件そのものの条件です。
空き家なら無条件で利用できるわけではなく、現地調査や周辺調査を行い、賃貸住宅・店舗・民泊・シェアハウスなどとして活用できるかを判断します。
現在、アキサポの空き家活用サービスの対象地域として公式に案内されているのは、
- 東京都
- 神奈川県
- 千葉県
- 埼玉県
- 大阪府
- 兵庫県
- 京都府
です。
一都三県では渋谷駅から公共交通機関で90分圏内、関西では大阪市・京都市・神戸市の一部が目安とされています。
なお、空き家の「買取」については全国対応です。
家の傷み具合だけでなく、立地や周囲の需要、その建物を何に転用できるのかまで含めて判断されるため、「古いから無理」「きれいだから利用できる」と一概には決まりません。
築50年以上のアパートが「ヤナカアパートメント」に再生
今回の『よじごじDays』で紹介されることが公式発表されている物件の一つが、東京都台東区谷中のヤナカアパートメントです。
もともとは築50年以上のアパートでした。
入居者が年々減少し、建物も老朽化。新たな入居者を募集できない状態となり、最後の住人が退去してから約1年間、空き家になっていました。
しかし所有者には、相続した土地を単純に売却するのではなく、有効に使いたいという意向がありました。
そこでアキサポが周辺を調査。
物件は、
- JR・京成「日暮里駅」から徒歩6分
- 東京メトロ「千駄木駅」から徒歩9分
- 谷中・根津・千駄木の「谷根千」エリア
- 観光客が訪れる地域
- 住宅需要も見込める立地
という特徴がありました。
この立地を生かし、単なる古いアパートへ戻すのではなく、シェアハウス・飲食店などの店舗・貸しギャラリーを組み合わせた複合施設として再生されました。
「元の使い方に戻さない」ことが空き家再生のポイント
ヤナカアパートメントの事例で興味深いのは、古いアパートを修理して、再び普通のアパートとして貸したわけではない点です。
建物が古くなれば、昔と同じ使い方では需要がなくなっている場合があります。
そこで、
「この地域には今、何が必要なのか」
から逆算して使い方そのものを変更しています。
アキサポの事例には、住宅だけでなく、店舗、シェアハウス、民泊、事務所などへの転用もあります。
空き家問題というと「売るか、壊すか」の2択になりがちですが、建物を残したまま用途を変えるという第3の選択肢があることが分かります。
アキサポへ相談するときの条件と流れ
実際に空き家を所有している場合、まず無料相談から始まります。
基本的な流れは、
- 問い合わせ
- ヒアリング
- 現地・周辺調査
- 活用方法の提案
- 申し込み
- 契約
- 賃料支払い開始
となっています。
また、所有者側ですべての手続きを任せられるわけではありません。
相続登記などの相続手続きや関係者との調整、家の中に残っている所有物の整理・撤去など、所有者自身の対応が必要になる部分もあります。
「家を相続したものの誰も住んでいない」「売ることには抵抗がある」「改修費を出すのが難しい」という場合には、相談先の一つになりそうです。
空き家900万戸時代に「貸して再生する」という選択肢
番組概要にある「全国約900万戸」という数字は、空き家問題が一部の地方だけの話ではないことを示しています。
特に厄介なのは、まだ使えそうな建物であっても、相続や改修費、管理の問題によって動かせなくなるケースです。
アキサポの仕組みは、そうした家を所有者がすべて自費でリフォームするのではなく、不動産事業者が一定期間借り受けて再生・運用する方法です。
そしてヤナカアパートメントのように、地域に合わせて建物の役割そのものを変えることができれば、1軒の空き家対策から街のにぎわいづくりへつながる可能性もあります。
まとめ
『よじごじDays』で紹介される「リノベーション0円サポート」は、株式会社ジェクトワンが運営するアキサポです。
最大の特徴は、空き家所有者から一定期間建物を借り受け、アキサポがリノベーションから利用者募集、管理まで行うこと。
条件が合えば所有者の工事費負担0円で再生するプランも可能ですが、すべての物件が必ず0円になるわけではありません。
また、今回紹介されるヤナカアパートメントは、築50年以上の古いアパートを、シェアハウスや店舗、貸しギャラリーを備えた複合施設へ再生した実例です。
「売却する」「自費で直す」「解体する」だけではなく、建物を事業者に貸し、用途を変えて再び使える場所にする。増え続ける空き家の新しい活用方法として注目したい仕組みです。
参考リンク
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