78歳で今も勝ち続ける別所キミヱ、別府旅で異世代の西村健太と出会う
2026年9月15日放送のNHK Eテレ『はじめましての2人旅』では、車いす卓球のレジェンド・別所キミヱさんと、変身メイク動画で活動するインフルエンサー・西村健太さんが、大分県別府市を2泊3日で旅します。
50歳もの年齢差がある2人ですが、注目したいのは別所さんが単に「かつて活躍した名選手」ではないことです。1947年生まれの78歳でありながら、放送直前の2026年9月に行われた全日本パラ卓球選手権で、実際に女子シングルス優勝を果たしています。まさに現在進行形のトップ選手です。
この記事でわかること
- 別所キミヱさんが78歳で全日本パラ卓球を制した現在の活躍
- 43歳で車いす生活となってから卓球と出会った経緯
- パラリンピック4大会に出場するまでの歩み
- 『はじめましての2人旅』で西村健太さんと旅をする意味
別所キミヱは78歳で2026年全日本パラ卓球選手権を優勝
出典:バタフライ公式「別所キミヱ|Madam Butterfly」
今回の番組を見るうえで、まず押さえておきたいのが別所キミヱさんは78歳の今も本当に勝っているという事実です。
2026年9月7日から9日に東京・ひがしんアリーナで開催された「第18回全日本パラ卓球選手権大会(肢体の部)」では、車いす女子シングルス・クラス5で別所さんが優勝しました。
さらに混合ダブルスの合計10以下でも、中村亮太選手とのペアで2位に入っています。『はじめましての2人旅』の放送は9月15日ですから、全国タイトルを獲得してからわずか6日後の放送というタイミングになります。
別所さんの生年月日は1947年12月8日。2026年9月時点では78歳です。バタフライの選手プロフィールでも、右シェーク攻撃型の車いすクラス5選手として紹介されています。
つまり今回登場する「78歳のレジェンド」という表現は、過去の実績を振り返っているだけではありません。
現在も全国大会の頂点に立つ、文字どおりの現役トップアスリートです。
43歳で両脚の神経を失い、卓球との出会いが人生を変えた
別所キミヱさんの卓球人生は、子どもの頃からエリート選手として歩んできたものではありません。
バタフライの公式特集によると、別所さんは仙骨巨細胞腫を患い、43歳で両脚の神経を失いました。その後、障害者の支援施設で卓球と出会い、わずか1年後には自らチームを結成するほど夢中になっていきます。
人生の途中から車いす生活となり、そこから新しい競技を始めたことになります。
卓球を始めた時点ですでに40代。それでも国内トップへ進み、やがて世界の舞台へたどり着きました。
現在78歳であることだけでも驚かされますが、別所さんの経歴をたどると、競技人生そのもののスタートが一般的なアスリートよりはるかに遅かったことが分かります。
その遅いスタートが、後のパラリンピック4大会出場につながっていきました。
56歳で初のパラリンピック、その後4大会連続出場
別所さんが初めてパラリンピックに出場したのは、2004年のアテネ大会です。
その後も、
- 2004年 アテネパラリンピック
- 2008年 北京パラリンピック
- 2012年 ロンドンパラリンピック
- 2016年 リオデジャネイロパラリンピック
と、4大会連続で日本代表となりました。北京、ロンドン、リオではいずれも5位という成績を残しています。
日本郵政による支援紹介でも、2004年から2016年まで4大会連続でパラリンピックに出場した選手として紹介されています。
別所さんはかつて郵便局に勤務しており、その縁から日本郵政による競技支援が始まったという経緯もあります。
世界で「マダムバタフライ」の愛称を持つのも別所さんの特徴です。
試合では蝶をあしらった髪飾りを身につけることで知られ、卓球用具や車いすだけでなくファッションにも強いこだわりがあります。
競技を続けることと自分らしく装うことを切り離さず、それ自体をモチベーションにつなげてきた選手です。
70代になっても「過去の選手」にならなかった
パラリンピックに4大会出場した時点で競技人生に一区切りをつけても、不思議ではありません。
しかし別所さんは、その後もラケットを置きませんでした。
2022年にはパラ卓球タイオープンの混合ダブルスで優勝。2023年の第15回全日本パラ卓球選手権でも女子シングルス・クラス5を制しています。さらに2025年の第17回全日本パラ卓球選手権でも同クラスで優勝しました。
そして2026年9月、78歳で再び全日本パラ卓球選手権の女子シングルスを制覇しました。
長く続けているだけではなく、結果を残し続けているところに別所さんのすごさがあります。
また2025年には、自身が主催する「別所卓球道場」も開催。全国から車いす卓球選手が集まり、練習や試合を通じて競技力を高める場を作っています。自分が試合に出るだけでなく、次の世代へ競技を伝える役割も担うようになっています。
「慌てず、焦らず、あきらめず」が別所キミヱを支えてきた
別所さんが大切にしている言葉として紹介されているのが、
「慌てず、焦らず、あきらめず」
です。
40代で車いす生活となったことだけでなく、その後の競技生活でもけがなどに見舞われています。
それでも、バタフライの特集では「1%でも可能性がある限り」挑戦を続ける姿勢が紹介されています。
過去には退院からわずかな練習期間で全日本パラ卓球選手権へ臨み、優勝したこともありました。
一年を通して卓球のことを考え、技術だけでなく体づくりや用具についても専門家の意見を取り入れ続けているといいます。
78歳で全日本タイトルを獲得できる背景には、単純な精神論ではなく、長年積み重ねてきた練習と改善があります。
西村健太との50歳差の別府旅が今回のポイント
『はじめましての2人旅』で別所キミヱさんと旅をするのが、インフルエンサーの西村健太さんです。
番組では、西村さんについて、ウィッグとメイクを駆使した「変身動画」で人気を集めている人物と紹介されています。
28歳の西村さんと78歳の別所さん。その年齢差は50歳です。
2人は出会ったその日から、大分県別府市で2泊3日の旅をします。
番組紹介では、西村さんが仕事の将来性について不安を抱えており、人生の先輩である別所さんから何を学ぶのかが大きなテーマとして示されています。一方で、別所さん自身も若い西村さんから刺激を受けていく構成です。
ここで別所さんの経歴が効いてきます。
別所さん自身も、若い頃から一直線に現在の職業を歩いてきた人物ではありません。
40代で人生が大きく変わり、その後に卓球と出会い、50代になってから初めてパラリンピックへ出場しました。
「この先、自分はどうなるのだろう」と考える20代の西村さんに対して、人生の途中からまったく新しい世界へ進み、78歳になっても挑戦を続けている別所さんが旅の相手になる。
今回の「年の差50歳」という組み合わせには、そんな対照があります。
別所キミヱのプロフィールと現在
別所キミヱさんの主なプロフィールを整理すると、
- 名前:別所キミヱ
- 生年月日:1947年12月8日
- 出身:広島県
- 競技:パラ卓球
- クラス:車いす・クラス5
- 戦型:右シェーク攻撃型
- パラリンピック出場:アテネ、北京、ロンドン、リオの4大会
- 愛称:マダムバタフライ
- 2025年:全日本パラ卓球選手権女子シングルス・クラス5優勝
- 2026年:第18回全日本パラ卓球選手権女子シングルス・クラス5優勝
となります。
2026年現在は、日本肢体不自由者卓球協会のアスリート委員会にも名を連ねています。競技者としてだけではなく、パラ卓球界そのものに関わり続けている存在です。
まとめ
NHK Eテレ『はじめましての2人旅』に登場する別所キミヱさんは、パラリンピック4大会出場という実績を持つだけの「元レジェンド」ではありません。
78歳となった2026年9月にも全日本パラ卓球選手権を制した現役の日本一です。
43歳で車いす生活となった後に卓球と出会い、56歳で初めてパラリンピックへ。その後4大会に出場し、70代になってからも国内外の大会で戦い続けてきました。
今回の別府旅では、仕事の将来に不安を抱える西村健太さんと50歳差のコンビを組みます。
人生の途中から新しい道を切り開き、78歳になった今も挑戦をやめない別所さんだからこそ、西村さんとの旅で交わされる言葉にも注目したい回です。
参考リンク
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