山を持つだけで収入が生まれる「山投資」の仕組み
2026年9月15日放送のテレビ東京『世の中お金で見てみよう』では、「投資をする人をお金で見てみよう!」をテーマに、全国に数百の山を所有する30代男性の投資法が紹介されます。
注目されるのは、山そのものを転売して利益を出す方法ではありません。所有する山に電柱や送電線、鉄塔などがあることで、電力会社から敷地料や補償料を受け取るという、一風変わった仕組みです。
実際に過去のテレビ東京では、1円で山を購入し、電柱などを収入につなげてきた「山王」と呼ばれる投資家・永野彰一さんの事例も紹介されています。今回の番組予告にある人物像とは多くの特徴が一致しますが、9月15日放送回の公式情報では男性の実名は公表されていないため、同一人物とは断定できません。
この記事でわかること
- 山にある電柱・送電線から収入が発生する仕組み
- 実際に1円で山が売買された事例
- 山を所有した場合にかかる固定資産税
- 格安の山を買う前に確認したい届出やリスク
山の電柱や送電線からお金が入る仕組み
山投資で最も特徴的なのが、土地の上にある電柱・鉄塔・送電線です。
私有地に電柱などの電力設備を置く場合、電力会社は土地所有者の承諾を得て土地を使用します。東京電力パワーグリッドにも「電柱敷地料」の支払いに関する手続きが用意されており、私有地にある電柱が土地所有者にとって収入につながる仕組み自体は実際に存在します。
2022年にテレビ東京が紹介した永野彰一さんのケースでは、山にある電柱について、場所によって金額は異なるものの、道沿いなら1本あたり年間1,500円という例が紹介されました。
100本あれば年間15万円になる計算です。
さらに送電用の鉄塔や送電線が通っている土地では、単純な電柱敷地料だけではなく、土地の利用制限などに対応する借地料や線下補償料が発生するケースがあります。
番組予告でも、
- 送電線がある山:年間数万円~十数万円
- 電柱がある山:年間数百円単位
の収入になるとされています。
つまり山投資では、「山がいくらで売れるか」だけではなく、その土地にどんな設備が存在しているかが重要になります。
1円で山を買った実例もある
「山を買う」と聞くと、数百万円、数千万円という金額を想像します。
ところが、山林の中には所有者が維持や相続に困り、極端に安い価格で手放そうとする土地があります。
テレビ東京が2022年に紹介した永野彰一さんは、三重県津市にある約100坪の山を1円で購入していました。
また、MBSの取材では京都府南丹市で売値1円の山を調査する様子も紹介されています。その土地は約30年前には280万円で取得されたものの、所有者が処分を優先したため1円で売り出されていました。
永野さんが山投資を始めたきっかけは2017年。
新潟県で戸建てを購入しようとした際、不動産会社から「山も一緒に引き取るなら家を安くする」という話を持ちかけられました。結果として戸建てと山を20万円で取得し、その後、山にある設備から収入が生まれる可能性に気づいたとされています。
山が安いのは、必ずしも「お買い得だから」ではありません。
売却しにくい、管理しにくい、相続したくないといった理由から、所有すること自体が負担になっている山も存在します。
そこに収益を生む設備があるかどうかを見極めることが、山投資のポイントになります。
4万4,000円で買った山から年間約10万円という事例
さらに印象的なのが福島県猪苗代町の事例です。
永野さんが所有していた山には送電用の鉄塔と、数百メートルにわたる送電線があり、借地料や線下補償料などとして年間約10万円が支払われていました。
その山の購入価格は4万4,000円だったと紹介されています。
単純計算すれば、購入金額より年間の受取額の方が大きいことになります。
ただし、すべての山に同じ条件が当てはまるわけではありません。送電設備の種類、契約内容、土地の面積や利用状況などによって条件は変わります。
「送電線が見えるから毎年10万円もらえる」という単純な仕組みではない点には注意が必要です。
山の固定資産税は必ずかかるわけではない
格安の山を大量に所有すると気になるのが固定資産税です。
固定資産税には「免税点」があります。
例えば名古屋市では、同一区内で同一人物が所有する土地の課税標準額の合計が30万円未満であれば、固定資産税は課税されません。これは「購入価格が30万円未満なら非課税」という意味ではなく、あくまで自治体が算定する課税標準額で判断されます。
テレビ東京が紹介した永野さんの投資法でも、この免税点を意識して安価な土地を増やす考え方が紹介されていました。
一方で、電柱敷地料や土地を貸したことによる地代などの収入があれば、税務上の所得に関係してきます。
国税庁は土地などの貸し付けによる地代・賃貸料について、原則として不動産所得の総収入金額に算入するとしています。
そのため、
- 山の固定資産税
- 登記など取得時の費用
- 山から得た収入に対する所得税
- 管理や整備にかかる費用
まで含めて考える必要があります。
山を買ったら90日以内の届出が必要になる場合がある
価格が1円だったとしても、山は正式な不動産です。
森林法では、地域森林計画の対象となる森林の土地を売買や相続などで取得した場合、原則として所有者となった日から90日以内に市町村長へ届け出る必要があります。
面積による最低基準はなく、小さな森林でも対象になる可能性があります。
2026年4月からは届出様式も改正され、所有者の国籍などの記載事項が追加されています。
さらに森林を取得したあとに立木を伐採する場合や、大規模な林地開発を行う場合には、別の届出や許可が必要になる場合があります。
「安いから買って終わり」という土地ではありません。
収益より先に確認したい山投資のリスク
山投資には、電柱収入だけでは判断できないリスクがあります。
特に注意したいのが、
- 土砂崩れ
- 倒木
- 境界が不明確
- 車で土地まで入れない
- 電柱が実際には隣接地に立っている
- 送電線は通っていても契約上の収入がない
- 森林管理や伐採が必要になる
といった問題です。
過去のテレビ東京の取材でも、永野さん自身が大木の位置や民家の有無など、購入前の現地調査が欠かせないと説明しています。
特に電柱は、地図上や現地で見えていても、自分が購入する筆の中に立っているとは限りません。
過去の取材では、永野さんが電柱を期待して1円の土地を調査したものの、実際には電柱が購入予定地の外側にあり、収入にならなかったケースもありました。
格安物件ほど、購入価格以外の部分を確認することが重要になります。
今回の30代男性は永野彰一さんなのか
今回の『世の中お金で見てみよう』の予告に登場する男性には、
- 30代
- 年間数億円を稼ぐ
- 全国に数百の山を所有
- 電柱や送電線から収入を得る
という特徴があります。
テレビ東京は過去に、永野彰一さんを「年間数億円を稼ぐ“山王”」として紹介し、全国に約1,000の山を所有していたことや、電柱などによる収入を取り上げています。
そのため人物像は非常によく一致します。
ただし、2026年9月15日放送回の番組公式情報では山投資をする男性の氏名は公表されていません。したがって、現時点では「永野彰一さんが今回出演する」と断定せず、別の事実として捉えるのが適切です。
まとめ
『世の中お金で見てみよう』で紹介される山投資のポイントは、山林そのものを高く売ることではなく、山の中に眠っている収益源を見つけることにあります。
電柱なら小さな敷地料でも、多数の山に積み重なれば一定の収入になります。さらに鉄塔や送電線がある土地では、契約内容によって借地料や線下補償料が発生するケースもあります。
過去には1円で購入された山や、4万4,000円で購入して年間約10万円の収入につながった事例もありました。
一方、森林の所有には届出や管理責任が伴います。購入価格だけを見れば驚くほど安くても、境界、災害リスク、電力設備の位置、固定資産税、登記などを確認した上で判断することが欠かせません。
9月15日の番組では、「山はいくらで手に入れているのか」「税金はどうなるのか」という部分まで掘り下げられる予定です。山を「自然」ではなく「不動産」として見ると、まったく違った価値が見えてくる企画になりそうです。
参考リンク
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